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懇意
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こんい
ふりがな文庫
“
懇意
(
こんい
)” の例文
沖
(
おき
)
に出ると、船は少し揺れてきましたが、太郎は元気でした。松本さんが船長と
懇意
(
こんい
)
なので、船の中をあちこち見せてもらいました。
金の目銀の目
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
この僧も、眼があいていた頃は、一火流の砲術などを習って、さかんに
殺生
(
せっしょう
)
をやったというような話から、いつか
懇意
(
こんい
)
になっていた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「家中の者に一わたり逢って来ましたよ、小僧の良松と、お嬢さんのお琴さんは、すっかり
懇意
(
こんい
)
になって、何でも話してくれましたよ」
銭形平次捕物控:376 橋の上の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
自分は十
代
(
だい
)
から花前と
懇意
(
こんい
)
であって、花前にはひとかたならず
世話
(
せわ
)
にもなったが、自分も花前のためにはそうとう
以上
(
いじょう
)
につくした。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「道庵さんは
始終
(
しょっちゅう
)
懇意
(
こんい
)
に致しておりますけれど、あの娘さんがどうしたことやら、文面が何のことやら、のみこめませんものですから」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
致すか汝は存じの外
未練
(
みれん
)
な
奴
(
やつ
)
ぢや汝が
懇意
(
こんい
)
にせしと云願山が其方并に
靱負
(
ゆきへ
)
の事まで殘らず
白状
(
はくじやう
)
に及びたるぞ其方と
靱負
(
ゆきへ
)
兩人にて勘解由を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
音楽家の
達雄
(
たつお
)
と
懇意
(
こんい
)
になった以後、次第にある不安を感じ出すのです。達雄は妙子を愛している、——そう女主人公は直覚するのですね。
或恋愛小説
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
けれども
昔
(
むかし
)
から
懇意
(
こんい
)
な者は断らず泊めて、
老人
(
としより
)
夫婦が
内端
(
うちわ
)
に世話をしてくれる、
宜
(
よろ
)
しくばそれへ、その
代
(
かわり
)
といいかけて、折を下に置いて
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
洋子は東京の名ある女流音楽家の
内弟子
(
うちでし
)
で、玉村一家とは妙子を通じて
懇意
(
こんい
)
の間柄、二郎とは父玉村氏も黙認している程の恋仲であった。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
今朝
懇意
(
こんい
)
の車屋がデカの
死骸
(
しがい
)
を連れて来た。死骸は冷たくなって、少し眼をあいて居たが、一点の
血痕
(
けっこん
)
もなく、唯
鼻先
(
はなさき
)
に土がついて居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
茶店
(
ちやみせ
)
の
老人夫婦
(
らうじんふうふ
)
とは
懇意
(
こんい
)
に
成
(
な
)
つて『
旦那
(
だんな
)
又
(
また
)
石拾
(
いしひろ
)
ひですか。
然
(
さ
)
う
始終
(
しじう
)
見
(
み
)
えては、
既
(
も
)
う
有
(
あ
)
りますまい』と
笑
(
わら
)
はれる
位
(
くらゐ
)
にまでなつた。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
わたしの
貰
(
もら
)
った茶碗はそのおてつの形見である。O君の
阿父
(
おとっ
)
さんは近所に住んでいて、昔からおてつの家とは
懇意
(
こんい
)
にしていた。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それから
町人
(
ちょうにん
)
の
家
(
いえ
)
よりの
帰途
(
かえり
)
、
郵便局
(
ゆうびんきょく
)
の
側
(
そば
)
で、
予
(
かね
)
て
懇意
(
こんい
)
な
一人
(
ひとり
)
の
警部
(
けいぶ
)
に
出遇
(
であ
)
ったが
警部
(
けいぶ
)
は
彼
(
かれ
)
に
握手
(
あくしゅ
)
して
数歩
(
すうほ
)
ばかり
共
(
とも
)
に
歩
(
ある
)
いた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
『あいつは
他國人
(
たこくじん
)
に
交際
(
かうさい
)
してゐる。』『あの
男
(
をとこ
)
は
他縣人
(
たけんじん
)
と
懇意
(
