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喇叭
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らつぱ
ふりがな文庫
“
喇叭
(
らつぱ
)” の例文
私の乗つてゐたAが、横須賀へ入港してから、三日目の午後、
彼是
(
かれこれ
)
三時頃でしたらう。勢よく例の上陸員整列の
喇叭
(
らつぱ
)
が鳴つたのです。
猿
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
唯、前の方へ突進する馬車と……時々
馬丁
(
べつたう
)
の吹き鳴らす
喇叭
(
らつぱ
)
と馬を勵ます聲と……激しく
動搖
(
ゆす
)
れる私達の身體とがあるばかりでした。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
最後の
喇叭
(
らつぱ
)
の響きとともに、すべて
惠
(
めぐ
)
まるゝ者、再び衣を着たる聲をもてアレルヤをうたひつゝその墓より起出づるごとく 一三—一五
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
ラヂオは傳へる式殿の
森嚴
(
しんげん
)
を、目もあやなる
幢幡
(
どうばん
)
、銀の
鉾射光
(
ほこ・しやくわう
)
の
珠
(
たま
)
を。
嚠喨
(
りうりやう
)
と鳴りわたる君が代の
喇叭
(
らつぱ
)
。
金屏
(
きんべう
)
の前に立たします。
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
御前
(
ごぜん
)
に
立
(
た
)
つてゐました、
左右
(
さいう
)
から
二人
(
ふたり
)
の
兵士
(
へいし
)
に
護衞
(
ごゑい
)
されて、
王樣
(
わうさま
)
のお
側
(
そば
)
には、
片手
(
かたて
)
に
喇叭
(
らつぱ
)
、
片手
(
かたて
)
に
羊皮紙
(
やうひし
)
の
卷物
(
まきもの
)
を
持
(
も
)
つた
白兎
(
しろうさぎ
)
が
居
(
ゐ
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
いっその事だと、手前の口へね、
喇叭
(
らつぱ
)
と
遣
(
や
)
った……こうすりゃ鳥の精がめしあがると同じ事だと……何しろ腹ン中は鴛鷲で一杯でございました。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其中
(
そのうち
)
に
又
(
また
)
拍子木
(
ひやうしぎ
)
を、二ツ打ち三ツ打ち四ツ打つやうになつて来ると、四ツ
辻
(
つじ
)
の
楽隊
(
がくたい
)
が
喇叭
(
らつぱ
)
に
連
(
つ
)
れて
段々
(
だん/\
)
近く
聞
(
きこ
)
えまする。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
隨分
(
ずゐぶん
)
長
(
なが
)
く
待
(
ま
)
たされたと
思
(
おも
)
つたが
實際
(
じつさい
)
は十
分
(
ぷん
)
ぐらゐで
熱海
(
あたみ
)
からの
人車
(
じんしや
)
が
威勢
(
ゐせい
)
能く
喇叭
(
らつぱ
)
を
吹
(
ふ
)
きたてゝ
下
(
くだ
)
つて
來
(
き
)
たので
直
(
す
)
ぐ
入
(
い
)
れちがつて
我々
(
われ/\
)
は
出立
(
しゆつたつ
)
した。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
暫く
寂
(
しん
)
とすると今度は書生の詩吟が聞えて、寺の時の鐘が長く尾を引く中に、九段坂上の兵營の
喇叭
(
らつぱ
)
が交つて響いた。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
渠は然しそれを、手に持つてゐた熊よけ
喇叭
(
らつぱ
)
(汽船の代用汽笛であつた)を以つてなぐり倒し、それから踏み殺して
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
頭に籠を載せた魚賣の女の
疳走
(
かんばし
)
ツた呼聲やらがたくり車の
喇叭
(
らつぱ
)
の音やら、また何やら
喚
(
わめ
)
く聲叱る聲、其等全く慘憺たる生活の響が
混同
(
ごつちや
)
になツて耳に入る。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
梯子
上
(
のぼ
)
りにだんだん
怒
(
いか
)
りが大きくなつて来るあなたは、
終
(
しま
)
ひには
縮緬
(
ちりめん
)
の着物を着た人形でも、銀の
喇叭
(
らつぱ
)
でも
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
直ぐ眼下は第七師團である。
黒
(
くろず
)
むだ大きな木造の建物、細長い建物、一尺の馬が走つたり、二寸の兵が歩いたり、赤い旗が立つたり、
喇叭
(
らつぱ
)
が鳴つたりして居る。
熊の足跡
