“湯壺”の読み方と例文
読み方割合
ゆつぼ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
湯壺ゆつぼ花崗石みかげいしたたみ上げて、十五畳敷じょうじきぐらいの広さに仕切ってある。大抵たいていは十三四人つかってるがたまには誰も居ない事がある。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
開放あけはなったガラス戸の外は一望の緑、眼下には湯壺ゆつぼへの稲妻型廊下いなづまがたろうかの長い屋根、こんもり茂った樹枝の底に、鹿股川かのまたがわの流れが隠顕いんけんする。脳髄がジーンと麻痺まひして行く様な、なき早瀬のひびき
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
顔は見えないが、湯壺ゆつぼのなかでいきな声で源太節げんたぶしを唄っているのがひとり。
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)