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氷
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こおり
ふりがな文庫
“
氷
(
こおり
)” の例文
「いままで通ってきた大きな
湖
(
みずうみ
)
の
氷
(
こおり
)
がゆるんでいて、キツネがわたれないようになっていたら、もってこいの場所なんだけどなあ。」
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
また、あるときは、この
氷山
(
ひょうざん
)
が、まるで
蒸気機関
(
じょうききかん
)
のついている
氷
(
こおり
)
の
船
(
ふね
)
のように、
怖
(
おそ
)
ろしい
速力
(
そくりょく
)
で、
目
(
め
)
の
前
(
まえ
)
を
走
(
はし
)
ってゆくこともありました。
幽霊船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そのとき、お妃さまの
胸
(
むね
)
のなかにすくっていた思いあがりのあつい
氷
(
こおり
)
がとけて、お妃さまは心のそこから
後悔
(
こうかい
)
しました。そして
マリアの子ども
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
とうとうそれは
固
(
かた
)
く
固
(
かた
)
く
凍
(
こお
)
ってきて、
子家鴨
(
こあひる
)
が
動
(
うご
)
くと
水
(
みず
)
の
中
(
なか
)
の
氷
(
こおり
)
がめりめり
割
(
わ
)
れる
様
(
よう
)
になったので、
子家鴨
(
こあひる
)
は、すっかりその
場所
(
ばしょ
)
が
氷
(
こおり
)
で
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
はすの花の
咲
(
さ
)
いているときもあるし、ほたるの飛んだ
晩
(
ばん
)
もあったし、
氷
(
こおり
)
の上に雪のつもっているときもありました。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
▼ もっと見る
パキン! パキン! と二ど三ど、忍剣の鉄杖が舞ってうけたかと思うと、佐分利の大刀は、
氷
(
こおり
)
のかけらが飛んだように三つに折れて
鍔
(
つば
)
だけが手にのこった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
沙車
(
さしゃ
)
の春の
終
(
おわ
)
りには、野原いちめん
楊
(
やなぎ
)
の花が光って
飛
(
と
)
びます。遠くの
氷
(
こおり
)
の山からは、白い何とも
云
(
い
)
えず
瞳
(
ひとみ
)
を
痛
(
いた
)
くするような光が、日光の中を
這
(
は
)
ってまいります。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
その雪をいただいた山が
氷
(
こおり
)
を
削
(
けず
)
ったような裾を、紅、緑、紫の山でつつまれた根まで見える、見晴の絶景ながら、窓の下がすぐ、ばらばらと墓であるから、また
怯
(
おび
)
えようと
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
額
(
ひたい
)
を
撫
(
な
)
でると
氷
(
こおり
)
の様に
冷
(
つめ
)
たいが、地蔵眉の顔は如何にも柔和で清く、心の美しさも
偲
(
しの
)
ばれる。次郎さんをはじめ此家の
子女
(
むすこむすめ
)
は、皆
小柄
(
こがら
)
の色白で、可愛げな、
而
(
そう
)
して
品
(
ひん
)
の
良
(
よ
)
い顔をして居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
氷
(
こおり
)
解けて水の流るゝ音すなり 子規
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「あの
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
には、まだ、
雪
(
ゆき
)
があるな。」と、かれは、
氷
(
こおり
)
をけずったような、
先
(
さき
)
のとんがった、かがやく
峰
(
みね
)
に
見
(
み
)
とれていました。
雲のわくころ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
というのは、とつぜん、大きな
氷
(
こおり
)
のかたまりが、あっちにもこっちにもあらわれてきて、たがいにぶっつかりあっているのです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
やがて、雪と
氷
(
こおり
)
にとざされるようになりますと、女の子はあわれなけものみたいに、木の葉のあいだにもぐりこんで、こごえないようにしました。
マリアの子ども
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
なんでたまろう、二
条
(
じょう
)
の
白虹
(
はっこう
)
、パッと火花をちらしたかと思うと、燕作の
鈍刀
(
なまくら
)
がパキンと折れて、
氷
(
こおり
)
のごとき
鋩子
(
きっさき
)
の
破片
(
はへん
)
、クルッ——と
虚空
(
こくう
)
へまいあがった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、
翌朝
(
よくあさ
)
早
(
はや
)
く、
一人
(
ひとり
)
の
百姓
(
ひゃくしょう
)
がそこを
通
(
とお
)
りかかって、この
事
(
こと
)
を
見
(
み
)
つけたのでした。
彼
(
かれ
)
は
穿
(
は
)
いていた
木靴
(
きぐつ
)
で
氷
(
こおり
)
を
割
(
わ
)
り、
子家鴨
(
こあひる
)
を
連
(
つ
)
れて、
妻
(
つま
)
のところに
帰
(
かえ
)
って
来
(
き
)
ました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
おまえたちはみなこれから人生という
非常
(
ひじょう
)
なけわしいみちをあるかなければならない。たとえばそれは
葱嶺
(
パミール
)
の
氷
(
こおり
)
や
辛度
(
しんど
)
の
流
(
なが
)
れや
流沙
(
るさ
)
の火やでいっぱいなようなものだ。
学者アラムハラドの見た着物
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ちょうど、この
国
(
くに
)
には、
赤
(
あか
)
いそりが五つありました。このそりは、なにかことの
起
(
お
)
こったときに、
犬
(
いぬ
)
にひかせて、
氷
(
こおり
)
の
上
(
うえ
)
を
走
(
はし
)
らせるのでした。