(旧字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
馬丁が
喇叭
(
らつぱ
)
をプープー鳴らし馬が四肢を揃へて駈け出した時、妻は「又歸つて頂戴ね。ご機嫌好う」と言ひ、子供は「父ちやん、三輪車を忘れちや厭よう」と言つた。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
彼が口を出すことは、此の私を非難するAの管絃楽の中へ、更に
喇叭
(
らつぱ
)
を交へるやうに強く響いた。
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
日本が俺のやうな人物を
容
(
い
)
れなければ、満洲国が迎へてくれると、出入りに兵隊が
喇叭
(
らつぱ
)
を吹くやうな広大な邸宅に住み、権勢の限りをつくすやうな要人の生活を夢見てゐた。
現代詩
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
馬に跨り
天鵞絨
(
びろうど
)
の
幟
(
のぼり
)
を建て、
喇叭
(
らつぱ
)
を吹きて、祭の
前觸
(
まへぶれ
)
する男も、ことしは我がためにかく晴々しくいでたちしかと疑はる。ことしまでは我この祭のまことの樂しさを知らざりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
喇叭
(
らつぱ
)
ある
人
(
ひと
)
は
喇叭
(
らつぱ
)
を
吹奏
(
なら
)
し、
何物
(
なに
)
も
無
(
な
)
き
人
(
ひと
)
は
双手
(
もろて
)
を
擧
(
あ
)
げて、
聲
(
こゑ
)
を
限
(
かぎ
)
りに
帝國萬歳
(
ていこくばんざい
)
!
帝國海軍萬歳
(
ていこくかいぐんばんざい
)
を
連呼
(
れんこ
)
せられよ、だん/″\と
近
(
ちか
)
づく二
隻
(
そう
)
の
甲板
(
かんぱん
)
、
巡洋艦
(
じゆんやうかん
)
の
縱帆架
(
ガーフ
)
に、
怪艇
(
くわいてい
)
の
艇尾
(
ていび
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
羅馬
(
ロウマ
)
は一都府の名で、また昔は世界の名であつた。ルーソーは
欧羅巴
(
エフロツパ
)
中に響く
喇叭
(
らつぱ
)
を吹いた。コルシカ島はナポレオンの生れた処だ。バイロンといふ人があつた。トルストイは生きて居る。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
中原がこゝまで言ひかけたとき、
船橋
(
ブリツヂ
)
の方で、けたゝましく
喇叭
(
らつぱ
)
が鳴つた。
怪艦ウルフ号
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
對
(
むか
)
う岸の家で欄干に赤い裏の蒲團を干してゐる女は、白い顏に笑ひを浮べて、竹丸に小手招きなぞした。
背後
(
うしろ
)
の賑やかな通りでは、人音がざわ/\聞えて、太鼓の響や
喇叭
(
らつぱ
)
の聲が絶えずしてゐた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
馳
(
は
)
せ
出
(
いだ
)
す
車
(
くるま
)
一散
(
いつさん
)
、さりながら
降
(
ふ
)
り
積
(
つも
)
る
雪
(
ゆき
)
車輪
(
しやりん
)
にねばりてか
車上
(
しやじやう
)
の
動搖
(
どうえう
)
する
割
(
わり
)
に
合
(
あは
)
せて
道
(
みち
)
のはかは
行
(
ゆ
)
かず
萬世橋
(
よろづよばし
)
に
來
(
き
)
し
頃
(
ころ
)
には
鐵道馬車
(
てつだうばしや
)
の
喇叭
(
らつぱ
)
の
聲
(
こゑ
)
はやく
絶
(
た
)
えて
京屋
(
きやうや
)
が
時計
(
とけい
)
の
十時
(
じふじ
)
を
報
(
はう
)
ずる
響
(
ひゞき
)
空
(
そら
)
に
高
(
たか
)
し
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其内
(
そのうち
)
薄
(
うす
)
い
霜
(
しも
)
が
降
(
お
)
りて、
裏
(
うら
)
の
芭蕉
(
ばせう
)
を
見事
(
みごと
)
に
摧
(
くだ
)
いた。
朝
(
あさ
)
は
崖上
(
がけうへ
)
の
家主
(
やぬし
)
の
庭
(
には
)
の
方
(
はう
)
で、
鵯
(
ひよどり
)
が
鋭
(
する
)
どい
聲
(
こゑ
)
を
立
(
た
)
てた。
夕方
(
ゆふがた
)
には
表
(
おもて
)
を
急
(
いそ
)
ぐ
豆腐屋
(
とうふや
)
の
喇叭
(
らつぱ
)
に
交
(
まじ
)
つて、
圓明寺
(
ゑんみやうじ
)
の
木魚
(
もくぎよ
)
の
音
(
おと
)
が
聞
(
きこ
)
えた。
日
(
ひ
)
は
益
(
ます/\
)
短
(
みじ
)
かくなつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
麻いろの頭髪が青い運動着によく似合つた雄大な
芬蘭
(
フィンランド
)
