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おほぢ
ふりがな文庫
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大路
(
おほぢ
)” の例文
ゴシツクの塔が中断せられて意外な所で
尖
(
さき
)
を見せたり、高い屋根の並ぶ
大路
(
おほぢ
)
が地下鉄道の
洞
(
ほら
)
の様に見えたりするのも霧のせいだ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
アマルフイイの市は
裹
(
つゝ
)
める
貨物
(
しろもの
)
をみだりに堆積したる
状
(
さま
)
をなせり。羅馬なる
猶太街
(
ゲツトオ
)
の狹きも、これに比べては尚
通衢
(
つうく
)
大路
(
おほぢ
)
と稱するに足るならん。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
大路
(
おほぢ
)
の
柳
(
あなぎ
)
月
(
つき
)
のかげに
靡
(
なび
)
いて
力
(
ちから
)
なささうの
塗
(
ぬ
)
り
下駄
(
げた
)
のおと、
村田
(
むらた
)
の二
階
(
かい
)
も
原田
(
はらだ
)
の
奧
(
おく
)
も
憂
(
う
)
きはお
互
(
たが
)
ひの
世
(
よ
)
におもふ
事
(
こと
)
多
(
おほ
)
し。
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
唯
(
たゞ
)
此時
(
このとき
)
、
大路
(
おほぢ
)
を
時
(
とき
)
に
響
(
ひゞ
)
いたのは、
肅然
(
しゆくぜん
)
たる
騎馬
(
きば
)
のひづめの
音
(
おと
)
である。
火
(
ひ
)
のあかりに
映
(
うつ
)
るのは
騎士
(
きし
)
の
直劍
(
ちよくけん
)
の
影
(
かげ
)
である。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
抑
(
そも/\
)
われは
寄辺
(
よるべ
)
ない
浮浪学生
(
ふらうがくしやう
)
、
御主
(
おんあるじ
)
の
御名
(
みな
)
によりて、
森
(
もり
)
に
大路
(
おほぢ
)
に、
日々
(
にちにち
)
の
糧
(
かて
)
を
乞
(
こ
)
ひ
歩
(
ある
)
く
難渋
(
なんじふ
)
の
学徒
(
がくと
)
である。おのれ
今
(
いま
)
、
忝
(
かたじけな
)
くも
尊
(
たふと
)
い
光景
(
けしき
)
を
観
(
み
)
、
幼児
(
をさなご
)
の
言葉
(
ことば
)
を
聞
(
き
)
いた。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
▼ もっと見る
神の義こゝに地の
笞
(
しもと
)
なりしアッティラとピルロ、セストを刺し、また
大路
(
おほぢ
)
をいたくさわがしし 一三三—
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
轟
(
とゞろ
)
く胸を
抑
(
おさ
)
へつゝ、
朱雀
(
すざく
)
の
方
(
かた
)
に來れば、向ひより
形
(
かたち
)
亂
(
みだ
)
せる二三人の女房の
大路
(
おほぢ
)
を北に急ぎ行くに、瀧口呼留めて事の由を尋ぬれば、一人の女房立留りて悲しげに
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
斧
(
をの
)
引
提
(
さ
)
げて
大路
(
おほぢ
)
に出づれば、
一七九
明けたるといひし夜はいまだくらく、
一八〇
月は
中天
(
なかぞら
)
ながら影
朧
(
らう
)
々として、風
冷
(
ひや
)
やかに、さて正太郎が戸は明けはなして其の人は見えず。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
それから何日か後の月夜、姫君に念仏を
勧
(
すす
)
めた法師は、やはり朱雀門の前の曲殿に、
破
(
や
)
れ
衣
(
ごろも
)
の膝を抱へてゐた。すると其処へ
侍
(
さむらひ
)
が一人、悠々と何か歌ひながら、月明りの
大路
(
おほぢ
)
を歩いて来た。
六の宮の姫君
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大路
(
おほぢ
)
のさま静になりぬれば、例の窓より見やるに、こゝは道行く人はなくて、
男
(
をとこ
)
女
(
をみな
)
おのれ/\が家居の前に畳敷きかさね、調度めくもの夜の物など見上ぐるまでに積みあげ、そが中にこぞりゐて
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
日は沈み山紫に空赤く
大路
(
おほぢ
)
小路
(
こうぢ
)
に
灯火
(
ともし
)
見えそむ
閉戸閑詠
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
行人
(
かうじん
)
の古めく傘に、
薄灯
(
うすひ
)
照り、
大路
(
おほぢ
)
赤らみ
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
巴里
(
パリイ
)
の
大路
(
おほぢ
)
を
行
(
ゆ
)
く君は
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
乾きたる冬の
大路
(
おほぢ
)
の
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
