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揚
>
あが
ふりがな文庫
“
揚
(
あが
)” の例文
父
(
とう
)
さんも
凧
(
たこ
)
を
揚
(
あげ
)
たり、
凧
(
たこ
)
の
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いたりして、
面白
(
おもしろ
)
く
遊
(
あそ
)
びました。
自分
(
じぶん
)
の
造
(
つく
)
つた
凧
(
たこ
)
がそんなによく
揚
(
あが
)
つたのを
見
(
み
)
るのも
樂
(
たのし
)
みでした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「彼こそ、この際、断じて死刑に処されなければいかん」とは、彼の大を知る反対側の他宗において、
勃然
(
ぼつぜん
)
と
揚
(
あが
)
っている気勢であった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
このようなことを言っているところへ、初やが
狐饅頭
(
きつねまんじゅう
)
を買って帰ってくる。小
提灯
(
ぢょうちん
)
を消すと、
蝋燭
(
ろうそく
)
から白い煙がふわふわと
揚
(
あが
)
る。
千鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
これは
南画
(
なんぐわ
)
だ。
蕭々
(
せうせう
)
と
靡
(
なび
)
いた竹の上に、消えさうなお前が
揚
(
あが
)
つてゐる。黒ずんだ
印
(
いん
)
の字を読んだら、
大明方外之人
(
たいみんはうぐわいのひと
)
としてあつた。
動物園
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何処
(
いずく
)
よりか来りけん、
忽
(
たちま
)
ち一団の
燐火
(
おにび
)
眼前
(
めのまえ
)
に現れて、高く
揚
(
あが
)
り低く照らし、
娑々
(
ふわふわ
)
と宙を飛び行くさま、われを招くに等しければ。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
▼ もっと見る
なに、本さへ出来上つたら、
請合
(
うけあ
)
つて百五十回位は舞台に
上
(
のぼ
)
せて見せるさ。一回の
揚
(
あが
)
り
高
(
だか
)
がざつと五千
法
(
フラン
)
として、百五十回で七十五万法。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
網に掛かって
揚
(
あが
)
ったのは、余の双眼鏡で見た所では大きな不恰好な風呂敷包みの様な物である、勿論多少は泥に
塗
(
まみ
)
れて居るが
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
洋服姿の市郎は胴を
縛
(
くく
)
られたままで、さながら縁日で売る亀の子のように、宙に吊られつつ
揚
(
あが
)
って来たのである。人々も驚いて声を揚げた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「滅茶々々に縛つた死骸が、關口の大瀧の下で
揚
(
あが
)
つたんだ。行つて見て下さいな。親分が行くまで、指をさゝせないやうにしてあるんだから」
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此の
仕掛花火
(
しかけはなび
)
は唯が製造したか知らぬが、蓋し興世玄明の
輩
(
やから
)
だらう。理屈は
兎
(
と
)
もあれ景気の好い面白い花火が
揚
(
あが
)
れば群衆は
喝采
(
かつさい
)
するものである。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
高く
揚
(
あが
)
った場合、折角の絵も分らないから、それよりも月浪とか童子格子とか、字なら龍とか嵐などがいいようである。
凧の話
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
はね
揚
(
あが
)
ってくるのをまた打つという、いくらか
間
(
ま
)
の早い遊戯になって、それを上手につづけてつくおもしろさがまた一段と加わってきたのである。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
精々
(
せいぜい
)
が
米琉
(
よねりゅう
)
の羽織に
鉄欄
(
てつわく
)
の眼鏡の風采頗る
揚
(
あが
)
らぬ私の如きはどうしてもお伴の書生ぐらいにしか見えなかったであろう。
斎藤緑雨
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
球の高く
揚
(
あが
)
るは外観美なれども攫まれやすし。走者は身軽にいでたち、敵の手の下をくぐりて
基
(
ベース
)
に達すること必要なり。
ベースボール
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
