大空おおぞら)” の例文
そして、大空おおぞらからもれるはるひかりけていましたが、いつまでもひとところに、いっしょにいられるうえではなかったのです。
花と人の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この匂は藍色あいいろ大空おおぞらと、薔薇色ばらいろの土とをて、暑き夏の造りかもせしものなれば、うつくしき果実の肉のうちには、明け行く大空の色こそ含まれたれ。
丁々坊は熊手をあつかい、巫女みこは手綱をさばきつつ——大空おおぞらに、しょう篳篥ひちりきゆうなるがく奥殿おくでんに再び雪ふる。まきおろして
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのときもうそろそろしらみかかってきた大空おおぞらの上を、ほととぎすが二声ふたこえ三声みこえいてとおって行きました。大臣だいじんいて
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それおおきなむれつくって、大空おおぞらせましとみだぶところは、とても地上ちじょうではられぬ光景ありさまでございます。
ほかの人が親切しんせつにしてくれなかったからといって、きたくなった時のもある。天気がよくて、いつも親切にわらいかけて下さる神様かみさまのような大空おおぞらが見えるからといって、楽しくなった時のもある。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
そして、まるい大空おおぞら一角いっかくを、三角形さんかくけいにくぎっていました。
大空おおぞらたかぶハヤブサワケの王のお羽織の料です。
すがすがしい天気てんきで、青々あおあお大空おおぞられていましたが、その奥底おくそこに、ひかったつめたいがじっと地上ちじょうをのぞいているようなでした。
冬のちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
山姥やまうば半分はんぶんなわをつかんだまま、たか大空おおぞらからまっさかさまに、ちょうど大きなそばばたけなかちました。
物のいわれ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
取り留めのなさは、ちぎれ雲が大空おおぞらから影を落としたか、と視められ、ぬぺりとして、ふうわり軽い。
海の使者 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この身のおわりを覚悟して見上みあぐる苦悩の大空おおぞら
たけおは、ぼんやりとまえって、あちらのたか若葉わかばが、大空おおぞらにけむっているのを、こころから、うつくしいとおもって、ながめていました。
花かごとたいこ (新字新仮名) / 小川未明(著)
するとすぐ、ぼそぼそというおとがして、たか大空おおぞらの上から、ながながくさなわがぶらがってきました。
物のいわれ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
大空おおぞら我名わがなをしるしとどめむものと
大空おおぞらをあおげば、ほし毎夜まいよのごとくわらったり、はなしをしたりしますけれど、やまはもっと身近みぢかに、ともだちをちたかったのでした。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こまりきってしまって、二人ふたり大空おおぞら見上みあげながら、ありったけのかなしいこえをふりしぼって
物のいわれ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
大空おおぞら自由じゆうぶことをあこがれているけれど、だれも、それらのとりのためにかんがえるものがないばかりか、そのこえたのしんでいる。
自由 (新字新仮名) / 小川未明(著)
青々あおあおれた大空おおぞらの上に、ぽつん、ぽつんと、白い点々てんてんのようにえていた、仲間なかま少女おとめたちの姿すがたも、いつのにか、その点々てんてんすらえないほどのとおくにへだたって、あいだにははるかすみ
白い鳥 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
またひかった! そのたび大空おおぞらが、えるように青白あおじろいほのおでいろどられて、あかるく家屋かおくも、木立こだちも、大地だいちからがってられた。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
年前ねんまえみずうみのそばで少女おとめがしたように、あしずりをしてくやしがりましたが、かわいらしい白いとり姿すがたは、てしれない大空おおぞらのどこかにかくれてしまって、てんあいだには、いくえにもいくえにも
白い鳥 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「さあ、ふたりとも、これでいいだろう。」と、太陽たいようはいって、また、むかしのごとく、まじめなかおつきにかえって、大空おおぞらかがやきました。
すみれとうぐいすの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あっ、わたどりが!」と、小田おだが、大空おおぞらしました。はるかに、そらをたがいにいたわりながら、とおたびをするとりかげられました。
眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なぜ、おかあさん、わたしたちも、人間にんげんのとどかない、大空おおぞらたかがってかないのです?」と、子供こどもたちが、たずねると
平原の木と鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あおい、あおい、奥底おくそこから、一つ、一つほしひかりかがやきはじめて、いつのまにか大空おおぞらは、まいたようにほしがいっぱいになったのです。
星と柱を数えたら (新字新仮名) / 小川未明(著)
まりさん、わたしは、よるになると、こういうようにつきせて、大空おおぞらあるくのです。しかしつきは、よるでなければ、やってきません。
あるまりの一生 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もくら、もくらと、しろくもが、大空おおぞらあたまをならべる季節きせつとなりました。とおくつづくみちも、りょうがわのまちも、まぶしいひかりをあびています。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「やあ、きれいだな。」と、としちゃんは、みずたまりのところにまって、大空おおぞらしろくもしたみずおもてうつっているのをのぞいていました。