黒い人と赤いそり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ガンたちは遊びつかれますと、
氷
(
こおり
)
の上に飛んでいって、二時間ばかり休みました。その日の午後も、午前とほとんど同じようにしてすごしました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
氷
(
こおり
)
のようにこごえた手が、ビッショリと
雫
(
しずく
)
をたらしてそこへすがってきた。——と同時に、滝壺のなかからはいあがってきた少年をみたふたりは、おもわず声をあげて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これをもって
氷
(
こおり
)
のはった川へいってね、氷に
穴
(
あな
)
をあけて、このより糸をすすいでおいで。」
森のなかの三人の小人
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
夏に銅の
壺
(
つぼ
)
に水を入れ壺の
外側
(
そとがわ
)
を水でぬらしたきれで
固
(
かた
)
くつつんでおくならばきっとそれは
冷
(
ひ
)
えるのだ。なんべんもきれをとりかえるとしまいにはまるで
氷
(
こおり
)
のようにさえなる。
学者アラムハラドの見た着物
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
翌朝
(
よくあさ
)
見
(
み
)
ると、はたして
湖水
(
こすい
)
の
面
(
おもて
)
は、
鏡
(
かがみ
)
のごとく
光
(
ひか
)
って、かたく
張
(
は
)
りつめた
氷
(
こおり
)
は、
武士
(
ぶし
)
をやすやすと、むこうの
岸
(
きし
)
まで、
渡
(
わた
)
らせてくれたのでした。
きつねをおがんだ人たち
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また
重
(
おも
)
いものをはこびながら、手で水をすくうことも考えることのできないときは、そこから白びかりが
氷
(
こおり
)
のようにわたくしの
咽喉
(
のど
)
に
寄
(
よ
)
せてきて、こくっとわたくしの
咽喉
(
のど
)
を鳴らし
イーハトーボ農学校の春
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
大男たちは
棺
(
かん
)
を
床
(
ゆか
)
におろしました。
若者
(
わかもの
)
はそのそばへいって、ふたをとってみました。すると、なかにはひとりの
死人
(
しにん
)
がねていました。顔にさわってみますと、まるで
氷
(
こおり
)
のようにつめたいのです。
こわいことを知りたくて旅にでかけた男の話
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
氷
(
こおり
)
の
縁
(
えん
)
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
夜
(
よ
)
は、いつにない
寒
(
さむ
)
い
夜
(
よる
)
でしたが、
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けはなれると、いつのまにか、
海
(
うみ
)
の
上
(
うえ
)
には
昨日
(
きのう
)
のように、一
面
(
めん
)
氷
(
こおり
)
が
張
(
は
)
りつめて
光
(
ひか
)
っていたのです。
黒い人と赤いそり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
北
(
きた
)
から
氷
(
こおり
)
のようにつめたいすきとおった
風
(
かぜ
)
がゴーッとふいてきました。
いちょうの実
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ほかの
子供
(
こども
)
たちが、
氷
(
こおり
)
すべりをおもしろがってしていますなかに、ひとりこの
少年
(
しょうねん
)
のみは、
沈
(
しず
)
みがちにすべっていました。
愛は不思議なもの
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あれは
合理的
(
ごうりてき
)
だと思う。
湧水
(
わきみず
)
がないので、あのつつみへ
漬
(
つ
)
けた。
氷
(
こおり
)
がまだどての
陰
(
かげ
)
には浮いているからちょうど
摂氏零度
(
せっしれいど
)
ぐらいだろう。十二月にどてのひびを
埋
(
う
)
めてから水は六分目までたまっていた。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
お
薬
(
くすり
)
を
買
(
か
)
いにいったり、
氷
(
こおり
)
で
頭
(
あたま
)
を
冷
(
ひ
)
やしたりして、
小
(
ちい
)
さい
子供
(
こども
)
の
力
(
ちから
)
で、できるだけ
看病
(
かんびょう
)
をしました。
親方
(
おやかた
)
は、しわの
寄
(
よ
)
った
目
(
め
)
じりに、
涙
(
なみだ
)
をためて
春風の吹く町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
大
(
おお
)
きな
水
(
みず
)
たまりを
造
(
つく
)
って、その
中
(
なか
)
へ、
氷
(
こおり
)
のかけらを
投
(
な
)
げいれておきます。くまは、
熱
(
あつ
)
さにこらえられないので、
幾度
(
いくど
)
となく、その
水
(
みず
)
の
中
(
なか
)
に
浸
(
ひた
)
ります。
白いくま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
たまたま
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
の
間
(
あいだ
)
から
血
(
ち
)
の
気
(
き
)
のない
顔
(
かお
)
が
現
(
あらわ
)
れたかと
思
(
おも
)
うと、ガラス
球
(
だま
)
のように
光
(
ひか
)
った
目
(
め
)
が、
氷
(
こおり
)
のように
冷
(
つめ
)
たくあたりを
見
(
み
)
まわしていたのであります。
消えた美しい不思議なにじ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
なまり
色
(
いろ
)
にすこしのすきまもなく、
張
(
は
)
りつめた
氷
(
こおり
)
は、
金属
(
きんぞく
)
のような
音
(
おと
)
をたてて、
石
(
いし
)
は、どこまでも、どこまでもうなりながら、ころがってゆきました。
愛は不思議なもの
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「もう、
氷
(
こおり
)
すべりをしているのでないかしらん?
