トップ
>
過去
>
くわこ
ふりがな文庫
“
過去
(
くわこ
)” の例文
彼女
(
かのぢよ
)
は、
片山
(
かたやま
)
一人
(
ひとり
)
を
得
(
う
)
る
爲
(
ため
)
には、
過去
(
くわこ
)
の一
切
(
さい
)
を
棄
(
す
)
てた。
肉親
(
にくしん
)
とも
絶
(
た
)
たなければならなかつた。もつとも、
母親
(
はゝおや
)
は
實母
(
じつぼ
)
ではなかつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
彼
(
かれ
)
は
寐
(
ね
)
ながら
過去
(
くわこ
)
二三
時間
(
じかん
)
の
經過
(
けいくわ
)
を
考
(
かんが
)
へて、
其
(
その
)
クライマツクスが
突如
(
とつじよ
)
として
如何
(
いか
)
にも
不意
(
ふい
)
に
起
(
おこ
)
つたのを
不思議
(
ふしぎ
)
に
感
(
かん
)
じた。
且
(
かつ
)
悲
(
かな
)
しく
感
(
かん
)
じた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そんな
事
(
こと
)
を、あまり
熱心
(
ねつしん
)
に、そして
感傷的
(
かんしやうてき
)
に
話
(
はな
)
し
合
(
あ
)
つたのちは、
二人
(
ふたり
)
とも
過去
(
くわこ
)
の
山
(
やま
)
や
川
(
かは
)
にその
心
(
こゝろ
)
を
吸
(
す
)
いとられたやうに、ぽかんとしてゐた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
尚
(
な
)
ほ
過去
(
くわこ
)
の
經驗
(
けいけん
)
に
依
(
よ
)
れば、
金解禁
(
きんかいきん
)
の
準備
(
じゆんび
)
をする
場合
(
ばあひ
)
には、
世界
(
せかい
)
何
(
いづ
)
れからも
日本
(
にほん
)
の
圓貨
(
ゑんくわ
)
に
對
(
たい
)
して
思惑投機
(
おもわくとうき
)
が
行
(
おこな
)
はれるのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
况
(
いは
)
んや
若
(
も
)
しも
歐米流
(
おうべいりう
)
に
姓名
(
せいめい
)
を
轉倒
(
てんたふ
)
するときは、こゝに
覿面
(
てきめん
)
に
起
(
おこ
)
る
難問
(
なんもん
)
がある。それは
過去
(
くわこ
)
の
歴史的人物
(
れきしてきじんぶつ
)
を
呼
(
よ
)
ぶ
時
(
とき
)
に
如何
(
いか
)
にするかといふ
事
(
こと
)
である。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
▼ もっと見る
要
(
よう
)
するに、
寫眞
(
しやしん
)
の本
領
(
れう
)
は、
興味
(
けうみ
)
はさういふ
意味
(
いみ
)
の
記録
(
きろく
)
を、いひ
換
(
かへ
)
れば、
過去
(
くわこ
)
を
再現
(
さいげん
)
して、
思
(
おも
)
ひ出の
樂
(
たのし
)
さや
回想
(
くわいそう
)
の懷かしさを
與
(
あた
)
へるところにある。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
『
過去
(
くわこ
)
の
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
すものは、
兩眼
(
りやうがん
)
を
抉
(
くじ
)
つて
了
(
しま
)
ひませう。リユバフキン!』と、
彼
(
かれ
)
は
大聲
(
おほごゑ
)
で
誰
(
たれ
)
かを
呼
(
よ
)
ぶ。
郵便局
(
いうびんきよく
)
の
役員
(
やくゐん
)
も、
來合
(
きあ
)
はしてゐた
人々
(
ひと/″\
)
も、一
齊
(
せい
)
に
吃驚
(
びつくり
)
する。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
蛇
(
へび
)
や
蛙
(
かへる
)
や
其
(
そ
)
の
他
(
た
)
の
蟲類
(
むしるゐ
)
が
假死
(
かし
)
の
状態
(
じやうたい
)
に
在
(
あ
)
る
間
(
あひだ
)
に
彼等
(
かれら
)
は
目前
(
もくぜん
)
に
逼
(
せま
)
つて
居
(
を
)
る
未來
(
みらい
)
の
苦
(
くる
)
しみを
招
(
まね
)
く
爲
(
ため
)
に、
過去
(
くわこ
)
の
苦
(
くる
)
しかつた
記念
(
きねん
)
である
其
(
そ
)
の
缺乏
(
けつばふ
)
した
米
(
こめ
)
や
麥
(
むぎ
)
を
日
(
ひ
)
毎
(
ごと
)
に
消耗
(
せうまう
)
して
行
(
ゆ
)
くのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
御身
(
おんみ
)
は
過去
(
くわこ
)
遠々
(
とほ/″\
)
より女の身であつたが、この
男
(
をとこ
)
(入道)が
娑婆
(
しやば
)
での最後で、
御前
(
おまへ
)
には
善智識
(
ぜんちしき
)
だから、思ひだす度ごとに法華經の
題目
(
だいもく
)
