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四邊
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あたり
ふりがな文庫
“
四邊
(
あたり
)” の例文
新字:
四辺
見られ下谷山崎町家持五兵衞
悴
(
せがれ
)
五郎藏其方
年
(
とし
)
は
何歳
(
なんさい
)
になるや
又
(
また
)
妻
(
さい
)
はあるかと尋ねらるゝに五郎藏はひよくりと
天窓
(
あたま
)
を
上
(
あげ
)
じろ/\
四邊
(
あたり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
するとある日、
藏座敷
(
くらざしき
)
で私が何かしてゐるとき、お糸さんが、妙に言出しにくさうにして、
四邊
(
あたり
)
をはばかりながら傍に寄つて來た。
日本橋あたり
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
平次と叔母さんの問答の間に、小さい娘のお信乃がチヨロチヨロと家の中へ入つて行くと、
四邊
(
あたり
)
構はず、ワツと泣き聲をあげるのです。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
改札口
(
かいさつぐち
)
を
冷
(
つめた
)
く
出
(
で
)
ると、
四邊
(
あたり
)
は
山
(
やま
)
の
陰
(
かげ
)
に、
澄渡
(
すみわた
)
つた
湖
(
みづうみ
)
を
包
(
つゝ
)
んで、
月
(
つき
)
に
照返
(
てりかへ
)
さるゝ
爲
(
ため
)
か、
漆
(
うるし
)
の
如
(
ごと
)
く
艶
(
つや
)
やかに、
黒
(
くろ
)
く、
且
(
か
)
つ
玲瓏
(
れいろう
)
として
透通
(
すきとほ
)
る。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
事
(
こと
)
の
大小
(
だいせう
)
に
拘
(
かゝは
)
らず、
總
(
すべ
)
ての
困難
(
こんなん
)
を
解决
(
かいけつ
)
する
唯一
(
ゆゐいつ
)
の
方法
(
はうはふ
)
を
御存
(
ごぞん
)
じでした。『
彼
(
か
)
れの
頭
(
あたま
)
を
刎
(
は
)
ねよ!』と
四邊
(
あたり
)
も
見
(
み
)
ずに
申
(
まを
)
されました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
景氣の可い樣な事を書いてやつて安心さしたのに、と思つて
四邊
(
あたり
)
を見た。竹山は筆の軸で輕く机を敲き乍ら、書きさしの原稿を睨んで居る。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
四邊
(
あたり
)
を
見𢌞
(
みまは
)
せば
不圖
(
ふと
)
眼にとまる
經机
(
きやうづくゑ
)
の上にある薄色の折紙、取り上げ見れば維盛卿の筆と覺しく、
水莖
(
みづぐき
)
の跡
鮮
(
あざ
)
やかに走り書せる二首の和歌
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
萌黄の
帷子
(
かたびら
)
。水色の
透綾
(
すきや
)
。境内は雜然としてかんてらの
燈火
(
あかり
)
が
四邊
(
あたり
)
一面の
光景
(
ありさま
)
を花やかに、闇の地に浮模樣を染め出した。
二十三夜
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
この景色は
四邊
(
あたり
)
のいと暗くして、大空なるまことの星の白かねの色をなして、高く隔たりたる處に散布せるによりて、いよ/\その美觀を添へ
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それが靜かに
四邊
(
あたり
)
を濡らして降り出して來た雨を見ると、漸く手足もそれ/″\の場所に歸つた樣に身がしまつて來る。
樹木とその葉:19 なまけ者と雨
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
「
幸子
(
さちこ
)
。」つて俺が入る時に呼んだらば、すぐ驚いたやうに泣きやんで、
四邊
(
あたり
)
をぐるぐる見てゐるのさ。そしてまた火のつくやうに泣き出したんだ。
珠
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
たとひ
四邊
(
あたり
)
に
火災
(
かさい
)
の
虞
(
おそ
)
れがないように
考
(
かんが
)
へられた
場合
(
ばあひ
)
に
於
(
おい
)
ても、
遠方
(
えんぽう
)
の
火元
(
ひもと
)
から
延燒
(
えんしよう
)
して
來
(
く
)
ることがあるからである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
そのうちに、私は半ば身を起して、
大欠
