“下:さが” の例文
“下:さが”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花34
芥川竜之介28
三遊亭円朝15
海野十三11
夏目漱石11
“下:さが”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸41.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語4.5%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行1.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
母「何か塩梅でも悪くてさがって来たんじゃアあんめえか、それとも朋輩なかま同士揉めでも出来たか、宿下やどさがりか」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「は、は、は、は、人間もさがると怖いものだのう——同業切っての凄腕と言われた長崎屋、あの血迷い方は何としたものじゃ」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
——はだきぬもうつくしく蓑虫みのむしがぶらりと雲からさがつたやうな女ばかりで、に何も見えなかつた。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「それがいかんですな。熱はずんずんさがりながら、脈搏はかえってふえて来る。——と云うのがこの病の癖なんですから。」
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
するとその隣りに銅鑼どらさがっていて、それをたたく棒まで添えてあるので、ますます変ったへやだと思った。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あの広場ひろっぱの雑樹へさがって、が明けて、やッと小止こやみになった風に、ふらふらとまだ動いていたとさ。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
出張でばつたひたひにぶらさがつた愛嬌造あいけうづくり、とると、なき一葉いちえふがたけくらべのなか
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
骨ぐみは小さくもありませんが、どうしたのか、ひどくやせほそって、下腹したばらの皮もだらりとしなびさがっています。
やどなし犬 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
まさに洋燈を取って車の台になげうたむとする、めじりさがったのはまむしよりきらいな江戸ッ肌。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ここは俗称藪之郷やぶのごうさがまつ、一乗寺あとの田舎道と山道の追分で、辻は三つまたにわかれている。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たとえば「たけに草」などもその一つで、一本の茎から幾つもさがっている形を、鈴のようだと思ってそう名づけたのである。
まへべたやうに七ぐわつ爲替相場かはせさうばが一わりさがつてつたが
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
主人は座敷、吉は台所へさがって昼の食事を済ませ、遅いけれども「おなさい」「出よう」というので以て、二人は出ました。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「たしか一昨日おとといでしたろう。ちょっと御話ししようと思ったんですが、まだ熱がさがらないから、わざと黙っていました」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
五百が屋敷からさがる二年前に、栄次郎は深入ふかいりをして、とうとう司の身受みうけをするということになったことがある。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
街上には電線や電車の架空線がもつれさがっている下に、電車や自動車の焼けつくした、骨ばかりのがぺちゃんこにつぶれています。
大震火災記 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
いままで法衣ころもをかけていたえださきながつるさがつたとおもふと
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「場所は、叡山道えいざんみち、一乗寺山のふもと、藪之郷やぶのごうさがまつ。——あの下り松を出会いの場所とする」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勝久が部屋へさがっていると、そこへ津軽侯が来て、「渋江のむすめくががいるということだから逢いに来たよ」といった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
一足ひとあし踏込んで切下きりおろすのを、ちゃり/\と二三度合せたが、一足さがって相上段あいじょうだんに成りました。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
全体は痩せて居て、縞目も判らぬ素綿入すわたいれを着た肩は長い襟筋から両方に分れてだらりとさがつた見すぼらしいものである。
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)
またかんむり兩側りようがはからもきんかざりがぶらさがつて、そのはし勾玉まがたまがついてゐるといふ
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
のきさがつた獅子頭しゝがしらや、きつねめんなど、どんな立派りつぱなものだつたかわからない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「あしたは多分熱がさがるでしょう。幸いも来ないようですから」Sさんは母に答えながら、満足そうに手を洗っていた。
子供の病気:一游亭に (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
——四さがり、五まへ時刻じこく——あつで、大層たいそうつかれて
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
てて加えて、朝の薄曇りが昼少しさがる頃より雨となッて、びしょびしょと降り出したので、気も消えるばかり。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
這い込んではずりさがって、蜘蛛くもの糸のように虚空に閃めく寸線にも、触れたが最後、しっかりとつかまって
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
そして、はげしいしぶきの中に、のこりとすわって、店先にさがっている肉のかたまりを、じろじろ見上げていました。
やどなし犬 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
そして私は活動寫眞の看板畫かんばんゑが奇體な趣きで街をいろどつてゐる京極きようごくさがつて行つた。
檸檬 (旧字旧仮名) / 梶井基次郎(著)
此度こんど丁度ちょうど三人目の首縊くびくくりだ、初めさがった時、一の枝を切ると、また二の枝に下ったので、それも切ると
死神 (新字新仮名) / 岡崎雪声(著)