一方平家は、室山、水島の合戦で源氏を破り士気大いに
揚
(
あが
)
るとともに、各地の軍勢が傘下に集って、その勢力はいちじるしくのびてきたのであった。
現代語訳 平家物語:08 第八巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
勿論
(
もちろん
)
、
旋風
(
つむじかぜ
)
の
常
(
つね
)
とて
一定
(
いつてい
)
の
方向
(
ほうかう
)
はなく、
西
(
にし
)
に、
東
(
ひがし
)
に、
南
(
みなみ
)
に、
北
(
きた
)
に、
輕氣球
(
けいきゝゆう
)
は
恰
(
あだか
)
も
鵞毛
(
がもう
)
のごとく、
天空
(
てんくう
)
に
舞
(
ま
)
ひ
揚
(
あが
)
り、
舞
(
ま
)
ひ
降
(
さが
)
り、マルダイヴ
群島
(
ぐんたう
)
の
上
(
うへ
)
を
斜
(
なゝめ
)
に
飛
(
と
)
び
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
その黒い中に敵の弾丸は容赦なく落ちかかって、すべてが消え失せたと思うくらい
濃
(
こ
)
い煙が立ち
揚
(
あが
)
る。
怒
(
いか
)
る野分は横さまに煙りを
千切
(
ちぎ
)
って
遥
(
はる
)
かの空に
攫
(
さら
)
って行く。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
わたくしは此詩句を取つて、
姑
(
しばら
)
く
妄
(
みだり
)
に
下
(
しも
)
の如くに解する。霞亭の学術は前年癸亥に
略
(
ほゞ
)
成つた。歳晩の舟遊は、その新に卒業して
気
(
き
)
揚
(
あが
)
り
興
(
きよう
)
豪
(
がう
)
なる時に於てせられた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
幕は
揚
(
あが
)
った。
揚幕
(
あげまく
)
の霞を
出
(
い
)
づる、玉に
綾
(
あや
)
なす姿とともに、天人が見はるかす、松にかかった舞台の羽衣の
錦
(
にしき
)
には、脈打つ血が通って、おお空の富士の雪に
照栄
(
てりは
)
えた。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
どの町を歩いても、軒ごとに門松や輪飾りが綺麗に出来
揚
(
あが
)
って、新しい春がもう来たようであった。羽子板を突いている
少
(
わか
)
い娘たちの顔にも待ち遠しい色があった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
その時来た勅使(安倍
沙美麿
(
さみまろ
)
)が、「朝なさな
揚
(
あが
)
る雲雀になりてしか都に行きてはや帰り来む」(巻二十・四四三三)という歌を作ったので
其
(
それ
)
に和したものである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
訊き終ると喬介は、
広告気球
(
バルーン
)
のロープに着いて
揚
(
あが
)
って行く切り抜きの
広告文字
(
サイン
)
を見詰めた。
デパートの絞刑吏
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
揚
(
あが
)
らなくても骨が折れるけれど、斯う好く揚られると持っているのに却って骨が折れる。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
空っ風が強くて、黄色な
砂塵
(
すなぼこり
)
が
揚
(
あが
)
っていた。雪が来る前には乾くものだ。道は乾き切って割れている処さえあった。小高い丘の船問屋の高い竿の
尖
(
さき
)
に赤い旗が
翻々
(
ひらひら
)
と
閃
(
ひら
)
めいている。
越後の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
常に
飄然
(
ひようぜん
)
として、絶えて貴族的容儀を修めざれど、
自
(
おのづか
)
らなる七万石の品格は、
面白
(
おもてしろ
)
う
眉秀
(
まゆひい
)
でて、鼻高く、
眼爽
(
まなこさはやか
)
に、
形
(
かたち
)
の
清
(
きよら
)
に
揚
(
あが
)
れるは、
皎
(
こう
)
として
玉樹
(
ぎよくじゆ
)
の風前に臨めるとも
謂
(
い
)
ふべくや
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
是丈
(
これだけ
)
揚
(
あが
)
ったって手習丈の物はなくても宜いから無闇に手間賃を出してお遣んなさいよ
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
黄
薔薇
(
ばら
)
色に一
幅
(
ぷく
)
曳
(
ひ
)
いている中流の
水靄
(
みずもや
)
の中を、鐘ヶ淵へ石炭を運ぶ汽艇附の曳舟が鼓動の音を立てて行く。
鴎
(
かもめ
)
