“心淋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こゝろさび66.7%
うらさび33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
少年(せうねん)は瞼(まぶた)をこすりつゝ、悄然(しようぜん)と艇(てい)の中(なか)を見廻(みまわ)した。誰(たれ)でも左樣(さう)だが非常(ひじやう)な變動(へんどう)の後(あと)、暫時(しばし)夢(ゆめ)に落(お)ちて、再(ふたゝ)び醒(めざ)めた時(とき)程(ほど)、心淋(こゝろさび)しいものはないのである。
夫(そ)れは少(すこ)しも心(こゝろ)に止(と)まらねども美登利(みどり)が素振(そぶり)のくり返(かへ)されて正太(しようた)は例(れい)の歌(うた)も出(で)ず、大路(おほぢ)の往來(ゆきゝ)の夥(おび)たゞしきさへ心淋(こゝろさび)しければ賑(にぎ)やかなりとも思(おも)はれず、火(ひ)ともし頃(ごろ)より筆(ふで)やが店(みせ)に轉(ころ)がりて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
嶮(けわ)しい海岸の断崖(だんがい)をがたがた走る軽便鉄道や、出水(でみず)の跡の心淋(うらさび)しい水田、松原などを通る電車汽車の鈍(のろ)いのにじれじれしながら、手繰(たぐ)りつけるように家へ着いたのであった。
爛 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)