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途中
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とちゅう
ふりがな文庫
“
途中
(
とちゅう
)” の例文
「蝗君。大旅行家。ではさよなら。用心をしたまえ——
途中
(
とちゅう
)
でいたずらっ子につかまってその美しい
脚
(
あし
)
をもがれないように。失敬。」
蝗の大旅行
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
ぼくは学校から帰る
途中
(
とちゅう
)
たびたびカムパネルラのうちに寄った。カムパネルラのうちにはアルコールラムプで走る汽車があったんだ。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
二人
(
ふたり
)
は、そこで
悲
(
かな
)
しい
別
(
わか
)
れをしました。びっこの
娘
(
むすめ
)
は、ひとり
山道
(
やまみち
)
を
歩
(
ある
)
いて
帰
(
かえ
)
ります
途中
(
とちゅう
)
、
道
(
みち
)
ばたの
石
(
いし
)
の
上
(
うえ
)
に
腰
(
こし
)
をかけて
休
(
やす
)
みました。
日がさとちょう
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
旅
(
たび
)
の
途中
(
とちゅう
)
で、
煙草畑
(
たばこばたけ
)
に葉をつんでいる少女に
会
(
あ
)
った。少女はついこのあいだ、
緋
(
ひ
)
おどし
谷
(
だに
)
から
里
(
さと
)
へ帰ってきた
胡蝶陣
(
こちょうじん
)
のなかのひとり。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
来る
途中
(
とちゅう
)
小間物屋で買って来た
歯磨
(
はみがき
)
と
楊子
(
ようじ
)
と
手拭
(
てぬぐい
)
をズックの
革鞄
(
かばん
)
に入れてくれた。そんな物は入らないと云ってもなかなか承知しない。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
けれどその
途中
(
とちゅう
)
で、うちの子は
授業料
(
じゅぎょうりょう
)
を
免除
(
めんじょ
)
してもらってるのだったっけ、と思い出した。
騒
(
さわ
)
ぎを
持
(
も
)
ちあげるわけに
行
(
い
)
かなかった。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
その
後
(
のち
)
、
新院
(
しんいん
)
はおとらわれになって、
讃岐
(
さぬき
)
の
国
(
くに
)
に
流
(
なが
)
され、
頼長
(
よりなが
)
は
逃
(
に
)
げて
行
(
い
)
く
途中
(
とちゅう
)
だれが
射
(
い
)
たともしれない
矢
(
や
)
に
射
(
い
)
られて
死
(
し
)
にました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
私はいつかこんなところをひょっくり昔の女友達にでも出会いはしないかと一人で気を
揉
(
も
)
んでいたが、ときどき、そんな散歩の
途中
(
とちゅう
)
に
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
浪打際
(
なみうちぎわ
)
を
歩
(
ある
)
いたように
感
(
かん
)
じたのはホンの一
瞬間
(
しゅんかん
)
、
私達
(
わたくしたち
)
はいつしか
電光
(
でんこう
)
のように
途中
(
とちゅう
)
を
飛
(
と
)
ばして、
例
(
れい
)
のお
宮
(
みや
)
の
社頭
(
しゃとう
)
に
立
(
た
)
っていました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「ここだよお! おれが大通りで見つけたものを見てくれ」そう言いながら、
途中
(
とちゅう
)
で見つけてきた、死んだカラスを見せました。
のろまのハンス:――むかしばなしの再話――
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
おばさんは、夜更けを待って、裏口から質屋へ行く
途中
(
とちゅう
)
ででもあったのであろう。おばさんの帯の間から質屋の通いがおちた。
風琴と魚の町
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
ひとしきり笑いさざめいたあげく、ともかく学校へ向かった。
途中
(
とちゅう
)
で出あう人たちは、いちいち
見舞
(
みま
)
いのことばをおくった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
牛丸少年の方は、
途中
(
とちゅう
)
で手間どっていた。というのは、東道では、途中で
丸木橋
(
まるきばし
)
が落ちていて、そのため彼は大まわりしなくてはならなかった。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