坊
(
ぼっ
)
ちゃんもいっしょに?」と
思
(
おも
)
うと、
胸
(
むね
)
がどきどきとしました。
愛は不思議なもの
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
このあたりの
海
(
うみ
)
には、ほとんど、
毎日
(
まいにち
)
のごとくこうした
氷山
(
ひょうざん
)
を
見
(
み
)
ました。あるときは、
悠々
(
ゆうゆう
)
として、この
大
(
おお
)
きな
氷
(
こおり
)
の
塊
(
かたまり
)
は、あてもなく
流
(
なが
)
れてゆきました。
幽霊船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ただ、いつのことであったか、こうした
氷山
(
ひょうざん
)
が、
岸
(
きし
)
に
近
(
ちか
)
づいてきましたときに、
人々
(
ひとびと
)
は、なんだか
黒
(
くろ
)
い
小
(
ちい
)
さなものが、
氷
(
こおり
)
の
上
(
うえ
)
に
落
(
お
)
ちているのを
見
(
み
)
ました。
幽霊船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ある
日
(
ひ
)
のこと、その
国
(
くに
)
の
男
(
おとこ
)
の
人
(
ひと
)
たちが
氷
(
こおり
)
の
上
(
うえ
)
で、なにか
忙
(
いそが
)
しそうに
働
(
はたら
)
いていました。
冬
(
ふゆ
)
になると、
海
(
うみ
)
の
上
(
うえ
)
までが一
面
(
めん
)
に
氷
(
こおり
)
で
張
(
は
)
りつめられてしまうのでした。
黒い人と赤いそり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして、お
母
(
かあ
)
さんは、ご
飯
(
はん
)
もあまりめしあがらず、
夜
(
よる
)
もねむらずにまくらもとにすわって、
氷
(
こおり
)
まくらの
氷
(
こおり
)
がなくなれば、とりかえたりしてくださいました。
笑わなかった少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ただ
真
(
ま
)
っ
白
(
しろ
)
な
荒寥
(
こうりょう
)
とした
鉛色
(
なまりいろ
)
に
光
(
ひか
)
る
氷
(
こおり
)
の
波濤
(
はとう
)
が
起伏
(
きふく
)
していて
昼夜
(
ちゅうや
)
の
区別
(
くべつ
)
なく、
春夏秋冬
(
はるなつあきふゆ
)
なく、ひっきりなしに
暴風
(
ぼうふう
)
の
吹
(
ふ
)
いている
光景
(
こうけい
)
が
目
(
め
)
に
浮
(
う
)
かぶのでした。
台風の子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
月
(
つき
)
が、しばらく
日
(
ひ
)
をたって
後
(
のち
)
に、このあたりの
海上
(
かいじょう
)
を
照
(
て
)
らしたときは、
氷
(
こおり
)
が
解
(
と
)
けはじめて、あざらしの
鳴
(
な
)
らしている
太鼓
(
たいこ
)
の
音
(
おと
)
が、
波
(
なみ
)
の
間
(
あいだ
)
からきこえました。
月とあざらし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おおかみも
今夜
(
こんや
)
は
寒
(
さむ
)
いとみえて、ふっ、ふっと
白
(
しろ
)
い
息
(
いき
)
を
吐
(
は
)
いていました。そして、
氷
(
こおり
)
の
張
(
は
)
った
水盤
(
すいばん
)
のような
月
(
つき
)
に
向
(
む
)
かって、
訴
(
うった
)
えるようにほえるのでありました。
春になる前夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
脂肪
(
しぼう
)
のたくさんな、むくむくと
毛
(
け
)
の
厚
(
あつ
)
いしろくまはそこを
平気
(
へいき
)
で
歩
(
ある
)
いていました。また、
氷
(
こおり
)
が
解
(
と
)
ける
時分
(
じぶん
)
になれば、
険
(
けわ
)
しい
山
(
やま
)
の
方
(
ほう
)
へのこのこと
帰
(
かえ
)
ってゆきました。
白いくま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
食
(
た
)
べ
物
(
もの
)
は、まあ、これでもしかたがないが、
暑
(
あつ
)
