社會しやくわい)” の例文
新字:社会
まがつた社會しやくわい正當防衞せいたうばうゑいくさつたなか大清潔法だいせいけつはふ、それらを完全くわんぜんちか執行しつかうするには、死刑しけいおほ利用りようするよりほかにないとかんがへた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
二人ふたり呉服屋ごふくや反物たんものつてた。米屋こめやからこめつてつた。けれども其他そのたには一般いつぱん社會しやくわいところきはめてすくない人間にんげんであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
左樣さやうさ、一旦いつたん無事ぶじ本國ほんごくかへつてたが、法律ほふりつと、社會しやくわい制裁せいさいとはゆるさない、嚴罰げんばつかうむつて、ひどつて、何處いづくへか失奔しつぽんしてしまいましたよ。
資本主しほんぬし機械きかい勞働らうどうとに壓迫あつぱくされながらも、社會しやくわい泥土でいど暗黒あんこくとのそこの底に、わづかに其のはかな生存せいぞんたもツてゐるといふ表象シンボルでゞもあるやうなうたには
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
で、其言そのいところつひに一つことしてしまふ。まち生活せいくわつするのはこのましくい。社會しやくわいには高尚かうしやうなる興味インテレースい。社會しやくわい曖※あいまいな、無意味むいみ生活せいくわつしてる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いま社會しやくわいは一回轉くわいてんした。各個人かくこじん極端きよくたん生命せいめいおもんじ財産ざいさんたつとぶ、都市としは十ぶん發達はつたつして、魁偉くわいゐなる建築けんちく公衆こうしゆ威嚇ゐかくする。科學くわがくつき進歩しんぽする。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
が、麻雀マアジヤンたちまちにして日本にほん社會しやくわい飛躍ひやくした。これは一めんあきらか麻雀戲マアジヤンぎそのものの魅力みりよくからだ。そして、一めん空閑緑くがみどり以下いか識者しきしや盡力じんりよくからにちがひない。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
或る者は漁業に巧にして或る者は鳥獸捕獲に巧に、或る者はものめうを得、或る者は籠細工かごさいく得意とくゐとすと云ふが如き事はコロボックル社會しやくわいりしことなるべし。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
依頼心いらいしんおほくて、憤發心ふんぱつしんすくなくて、秩序ちつぢよとか整理せいりとかいふ觀念くわんねんとぼしくて、どうして複雜ふくざつ社會しやくわいつていへをさめてくことが出來できやうかとおもくらゐであります。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
ふのは、たゞたんどもたちのためにとばかりではく、わたしは此等これらのはなしのなか人生じんせい社會しやくわいおよびその運命うんめい生活せいくわつくわんする諸問題しよもんだい眞摯まじめにとりあつかつてみたからであります。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
最暗黒さいあんこく社會しやくわいにいかにおそろしき魔力の潛むありて學問がくもんはあり分別ふんべつある腦膸のうずいなか
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
暫時しばしがほどもまじはりし社會しやくわいゆめ天上てんじやうあそべるとおなじく、いまさらにおもひやるもほどとほし、櫻町家さくらまちけ一年いちねん幾度いくど出替でがはり、小間使こまづかひといへばひとらしけれど御寵愛ごちようあいには犬猫いぬねこ御膝おひざをけがすものぞかし。
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かれ其眼中そのがんちゆう社會しやくわい人々ひと/″\たゞしゆ區別くべつしてゐる、義者ぎしやと、不義者ふぎしやと、さうして婦人ふじんこと戀愛れんあいこといては、いつみづかふかかんつてくのであるが
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それにもかゝはらず、彼等かれら毎日まいにちおなはんおなむねして、なが月日つきひまずわたつてたのは、彼等かれらはじめから一般いつぱん社會しやくわい興味きようみうしなつてゐたためではなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
建築けんちく耐震的考慮たいしんてきかうりよくはふるとは、地震ぢしん現象げんしやう考究かうきうして、材料ざいれう構造こうざう特殊とくしゆ改善かいぜんくはふることで、これは餘程よほど人智じんち發達はつたつし、社會しやくわい進歩しんぽしてからのことである。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
されば家塾かじゆく放任主義はうにんしゆぎおこなふのは畢竟ひつきやう獨立心どくりつしんやしなためであつて、このせまちひさな家塾かじゆく習慣しふくわんをつけてくのは他日たじつおほひなる社會しやくわいひろ世界せかいことけない仕度したく御在ございます。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
大佐たいさかたところによると、海賊島かいぞくたう云々うんぬん風聞ふうぶん實際じつさいことで、その海賊かいぞく仲間なかまある強國きようこくとのあひだに、一種いつしゆ密約みつやくそんしてことも、海事かいじくわしき船員せんゐん社會しやくわいには、ほとん公然こうぜん秘密ひみつとなつてよし
これでも藝能があるんだ、幾ら社會しやくわいがせゝこましくなつてゐると謂つても、俺の生活する領分りやうぶんくらゐ殘してあるだらう、然うよ、そして世間せけんを廣くして、自曲じいうの空氣を吸ふことにしやう。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
夜目よめなればこそだしもなれひるはづかしき古毛布ふるげつと乘客のりてしなさぞぞとられておほくはれぬやせづくこめしろほどりやしや九尺二間くしやくにけんけぶりつなあはれ手中しゆちゆうにかゝる此人このひと腕力ちからおぼつかなき細作ほそづくりに車夫しやふめかぬ人柄ひとがら華奢きやしやといふてめもせられぬ力役りきえき社會しやくわいつたとは請取うけとれず履歴りれき
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
學問がくもん社會しやくわいるための方便はうべん心得こゝろえてゐたから、社會しやくわいを一退しりぞかなくつてはたつすること出來できない、學者がくしやといふ地位ちゐには、あまおほくの興味きようみつてゐなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
社會しやくわい犯罪人はんざいにんや、精神病者せいしんびやうしやや、すべ自分等じぶんら都合つがふわる人間にんげんたいして、自衞じゑいすのには、如何どうしたつてこと出來できません。で、貴方あなたすべきところは一つです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)