片道一里もあるところをたった二合ずつ買いに
遣
(
よこ
)
されて、そして気むずかしい日にあ、こんなに量りが悪いはずはねえ、
大方
(
おおかた
)
途中
(
とちゅう
)
で飲んだろう
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
朝倉夫人は、話の
途中
(
とちゅう
)
で、みんなの昼飯の用意をするために、本館の炊事場のほうに行ったが、行きがけに次郎に言った。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
いまも、
駅
(
えき
)
からのかえり道で、いつもとおなじようにホールは
途中
(
とちゅう
)
で、さんざん
世間話
(
せけんばなし
)
に
油
(
あぶら
)
を売ってきたところである。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
いま小初は
黙
(
だま
)
って「一」の動作を初めたが、すぐ思い返して
途中
(
とちゅう
)
からの「二」と号令をかけ跳び込みの姿勢を取った。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
照彦
(
てるひこ
)
様はまもなく台所で見つかって、お母様のお
部屋
(
へや
)
へ引かれてゆく
途中
(
とちゅう
)
、
小間使
(
こまづか
)
いの手の
甲
(
こう
)
に歯あとの残るほどかみついて、また一つ
罪
(
つみ
)
がふえた。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
王はおん
自
(
みずか
)
ら
太刀
(
たち
)
を
振
(
ふる
)
って防がれたけれども、ついに
賊
(
ぞく
)
のために
斃
(
たお
)
れ給い、賊は王の
御首
(
みしるし
)
と神璽とを
奪
(
うば
)
って
逃
(
に
)
げる
途中
(
とちゅう
)
、雪に
阻
(
はば
)
まれて
伯母
(
おば
)
ヶ
峰
(
みね
)
峠
(
とうげ
)
に行き暮れ
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
わたしは
一遍
(
いっぺん
)
に酔いがさめた。とはいえ、家へ
戻
(
もど
)
る
途中
(
とちゅう
)
で、わたしはやはり、ニワトコの
陰
(
かげ
)
の例のベンチのそばへ行って、ジナイーダの
寝室
(
しんしつ
)
の小窓を見上げた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
ニールスは、
讃美歌
(
さんびか
)
の本をさがしだして、ひくい声で二つ三つ読みはじめました。ところが、読んでいるさいちゅうに、とつぜん、
途中
(
とちゅう
)
でやめてしまいました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
幾
(
いく
)
つもの大牧場を通って——
途中
(
とちゅう
)
でだいぶ自動車を
停
(
と
)
めた
露骨
(
ろこつ
)
なランデェブウにもお目にかかりました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
……マーキューシオーの
親戚
(
しんせき
)
のパリス
殿
(
どの
)
ぢゃ!
馬
(
うま
)
に
騎
(
の
)
って
來
(
く
)
る
途中
(
とちゅう
)
、
家來
(
けらい
)
めが
何
(
なん
)
とか
言
(
い
)
うた
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
今時分
(
いまじぶん
)
、おせんがいないはずはないから、ひょっとすると八五
郎
(
ろう
)
の
奴
(
やつ
)
、
途中
(
とちゅう
)
で
誰
(
だれ
)
かに
遇
(
あ
)
って、
道草
(
みちくさ
)
を
食
(
く
)
ってるのかも
知
(
し
)
れぬの。
堺屋
(
さかいや
)
でもどっちでも、
早
(
はや
)
く
来
(
く
)
ればいいのに。——
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
袖子
(
そでこ
)
は、その
心配
(
しんぱい
)
から、
子供
(
こども
)
と
大人
(
おとな
)
の二つの
世界
(
せかい
)
の
途中
(
とちゅう
)
の
道端
(
みちばた
)
に
息
(
いき
)
づき
震
(
ふる
)
えていた。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
甚兵衛
(
じんべえ
)
は馬を雪にあてないように、
途中
(
とちゅう
)
の
立場茶屋
(
たてばちゃや
)
に二三時間休みますと、幸いにも雪が止みましたので、これならば泊まってゆくにも及ばないと思って、急いで家に帰りかけました。
天下一の馬
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
警部
(
けいぶ
)
が
話
(
はな
)
したのは、
金魚屋
(
きんぎょや
)
笹山大作
(
ささやまだいさく
)
の
申立
(
もうした
)
てについてである。
途中
(
とちゅう
)
まで
平松刑事
(
ひらまつけいじ
)
はだまつて
聞
(
き