我が
良人
(
をつと
)
は
今宵
(
こよひ
)
も帰りのおそくおはしますよ。我が子は早く
睡
(
ねむ
)
りしに、帰らせ給はゞ
興
(
きよう
)
なくや
思
(
おぼ
)
さん。
大路
(
おほぢ
)
の霜に月
氷
(
こほ
)
りて、踏む足いかに冷たからん。
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
月
(
つき
)
のはじめに
秋
(
あき
)
立
(
た
)
てば、あさ
朝顏
(
あさがほ
)
の
露
(
つゆ
)
はあれど、
濡
(
ぬ
)
るゝともなき
薄煙
(
うすけむり
)
、
軒
(
のき
)
を
繞
(
めぐ
)
るも
旱
(
ひでり
)
の
影
(
かげ
)
、
炎
(
ほのほ
)
の
山
(
やま
)
黒
(
くろ
)
く
聳
(
そび
)
えて、
頓
(
やが
)
て
暑
(
あつ
)
さに
崩
(
くづ
)
るゝにも、
熱砂
(
ねつさ
)
漲
(
みなぎ
)
つて
大路
(
おほぢ
)
を
走
(
はし
)
る。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大路
(
おほぢ
)
に出づれば馬車ひきもきらず。羅馬の人を載せたるあり、外國の客を載せたるあり。往くあり、還るあり。こは都の習なる夕暮の
逍遙
(
あそび
)
乘
(
のり
)
といふものにいでたる人々なるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
紅
(
くれなゐ
)
の
花氈
(
くわせん
)
敷く間の遊楽や、
大路
(
おほぢ
)
かがよひ
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
市
(
いち
)
の中、
大路
(
おほぢ
)
の
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
廓内
(
なか
)
の
大
(
おほ
)
きい
樓
(
うち
)
にも
大分
(
だいぶ
)
の
貸付
(
かしつけ
)
があるらしう
聞
(
き
)
きましたと、
大路
(
おほぢ
)
に
立
(
た
)
ちて二三
人
(
にん
)
の
女房
(
にようぼう
)
よその
財産
(
たから
)
を
數
(
かぞ
)
へぬ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
鐘の音は我を
聖
(
サン
)
ピエトロの寺に誘ひぬ。嘗て
外國人
(
とつくにびと
)
ありて此寺の堂奧はこゝに盡きたりとおもひぬといふ、いと廣き
前廳
(
まへには
)
に、人あまた
群
(
む
)
れたるさま、
大路
(
おほぢ
)
の上又天使橋の上に殊ならず。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
前栽
(
せんざい
)
の
強物
(
つはもの
)
の、
花
(
はな
)
を
頂
(
いたゞ
)
き、
蔓手綱
(
つるたづな
)
、
威毛
(
をどしげ
)
をさばき、
裝
(
よそほ
)
ひに
濃
(
こ
)
い
紫
(
むらさき
)
を
染
(
そめ
)
などしたのが、
夏
(
なつ
)
の
陽炎
(
かげろふ
)
に
幻影
(
まぼろし
)
を
顯
(
あら
)
はすばかり、
聲
(
こゑ
)
で
活
(
い
)
かして、
大路
(
おほぢ
)
小路
(
こうぢ
)
を
縫
(
ぬ
)
つたのも
中頃
(
なかごろ
)
で、やがて
月見草
(
つきみさう
)
、
待
(
まつ
)
よひ
草
(
ぐさ
)
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
衰残の心の
大路
(
おほぢ
)
暮れゆけば顧みもせぬ
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
さても
怪
(
あや
)
しや
車上
(
しやじやう
)
の
人
(
ひと
)
萬世橋
(
よろづよばし
)
にもあらず
鍋町
(
なべちやう
)
にもあらず
本銀町
(
ほんしろかねちやう
)
も
過
(
す
)
ぎたり
日本橋
(
にほんばし
)
にも
止
(
とゞ
)
まらず
大路
(
おほぢ
)
小路
(
こうぢ
)
幾通
(
いくとほ
)
りそも
何方
(
いづかた
)
に
行
(
ゆ
)
かんとするにか
洋行
(
やうかう
)
して
歸朝
(
きてう
)
の
後
(
のち
)
に
妻
(
つま
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
九段下より神田へ出づる
大路
(
おほぢ
)
には
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
大路
(
おほぢ
)
を
見渡
(
みわた
)
せば
罪
(
つみ
)
なき
子供
(
こども
)
の三五
人
(
にん
)
手
(
て
)
を
引
(
ひき
)
つれて
開
(
ひ
)
いらいた
開
(
ひ
)
らいた
何
(
なん
)
の
花
(
はな
)
ひらいたと、
無心
(
むしん
)
の
遊
(
あそ
)
びも
自然
(
しぜん
)
と
靜
(
しづ
)
かにて、
廓
(
くるわ
)
に
通
(
かよ
)
ふ
車
(
くるま
)
の
音
(
おと
)
のみ
何時
(
いつ
)
に
變
(
かわ
)
らず
勇
(
いさ
)
ましく
聞
(
きこ
)
えぬ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
月の
大路
(
おほぢ
)
