“圖(づ)” の例文
新字:図
權藏(ごんざう)は其居間(そのゐま)の床(とこ)に大島老先生(おほしまらうせんせい)の肖像(せうざう)をかゝげ、其横(そのよこ)に日(ひ)の出(で)の圖(づ)が下(さが)つて居(ゐ)ます。これは伸一先生(しんいちせんせい)に求(もと)めて畫(か)いて貰(もら)つたのださうです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
世話好(せわずき)なのが、二人(ふたり)立(た)つて、此(これ)を傍(かたはら)の壁(かべ)へ懸(か)けると、燕(つばめ)でも雁(がん)でもなかつた。圖(づ)する處(ところ)は樓臺亭館(ろうだいていくわん)、重疊(ちようでふ)として緩(ゆる)く𢌞(めぐ)る、御殿造(ごてんづく)りの極彩色(ごくさいしき)。
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
十月(ぐわつ)九日(か)、此日(このひ)は單獨(たんどく)で行(ゆ)き、第(だい)三回目(くわいめ)發掘(はつくつ)の場所(ばしよ)より二三間(けん)下(した)の大根畑(だんこんばたけ)を發掘(はつくつ)して、第(だい)四圖(づ)イの如(ごと)き土器(どき)の蓋(ふた)を得(え)た。
「身體(からだ)の割(わり)にしちや圖(づ)無(ね)えな」と鍛冶(かぢ)は微笑(びせう)した。鐵(てつ)の臭(にほひ)のする唐鍬(たうぐは)を提(さ)げて勘次(かんじ)は復(また)土手(どて)を走(はし)つた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
從來(じうらい)發見(はつけん)されたる土版の出所は左の如し。圖(づ)に示(しめ)す所は武藏北足立郡貝塚村より出でしものなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
地球(ちきう)の周圍(まはり)に月(つき)の廻(まは)る圖(づ)、「い」印(じるし)より始(はじま)り「ち」印(じるし)に至(いた)る。此廻(このまは)る道(みち)にて月(つき)の盈虚(みちかけ)を爲(な)す
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
あゝ然(さ)なり、然(さ)なりと點頭(うなづ)きしが、然るにても痛はしきは維盛卿、斯かる由ありとも知り給はで、情なの者よ、變りし世に心までがと、一圖(づ)に我を恨み給はん事の心苦(こゝろぐる)しさよ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
昔(むかし)は數學(すうがく)が好(すき)で、隨分(ずゐぶん)込(こ)み入(い)つた幾何(きか)の問題(もんだい)を、頭(あたま)の中(なか)で明暸(めいれう)な圖(づ)にして見(み)る丈(だけ)の根氣(こんき)があつた事(こと)を憶(おも)ひ出(だ)すと、時日(じじつ)の割(わり)には非常(ひじやう)に烈(はげ)しく來(き)た此(この)變化(へんくわ)が自分(じぶん)にも恐(おそ)ろしく映(うつ)つた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
拜(おが)みますと心(こゝろ)から泣(な)いて、此(この)ある甲斐(かひ)なき活計(くらし)を數(かぞ)へれば、與(よ)四郎(らう)は我(わ)が身(み)を罵(のゝし)られし事(こと)と腹(はら)たゝしく、お爲(ため)ごかしの夜學沙汰(やがくさた)は、我(わ)れを留守(るす)にして身(み)の樂(たの)しみを思(おも)ふ故(ゆゑ)ぞと一圖(づ)にくやしく
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人の記憶の圖(づ)の上(うへ)に心の國の山水(さんすゐ)や
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
吾(われ)聞(き)く、昔(むかし)は呉道子(ごだうし)、地獄變相(ぢごくへんさう)の圖(づ)を作(つく)る。成都(せいと)の人(ひと)、一度(ひとたび)是(これ)を見(み)るや咸(こと/″\)く戰寒(せんかん)して罪(つみ)を懼(おそ)れ、福(ふく)を修(しう)せざるなく、ために牛肉(ぎうにく)賣(う)れず、魚(うを)乾(かわ)く。
聞きたるまゝ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