)
いた。そして、ランチュウが
老人
(
ろうじん
)
の
家
(
うち
)
へ
届
(
とど
)
けられたのは、お
節句
(
せっく
)
の
日
(
ひ
)
の
朝
(
あさ
)
だとわかつたとたんに
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
それからもしそのお雑巾
次手
(
ついで
)
にずッぷりお
絞
(
しぼ
)
んなすって下さると
助
(
たすか
)
ります、
途中
(
とちゅう
)
で大変な目に
逢
(
あ
)
いましたので体を
打棄
(
うっちゃり
)
りたいほど気味が悪うございますので、一ツ背中を
拭
(
ふ
)
こうと存じますが
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
巨男
(
おおおとこ
)
は、
都
(
みやこ
)
へのぼろうと思いました。
途中
(
とちゅう
)
でどうかして、白鳥に
涙
(
なみだ
)
を流させようとしました。頭をたたいたり、お
尻
(
しり
)
をつねったりしたのです。けれど白鳥は、けっして一
滴
(
てき
)
さえ
涙
(
なみだ
)
を出しませんでした。
巨男の話
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
ぼくは学校から帰る
途中
(
とちゅう
)
たびたびカムパネルラのうちに
寄
(
よ
)
った。カムパネルラのうちにはアルコールランプで走る汽車があったんだ。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そのうち、
車掌
(
しゃしょう
)
が、
切符
(
きっぷ
)
を
切
(
き
)
りにきて、
一人
(
ひとり
)
の
男
(
おとこ
)
の
前
(
まえ
)
で、なにかあらあらしくいっていたが、その
男
(
おとこ
)
を、
途中
(
とちゅう
)
からおろしてしまった。
かたい大きな手
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ひとりの男の子はまだ
小
(
ち
)
ッけえうちに、
伊勢
(
いせ
)
まいりにいった
途中
(
とちゅう
)
でかどわかされ、たったひとりのこっていた
娘
(
むすめ
)
は……その娘は……
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
途中
(
とちゅう
)
、山の上にさしかかりますと、
今
(
いま
)
までからりと
晴
(
は
)
れ
上
(
あ
)
がって
明
(
あか
)
るかった
青空
(
あおぞら
)
が、ふと
曇
(
くも
)
って、そこらが
薄
(
うす
)
ぼんやりしてきました。
白い鳥
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
岬へ
赴任
(
ふにん
)
ときまったとき、はたと
当惑
(
とうわく
)
したのはそれだった。
途中
(
とちゅう
)
まであったバスさえも、戦争中になくなったまま、いまだに開通していない。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
そんな
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
いまして、
途中
(
とちゅう
)
で
私
(
わたくし
)
とすれ
違
(
ちが
)
う
時
(
とき
)
などは、
土地
(
とち
)
の
男
(
おとこ
)
も
女
(
おんな
)
も
皆
(
みな
)
泪
(
なみだ
)
ぐんで、いつまでもいつまでも
私
(
わたくし
)
の
後姿
(
うしろすがた
)
を
見送
(
みおく
)
るのでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
堪
(
たま
)
りかねてその
子家鴨
(
こあひる
)
は
自分
(
じぶん
)
の
棲家
(
すみか
)
をとび
出
(
だ
)
してしまいました。その
途中
(
とちゅう
)
、
柵
(
さく
)
を
越
(
こ
)
える
時
(
とき
)
、
垣
(
かき
)
の
内
(
うち
)
にいた
小鳥
(
ことり
)
がびっくりして
飛
(
と
)
び
立
(
た
)
ったものですから
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
途中
(
とちゅう
)
帽子
(
ぼうし
)
を失いたれど
購
(
あがな
)
うべき
余裕
(
よゆう
)
なければ、洋服には「うつり」あしけれど
手拭
(
てぬぐい
)
にて
頬冠
(
ほおかぶ
)
りしけるに、犬の
吠
(
ほ
)
ゆること
甚
(
はなはだ
)
しければ自ら
無冠
(
むかん
)
の
太夫
(
たゆう
)
と洒落ぬ。
突貫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そして、みんなは、
途中
(
とちゅう
)
で一休みするために、きまってエーランド島へ立ちよるのだそうです。だから、エーランド島へいく道は、すぐにわかるという話でした。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
「せっかく、
救
(
たす
)
けて頂いたようなものの、行先の