の群が、むやみに上流へ押しあげられては、飛び
揚
(
あが
)
って汐上げの下流へ移る。
娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
そのとき黄金の光りは
此方
(
こちら
)
——丘の裾の長く伸びた耕地にまで輝き渡って来た。畑地の方の薄い靄を含んだ水のような空には、もう
雲雀
(
ひばり
)
が高く
揚
(
あが
)
って、今日一日の歓喜を前奏しつつあった。
米
(新字新仮名)
/
犬田卯
(著)
強い風が吹いて濛々と
埃
(
ほこり
)
が
揚
(
あが
)
る、その中に雲雀の声がする、というのである。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
国重は師の名を犯せしが名声
揚
(
あが
)
らざりしかば
幾何
(
いくばく
)
もなくして業を廃せしといふ。その作
元
(
もと
)
より初代豊国に比する事
能
(
あた
)
はざれど今日に至りてこれを見れば同門の国貞
国政
(
くにまさ
)
らと並びて更に
軒輊
(
けんち
)
なし。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
即ち
日華
(
にっか
)
事変が最高潮に達していた頃の話である。英領南アフリカ喜望峰の近くに、
東倫敦
(
イースト・ロンドン
)
という小さい漁港がある。その西方数
哩
(
マイル
)
の海底から、トロール網にかかって、不思議な魚が
揚
(
あが
)
って来た。
イグアノドンの唄:――大人のための童話――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
北風の吹く冬の空に、
凧
(
たこ
)
が一つ
揚
(
あが
)
っている。その同じ冬の空に、昨日もまた凧が揚っていた。
蕭条
(
しょうじょう
)
とした冬の季節。凍った鈍い日ざしの中を、悲しく叫んで吹きまく風。
硝子
(
ガラス
)
のように冷たい青空。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
お光は店を
揚
(
あが
)
って、脱いだ
両刳
(
りょうぐ
)
りの
駒下駄
(
こまげた
)
と傘とを、次の茶の間を通り抜けた縁側の
隅
(
すみ
)
の下駄箱へ
蔵
(
しま
)
うと、着ていた
秩父銘撰
(
ちちぶめいせん
)
の
半纏
(
はんてん
)
を袖畳みにして、今一間茶の間と並んだ座敷の
箪笥
(
たんす
)
の上へ置いて
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
日
(
ひ
)
に
何
(
なん
)
千
人
(
にん
)
、
時
(
とき
)
としては
何萬人
(
なんまんにん
)
と
數
(
かず
)
へられ、お
賽錢
(
さいせん
)
だけでも
日
(
ひ
)
に
何
(
なん
)
百
圓
(
ゑん
)
といふ
揚
(
あが
)
り
高
(
だか
)
で、それに
連
(
つ
)
れて
今
(
いま
)
までは
寂
(
さび
)
しかつた
田舍道
(
ゐなかみち
)
に、
軒
(
のき
)
を
並
(
なら
)
べる
茶店
(
ちやみせ
)
やら
賣店
(
ばいてん
)
やら、これも
新築
(
しんちく
)
三百
餘軒
(
よけん
)
に
達
(
たつ
)
したとは
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
帰朝後はチョットした出張以外には福岡を離れる模様もなく、毎日毎日大学に腰弁をきめ込んでいるうちに、間もなく助教授から教授に進む。引続いて色々な難事件を解決する。名声はいよいよ
揚
(
あが
)
る。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
羽ばたくやうに舞ひ
揚
(
あが
)
る。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
一瞬、副将の吉田忠左衛門が、あっと、何かに驚いたのは、その長屋の一軒から、ぼうッと、火の手が
揚
(
あが
)
りかけたからである。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前に月樵の名誉が
揚
(
あが
)
らないといふた事について或人はわざわざ手紙をよこして、月樵の名誉の高き事をいふてあつた。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
間もなく萬之助の死骸は、兩國橋の下から
揚
(
あが
)
りました。お銀の
怨
(
うらみ
)
を晴した純情の一寸法師は、自分から身を投げて死んだことは言ふまでもありません。
銭形平次捕物控:151 お銀お玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
凧
(
たこ
)
が
言
(
い
)
ひました。
父
(
とう
)
さんが
大急
(
おほいそ
)
ぎで
糸
(
いと
)
を
出
(
だ
)
しますと、
凧
(
たこ
)
は
左右
(
さいう
)
に
首
(
くび
)
を
振
(
ふ
)