(
おほあく
)
びしたり兩手を延ばしたりして、眠から覺めたやうに
四邊
(
あたり
)
を見𢌞しました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
私は彼の犬がそこで寢てゐるのを、朝になつてよく見たものだ。さう思ひ付くといくらか氣が
鎭
(
しづ
)
まつて横になつた。
四邊
(
あたり
)
がしんとすると神經も落着く。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
私
(
わたくし
)
は、一たび、二たび、お
答
(
こた
)
へ
申
(
まう
)
しましたが、
四邊
(
あたり
)
は
眞
(
しん
)
の
闇
(
やみ
)
で、
何處
(
どこ
)
とも
分
(
わか
)
らず、
其儘
(
そのまゝ
)
永
(
なが
)
いお
別
(
わか
)
れになりました。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
凍
(
こほ
)
る
手先
(
てさき
)
を
提燈
(
ちやうちん
)
の
火
(
ひ
)
に
暖
(
あたゝ
)
めてホツと
一息
(
ひといき
)
力
(
ちから
)
なく
四邊
(
あたり
)
を
見廻
(
みまは
)
し
又
(
また
)
一息
(
ひといき
)
此處
(
こゝ
)
に
車
(
くるま
)
を
下
(
おろ
)
してより
三度目
(
さんどめ
)
に
聞
(
き
)
く
時
(
とき
)
の
鐘
(
かね
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
四邊
(
あたり
)
は程よく森々と繁つた黒木の
際涯
(
はて
)
しない林續きで、其の下草には雪にひしがれたノブキやメタカラカウや、鉢植にして置いた樣な灌木がちよんぼりと配置され
黒岩山を探る
(旧字旧仮名)
/
沼井鉄太郎
(著)
もう
四邊
(
あたり
)
は眞暗であった。三日月が空にかかっていた。しかし、その鈍い光りは、時々小枝の隙間をとおして照らされている對象に、異樣な
外見
(
ながめ
)
を與えるだけであった。
ユダヤ人のブナの木:山深きヴェストファーレンの風俗画
(旧字新仮名)
/
ドロステ=ヒュルスホフアネッテ・フォン
(著)
「お勝ちやん、
賢
(
かしこ
)
おまんな。……お勝ちやんのお父つあんは、……」と、猪之介は沈默のテレ隱しに言ひかけて、またハツと
四邊
(
あたり
)
の
氣色
(
けはひ
)
に考へ付いた風で、口を噤んだ。
兵隊の宿
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「ほんとにお
久振
(
ひさしぶ
)
りですねえ、お變りも御在ませんの、お一人ですか。」とそつと
四邊
(
あたり
)
を眺めた。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
四邊
(
あたり
)
は寂寞として靜かだ。耳を澄ますと僅に木魚の音が聞える。三藏は暫く默つて其木魚の音を聽いてゐたが、寒さが足の
尖
(
さき
)
迄浸み渡るやうに覺えた。寂光院は尼寺の筈だ。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
漸く
四邊
(
あたり
)
の暗さが薄らいで來た。木の間を傳つて、何處からか、曉角が哀しげに響き始めた。
山月記
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
われはこの高原の上なる風情ある古驛の入口の石に腰を休めて、久しくなるまで
四邊
(
あたり
)
の風景に見入りつゝ、さま/″\なる空想に
耽
(
ふけ
)
りたるを今猶記憶す。いかに美しき空なりしよ。
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
若
(
も
)
し
或人
(
あるひと
)
が
義母
(
おつかさん
)
の
脊後
(
うしろ
)
から
其
(
その
)
脊中
(
せなか
)
をトンと
叩
(
たゝ
)
いて『
義母
(
おつかさん
)
!』と
叫
(
さけ
)
んだら『オヽ』と
驚
(
おどろ
)
いて
四邊
(
あたり
)
をきよろ/\
見廻
(
みまは
)
して
初
(
はじ
)
めて
自分
(
じぶん
)
が
汽車
(
きしや
)
の
中
(
なか
)
に
在
(
あ
)
ること、
旅行
(
りよかう
)
しつゝあることに
氣
(
き
)
が
附
(
つ
)
くだらう。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
(おかめは眼をふきながら
四邊
(
あたり
)
をみまはし、これも小屋に眼をつける。)
正雪の二代目
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
四邊
(
あたり
)
の
空氣
(
くうき
)
も
融解
(
とろ
)
くるばかりに、なつかしう
奏
(
かな
)
でゝ
下
(
くだ
)
され。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