のマルテリン。——勝者の到着を知らせる競技場の表門の古風な
喇叭
(
らつぱ
)
吹奏。歓声。そして最後に夕日の長い影のなかで彼を取り囲んだ新聞写真班。
亜剌比亜人エルアフイ
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
この日は
殊
(
こと
)
に割りこみ騒ぎで殺気立ち、その列中の若者の一人は柄のよくない与太者と見えたが、
喇叭
(
らつぱ
)
のみにのみ終つたビールの
空壜
(
あきびん
)
の口をバンと
打
(
ぶ
)
つかいだかと思ふと相手の首筋にグサと突き刺し
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
其声はわしの耳に最後の審判の
喇叭
(
らつぱ
)
のやうに響いたのである。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
O、至上な
喇叭
(
らつぱ
)
の異様にも
突裂
(
つんざ
)
く叫び
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
喇叭
(
らつぱ
)
の音は 勇ましい
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
一頃
(
ひところ
)
の熱狂に比べると、町もシーンとして来た、小諸停車場の前で吹く
喇叭
(
らつぱ
)
の
音
(
ね
)
が町の空に響き渡つた。入営するものを寄せ集めの
相図
(
あひづ
)
だ。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
さてかれは、かく我をしてわが
喇叭
(
らつぱ
)
(こはその難き歌をはや終へんとす)よりなほ大いなる音にかれを
委
(
ゆだ
)
ねしむるほどになりつゝ 三四—三六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
この書、
太鼓
(
たいこ
)
喇叭
(
らつぱ
)
竪琴
(
たてこと
)
などを描きたる銅版画の表紙の上に、Kakkoku Engekishi なる
羅馬字
(
ロオマじ
)
を題す。
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『
第一
(
だいいち
)
の
證人
(
しようにん
)
を
喚
(
よ
)
び
出
(
だ
)
せ』と
王樣
(
わうさま
)
が
申
(
まを
)
されました。
白兎
(
しろうさぎ
)
は三
度
(
たび
)
喇叭
(
らつぱ
)
を
吹
(
ふ
)
いて『
第一
(
だいいち
)
の
證人
(
しようにん
)
!』と
聲
(
こゑ
)
をかけました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
もとより自動車ではありませんから、誰かが押して歩いたものと思はれます。友吉と安兵衛は、揃ひの赤い洋服を着て居ました。友吉は
御者台
(
ぎよしやだい
)
に居て
喇叭
(
らつぱ
)
を吹いて居ました。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
春
(
はる
)
の
野路
(
のぢ
)
をガタ
馬車
(
ばしや
)
が
走
(
はし
)
る、
野
(
の
)
は
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
き
亂
(
みだ
)
れて
居
(
ゐ
)
る、フワリ/\と
生温
(
なまぬる
)
い
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
ゐて
花
(
はな
)
の
香
(
かほり
)
が
狹
(
せま
)
い
窓
(
まど
)
から
人
(
ひと
)
の
面
(
おもて
)
を
掠
(
かす
)
める、
此時
(
このとき
)
御者
(
ぎよしや
)
が
陽氣
(
やうき
)
な
調子
(
てうし
)
で
喇叭
(
らつぱ
)
を
吹
(
ふ
)
きたてる。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
しかし、
恁
(
か
)
う
言
(
い
)
ふのを
信
(
しん
)
じないで、
私
(
わたし
)
に
任
(
ま
)
かせることを
不安心
(
ふあんしん
)
と
思
(
おも
)
ふなら、
提灯
(
ちやうちん
)
の
上
(
うへ
)
に
松明
(
たいまつ
)
の
数
(
かず
)
を
殖
(
ふや
)
して、
鉄砲
(
てつぱう
)
持参
(
じさん
)
で、
隊
(
たい
)
を
造
(
つく
)
つて、
喇叭
(
らつぱ
)
を
吹
(
ふ
)
いてお
捜
(
さが
)
しなさい、
其
(
それ
)
は
御勝手
(
ごかつて
)
です。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
瀧のほとりには、
喇叭
(
らつぱ
)
吹くトリイトンの神二人海馬を馭したり。その下には、豐に水を
湛
(
たゝ
)
へたる大水盤あり。盤を
繞
(
めぐ
)
れる石級を見れば農夫どもあまた心地好げに月明の裡に臥したり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