鬼の酋長は驚いたように、三尺ほどうしろへ飛びさがると、いよいよまた丁寧ていねいにお時儀じぎをした。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし水戸家からさがつて眞志屋の祖先の許に嫁した疑問の女が即ち此島であつたことは、わたくしは知らなかつた。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
善「おめえはそんな襤褸ぼろさがった物を着て居てはいかないよ、勇次郎の着物の古いのを遣ってあるのに何故なぜ着ないのう」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
帯、袖、ふらりとさがった裾を、幾重、何枚にも越した奥に、蝋燭と思う、小さな火が、鉛の沼のような畳に見える。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
えゝ何所どこのお汁粉屋しるこやでもみなコウふだがピラ/\さがつてますが、エヘヽあれがございませぬやうで。
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
そして葭簀越よしずごしにも軽くにおわせる仙女香せんじょこうかおりと共に、髪はさがづと糸巻いとまきくずし
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「堀川君。海軍の礼式じゃね、高位高官のものほどあとにさがるんだから、君はとうてい藤田さんの後塵こうじんなどは拝せないですよ。」
文章 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「二十余人の敵と渡り合えるうち、何者かのやりを受け損じてか、よろいの胴を二寸さがりて、左のまたきずを負う……」
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と云いながら、床の内を差覗さしのぞき、白翁堂はわな/\とふるえながら思わずあとさがりました。
小倉こくらかひくちが、ぐたりとさがつて、すそのよぢれあがつた痩脚やせずねに、ぺたんこともゆがんだとも
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
身装みなりはちょうど英国の僧侶のように黒い物ずくめで、見るからに自然と頭のさがるような、いかめしさと重々しさとをそなえていた。
段々引裂かれて半分近くまでもはす削掛けずりかけのようにふささがってる帯を平気で締めていた。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
『もうこれよりさがれません』と帽子屋ばうしやひました。『御覽ごらんとほゆかうへります』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
つてふささがつた被布ひふるおめかけさまに相違さうゐ
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その子達こだち氣高けだかさ!たふとさ! おもはず天窓あたまさがつたぢや。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
こつちのおとつゝあん、れわし役場やくばからさがつたのつてたんだが一つけてもらつたらようがせう
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
姉ははりの端にさがっている梯子を昇りかけた。すると吉は跣足はだしのまま庭へ飛び降りて梯子を下からすぶり出した。
笑われた子 (新字新仮名) / 横光利一(著)
手織縞ておりじまちやつぽいあはせそでに、鍵裂かぎざき出來できてぶらさがつたのを
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
王さまは鐘を手に取ると、まん中にさがつてゐる打金うちがねをもぎ取つて、鐘だけを若ものにわたしました。
湖水の鐘 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
賢造の冗談をきっかけに、慎太郎は膝をついたまま、そっと母の側を引きさがろうとした。すると母は彼の顔へ、突然不審そうな眼をやりながら、
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そこへどこからかからすが一羽、二三町隔った砂浜の上を、藍色あいいろにゆらめいたものの上をかすめ、更に又向うへさがった。
蜃気楼 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
が、夢はその間も、深い真夏の空の奥から、鳥の羽根が一すじ落ちるように、静に彼の上へ舞いさがって来た。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
さがった金を見ますると三星みつぼしの刻印が打って有る、是はかね巡達じゅんたつに成ってる処の不正金でございますから、
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と手を合せたが、おやまはあとさがる、是は又市が刃物を持って居りますから気味が悪いから後へ下る。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その破目が大層で、此方てまえへ閉ってます引手の処なんざ、桟がぶらさがって行抜けの風穴かざあなで。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あいつァ七八つの時分じぶんから、手習てならい仲間なかまでも、一といって二とさがったことのねえ手筋自慢てすじじまん
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
勿論三がさがるものやら二があがるものやら、節はのばすもんだか縮めるもんだか、少しも知らない。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
といいながら段々花車はあとさがると、うしろの見上げる様な庚申塚の処へこう寄り掛りました。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
皮膚には一滴のもなく下瞼したまぶたがブクリとふくれてさがり、大きな眼は乾魚ひもののように光を失っていた。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかもそのうちふたつは間近まじかい、の一きゃくすこさがって背後うしろほうへ……。
四条通りを西へ幾筋目かの辻をあがつてとかさがつてとかと、道はくはしく教へられたが、もとより充分呑込めもせず、見当もつかぬ位だつた。
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
御寝間係はそのごみを見ると、顔を真赤にしてそのまゝ御前をさがつて行つたが、一時間程経つと国王附の御寝間係を連れてまたはいつて来た。
すなはち一わりさがつてつた爲替かはせ大凡おほよそ回復くわいふくした程度ていどになつたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
年とった支那人は歎息たんそくした。何だか急に口髭くちひげさえ一層だらりとさがったようである。
馬の脚 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それから宿へさがった妊婦が男の子を生んだという報知を待って、また子供だけ引き取って表向おもてむき自分の子として養育したのだそうである。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし着実な其道そのみちの人の批判ではたとひ一円にさがつても会社経営では四五割、個人経営では六七割の利益は確かだと云つて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