風船虫 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのほうなみおだやかで、太陽たいようしずかに大空おおぞらえていました。そらは、あおく、あおれて、海鳥うみどりんでいるのもえました。
薬売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
めずらしく、そられたでありました。やまいただきから高原こうげんにかけて、みわたった大空おおぞらいろは、あおく、あおく、られたのです。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
またりっぱな建物たてものられました。そして、あちらには、煙突えんとつからくろけむりがって、そのけむり雲切くもぎれのした大空おおぞらおきほうへとなびいていました。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、つき大空おおぞらがり、そのしたながれているかわみずが、一筋ひとすじぎんぼういたように、しろひかってえたのでした。
びんの中の世界 (新字新仮名) / 小川未明(著)
青年せいねんは、不思議ふしぎなものをたものだ。なぜなら、そのぴかぴかするひかりは、大空おおぞらをはるかにんでいったとりひかりに、よくているとおもったからでした。
三つのかぎ (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、はげしいかぜおそうたびに、それらのたちは、ちょうどのように、大空おおぞらがり、あてもなく野原のはらほうへとけてゆくのでした。
町の天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
よくれた、あおあお大空おおぞらには、ぽかりと、一つしろくもが、かんでいました。くもも、したのこのようすをながめて、うらやましがっているようでした。
托児所のある村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
むら子供こどもたちは、そのさえずるこえいて、自由じゆうに、大空おおぞらんでいけるとりうえをうらやんだのであります。
高い木とからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのくもは、おそらく大空おおぞらとしわか女王じょおうでありましたでしょう。ゆうゆうとそらただよって、このやまぎるのでした。
山の上の木と雲の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なるほど、猟師りょうしおおきな灰色はいいろをしたわしをっていました。青年せいねんは、毎日まいにちのように大空おおぞらたかんでいったとりは、このわしであったかとおもいました。
三つのかぎ (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるのこと、まだ太陽たいようないまえでありました。あたまうえつばさおとこえたかとおもうと、うつくしいしろばとが大空おおぞらをまわりながらうえりてきました。
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひと思想しそうも、なにかに原因げんいんするものか、以来いらいわたしは、地上ちじょうはなよりは、大空おおぞらをいくくもあいするようになりました。
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これをきくと、としちゃんは、なんとなくいし故郷こきょうがなつかしいがして、おもわず、大空おおぞらてをながめたのです。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのいきおいは、さながら、あきになってひよどりのくる、あのたかおおきなかしのたかさをきそい、さらに大空おおぞらかぶしろくもらえようとしているのでした。
へちまの水 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのは、いつになくそられていました。さえわたった大空おおぞらに、あおあかみどりむらさきほしひかりが、ちょうど宝石ほうせきのくびかざりのごとくかがやいていたのであります。
宝石商 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぐんが、はなびらをりまいたように、そらったのです。つづいて大群たいぐん大空おおぞらをかすめて、さきんでいった、れのあとにつづきました。
北海の波にさらわれた蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ああ、もうはるだ。これからは、そうたいした吹雪ふぶきもないだろう。むかしひろ大空おおぞらんでいたものを、一しょうこんなせまいかごのなかれておくのはかわいそうだ。
こまどりと酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いつもほこりっぽい建物たてもの屋根やねからがって、あちらの屋根やねあいだちるのでした。くさは、夜々よよ大空おおぞらかがやほしひかりあおいで、ひとりさびしさにいたのです。
山へ帰りゆく父 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このとき、みみもとへ、ささやくものがありました。大空おおぞらをわたる、初夏しょかかぜが、くさけるおとでした。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
えだができあがりますと、親鳥おやどりはひなどりをつれて、あるときは青々あおあおとした大空おおぞらんでうみほうへ、あるときは、またやまえてまちのあるほうへとゆきました。
大きなかしの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
大空おおぞらくもいろは、やわらかに、かぜあたたかでした。どこからか、きりのはなあまにおいがながれてきました。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もう二太陽たいようひかりられないんでなかろうか、そして、あの夜々よよに、大空おおぞらかがや大好だいすきなほしひかりのぞむことができないのでなかろうかと、うれいましたが、また
つばきの下のすみれ (新字新仮名) / 小川未明(著)