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處々
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ところ/″\
ふりがな文庫
“
處々
(
ところ/″\
)” の例文
新字:
処々
村落
(
むら
)
の
處々
(
ところ/″\
)
にはまだ
少
(
すこ
)
し
舌
(
した
)
を
出
(
だ
)
し
掛
(
か
)
けたやうな
白
(
しろ
)
い
辛夷
(
こぶし
)
が、
俄
(
にはか
)
にぽつと
開
(
ひら
)
いて
蒼
(
あを
)
い
空
(
そら
)
にほか/\と
泛
(
うか
)
んで
竹
(
たけ
)
の
梢
(
こずゑ
)
を
拔
(
ぬ
)
け
出
(
だ
)
して
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
昔
(
むかし
)
のまゝ
練壁
(
ねりかべ
)
は
處々
(
ところ/″\
)
崩
(
くづ
)
れ
落
(
お
)
ちて、
瓦
(
かはら
)
も
完全
(
くわんぜん
)
なのは
見當
(
みあたら
)
ぬ
位
(
くらゐ
)
それに
葛蔓
(
かづら
)
が
這
(
は
)
い
上
(
のぼ
)
つて
居
(
ゐ
)
ますから、
一見
(
いつけん
)
廢寺
(
ふるでら
)
の
壁
(
かべ
)
を
見
(
み
)
るやうです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
大平の瀧見臺へ到る途中、瀧の流れる見當へと行く右手の、道も無い林間叢裏に
處々
(
ところ/″\
)
鐵網を張つて人の通行をさせぬやう用心してあるのが見えた。
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
で、
町
(
まち
)
は
便
(
たより
)
なく、すうと
月夜
(
つきよ
)
に
空
(
そら
)
へ
浮
(
う
)
く。
上
(
うへ
)
から
覗
(
のぞ
)
いて、
山
(
やま
)
の
崖
(
がけ
)
が
處々
(
ところ/″\
)
で
松
(
まつ
)
の
姿
(
すがた
)
を
楔
(
くさび
)
に
入
(
い
)
れて、づツしりと
壓
(
おさ
)
へて
居
(
ゐ
)
る。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さてかく變りて後この聖なる
建物
(
たてもの
)
その
處々
(
ところ/″\
)
より頭を出せり、即ち轅よりは三、
稜
(
かど
)
よりはみな一を出せり 一四二—一四四
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
▼ もっと見る
ローザラインの
彼
(
あ
)
の
星
(
ほし
)
のやうな
眼附
(
まみつき
)
、あの
高々
(
たか/″\
)
とした
額
(
ひたひ
)
、あの
眞紅
(
まっくれなゐ
)
の
唇
(
くちびる
)
、あの
可憐
(
かはゆら
)
しい
足
(
あし
)
、あの
眞直
(
まっすぐ
)
な
脛
(
すね
)
、あのぶる/\と
顫
(
ふる
)
へる
太股
(
ふともゝ
)
乃至
(
ないし
)
其
(
その
)
近邊
(
ちかま
)
にある
處々
(
ところ/″\
)
に
掛
(
か
)
けて
祈
(
いの
)
りまするぞ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
私
(
わたし
)
を
起
(
おこ
)
して
下
(
くだ
)
され、
何故
(
なぜ
)
か
身躰
(
からだ
)
が
痛
(
いた
)
くてと
言
(
い
)
ふ、それは
何時
(
いつ
)
も
氣
(
き
)
の
立
(
た
)
つまゝに
驅出
(
かけいだ
)
して
大
(
だい
)
の
男
(
をとこ
)
に
捉
(
とら
)
へられるを、
振放
(
ふりはな
)
すとて
恐
(
おそ
)
ろしき
力
(
ちから
)
を
出
(
だ
)
せば
定
(
さだ
)
めて
身
(
み
)
も
痛
(
いた
)
からう
生疵
(
なまきず
)
も
處々
(
ところ/″\
)
にあるを
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
東
(
ひがし
)
と
西
(
にし
)
と
南
(
みなみ
)
の
三方
(
さんぽう
)
は
此
(
この
)
島
(
しま
)
の
全面