通
(
つう
)
じけるに名主も
駈來
(
かけきた
)
り
四邊
(
あたり
)
近所
(
きんじよ
)
の者も
追々
(
おひ/\
)
に
集
(
あつま
)
り改め見れば
何樣
(
いかさま
)
酒に
醉倒
(
ゑひたふ
)
れ
轉込
(
まろびこみ
)
死したるに
相違
(
さうゐ
)
なき
體
(
てい
)
なりと評議一決し
翌日
(
よくじつ
)
此趣
(
このおもむ
)
きを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其
(
それ
)
が
向
(
むか
)
う
岸
(
ぎし
)
へ
着
(
つ
)
いたと
思
(
おも
)
ふと、
四邊
(
あたり
)
また
濛々
(
もう/\
)
、
空
(
そら
)
の
色
(
いろ
)
が
少
(
すこ
)
し
赤味
(
あかみ
)
を
帶
(
お
)
びて、
殊
(
こと
)
に
黒
(
くろ
)
ずんだ
水面
(
すゐめん
)
に、五六
人
(
にん
)
の
氣勢
(
けはひ
)
がする、
囁
(
さゝや
)
くのが
聞
(
きこ
)
えた。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
葡萄酒の瓶がその後に倒れ、漬物の皿、破茶碗などが
四邊
(
あたり
)
に
散亂
(
ちらば
)
つてゐる。『其麽に痛えがす? お由
殿
(
どん
)
、寢だら
可
(
え
)
がべす。』
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
話が面白かつたので、銚子は一向にあきませんが、
四邊
(
あたり
)
はすつかり暗くなつて、お靜は諦めたやうに、コトコトと
夕餉
(
ゆふげ
)
の支度をしてをります。
銭形平次捕物控:320 お六の役目
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして
四邊
(
あたり
)
を見𢌞すと何處もみな鬱蒼たる杉の林で、その夕闇のなかからこの筒拔けた樣な寂しい聲は次から次と相次いで聞えて來てゐるのである。
比叡山
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
四邊
(
あたり
)
は
其香
(
そのにほ
)
ひで
大變
(
たいへん
)
でした。
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
でさへも、
坊
(
ぼ
)
ッちやんと
殆
(
ほと
)
んど
交
(
かは
)
る/″\
嚏
(
くさめ
)
をして、
噎
(
む
)
せる
苦
(
くる
)
しさに
互
(
たがひ
)
に
頻切
(
しツきり
)
なしに
泣
(
な
)
いたり
喚
(
わめ
)
いたりして
居
(
ゐ
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
舟歌畢りしとき、主婦は我に對ひて、君は歌ひ給はずやと問ひぬ。われ、さらば即興の詩一つ試みばやと答へぬ。
四邊
(
あたり
)
には
渠
(
かれ
)
は即興詩人なりと
耳語
(
さゝや
)
く聲す。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
午後のあるとき、私は頭を擧げて、そして
四邊
(
あたり
)
を見𢌞し、傾きかけた
西陽
(
にしび
)
の影を壁の上に曳いてゐるのを見て、私は
訊
(
き
)
いた。「どうしたらいゝのだらう?」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
まだ
執念深
(
しゆうねんぶか
)
く
鐵車
(
てつしや
)
の
四邊
(
あたり
)
を
徘徊
(
はいくわい
)
して
居
(
を
)
るのは、二十
頭
(
とう
)
許
(
ばかり
)
の
雄獅子
(
をじゝ
)
と、
三頭
(
さんとう
)
の
巨大
(
きよだい
)
なる
猛狒
(
ゴリラ
)
とのみであつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
中宮の御所をはや過ぎて、
垣越
(
かきごし
)
の
松影
(
まつかげ
)
月を漏らさで墨の如く暗き
邊
(
ほとり
)
に至りて、
不圖
(
ふと
)
首を擧げて暫し
四邊
(
あたり
)
を眺めしが、俄に心付きし如く早足に
元來
(
もとき
)
し道に戻りける。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
お
落
(
おと
)
しなさるな、と
呼
(
よ
)
びもならず、
俄
(
には
)
かに
心付
(
こヽろづき
)
て
四邊
(
あたり
)
を
見
(
み
)
れば、
花
(
はな
)
に
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
我
(
わ
)
れを
笑
(
わら
)
ふか、
人目
(
ひとめ
)
はなけれど
何處
(
どこ
)
までも
恐
(
おそ
)
ろしく、
庭掃除
(
にはそうぢ
)
そこそこに
唯
(
たヾ
)
人
(
ひと
)
に