をとなへまゐらせよ。と、二首の歌も書かれてある。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
しかしその
後
(
のち
)
、
彼女
(
かのぢよ
)
は
前
(
まへ
)
にも
増
(
ま
)
して一
層
(
そう
)
謹嚴
(
きんげん
)
な
生活
(
せいくわつ
)
を
送
(
おく
)
つた。
人々
(
ひと/″\
)
は
彼女
(
かのぢよ
)
に
同情
(
どうじやう
)
を
寄
(
よ
)
せて、そして
二人
(
ふたり
)
の
孝行
(
かうかう
)
な
子供
(
こども
)
を
褒
(
ほ
)
め
者
(
もの
)
にした。
誰
(
だれ
)
も
今
(
いま
)
はもう
彼女
(
かのぢよ
)
の
過去
(
くわこ
)
に
就
(
つ
)
いて
語
(
かた
)
るのを
忘
(
わす
)
れた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
私の
過去
(
くわこ
)
の罪科の跡を彼の心から
擦
(
す
)
り消さうと切に願つてゐたのに、その
堅
(
かた
)
い表面に、私は更に新しい、そしてもつとずつと深い
捺印
(
おしいん
)
を押してしまつた。私はそれを
灼
(
や
)
きつけてしまつたのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
東印度会社
(
とういんどくわいしや
)
のしるし今
遺
(
のこ
)
り
過去
(
くわこ
)
のにほひを放ちてきたる
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「
譽
(
ほまれ
)
」は
翼
(
つばさ
)
、
音高
(
おとだか
)
に
埋火
(
うづみび
)
の「
過去
(
くわこ
)
」
煽
(
あふ
)
ぎぬれば
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
下
(
さげ
)
て
貰
(
もら
)
ひ度思は
道理
(
もつとも
)
なり
嘸
(
さぞ
)
其方が心には
殘念
(
ざんねん
)
なる事にあらん是も
所謂
(
いはゆる
)
過去
(
くわこ
)
の約束
事
(
ごと
)
ならんか然共餘り
苛酷
(
むごき
)
仕方
(
しかた
)
ゆゑ其方が
胸中
(
きようちう
)
察
(
さつ
)
し入る尤も嘉川家の事に就て
大分
(
たいぶん
)
入組たる筋あれば
近々
(
きん/\
)
に
評定
(
ひやうぢやう
)
も是有るべしシテ又其方が願ひし時娘の死骸
何
(
なん
)
として渡さばやと尋ねられしかば吉兵衞
涙
(
なみだ
)
に
咽
(
むせ
)
びながら其儀は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
さうして
二人
(
ふたり
)
が
默
(
だま
)
つて
向
(
む
)
き
合
(
あ
)
つてゐると、
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか、
自分達
(
じぶんたち
)
は
自分達
(
じぶんたち
)
の
拵
(
こしら
)
えた
過去
(
くわこ
)
といふ
暗
(
くら
)
い
大
(
おほ
)
きな
窖
(
あな
)
の
中
(
なか
)
に
落
(
お
)
ちてゐる。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
過去
(
くわこ
)
の
人
(
ひと
)
は
姓名
(
せいめい
)
を
順位
(
じゆんゐ
)
にならべ、
現在
(
げんざい
)
の
人
(
ひと
)
は
逆轉
(
ぎやくてん
)
してならべるといふが
如
(
ごと
)
きは
勿論
(
もちろん
)
不合理
(
ふがふり
)
であるばかりでなく、
實際
(
じつさい
)
においてその
取扱
(
とりあつか
)
ひ
方
(
かた
)
に
窮
(
きう
)
することになる。
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
そこには
私
(
わたし
)
及
(
およ
)
び
私
(
わたし
)
の
周圍
(
しうい
)
をなした人
達
(
たち
)
や旅の風
景
(
けい
)
などの
過去
(
くわこ
)
の一
面
(
めん
)
々々が、あざやかに
記録
(
きろく
)
されてゐる。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
金解禁
(
きんかいきん
)
が
出來
(
でき
)
たならば、
經濟界
(
けいざいかい
)
に一
時
(
じ
)
の
景氣
(
けいき
)
が
出
(
で
)
て
來
(
き
)
はしないかと
言
(
い
)
ふ
人
(
ひと
)
があるが、それは
即
(
すなは
)
ち
過去
(
くわこ
)
六
箇月
(
かげつ
)
間
(
かん
)
爲替相場
(
かはせさうば
)
の
上
(
あが
)
る
爲
(
ため
)
に、
從
(
したがつ
)
て
物價
(
ぶつか
)
の
下
(
さが
)
る
爲
(
ため
)
に
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
そして、あのぞろ/\と
歩
(
ある
)
いてゐる
人
(
ひと
)
の
一人一人
(
ひとりひとり
)
の
過去
(
くわこ
)
や
現在
(
げんざい
)
、また
未來