(
ぜんめん
)
で、
見渡
(
みわた
)
す
限
(
かぎ
)
り
青々
(
あを/\
)
とした
森
(
もり
)
つゞき、
處々
(
ところ/″\
)
に
山
(
やま
)
もある、
谷
(
たに
)
も
見
(
み
)
える、また
逈
(
はる
)
か/\の
先方
(
むかう
)
に
銀色
(
ぎんしよく
)
の
一帶
(
いつたい
)
の
隱見
(
いんけん
)
して
居
(
を
)
るのは、
其邊
(
そのへん
)
に
一流
(
いちりう
)
の
河
(
かは
)
のある
事
(
こと
)
が
分
(
わか
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
午餐過
(
ひるすぎ
)
になつて
復
(
ま
)
た
外
(
そと
)
に
出
(
で
)
た。
紛糾
(
こぐら
)
かつた
心
(
こゝろ
)
を
持
(
も
)
つて
彼
(
かれ
)
は
少
(
すこ
)
し
俛首
(
うなだ
)
れつつ
歩
(
ある
)
いた。
暖
(
あたゝ
)
かな
光
(
ひかり
)
は
畑
(
はたけ
)
の
土
(
つち
)
の
處々
(
ところ/″\
)
さらりと
乾
(
かわ
)
かし
始
(
はじ
)
めた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その
尾花
(
をばな
)
、
嫁菜
(
よめな
)
、
水引草
(
みづひきさう
)
、
雁來紅
(
ばげいとう
)
をそのまゝ、
一結
(
ひとむす
)
びして、
處々
(
ところ/″\
)
にその
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
を
屋根
(
やね
)
に
葺
(
ふ
)
いた
店小屋
(
みせごや
)
に、
翁
(
おきな
)
も、
媼
(
うば
)
も、ふと
見
(
み
)
れば
若
(
わか
)
い
娘
(
むすめ
)
も、あちこちに
線香
(
せんかう
)
を
賣
(
う
)
つてゐた。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
同
(
おな
)
じ
新開
(
しんかい
)
の
町
(
まち
)
はづれに八百
屋
(
や
)
と
髮結床
(
かみゆひどこ
)
が
庇合
(
ひあはひ
)
のやうな
細露路
(
ほそろぢ
)
、
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
る
日
(
ひ
)
は
傘
(
かさ
)
もさゝれぬ
窮屈
(
きうくつ
)
さに、
足
(
あし
)
もととては
處々
(
ところ/″\
)
に
溝板
(
どぶいた
)
の
落
(
おと
)
し
穴
(
あな
)
あやふげなるを
中
(
なか
)
にして、
兩側
(
りようがは
)
に
立
(
た
)
てたる
棟割長屋
(
むねわりながや
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さうしてぎつと
押
(
お
)
し
込
(
こ
)
んで
重
(
おも
)
く
成
(
な
)
つた
草刈籠
(
くさかりかご
)
を
脊負
(
せお
)
つた。
其處
(
そこ
)
らの
畑
(
はたけ
)
には
土
(
つち
)
が
眼
(
め
)
を
開
(
ひら
)
いたやうに
處々
(
ところ/″\
)
ぽつり/\と
秋蕎麥
(
あきそば
)
の
花
(
はな
)
が
白
(
しろ
)
く
見
(
み
)
えて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
白帆
(
しらほ
)
あちこち、
處々
(
ところ/″\
)
煙突
(
えんとつ
)
の
煙
(
けむり
)
たなびけり、
振
(
ふり
)
さけ
見
(
み
)
れば
雲
(
くも
)
もなきに、
傍
(
かたはら
)
には
大樹
(
たいじゆ
)
蒼空
(
あをぞら
)
を
蔽
(
おほ
)
ひて
物
(
もの
)
ぐらく、
呪
(
のろひ
)
の
釘
(
くぎ
)
もあるべき
幹
(
みき
)
なり。おなじ
臺
(
だい
)
に
向顱卷
(
むかうはちまき
)
したる
子守女
(
こもりをんな
)
三人
(
さんにん
)
あり。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
身内
(
みうち
)
や
痛
(
いた
)
からん
筒袖
(
つゝそで
)
の
處々
(
ところ/″\
)
引
(
ひき
)
さかれて