これを調(しら)べるには、和田氏(わだし)が卷尺(まきしやく)を持(も)つ、余(よ)が一方(ぱう)に其端(そのはし)を持(も)ち、一方(ぱう)に燈器(とうき)を持(も)つ。大野氏(おほのし)が一々(いち/\)圖(づ)を取(と)るといふ役目(やくめ)で、然(さ)うして居(ゐ)る間(うち)に、頭(あたま)と尻(しり)と衝突(しやうとつ)する。足(あし)を踏(ふ)む。手(て)を突(つ)く。
地球(ちきう)の舞(まひ)ながら日輪(にちりん)の周圍(まはり)を廻(まは)る圖(づ)、此道程(このみちのり)イギリスの里法(りはふ)にて六億(おく)里(り)あり
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
右の下の隅に圖(づ)したるは土瓶形(どびんかた)土器の横口(よこくち)にして。模樣(もよう)は赤色の繪(ゑ)の具(ぐ)を以て畫(ゑが)きたり。右の上の三個は、土器表面(ひやうめん)に在る押紋を其原(もと)に還したるものにして、取(と)りも直さず紐(ひも)細工の裝飾なり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
さも/\衰(おとろ)へた形(かたち)で、永代(えいたい)の方(はう)から長(なが)く續(つゞ)いて居(ゐ)るが、圖(づ)に描(か)いて線(せん)を引(ひ)くと、文明(ぶんめい)の程度(ていど)が段々(だん/\)此方(こつち)へ來(く)るに從(したが)うて、屋根越(やねごし)に鈍(にぶ)ることが分(わか)るであらう。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
左(さ)に示(しめ)す時計(とけい)の圖(づ)は九時(じ)過(す)ぎ二十三分時(ふんじ)の處(ところ)なり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
第(だい)二圖(づ)ホの如(ごと)き有孔石器(ゆうこうせきゝ)をさへ表面(ひやうめん)で得(え)た。
刺身(さしみ)ツていやあ一寸試(いつすんだめし)だ、鱠(なます)にすりやぶつ/\切(ぎり)か、あの又(また)目口(めくち)のついた天窓(あたま)へ骨(ほね)が繋(つなが)つて肉(にく)が絡(まと)ひついて殘(のこ)る圖(づ)なんてものは、と厭(いや)な顏(かほ)をするからね。あゝ
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
漢(かん)の桓帝(くわんてい)の時(とき)、劉褒(りうはう)、雲漢(うんかん)の圖(づ)を畫(ゑが)く、見(み)るもの暑(しよ)を覺(おぼ)ゆ。又(また)北風(ほくふう)の圖(づ)を畫(ゑが)く、見(み)るもの寒(かん)を覺(おぼ)ゆ。
聞きたるまゝ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
おなじ半帕(ハンケチ)でも、金澤(かなざは)の貸本屋(かしほんや)の若妻(わかづま)と云(い)ふのが、店口(みせぐち)の暖簾(のれん)を肩(かた)で分(わ)けた半身(はんしん)で、でれりと坐(すわ)つて、いつも半帕(ハンケチ)を口(くち)に啣(くは)へて、うつむいて見(み)せた圖(づ)は、永洗(えいせん)の口繪(くちゑ)の艷冶(えんや)の態(てい)を眞似(まね)て
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
劉填(りうてん)密(ひそか)に計(はかりごと)を案(あん)じ、※(せん)に命(めい)じて鏡中(きやうちう)雙鸞(さうらん)の圖(づ)を造(つく)らしむ、圖(づ)する處(ところ)は、陽王(やうわう)其(そ)の寵姫(ちようひ)の肩(かた)を抱(いだ)き、頬(ほゝ)を相合(あひあは)せて、二人(ふたり)ニヤ/\として將(まさ)に寢(い)ねんと欲(ほつ)するが如(ごと)きもの。舌(した)たるくして面(おもて)を向(む)くべからず。
聞きたるまゝ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
積薪(せきしん)思(おも)はず悚然(ぞつ)として、直(たゞ)ちに衣冠(いくわん)を繕(つくろ)ひ、若(わか)き婦(よめ)は憚(はゞかり)あり、先(ま)ず姑(しうと)の閨(ねや)にゆき、もし/\と聲(こゑ)を掛(か)けて、さて、一石(いつせき)願(ねが)ひませう、と即(すなは)ち嗜(たしな)む處(ところ)の嚢(ふくろ)より局盤(きよくばん)の圖(づ)を出(いだ)し、黒白(こくびやく)の碁子(きし)を以(もつ)て姑(しうと)と戰(たゝか)ふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
首(くび)を虎(とら)に振(ふ)るのとは圖(づ)が違(ちが)ふ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)