汽船から借りて來た汽笛代用の
喇叭
(
らつぱ
)
を吹いたが、さういふ用意がないので、僕は下手な調子で
銅羅
(
どら
)
聲を張りあげ、清元やら、長唄やら、常磐津から、新内やら、都々逸やらのお浚ひをして歩いた。
日高十勝の記憶
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
はた、とどろ
撃
(
う
)
つ毒の
砲弾
(
たま
)
、
清
(
すず
)
しき
喇叭
(
らつぱ
)
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
最後の審判の日、すべて救はるゝ者
喇叭
(
らつぱ
)
の聲をききて再び肉の衣をまとひアレルヤ(默示録、一九・一參照)をうたひつゝその墓より起出るごとく
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
我々はいつもクリストの中に我々の求めてゐるものを、——我々を無限の道へ駆りやる
喇叭
(
らつぱ
)
の声を感じるであらう。
西方の人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
車中
何人
(
なんびと
)
も一語を発しないで、皆な屈托な顔をして
物思
(
ものおもひ
)
に沈んで居る。御者は今一度強く鞭を加へて
喇叭
(
らつぱ
)
を吹き
立
(
たて
)
たので
躯
(
からだ
)
は小なれども
強力
(
がうりよく
)
なる北海の健児は
大駈
(
おほかけ
)
に駈けだした。
空知川の岸辺
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
乃
(
そこ
)
で
白兎
(
しろうさぎ
)
は三
度
(
たび
)
喇叭
(
らつぱ
)
を
吹
(
ふ
)
き、それから
羊皮紙
(
やうひし
)
の
卷物
(
まきもの
)
を
開
(
ひら
)
いて、
次
(
つぎ
)
のやうに
讀
(
よ
)
みました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
停車場の方ではめづらしく
喇叭
(
らつぱ
)
の音が起つた。私は静かな北向の障子に
対
(
むか
)
つて、紙を展げて見た。私が写さうと思つて居る千曲川の川上から川下までのことが一息に私の胸に浮んで来た。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
その群の一家族高き棚の上に立ちて客を招けり。
婦
(
をみな
)
は叫び、夫は
喇叭
(
らつぱ
)
吹き、子は背後より長き鞭を
揮
(
ふる
)
ひて
爺孃
(
やぢやう
)
を亂打し、その脚下には小き馬の後脚にて立ちて、前に開ける簿册を讀む眞似したるあり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
吹け、はげしきを、火の
喇叭
(
らつぱ
)
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
あはれ、なほ、
喇叭
(
らつぱ
)
吹く
息
(
いき
)
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
アレッツォ
人
(
びと
)
よ、我は或ひは
喇叭
(
らつぱ
)
或ひは鐘或ひは太鼓或ひは城の相圖或ひは本國異邦の物にあはせ 四—六
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
殺戮
(
さつりく
)
を何とも思はぬなどは一層小児と選ぶところはない。殊に小児と似てゐるのは
喇叭
(
らつぱ
)
や軍歌に鼓舞されれば、何の為に戦ふかも問はず、
欣然
(
きんぜん
)
と敵に当ることである。
侏儒の言葉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
自分
(
じぶん
)
は
如何
(
どう
)
いふものかガタ
馬車
(
ばしや
)
の
喇叭
(
らつぱ
)
が
好
(
す
)
きだ。
回想
(
くわいさう
)
も
聯想
(
れんさう
)
も
皆
(
み
)
な
面白
(
おもしろ
)
い。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
あはれ、なほ、
喇叭
(
らつぱ
)
吹く
息
(
いき
)
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“喇叭”の意味
《名詞》
喇 叭(らっぱ、ラッパ)
一般的に現在金管楽器といわれるもののこと。
(出典:Wiktionary)
“喇叭(ラッパ)”の解説
ラッパ
ラッパ(喇叭)は、円錐形金管楽器の呼称である。先の広がった金属製の管の反対側の端に唇を当てて息を吹き込み、唇の振動する音を金属管で増幅して吹鳴する楽器の総称である。俗にトランペットなども含むが、特にビューグルなどバルブのない単純な構造のものをいう。
(出典:Wikipedia)
喇
漢検1級
部首:⼝
12画
叭
漢検1級
部首:⼝
5画
“喇叭”で始まる語句
喇叭節
喇叭卒
喇叭手
喇叭状
喇叭管
喇叭呑
喇叭銃
喇叭飮
喇叭乱吹