背中
(
せなか
)
も
腰
(
こし
)
も
砂
(
すな
)
まぶれ、
止
(
と
)
めるにも
止
(
と
)
めかねて
勢
(
いきほ
)
ひの
悽
(
すさ
)
まじさに
唯
(
たゞ
)
おど/\と
氣
(
き
)
を
呑
(
の
)
まれし、
筆
(
ふで
)
やの
女房
(
にようぼう
)
走
(
はし
)
り
寄
(
よ
)
りて
抱
(
だ
)
きおこし、
背中
(
せなか
)
をなで
砂
(
すな
)
を
拂
(
はら
)
ひ、
堪忍
(
かんにん
)
をし
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
時々
(
とき/″\
)
むら
雲
(
くも
)
のはら/\と
掛
(
かゝ
)
るやうに
處々
(
ところ/″\
)
草
(
くさ
)
の
上
(
うへ
)
を
染
(
そ
)
めるのはこゝに
野飼
(
のがひ
)
の
駒
(
こま
)
の
影
(
かげ
)
。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
天柱
(
てんちう
)
くだけ
地維
(
ちい
)
かくるかと
思
(
おも
)
はるゝ
笑
(
わら
)
ひ
聲
(
こゑ
)
のどよめき、
中之町
(
なかのちやう
)
の
通
(
とほ
)
りは
俄
(
にわか
)
に
方角
(
ほうがく
)
の
替
(
かは
)
りしやうに
思
(
おも
)
はれて、
角町
(
すみちやう
)
京町
(
きやうまち
)
處々
(
ところ/″\
)
のはね
橋
(
ばし
)
より、さつさ
押
(
お
)
せ/\と
猪牙
(
ちよき
)
がゝつた
言葉
(
ことば
)
に
人波
(
ひとなみ
)
を
分
(
わ
)
くる
群
(
むれ
)
もあり
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
(
これ
)
は……しかし、
菖蒲
(
あやめ
)
、
杜若
(
かきつばた
)
は——
翌日
(
よくじつ
)
、
湯
(
ゆ
)
の
山
(
やま
)
の
水
(
みづ
)
を
處々
(
ところ/″\
)
見
(
み
)
た、
其處
(
そこ
)
にも、まだ
一輪
(
いちりん
)
も
咲
(
さ
)
かなかつた。
蕾
(
つぼ
)
んだのさへない。——
盛
(
さかり
)
は
丁
(
ちやう
)
ど
一月
(
ひとつき
)
おくれる。……
六月
(
ろくぐわつ
)
の
中旬
(
ちうじゆん
)
だらうと
言
(
い
)
ふのである。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
かしかるべし
御覽
(
ごらん
)
ぜずやとわりなくすゝめて
柴
(
しば
)
の
戸
(
と
)
めづらしく
伴
(
ともな
)
ひ
出
(
い
)
でぬ
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
のうやむやは
知
(
し
)
らずや
茂
(
しげ
)
る
木立
(
こだち
)
すゞしく
袖
(
そで
)
に
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
むねに
欲
(
ほ
)
しゝ
植
(
うえ
)
はたす
小田
(
をだ
)
の
早苗
(
さなへ
)
青々
(
あほ/\
)
として
處々
(
ところ/″\
)
に
鳴
(
な
)
き
立
(
た
)
つ
蛙
(
かわず
)
の
聲
(
こゑ
)
さま/″\なる
彼
(
あ
)
れも
歌
(
うた
)
かや
可笑
(
をか
)
しとてホヽ
笑
(
ゑ
)
む
主
(
しう
)
に
我
(
わ
)
れも
嬉
(
うれ
)
しく
彼方
(
かしこ
)
の
萱
(
かや
)
ぶき
此
(
こゝ
)
の
垣根
(
かきね
)
お
庭
(
には
)
の
中
(
うち
)
に
欲
(
ほ
)
しきやうなり
彼
(
あ
)
の
花
(
はな
)
は
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
處々
(
ところ/″\
)
草
(
くさ
)
の
上
(
うへ
)
を
染
(
そ
)
めるのは、
野飼
(
のがひ
)
の
駒
(
こま
)
の
影
(
かげ
)
がさすのである。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
處
部首:⾌
11画
々
3画
“處”で始まる語句
處
處女
處刑
處置
處爲
處刑臺
處女子
處業
處理
處作