“ゆつぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
湯壺76.9%
温泉壺7.7%
湯坪7.7%
湯槽7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
開放あけはなったガラス戸の外は一望の緑、眼下には湯壺ゆつぼへの稲妻型廊下いなづまがたろうかの長い屋根、こんもり茂った樹枝の底に、鹿股川かのまたがわの流れが隠顕いんけんする。脳髄がジーンと麻痺まひして行く様な、なき早瀬のひびき
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「いたしますとも、真昼、北上川の温泉壺ゆつぼの中に、白い首と、旦那の首と、二つならべて、河鹿かじかを聞いているなんざあ、言語道断」
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「二、三度、温泉壺ゆつぼの中で、ぶつかったな」
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは高橋廉一れんいち氏のかんするところである。その結果がよいところから、東京電灯が玖珠くす飯田はんだ湯坪ゆつぼまた地熱研究所を設置している。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
ここらあたりにもまた沢山たくさんの湯がわいておる。湯坪ゆつぼという村にはすじ湯、大岳おおたけ地獄、疥癬ひぜん湯、河原の湯、田野たのという村には星生ほっしょうの湯、中野の湯、かんの地獄、うけくち温泉というのがある。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
起きても、羽織すら用意して来なかったので、内湯に行ったのである。広いという程でないけれど、澄み切った礦泉が湯槽ゆつぼに溢れている。足の爪尖つまさきまで透き通って見ることが出来る。
渋温泉の秋 (新字新仮名) / 小川未明(著)