こんい
)
にして
居
(
ゐ
)
る。』そしてそれがいつも
批難
(
ひなん
)
の
意味
(
いみ
)
を
含
(
ふく
)
んでゐた。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
武内
(
たけのうち
)
と
識
(
し
)
つたのは、
新著百種
(
しんちよひやくしゆ
)
の
挿絵
(
さしゑ
)
を
頼
(
たの
)
みに行つたのが
縁
(
ゑん
)
で、
酷
(
ひど
)
く
懇意
(
こんい
)
に
成
(
な
)
つて
了
(
しま
)
つたが、
其始
(
そのはじめ
)
は
画
(
ゑ
)
より人物に
惚
(
ほ
)
れたので
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
ソレはその時塾に居た
小野友次郎
(
おのともじろう
)
が警視庁に
懇意
(
こんい
)
の人があって、極内々その事を聞出して、私と同時に
後藤象次郎
(
ごとうしょうじろう
)
も共に
放逐
(
ほうちく
)
と
確
(
たしか
)
に云うから
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
なべ料理は、気のおけぬごく
懇意
(
こんい
)
な間柄の人を招いて、和気あいあい、家族的に
賑々
(
にぎにぎ
)
しくつきあうような場合にふさわしい家庭料理といえよう。
鍋料理の話
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
「
懇意
(
こんい
)
の
准尉
(
じゅんい
)
さんで、
陸軍病院
(
りくぐんびょういん
)
に
入
(
はい
)
っていなさるのを、これからみまいにいくのだ。
達吉
(
たつきち
)
も、いっしょにこないか。」
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夫婦
(
ふうふ
)
がこんな
風
(
ふう
)
に
淋
(
さみ
)
しく
睦
(
むつ
)
まじく
暮
(
く
)
らして
來
(
き
)
た二
年目
(
ねんめ
)
の
末
(
すゑ
)
に、
宗助
(
そうすけ
)
はもとの
同級生
(
どうきふせい
)
で、
學生時代
(
がくせいじだい
)
には
大變
(
たいへん
)
懇意
(
こんい
)
であつた
杉原
(
すぎはら
)
と
云
(
い
)
ふ
男
(
をとこ
)
に
偶然
(
ぐうぜん
)
出逢
(
であ
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは
忘
(
わす
)
れもせぬ
去年
(
きよねん
)
の
秋
(
あき
)
の
事
(
こと
)
で、
私
(
わたくし
)
が
米國
(
ベイこく
)
から
歐羅巴
(
エウロツパ
)
へ
渡
(
わた
)
る
航海中
(
かうかいちう
)
で、ふと
一人
(
ひとり
)
の
英國
(
イギリス
)
の
老水夫
(
らうすゐふ
)
と
懇意
(
こんい
)
になつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
懇意
(
こんい
)
なそここゝでお
品
(
しな
)
は
落葉
(
おちば
)
を
一燻
(
ひとく
)
べ
焚
(
た
)
いて
貰
(
もら
)
つては
手
(
て
)
を
翳
(
かざ
)
して
漸
(
やつ
)
と
暖
(
あたゝ
)
まつた。
蒟蒻
(
こんにやく
)
を
仕入
(
しい
)
れて
出
(
で
)
た
時
(
とき
)
はそんなこんなで
暇
(
ひま
)
をとつて
何時
(
いつ
)
になく
遲
(
おそ
)
かつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
寺の
老僧
(
ろうそう
)
とも
懇意
(
こんい
)
になり、ついにある時、自分がその住持になりたいと言い出し、夫人と次のような問答をした。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
ごく
懇意
(
こんい
)
でありまたごく近くである同じ谷中の夫の
同僚
(
どうりょう
)
の中村の家を
訪
(
と
)
い、その細君に立話しをして、中村に
吾家
(
うち
)
へ遊びに来てもらうことを
請
(
こ
)
うたのである。
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
テンバは熱心に「いやそんな事はない。ありゃ
天和堂
(
テンホータン
)
の主人と
懇意
(
こんい
)
な人でやはりシナの人なんだ」と天和堂の主人から聞いた事を
喋々
(
ちょうちょう
)
述べ立てて居りました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
が、そんな時にも十銭の買物に五十銭や一円の紙幣を出されて困ることが多かった。でもそうした時も、隣のお爺さんと
懇意
(
こんい
)
になっているので都合がよかった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
「私、
裕
(
ゆたか
)
の成績について橋本先生のところへ
伺
(
うかが
)
いましたが、あなたのようなお方とご
懇意
(
こんい
)