詩人レニエ氏のひげも有名だが、ヹルアアレン翁のおとがひまで垂れさがつた口髭も名物である。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
小さな両手でて揉み立て吸出すと、甘いあったかな乳汁ちち滾々どくどくと出て来て、咽喉のどへ流れ込み、胸をさがって
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そこに大英帝国の最後の機会がぶらさがって居るというわけでしてな、どうぞ御同情をたまわりたい。
となぜか弱いを吹いた……差向いをずりさがって、割膝でかしこまった半纏着の欣八刑事、風受かざうけのいきおいに乗じて
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
腕を引っこ抜くいきおいで、もがいて、掻巻をぱっとぐ、と戸棚のおおいは、もとの処にぼうとさがって、何事も別条はない。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その證據には、數年後に、京都一乘寺村のさがり松で、吉岡憲法の一門と試合をしてゐる。その時二十一歳だといはれてゐるから、約四年の後である。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
この大和行幸の洛中らくちゅうへ触れ出されたのを自分が知ったのは、柳馬場丸太やなぎのばばまるたさがル所よりの来状を手にした時であった。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
で、またとぼとぼと杖にすがって、向うさがりに、この姿が、階子段に隠れましたを、じっると、老人思わず知らず、べたりと坐った。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と云う声に恟りして市四郎が仰向いて見ますと、一人の女が藤蔓の間に挟まってさがって居ましたから、
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「あした学校をさがってからでもいいじゃないか。」慶次郎は私の兄さんには知らせたくない風でした。
(新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
いにしえこれらの賤職者を総称してさがり者ともいったのは、けだし成り下り者の義で、普通民の落伍者となって、成り下った者だとのことであります。
小さな露の玉を瓔珞ようらくつらぬいたくもの糸が、枝から枝にだらりとさがって居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
あさもやがしつとりとかわいたにはつちしめしておりるとなにひがんでかかげさがうり
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
リード氏はよろこんで、では、あとでどつさりほうびのお金をもらつて上げるぞと勇み立ちますと、二人はそれを聞いて、急にその場をさがりかけました。
パナマ運河を開いた話 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
「さっきのかみなり様は一つ、どこか近所へおさがりなすったに相違ないよ。」と、母は言いました。
蜘蛛の夢 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
鏽銀しやうぎんかねよりは一条ひとすぢきぬ薄青うすあをさがりてひかる。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
或はあがり或はさがり、右に左に屈折して、ガラスの道は、島の沿岸を数十間の間続いています。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
丸多の暖簾のれんは丸の中に多の字を出してあるんですが、これには丸多の店のしるしが無く、家の定紋じょうもんさがり藤が小さく染め出してある。
半七捕物帳:50 正雪の絵馬 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
其一枚が何かの拍子に半分はんぶから折れて、くきを去る五寸ばかりところで、急にするどさがつたのが、代助には見苦しく見えた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
裾野は富士の物だ、富士のものを富士に返して、東海の浜にまで引きさがり、さて仰いで見たまえ。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
そして、もうすこしで、金博士のヘルメットにぶつかりそうになって、ようようさがるのを停めた。
宗右衛門町から通って来る娘で、紺地に白ぬきのあがふじさがふじの大がらの浴衣ゆかたを着たのが私を恍惚こうこつとさせたものだ。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
ああ、あの女の死骸ですか。おや、あなたのくちばしには、髪の毛が何本もさがつてゐますよ。
動物園 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
如何いかにももっともでございます。——では、ここはおかみさんにおねがもうして、つぎさがっていることにいたしましょう」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
だいさがれりとて、みづからを賤しむべからず。天地の始めは、今日を始めとする理あり”
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その証拠には、数年後に、京都一乗寺村のさがまつで、吉岡憲法の一門と試合をしている。その時二十一歳だといわれているから、約四年の後である。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分はそばにいる人から浄瑠璃じょうるりにあるさがまつというのを教えて貰った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
眼尻が少しさがって、口をあんとあいたところは、贔屓目ひいきめにも怜悧な犬ではなかった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
——るうちに、郵便局いうびんきよくさかさがりにえなくなつた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それがくぼんでさがつたとき地割ぢわれがぢるようになつたものとかんがへた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
「ああ、可いとも、」といって向直って、お品は掻潜かいくぐってたすきはずした。斜めに袈裟けさになって結目むすびめがすらりとさがる。
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「これはあり合せ、そなたの年頃に似合うか似合わぬか、それは知らぬ、さがふじになっているはずだが、それでも差料さしりょうにさわりはあるまい」
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
くちびるがべろ/\として無花果いちじゆくけたるごとき、めじりさがれる、ほゝにくつかむほどあるのをはして
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「いずれそうよ、出処はたしかなものだ。川尻権守ごんのかみ溝中どぶのなか長左衛門ね、掃溜はきだめ衛門之介などからおさがり遊ばしたろう。」
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)