など)” の例文
つぼや皿や古画などを愛玩して時間が余れば、昔の文学者や画家の評論も試みたいし、盛んに他の人と論戦もやつて見たいと思つてゐる。
風変りな作品に就いて (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
なほ針葉樹しんようじゆであつて常緑じようりよく(まつ、すぎなど)を『常緑針葉樹じようりよくしんようじゆ』といひ、代濶葉樹かかつようじゆであつて常緑じようりよく(かし、くすとう)を『常緑濶葉樹じようりよくかつようじゆ
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
わが伏姫を論ぜんと企てしは、その純潔を観察するにとゞめんとせしなるに、図らずも馬琴の哲学に入りて因果論などをほのめかすに至りぬ。
新青年などの証拠品が、六郎氏の書斎の錠前つき本棚にあったこと、その錠前の鍵は一つしかなく、六郎氏が行住坐臥ぎょうじゅうざが所持していたことは
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
冑を冠ると左右が見えないなどと理屈を云い乍ら進むと、城の部将本渡の但馬五千を以て逆襲し、その勢いは猛烈である。
島原の乱 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
蕎麥そば、お汁粉しるこなど一寸ちよつとはひると、一ぜんではまず。二ぜんは當前あたりまへ。だまつてべてれば、あとから/\つきつけ習慣しふくわんあり。古風こふう淳朴じゆんぼくなり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
じつこの音色ねいろたくはへてなどといふは、不思議ふしぎまうすもあまりあることでござりまする。ことに親、良人をつとたれかゝはらず遺言ゆゐごんなどたくはへていたらめうでござりませう。
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
独木舟を操り、水狸や獺をとらえる。麻布あさぬのの製法を知っていて、獣皮と共にこれを身にまとう。馬肉、羊肉、木苺きいちごひしの実などい、馬乳や馬乳酒をたしなむ。
狐憑 (新字新仮名) / 中島敦(著)
一度などは祖母が止めるのも聞かずに出掛けて行くと、漸々山田の家の垣根まで行くか行かないに男を走らせて
お久美さんと其の周囲 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
気軽に、いいえ僕がいけないのです、などと言ってその場の形を、さりげなく整えるなんて芸当は僕には出来ない。そんな白々しい、不誠実な事は僕には出来ない。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
あいのおさえのという蒼蠅うるさい事のないかわり、洒落しゃれかつぎ合い、大口、高笑、都々逸どどいつじぶくり、替歌の伝受など、いろいろの事が有ッたが、蒼蠅うるさいからそれは略す。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
勿体なくも八幡宮のお膝下に住居すまいする仏惣兵衛の、正直のこうべに宿ろうなどとは思われないが、しかし現場から感じた吾輩のインスピレーションの正体は、突飛とっぴでも何でも
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「時次の野郎猫ばゞをきめて、懷鏡一つでお松の氣を引かうなどは太てえ量見ぢやありませんか」
(前略)既に御身にも新紙などにて御承知の事と被存候ぞんぜられさふらふが、当国は昨秋以来経済界に大恐惶だいきようくわう有之これあり
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
孤子也みなしごなりとていつくしみうまき食物などの有ば常に殘し置てつかはしなどしける此日師匠の用事にて來りけるをりから冬の事にて婆は圍爐裡ゐろりあたりゐけるが寶澤の來るを見て有あふ菓子などを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もし櫻島さくらじまのように四合目邊しごうめあたりからつくはじめ、そこから鎔岩ようがんなが慣例かんれいつてゐるものならば、その完全かんぜんにするために、土砂どさばすなどはたらきをする。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
「すると君のお父様はその婆さんやオンコッコなどと、以前まえから仲がよかったのですね?」
横地半九郎方を襲っているのが喬之助ではなくて茨右近であろうなどとは脇坂山城守ゆめにも知らないから、今夜こそは間違いなく神尾喬之助を討ち取ることが出来るであろうと
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
うすぼんやりしたような夜で、急な河の水音ばかりが、はげしく強く耳に入った。楯井さんは、いま自分が行こうとしている所の、惨虐な事件のことなどは、少しも考えられなかった。
惨事のあと (新字新仮名) / 素木しづ(著)
道子の事に就て、友田は道子との特別の交際に関しては絶対に事実無根であると主張し、殊に当夜道子とひそかに話をしたなどという事は全く新聞の書いた偽りであると申して居りました。
彼が殺したか (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
ただ当時とうじ男子だんしにとりてなによりの娯楽たのしみ猪狩ししが兎狩うさぎがなどあそびでございました。
同じ黒瓦でも朝鮮のものなどは、あんなにも味わいが深いのですから不思議です。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
宮が居間とふまでにはあらねど、彼の箪笥たんす手道具など置きたる小座敷あり。ここには火燵こたつの炉を切りて、用無き人の来てはかたみ冬籠ふゆごもりする所にも用ゐらる。彼は常にここに居て針仕事するなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
別に何も入っていないが、そのあたりには真黒まっくろすすが、うずたかつもっていて、それに、木のきれや、藁屑わらくずなどが、乱雑にちらかっているので実に目も当てられぬところなのだ、それから玄関を入ると、突当つきあたりが台所
怪物屋敷 (新字新仮名) / 柳川春葉(著)
樹木じゆもくには、それ/″\日陰地ひかげちにもよくそだや、また日陰ひかげ日陽ひなた中間ちゆうかんのところをこのなど種類しゆるいによつて、土地とちてき不適ふてきがあります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
ラゲさんは、自分の生国しやうこくが、クリストフがかつて居住してゐた土地であるといふ話しなどが出たので、一寸ちよつと因縁いんねんをつけて考へたものであつた。