いのには、こまってしまいました。すると
白
(
しろ
)
い
布
(
きれ
)
をかぶった
男
(
おとこ
)
が、
大
(
おお
)
きな
氷
(
こおり
)
の
塊
(
かたまり
)
を
水
(
みず
)
の
中
(
なか
)
へ
投
(
な
)
げ
込
(
こ
)
んでゆきました。
白いくま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
とうとう、こがらしのふく、
季節
(
きせつ
)
となりました。すると、
水盤
(
すいばん
)
の
水
(
みず
)
は、
氷
(
こおり
)
のように
冷
(
つめ
)
たかったのです。
水七景
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
A
(
エー
)
の
心臓
(
しんぞう
)
は、
氷
(
こおり
)
の
手
(
て
)
で、ぐっと
握
(
にぎ
)
られたように、ぞっとして、ものがいえなく、ふるえていました。
死と話した人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
姉
(
あね
)
は、なんと
思
(
おも
)
ったか、
足音
(
あしおと
)
のしないように
静
(
しず
)
かに、その
子供
(
こども
)
のそばに
近
(
ちか
)
づきました。そして、
氷
(
こおり
)
のように
冷
(
ひ
)
やかな
唇
(
くちびる
)
で、
子供
(
こども
)
のりんごのようなほおに
接吻
(
せっぷん
)
しました。
灰色の姉と桃色の妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、
良吉
(
りょうきち
)
は
目
(
め
)
から
熱
(
あつ
)
い
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
して、
友
(
とも
)
の
手
(
て
)
にすがりました。しかし
友
(
とも
)
の
手
(
て
)
は
氷
(
こおり
)
のように
冷
(
つめ
)
たかったのです。そして、
顔
(
かお
)
の
色
(
いろ
)
は、ろうのようにすきとおって
見
(
み
)
えました。
星の世界から
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
川
(
かわ
)
の
上
(
うえ
)
には
雪
(
ゆき
)
が
積
(
つ
)
もっていました。そして、その
下
(
した
)
の
流
(
なが
)
れは、
止
(
と
)
まっていました。おじいさんは
雪
(
ゆき
)
を
掘
(
ほ
)
り
氷
(
こおり
)
を
破
(
やぶ
)
ると、その
下
(
した
)
に、
黒
(
くろ
)
い
水
(
みず
)
がものすごく、じっと
見上
(
みあ
)
げています。
都会はぜいたくだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
便所
(
べんじょ
)
へつれていったり、また
夜中
(
よなか
)
にまくらの
氷
(
こおり
)
をとりかえてやったりしました。なかには
だまされた娘とちょうの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
すると、
彼女
(
かのじょ
)
の
胸
(
むね
)
を
悲
(
かな
)
しく、
閉
(
と
)
じこめていた
氷
(
こおり
)
が
解
(
と
)
けるような
気
(
き
)
がしました。そして、どこを
見
(
み
)
ても、まだ
冬空
(
ふゆぞら
)
であったが、
春
(
はる
)
の
風
(
かぜ
)
が、
町
(
まち
)
や、
木立
(
こだち
)
を
吹
(
ふ
)
くような
気
(
き
)
がしました。
ある冬の晩のこと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“氷”の解説
氷(冰、こおり)とは、固体の状態にある水のこと。
なお、天文学では宇宙空間に存在する一酸化炭素や二酸化炭素、メタンなど水以外の低分子物質の固体をも氷(誤解を避けるためには「○○の氷」)と呼ぶこともある。また惑星科学では、天王星や海王星の内部に存在する高温高密度の水や、アンモニアの液体のことを氷と呼ぶことがある。さらに日常語でも、固体の二酸化炭素をドライアイスと呼ぶ。
この記事では、水の固体を扱う。
(出典:Wikipedia)
氷
常用漢字
小3
部首:⽔
5画
“氷”を含む語句
薄氷
氷柱
氷水
氷嚢
氷室
垂氷
月下氷人
氷河
碓氷
碓氷峠
氷山
氷塊
氷雪
氷花
氷結
氷斧
厚氷
流氷
結氷
氷屋
...