逢
(
あ
)
はじと
計
(
はか
)
り
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
よく
四邊
(
あたり
)
を見ると、食物を包んで來たらしい竹の皮などもあつて、疊に薄く積つた
塵埃
(
ほこり
)
の上の足跡や膝の跡から見て、三四人の者が車座で
賭博
(
とばく
)
でもしてゐたらしかつた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
その眼は物珍らしく
四邊
(
あたり
)
の店頭に走つてゐたのである。短い着物の裾からそれは丁度白木の棒のやうに長く一脚の足が出て、それにはまた高い一つの足駄がついてゐるのであつた。
三十三の死
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
南の空に高く、左から順にほゞ同じ位の間隔をおいて竝んでゐるのは、
土星
(
ザトウルン
)
と
木星
(
ユウピテル
)
と
火星
(
マルス
)
とであらう。殊に木星の白い輝きの明るさは、燦々と、まことに
四邊
(
あたり
)
を拂ふばかりである。
かめれおん日記
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
其の蔭に置いた
廚子
(
づし
)
や偶像や、又は高くかゝげた奉納の繪額や、夥しい欄間の彫刻や、見𢌞す
四邊
(
あたり
)
一帶の剥げて、褪めて、古びた色彩の薄暗さが、云ふに云はれず柔かに人の心を沈靜させる。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
(三人はうろたへながら
四邊
(
あたり
)
を見まはし、助十は駕籠に眼をつける。)
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そして月を仰ぎ又
四邊
(
あたり
)
を見廻はしながら
少年の悲哀
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
取出して
飮
(
のみ
)
暫時
(
しばし
)
其處に休み居ける中段々夜も
更行
(
ふけゆき
)
四邊
(
あたり
)
も
寂
(
しん
)
としける此時
手拭
(
てぬぐひ
)
に深く
面
(
おも
)
てを
包
(
つゝ
)
みし男二人伊勢屋の
門
(
かど
)
に
彳
(
たゝず
)
み内の樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
理學士
(
りがくし
)
は
言掛
(
いひか
)
けて、
私
(
わたし
)
の
顏
(
かほ
)
を
視
(
み
)
て、
而
(
そ
)
して
四邊
(
あたり
)
を
見
(
み
)
た。
恁
(
か
)
うした
店
(
みせ
)
の
端近
(
はしぢか
)
は、
奧
(
おく
)
より、
二階
(
にかい
)
より、
却
(
かへ
)
つて
椅子
(
いす
)
は
閑
(
しづか
)
であつた——
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
又書いて又消した。同じ事を三度續けると、何かしら鈍い壓迫が頭腦に起つて來て、
四邊
(
あたり
)
が明るいのに自分だけ陰氣な所に居る樣な氣がする。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
また
四邊
(
あたり
)
の山にぴつたりと燃え入つてゐる林のそれを眺め、二人とも言葉を交さぬ數十分の時間を其處で送つた。
みなかみ紀行
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
われは此詞を聞きて、向ひの壁を仰ぎ看しに、一面の大畫幅あり。
枠
(
わく
)
を飾れる黄金の光の、
燦然
(
さんぜん
)
として
四邊
(
あたり
)
を射るさま、室内
貧窶
(
ひんく
)
の摸樣と、全く相反せり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
宿の下足番が足場のいゝやうに置いてくれた木の
踏臺
(
ふみだい
)
を下りた時、私は、氣づかはしく
四邊
(
あたり
)
を見まはした。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
『
最
(
も
)
う
爲
(
し
)
ないから』と
愛
(
あい
)
ちやんは
獨語
(
ひとりごと
)
を
云
(
い
)
つて、『
皆
(
みん
)
なも
最
(
も
)
うそんな
事
(
こと
)
をしないでお
呉
(
く
)
れ!』と
叫
(
さけ
)
びました。すると
又
(
また
)
皆
(
みん
)
な
默
(
だま
)
つて
了
(
しま
)
つたので
四邊
(
あたり
)
が
森
(
しん
)
としました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
四
常用漢字
小1
部首:⼞
5画
邊
部首:⾡
19画
“四”で始まる語句
四辺
四方
四
四方山
四肢
四阿
四谷
四人
四囲
四角