あんま)” の例文
新字:
れを種々さま/″\おもふてるととゝさんだとてわたしだとてまごなりなりのかほたいは當然あたりまへなれど、あんまりうるさく出入でいりをしてはとひかへられて
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ロミオ (炬火持に對ひ)おれ炬火たいまつれい。おれにはとてかれた眞似まね出來できぬ。あんまおもいによって、いっあかるいものをたう。
日出雄ひでをさん、あんまりやるとそんじますよ。』と氣遣きづかひがほわたくしさへ、その生臭なまくさにく口中こうちう充滿いつぱい頬張ほうばつてつたのである。
まあ年齡としとつたら仕方しかたがないから我慢がまんしてるんだよ、あんまひどけりや他人ひと共々とも/″\ちやないから、それだが勘次かんじ有繋まさかそれほどでもないんだらうしね
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あんまりですから、主人あるじ引返ひつかへさうとしたときです……藥賣くすりうり坊主ばうずは、のない提灯ちやうちん高々たか/″\げて、しひ梢越こずゑごしに、大屋根おほやねでもるらしく、仰向あをむいて
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
買手かひてにもるだらうが、賣手うりてにもるんだよ。いくら名畫めいぐわだつて、おれつてゐたぶんには到底たうていさうたかれつこはないさ。しかし七ゑんや八ゑんてえな、あんまやすやうだね
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
たもととらへて『あんまりじやアありませんか、何卒どうか返却かへしていたゞきたいもんです』と泣聲なきごゑになつてうつたへた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「寸法があつてるつて? そんなら寸法の取違ひか。それにしてもあんまり違ひ過ぎるぢやあないか。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
こうみえてもまだ貴樣等きさまら臺所だいどころ土間どまにおすはりして、おあまりを頂戴ちやうだいしたこたあ、たゞの一どだつてねえんだ。あんまおほきなくちたゝきあがると、おい、くればんはきをつけろよ
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
……お時さんのお父つあんもな、あんまり……旦那の前で言ひ憎いが、……其の何んや、年齡としが違ふもんやよつて、土壇場になつて考へはつたんやけんどなア、吐いた唾液つば呑み込めんちふことがある。
父の婚礼 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
けれども、もうお時はあんまり私の側へ寄り附かなくなりました。
反古 (旧字旧仮名) / 小山内薫(著)
ロミオ おゝ、有難ありがたい、かたじけない、なんといふうれしいよる! が、よるぢゃによって、もしやゆめではないからぬ。うつゝにしては、あんまうれぎてうそらしい。
貴方あなた祕密ないしよが、わたしにはれましても、お差支さしつかへのないことをおらせまをしませうか、——あんま御心配ごしんぱいなすつておいとしいんですもの。眞個ほんとに、殿方とのがたはおやさしい。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
りや佳味うめえこたあ佳味うめえがあんまりあまくつておらがにやむねわるくなるやうだな」勘次かんじめた幾杯いくはいかたぶけた。勘次かんじ風呂敷ふろしきからふくろしておしな枕元まくらもといて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「おや左樣さうあんまおそいから、大方おほかた何處どこかで召上めしやがつたらうとはおもつたけれど、だゞと不可いけないから」とひながら、布巾ふきんなべみゝつまんで、土瓶敷どびんしきうへおろした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ほん馬鹿々々ばか/\しいとつてはれほどのこと今日けふまでだまつてるといふことりますものか、あんま御前おまへ温順おとなすぎるから我儘がまんがつのられたのであろ、いたばかりでもはら
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
野田のだ醤油屋奉公しやうゆやばうこうつてゝあんまめしぎたの原因もとたなんていふんですが、廿位はたちぐれえつぶれつちやつたんでさ、さうしたらそれ打棄うつちやつて夜遁よにてえせまるで
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
うも御樣子ごやうすておいでなさいます、といままをせばまをしますやうなものの、あんまりおほきくおりなさいましたで、まるでもつて、思掛おもひがけずでござりました。失禮しつれいながら、おいくつに。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
面白おもしろくもない女郎めらうめとしかりつけられて、れはおまへ無理むりだ、邪推じやすいすぎる、なにしにおまへあてつけよう、このあんまわからぬと、おりき仕方しかたくらしさにおもひあまつてつたこと
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ヂュリ おまへ小鳥ことりにしたいなア! したが、あんま可愛かはゆがって、ついころしてはならぬゆゑ、もうこれで、さよなら! さよなら! あゝ、わかれといふものはかななつかしいものぢゃ。
小庭こにはへだてた奧座敷おくざしき男女なんによ打交うちまじりのひそ/\ばなし本所ほんじよも、あのあんまおくはうぢやあわたしいやアよ、とわかこゑなまめかしさ。旦那だんな業平橋なりひらばしあたりうございますよ。おほゝ、とけたこゑおそろしさ。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
とりさまへ諸共もろともにとひしをみち引違ひきたがへてかたへと美登利みどりいそぐに、おまへしよにはれないのか、何故なぜ其方そつちかへつて仕舞しまふ、あんまりだぜとれいごとあまへてかゝるを振切ふりきるやうに物言ものいはずけば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かわくのはつらくつて、あめのないつゞとき帆布ほぬのひろげて、夜露よつゆけて、みんなくちをつけてつたんだつて——大概たいがいくちびるやぶれてて、——たすかつたはなし孫一まごいちは、あんまはげしくつたため
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)