に願ってさえいれば、自然いい方へむきましょうとおっしゃいました」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それから
二人
(
ふたり
)
種々
(
いろ/\
)
の
談話
(
はなし
)
をして
居
(
を
)
る
中
(
うち
)
に
懇意
(
こんい
)
になり、ボズさんが
遠慮
(
ゑんりよ
)
なく
言
(
い
)
ふ
處
(
ところ
)
によると
僕
(
ぼく
)
の
發見
(
みつけ
)
た
場所
(
ばしよ
)
はボズさんのあじろの
一
(
ひとつ
)
で、
足場
(
あしば
)
はボズさんが
作
(
つく
)
つた
事
(
こと
)
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「このお婆さんは、うちで
懇意
(
こんい
)
にしてゐる方だ。君達のことをよく頼んどいて上げたから、安心して、何もかも任せるがいゝ。お婆さん、ぢや、お願ひするよ。」
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
彼女はなれた手つきでかたわらの卓の上の受話器をとり、
懇意
(
こんい
)
らしい相手との話に、移っていった。
雑居家族
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
すると
横浜
(
よこはま
)
の
懇意
(
こんい
)
な人が親切に
横浜
(
よこはま
)
へ
出稼
(
でかせ
)
ぎに
来
(
く
)
るが
宜
(
い
)
い、
然
(
さ
)
うやつてゐては
何時
(
いつ
)
までも貧乏してゐる事では
成
(
な
)
らん、
浜
(
はま
)
はまた
贔屓強
(
ひいきづよ
)
い
処
(
ところ
)
だからと
云
(
い
)
つてくれましたので
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
おれ達をかまってくれるはずがねえ——前かた
懇意
(
こんい
)
にしてくれた、江戸のごろつき仲間にも、
飛脚
(
ひきゃく
)
を立てたり、手紙をやったりして見たのだが、ろくに返事も来なかった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
悪右衛門
(
あくうえもん
)
が
驚
(
おどろ
)
いて
振
(
ふ
)
り
返
(
かえ
)
ると、それは
同
(
おな
)
じ
河内国
(
かわちのくに
)
の
藤井寺
(
ふじいでら
)
というお
寺
(
てら
)
の
和尚
(
おしょう
)
さんでした。そのお
寺
(
てら
)
は
石川
(
いしかわ
)
の
家
(
いえ
)
代々
(
だいだい
)
の
菩提所
(
ぼだいしょ
)
で、
和尚
(
おしょう
)
さんとは
平生
(
へいぜい
)
から大そう
懇意
(
こんい
)
な
間柄
(
あいだがら
)
でした。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
近頃
(
ちかごろ
)
春信
(
はるのぶ
)
の
画
(
え
)
で一
層
(
そう
)
の
評判
(
ひょうばん
)
を
取
(
と
)
った
笠森
(
かさもり
)
おせんを
仕組
(
しく
)
んで、一
番
(
ばん
)
当
(
あ
)
てさせようと、
松江
(
しょうこう
)
が
春信
(
はるのぶ
)
と
懇意
(
こんい
)
なのを
幸
(
さいわ
)
い、
善
(
ぜん
)
は
急
(
いそ
)
げと、
早速
(
さっそく
)
きのうここへ
訪
(
たず
)
ねさせての、きょうであった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
昨夜の男が官邸にはいったに違いないと思って、家へ帰ると主人に
詳
(
くわ
)
しく報告した。すると、主人は検非違使の長官とは割合
懇意
(
こんい
)
であったので、すぐ出向いてその事を長官に話した。
女強盗
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
蠅
(
はい
)
は
何
(
なん
)
にでも
行
(
い
)
つて
取
(
と
)
りつきます。
荷物
(
にもつ
)
をつけて
通
(
とほ
)
る
馬
(
うま
)
にも
取
(
と
)
りつけば、
旅人
(
たびびと
)
の
着物
(
きもの
)
にも
取
(
と
)
りつきます。
蠅
(
はい
)
は
誰
(
たれ
)
とでも
直
(
す
)
ぐ
懇意
(
こんい
)
になりますが、そのかはり
誰
(
たれ
)
にでもうるさがられます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
中にも
此
(
この
)
室
(
へや
)
の入口の戸に最も深く心を留めたり、戸の錠前は無傷にして少しも外より無理に推開きたる如き
痕
(
あと
)
無
(
な
)
ければ
是
(
これ
)
だけにて
曲者
(
くせもの
)
が
兎
(
と
)
にも
角
(
かく
)
にも老人と
懇意
(
こんい
)
の人なりしことは
確
(
たしか
)
なり
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
やがて八月の中ごろになって郁治は東京に行った。石川もこのごろは病気で鎌倉に行っている。熊谷の友だちで残っているものは、学校にいるころもそう
懇意
(