風変りな作品に就いて (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「……前額ぜんがくの中央に弾痕のある点ピストルの落ちていた位置などもって見るも自殺とは考えられぬ、其筋そのすじでは他殺の見込みを以て、已に犯人捜索に着手した」
灰神楽 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
夜、やみの中を跳梁ちょうりょうするリル、そのめすのリリツ、疫病えきびょうをふりくナムタル、死者の霊エティンム、誘拐者ゆうかいしゃラバスなど、数知れぬ悪霊あくりょう共がアッシリヤの空にち満ちている。
文字禍 (新字新仮名) / 中島敦(著)
きょうもクラスの生徒たちは、少女倶楽部クラブ、少女の友、スターなどの雑誌をポケットにつっこんで、ぶらりぶらりと教室にやって来る。学生ほど、今日、無智むちなものはない。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
琵琶歌などでも「天文二十三年秋の半ばの頃とかや」と歌ってあるが、之は間違いである。
川中島合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「尋ぬる夫の容形なりかたち、姿は詞に語るとも、心は筆も及びなき、ぼんじやりとしてきつとして、花橘の袖の香に」以下の一節などは、いかにもヲフヱリヤが狂ひに狂ひし歌に比べて多くはぢず。
「歌念仏」を読みて (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
そして自分じぶん部屋へやはひると、ふるびたあをいビロードの椅子いすこしをおろして、そのひざをもんだり、いたさをこらへてすこしでもげやうとしたり、または罨法あんはふしてそつとのばしたりなどした。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
見やりて父は打笑ひませた樣でもまだ幼稚こども兎角とかく縁談の事などはづかしいのが先に立ゆゑ判然はつきり返事へんじも出來ぬ物だが一しやう連添つれそふ本夫をつとの事いやな者をば無理むりやりに行とは決して言はせねど昨日きのふ向ふは其方そなた
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
今日こんにちになつて見ると、右の会員の変遷へんせんおどろもので、其内そのうち死亡しばうしたもの行方不明ゆくへふめいもの音信不通いんしんふつうものなどが有るが、知れてぶんでは、諸機械しよきかい輸入ゆにふ商会しやうくわいもの一人ひとり地方ちはう判事はんじ一人ひとり
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
この青紅幇の組織内容はまことに整然たるものであって、団結力の強いことは驚くばかり、僚友を救うこと、監督者の命を遵奉すること、一致動作することなども目覚ましい位に厳しく行われている。
あなたは私が当時全く知らなかったポーやドイルやフリーマンや、又はクラフトエビングなどの本を何処からかたずさえ来って語学の勉強の為、という名目のもとに私にその多くを紹介したではありませんか。
悪魔の弟子 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
今日こんにち、ひのき、すぎなどはやしをこのたいなかるのは、ひとうつゑたもので、もと/\ひのき、すぎなど温帶林おんたいりん生育せいいくしてゐたものです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
お咳も、ただの風邪のお咳と違うような気がすることなどを申し上げて、御診察をお願いした。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
花卉かき、石材、ガラス板、セメント、鉄材、などの註文書が、或は註文の使者が、遠くは南洋の方までも送られ、夥多あまたの土方、大工、植木職などが続々として各地から召集されました。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
たとへば太平記、平家物語、などは高等民種のうちに歓迎せられたりといへども、平民社界に迎へらるべき様なし、かるが故に彼等の内には自ら、彼等の思想に相応なる物語、小説の類生れ出でたり
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
斯くて澤井友次郎は彼の町人のすゝめにより水口の宿外れよりお花を駕籠にのせ其身は町人と共に咄など爲乍しながら駕籠のあとに付てゆく程に一里餘りにして大野といへ建場たてばに來りしが友次郎は過つて草鞋の
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
やはり艶のいゝ生き/\した頬をして、娘の時のやうにありあまるやうな黒髮を手輕な銀杏返しに結つて、白い兩腕をせはしく動かしながら、赤ん坊の着物を縫つたり、おむつをかへたりなどしてゐた。
(旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
たとい一時期でもあのうわさを信じ、王さまを疑っていたとは恥ずかしい、あんな失礼な朗読劇なんかをやって、後でおしかりがなければいいがなどと言って、全く叔父さんを信用し
新ハムレット (新字新仮名) / 太宰治(著)
京子の居間は、十畳程の洋室で、一方の隅には彫刻のある書きもの机、廻転椅子、書棚などが置かれ、別の隅には、贅沢な化粧台、又別の隅には大きな竪型のピアノが黒く光っていた。
恐怖王 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
またの霊妙なる厭世思想家なども、遂に処女の純潔を尊むに至らず、千載の孤客をして批評の筆硯に対して先づ血涙一滴たらしむ、嗚呼あゝ、処女の純潔に対して端然としてえりたゞしうする作家
大きな松の木が三本あるといふ事などを、好意を示して彼等に話した。
幸福への道 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
わしだって君を、心の底から我が子と呼んで抱きしめる程の愛情は、打ち明けたところ、どうしても感ぜられない状態なのですから、君にだけ、無理に愛せよなどとは言えません。
新ハムレット (新字新仮名) / 太宰治(著)
あくまでも意地を張り通して、母親の機嫌を損じる事などはかえりみていなかった。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
人心漸く泰平の娯楽をうつたへ、の芒々たる葦原よしはら(今日の吉原)に歌舞妓、見世物など、各種の遊観の供給起り、これに次いで遊女の歴史に一大進歩を成し、高厦巨屋いらかを并べて此の葦原に築かれ
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
ご自分の悪事を言われたくないばかりに、やたらに他人の噂を大事件のように言いふらし、困ったことさなどと言って思案投首なげくび、なるほど聡明そうめいな御態度です。醜聞の風向を、ちょいと変える。
新ハムレット (新字新仮名) / 太宰治(著)