(
みらい
)
のことを
考
(
かんが
)
へたらきつとお
互
(
たがひ
)
になにかのつながりを
持
(
も
)
つてるに
違
(
ちが
)
いないといふやうな
氣
(
き
)
がした。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
『いやもう
過去
(
くわこ
)
は
忘
(
わす
)
れませう。』と、ミハイル、アウエリヤヌヰチは
固
(
かた
)
く
彼
(
かれ
)
の
手
(
て
)
を
握
(
にぎ
)
つて
云
(
い
)
ふた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
追拂
(
おひはら
)
はれ富澤町に若松屋金七と
云者
(
いふもの
)
幸之進と
入魂
(
じゆこん
)
故此者の方へ
引移
(
ひきうつ
)
り世話になりけるが如何なる
過去
(
くわこ
)
の因縁にや漸々小野田が方へ縁付
安堵
(
あんど
)
せしに間もなく又もや思ひの外の
災難
(
さいなん
)
にて再び
流浪
(
るらう
)
の身となり親子涙の
乾
(
かわ
)
く
隙
(
ひま
)
なき所に廿日ばかり
立
(
たつ
)
中
(
うち
)
近所
(
きんじよ
)
より出火と
云程
(
いふほど
)
こそあれ大火となり若松屋金七も
類燒
(
るゐせう
)
しければ是までの如くは
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
佐伯
(
さへき
)
の
事
(
こと
)
をそれなり
放
(
はふ
)
つて
仕舞
(
しま
)
つた。
單
(
たん
)
なる
無心
(
むしん
)
は、
自分
(
じぶん
)
の
過去
(
くわこ
)
に
對
(
たい
)
しても、
叔父
(
をぢ
)
に
向
(
むか
)
つて
云
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
せるものでないと、
宗助
(
そうすけ
)
は
考
(
かんが
)
へてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
併
(
しかし
)
ながら
今日
(
こんにち
)
は
金解禁
(
きんかいきん
)
によつて
爲替相場
(
かはせさいば
)
が
既
(
すで
)
に
頂上
(
ちやうじやう
)
まで
騰貴
(
とうき
)
をしたのであるから、
爲替相場
(
かはせさうば
)
の
騰
(
あが
)
る
爲
(
ため
)
の
經濟界
(
けいざいかい
)
の
不景氣
(
ふけいき
)
は
既
(
すで
)
に
過去
(
くわこ
)
の
事實
(
じじつ
)
になつたと
見
(
み
)
てよろしいのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
『
俺
(
おれ
)
の
用
(
よう
)
の
有
(
あ
)
るのが
見
(
み
)
えんのか。いや
過去
(
くわこ
)
は
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
しますまい。』と
彼
(
かれ
)
は
調子
(
てうし
)
を一
段
(
だん
)
と
柔
(
やさ
)
しくしてアンドレイ、エヒミチに
向
(
むか
)
つて
云
(
い
)
ふ。『さあ
君
(
きみ
)
、
掛
(
か
)
け
給
(
たま
)
へ、さあ
何卒
(
どうか
)
。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
跡
(
あと
)
にして
遙々
(
はる/″\
)
と父の故郷は
熊本
(
くまもと
)
と聞
海山
(
うみやま
)
越
(
こえ
)
て此處迄は參り候へ共
何程
(
いかほど
)
尋ても未だ父の
在所
(
ありか
)
が
知
(
しれ
)
申さず
何成
(
いかなる
)
過去
(
くわこ
)
の
惡縁
(
あくえん
)
にて斯は兩親に
縁
(
えん
)
薄
(
うす
)
く
孤子
(
みなしご
)
とは成候かと
潸然々々
(
さめ/″\
)
と
泣沈
(
なきしづ
)
めば
餠屋
(
もちや
)
の亭主も
貰
(
もら
)
ひ
泣
(
なき
)
し
偖々
(
さて/\
)
幼少
(
えうせう
)
にて氣の毒な
不仕合
(
ふしあはせ
)
者かなと
頻
(
しきり
)
に
不便
(
ふびん
)
彌増
(
いやまし
)
偖
(
さて
)
云やう其方の父は熊本と
計
(
ばか
)
りでは當所も
廣
(
ひろ
)
き
城下
(
じやうか
)
なれば分るまじ父の名は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
“過去”の意味
《名詞》
過去(かこ)
過ぎ去った時。現在より以前のこと。
現在を含む以前のこと。歴代。
現在の状況とは無関係なこと。また全盛期を過ぎていること。
三世の一つ。過去世。前世。
《副詞》
現在より以前に。これまで。
(出典:Wiktionary)
“過去”の解説
過去(かこ)とは、時間の流れを3つに分けて理解する場合の、既に過ぎ去った部分のこと。現在より以前の時のこと。あるいは、すでに終わったできごとのこと。昔。対義語は未来。
(出典:Wikipedia)
過
常用漢字
小5
部首:⾡
12画
去
常用漢字
小3
部首:⼛
5画
“過去”で始まる語句
過去帳
過去生
過去世
過去帖
過去來
過去七仏
過去君之
過去精麗
過去聖霊