こんい
)
にしていなかった人々ばかりだ。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
土岐さんも丁度
厄年
(
やくどし
)
位だったじゃありませんか。いくら
懇意
(
こんい
)
にしていても、つい目の前で楽しんでいる所を見せられちゃ、一寸妙ないたずら気も起りまさあね。それに腕のいい人でしたからね——
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかし
匿名
(
とくめい
)
にしてさしいれするのでは、ふだんにさほど
懇意
(
こんい
)
にしている人でないかもしれぬ、自分では想像もできぬが、母にきいたら思いあたることもあるだろう、こう思ってかれはそこをでた
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
親身
(
しんみ
)
になっていろいろとやさしく
言
(
い
)
われますので、
私
(
わたくし
)
の
方
(
ほう
)
でもすっかり
安心
(
あんしん
)
して、
勿体
(
もったい
)
ないとは
思
(
おも
)
いつつも、いつしか
懇意
(
こんい
)
な
叔父
(
おじ
)
さまとでも
対座
(
たいざ
)
しているような、
打解
(
うちと
)
けた
気分
(
きぶん
)
になって
了
(
しま
)
いました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
眞珠太夫と
懇意
(
こんい
)
になり、親方の竹松に渡りをつけて、夫婦にでもなるんぢやないかといふ評判の立つたとき、恐ろしいことですね。
銭形平次捕物控:319 真珠太夫
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そうでしょう。中村君とはずっと
懇意
(
こんい
)
にしていますからね。ところで手塚さん、その問題の夜光の時計は、どこに置いてあるのですか。」
青銅の魔人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
また近藤勇という人も、八王子の天然理心流の家元へ養子になった有名な荒武者であって、これも竜之助が近ごろ
懇意
(
こんい
)
にしているようです。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「ほかじゃねえが、お前が
懇意
(
こんい
)
なのは何より
倖
(
しあわ
)
せ。旅川周馬のやつを
欺
(
だま
)
して、お千絵様をこの屋敷から誘い出してくれねえか」
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
爺さんは
懇意
(
こんい
)
な家へ行って、お金をたくさんもらってきました。肉や鳥や酒を、うんと買い込んできました。酒はことに強いのを選びました。
天狗の鼻
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
其
(
そ
)
れから
町人
(
ちやうにん
)
の
家
(
いへ
)
よりの
歸途
(
かへり
)
、
郵便局
(
いうびんきよく
)
の
側
(
そば
)
で、
豫
(
かね
)
て
懇意
(
こんい
)
な
一人
(
ひとり
)
の
警部
(
けいぶ
)
に
出遇
(
であ
)
つたが
警部
(
けいぶ
)
は
彼
(
かれ
)
に
握手
(
あくしゆ
)
して
數歩計
(
すうほばか
)
り
共
(
とも
)
に
歩
(
ある
)
いた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
清水と云う男は以前江戸にて英書の不審を松木に
聞
(
きい
)
て居たこともある
至極
(
しごく
)
懇意
(
こんい
)
な間柄で、その清水が英の軍艦に居るから松木の驚くも無理はない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
させても役に立ける此感應院は兼てよりお
三婆
(
さんばゝ
)
とは
懇意
(
こんい
)
にしけるが或時寶澤を
呼
(
よび
)
て申けるは
其方
(
そち
)
の
行衣
(
ぎやうえ
)
其外とも
垢
(
あか
)
付
(
つき
)
し物を
持
(
もち
)
お三婆の方へ參り
洗濯
(
せんたく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
然し翁の足つきは両三年前よりは余程弱って見えた。四五丁走って、
懇意
(
こんい
)
の車屋を頼み、翁のあとを追いかけさせた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
これは細君の
問
(
と
)
いがおかしいのだ。変人でとおった人間に
懇意
(
こんい
)
な人があるかでもあるまい。主人はしかたがなく
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
“懇意”の意味
《名詞》
懇意(こんい)
(context、dated)親切。
交際が親密であること。ねんごろ。
(出典:Wiktionary)
懇
常用漢字
中学
部首:⼼
17画
意
常用漢字
小3
部首:⼼
13画
“懇”で始まる語句
懇
懇々
懇望
懇願
懇切
懇篤
懇請
懇談
懇親
懇親会