覚束
(
おぼつか
)
なさ、
途中
(
とちゅう
)
の
難儀
(
なんぎ
)
、もう一足も踏み出す勇気はございません。いっそこの川へ身を投げて死にとうございます」
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
途中
(
とちゅう
)
、サンキスト・オレンジのたわわに実る陽光
眩
(
まば
)
ゆい南カルホルニアの平野を
疾駆
(
しっく
)
、処々に働いている日本人農夫の
襤褸
(
ぼろ
)
ながらも、平和に、尊い姿を
拝見
(
はいけん
)
しました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
現に君らは、今朝の板木の音の調子が
途中
(
とちゅう
)
から変わったことで、それがわかっただろうと思う。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
この
勢
(
いきお
)
いで、あと一時間ばかり走らなければならないが、
途中
(
とちゅう
)
、ベルギー兵かフランス兵にとがめられたとすると、人造人間にのった私たちは、化物かスパイ扱いにされて
人造人間の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
控所へくれば、すぐ、うらなり君が眼に付く、
途中
(
とちゅう
)
をあるいていても、うらなり先生の様子が心に
浮
(
うか
)
ぶ。温泉へ行くと、うらなり君が時々
蒼
(
あお
)
い顔をして
湯壺
(
ゆつぼ
)
のなかに
膨
(
ふく
)
れている。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
番頭
(
ばんとう
)
の
幸兵衛
(
こうべえ
)
は、
帳付
(
ちょうづけ
)
の
筆
(
ふで
)
を
投
(
な
)
げ
出
(
だ
)
して、あわてて
暖簾口
(
のれんぐち
)
へ
顔
(
かお
)
を
出
(
だ
)
したが、ひと
目
(
め
)
徳太郎
(
とくたろう
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
るとてっきり、
途中
(
とちゅう
)
で
喧嘩
(
けんか
)
でもして
来
(
き
)
たものと、
思
(
おも
)
い
込
(
こ
)
んでしまったのであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
みんな
心配
(
しんぱい
)
しました。マサちゃんが
気狂
(
きちがい
)
になったのだと思いました。そしてむりに、
家
(
うち
)
へ
連
(
つ
)
れかえりました。
途中
(
とちゅう
)
でも、マサちゃんは風に
向
(
むか
)
って、「ばか、ばかー」とどなっていました。
風ばか
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
お母様の前をひきさがってお
部屋
(
へや
)
へもどる
途中
(
とちゅう
)
、
照彦
(
てるひこ
)
様は内藤君を
肩
(
かた
)
で押してきた。内藤君は知らん顔をしていた。この上
喧嘩
(
けんか
)
を買いたくない。その中に照彦様は正三君の肩に手をかけて
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
やっと
一人
(
ひとり
)
だけ通れるか通れない位の、
狭
(
せま
)
い、小さな坂道を上って行こうとした
途中
(
とちゅう
)
で、私はその坂の上の方から数人の少女たちが笑いさざめきながら
駈
(
か
)
け下りるようにして来るのに
出遇
(
であ
)
った。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
津村は何日に大阪を立って、
奈良
(
なら
)
は若草山の
麓
(
ふもと
)
の
武蔵野
(
むさしの
)
と云うのに宿を取っている、———と、そう云う
約束
(
やくそく
)
だったから、こちらは東京を夜汽車で立ち、
途中
(
とちゅう
)
京都に一泊して二日目の朝奈良に着いた。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
北
(
きた
)
の
海
(
うみ
)
の
方
(
ほう
)
にすんでいたかもめは、ふとして
思
(
おも
)
いたって
南
(
みなみ
)
の
方
(
ほう
)
へと
飛
(
と
)
んできました。
途中
(
とちゅう
)
でにぎやかな
街
(
まち
)
が
下
(
した
)
の
方
(
ほう
)
にあるのを
見
(
み
)
ました。
馬を殺したからす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
教会へ行く
途中
(
とちゅう
)
、あっちの小路からも、こっちの広場からも、三人四人ずついろいろな礼装をした人たちに、私たちは会いました。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
途
常用漢字
中学
部首:⾡
10画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“途”で始まる語句
途
途端
途々
途方
途切
途絶
途轍
途次
途上
途断