へ戸を出でぬ。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
大路
(
おほぢ
)
ゆく
辻占
(
つぢうら
)
うりのこゑ、汽車の
笛
(
ふえ
)
の遠くひゞきたるも、
何
(
なに
)
とはなしに
魂
(
たましひ
)
あくがるゝ
心地
(
こゝち
)
す。
月の夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
大路
(
おほぢ
)
に
淀
(
よど
)
むもののおと。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
何
(
なん
)
とせん
道
(
みち
)
を
間違
(
まちが
)
へたり
引返
(
ひきかへ
)
してと
復
(
また
)
跡戻
(
あともど
)
り、
大路
(
おほぢ
)
に
出
(
いづ
)
れば
小路
(
こうぢ
)
に
入
(
い
)
らせ
小路
(
こうぢ
)
を
縫
(
ぬひ
)
ては
大路
(
おほぢ
)
に
出
(
い
)
で
走
(
そう
)
幾走
(
いくそう
)
、
轉
(
てん
)
幾轉
(
いくてん
)
、
蹴
(
け
)
立
(
たつ
)
る
雪
(
ゆき
)
に
轍
(
わだち
)
のあと
長
(
なが
)
く
引
(
ひき
)
てめぐり
出
(
いづ
)
れば
又
(
また
)
以前
(
いぜん
)
の
道
(
みち
)
なり
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
冷
(
つめ
)
たう
光
(
ひか
)
る
大路
(
おほぢ
)
の
灯
(
ひ
)
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
今歳
(
ことし
)
も
今日
(
けふ
)
十二
月
(
ぐわつ
)
の十五
日
(
にち
)
、
世間
(
せけん
)
おしつまりて
人
(
ひと
)
の
往來
(
ゆきかひ
)
大路
(
おほぢ
)
にいそがはしく、お
出人
(
でいり
)
の
町人
(
てうにん
)
お
歳暮
(
せいぼ
)
持參
(
ぢさん
)
するものお
勝手
(
かつて
)
に
賑々
(
にぎ/\
)
しく、
急
(
いそ
)
ぎたる
家
(
いゑ
)
には
餠
(
もち
)
つきのおとさへ
聞
(
きこ
)
ゆるに
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
大路
(
おほぢ
)
青ずみ
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
歌よみがましきは憎くき物なれど、かかる
夜
(
よ
)
の
一
(
ひ
)
ト
言
(
こと
)
には身にしみて思ふ友ともなりぬべし。
大路
(
おほぢ
)
ゆく
辻占
(
つじうら
)
うりのこゑ、汽車の笛の遠くひゞきたるも、
何
(
なに
)
とはなしに魂あくがるゝ心地す。
あきあはせ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夫
(
そ
)
れは
少
(
すこ
)
しも
心
(
こゝろ
)
に
止
(
と
)
まらねども
美登利
(
みどり
)
が
素振
(
そぶり
)
のくり
返
(
かへ
)
されて
正太
(
しようた
)
は
例
(
れい
)
の
歌
(
うた
)
も
出
(
で
)
ず、
大路
(
おほぢ
)
の
往來
(
ゆきゝ
)
の
夥
(
おび
)
たゞしきさへ
心淋
(
こゝろさび
)
しければ
賑
(
にぎ
)
やかなりとも
思
(
おも
)
はれず、
火
(
ひ
)
ともし
頃
(
ごろ
)
より
筆
(
ふで
)
やが
店
(
みせ
)
に
轉
(
ころ
)
がりて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
魂祭
(
たまゝつ
)
り
過
(
す
)
ぎて
幾日
(
いくじつ
)
、まだ
盆提燈
(
ぼんぢようちん
)
のかげ
薄淋
(
うすさび
)
しき
頃
(
ころ
)
、
新開
(
しんかい
)
の
町
(
まち
)
を
出
(
いで
)
し
棺
(
くわん
)
二つあり、一つは
駕
(
かご
)
にて一つはさし
擔
(
かつ
)
ぎにて、
駕
(
かご
)
は
菊
(
きく
)
の
井
(
ゐ
)
の
隱居處
(
いんきよじよ
)
よりしのびやかに
出
(
いで
)
ぬ、
大路
(
おほぢ
)
に
見
(
み
)
る
人
(
ひと
)
のひそめくを
聞
(
き
)
けば
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我
(
わ
)
が
良人
(
をつと
)
は
今宵
(
こよひ
)
も
歸
(
かへ
)
りのおそくおはしますよ、
我
(
わ
)
が
子
(
こ
)
は
早
(
はや
)
く
睡
(
ねぶ
)
りしに
歸
(
かへ
)
らせ
給
(
たま
)
はゞ
興
(
きよう
)
なくや
思
(
おぼ
)
さん、
大路
(
おほぢ
)
の
霜
(
しも
)
に
月
(
つき
)
氷
(
こほ
)
りて
踏
(
ふ
)
む
足
(
あし
)
いかに
冷
(
つめ
)
たからん、
炬燵
(
こたつ
)
の
火
(
ひ
)
もいとよし、
酒
(
さけ
)
もあたゝめんばかりなるを
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“大路”の意味
《名詞》
幅の広い道。
(出典:Wiktionary)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
路
常用漢字
小3
部首:⾜
13画
“大路”で始まる語句
大路小路
大路面
大路真如堂