つたり、
長
(
なが
)
い
紙
(
かみ
)
の
尾
(
を
)
をヒラ/\させたりしながら、さも
心持
(
こゝろもち
)
よささうに
揚
(
あが
)
つて
行
(
ゆ
)
きました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
露伴氏は片手で水に
浸
(
ひた
)
した兵児帯を引張りあげた。大きな鱸が
幾尾
(
いくひき
)
かぴち/\跳ねながら
揚
(
あが
)
つて来た。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
五位は、風采の
甚
(
はなはだ
)
揚
(
あが
)
らない男であつた。第一背が低い。それから赤鼻で、眼尻が下つてゐる。口髭は勿論薄い。頬が、こけてゐるから、
頤
(
あご
)
が、人並はづれて、細く見える。
芋粥
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
唯
(
たゞ
)
見
(
み
)
る、
海蛇丸
(
かいだまる
)
の
船首
(
せんしゆ
)
よりは、
閃々
(
せん/\
)
と
流
(
なが
)
るゝ
流星
(
りうせい
)
の
如
(
ごと
)
き
爆發信號
(
ばくはつしんがう
)
が
揚
(
あが
)
つた、
此
(
この
)
信號
(
しんがう
)
は
他船
(
たせん
)
の
注意
(
ちうゐ
)
を
喚起
(
くわんき
)
する
夜間信號
(
やかんしんがう
)
、
彼
(
か
)
れ
大膽不敵
(
だいたんふてき
)
なる
海賊船
(
かいぞくせん
)
は、
今
(
いま
)
や
何故
(
なにゆゑ
)
か
其
(
その
)
信號
(
しんがう
)
を
揚
(
あ
)
げて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
不安
(
ふあん
)
の
火
(
ひ
)
の
手
(
て
)
は
段々
(
だん/\
)
揚
(
あが
)
つて
来
(
き
)
た。
其
(
それ
)
を
打消
(
うちけ
)
さうとする
傍
(
そば
)
から、「あの
始終
(
しゞう
)
人
(
ひと
)
の
顔色
(
かほいろ
)
を
読
(
よ
)
んでゐるやうな
目
(
め
)
の
底
(
そこ
)
には、
何等
(
なんら
)
かの
秘密
(
ひみつ
)
が
潜
(
ひそ
)
んでゐるに
違
(
ちがひ
)
ない。」と
私語
(
さゝや
)
くものがある。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
弘法様
(
こうぼうさま
)
で花火の
揚
(
あが
)
った
宵
(
よい
)
は、縁近く寝床を
摺
(
ず
)
らして、横になったまま、
初秋
(
はつあき
)
の
天
(
そら
)
を
夜半近
(
やはんぢか
)
くまで見守っていた。そうして忘るべからざる二十四日の来るのを無意識に待っていた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
古渡は
風采
(
ふうさい
)
揚
(
あが
)
らず、挙止
迂拙
(
うせつ
)
であったので、これと
交
(
まじわ
)
るものは
殆
(
ほとん
)
ど保
一人
(
いちにん
)
のみであった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
兼
(
かね
)
て同所に此店の職人が住で居まして、先日得意先から注文された飾物を其職人に
誂
(
あつら
)
えて置きました
所
(
とこ
)
ろ、一昨日が其出来
揚
(
あが
)
りの期限ですのに、
夜
(
よ
)
に入るまで届けて来ませんから
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
旦那さまのお死骸が何処を探しても知れねえというのは不思議で、其の癖出なくっても
宜
(
い
)
い百姓の清助の死骸ばかり
揚
(
あが
)
ったから、私は何うも何んだか水を見ると心持が悪くなりますよ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
機
(
はた
)
を織るにも畠を打つにも、舟を漕ぐにも馬を曳くにも、働く時にはいつも歌う。朝から晩まで歌っている。行くところに歌の
揚
(
あが
)
らぬことがあれば、そこには若い女がいないのである。
千鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
嫉妬の
火炎
(
ほむら
)
衝
(
つ
)
き上がりて、
汝
(
おのれ
)
十兵衛恩知らずめ、
良人
(
うち
)
の心の広いのをよいことにしてつけ上り、うまうま名を揚げ身を立つるか、よし名の
揚
(
あが
)
り身の立たばさしずめ礼にも来べきはずを
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
揚
常用漢字
中学
部首:⼿
12画
“揚”を含む語句
抑揚
鷹揚
油揚
悠揚
揚羽蝶
水揚
揚子江
揚言
飛揚
賞揚
打揚
揚屋入
揚煎餅
揚饅頭
取揚婆
引揚
揚屋
昂揚
揚々
揚代
...