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轟
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とゞろ
ふりがな文庫
“
轟
(
とゞろ
)” の例文
こゝに
信州
(
しんしう
)
の
六文錢
(
ろくもんせん
)
は
世々
(
よゝ
)
英勇
(
えいゆう
)
の
家
(
いへ
)
なること
人
(
ひと
)
の
能
(
よ
)
く
識
(
し
)
る
處
(
ところ
)
なり。はじめ
武田家
(
たけだけ
)
に
旗下
(
きか
)
として
武名
(
ぶめい
)
遠近
(
ゑんきん
)
に
轟
(
とゞろ
)
きしが、
勝頼
(
かつより
)
滅亡
(
めつばう
)
の
後
(
のち
)
年
(
とし
)
を
經
(
へ
)
て
徳川氏
(
とくがはし
)
に
歸順
(
きじゆん
)
しつ。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さて
展覽會
(
てんらんくわい
)
の
當日
(
たうじつ
)
、
恐
(
おそ
)
らく
全校
(
ぜんかう
)
數百
(
すうひやく
)
の
生徒中
(
せいとちゆう
)
尤
(
もつと
)
も
胸
(
むね
)
を
轟
(
とゞろ
)
かして、
展覽室
(
てんらんしつ
)
に
入
(
い
)
つた
者
(
もの
)
は
自分
(
じぶん
)
であらう。
※畫室
(
づぐわしつ
)
は
既
(
すで
)
に
生徒
(
せいと
)
及
(
およ
)
び
生徒
(
せいと
)
の
父兄姉妹
(
ふけいしまい
)
で
充滿
(
いつぱい
)
になつて
居
(
ゐ
)
る。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
瀧口時頼が
發心
(
ほつしん
)
せしと、誰れ言ふとなく
大奧
(
おほおく
)
に傳はりて、さなきだに
口善惡
(
くちさが
)
なき女房共、寄ると
觸
(
さは
)
ると瀧口が噂に、横笛
轟
(
とゞろ
)
く胸を
抑
(
おさ
)
へて蔭ながら樣子を聞けば
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
風は門を蔽うた大木に高く
轟
(
とゞろ
)
いてゐた。しかし道路は
目路
(
めぢ
)
の限り右も左もしんとして物の影もなかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
四条通りの方に面した例の薬屋の店の前を
態
(
わざ
)
と通り越して、橋の上まで行つて、遠くから姉はそれを指して眺めさせた。私は胸を
轟
(
とゞろ
)
かせながらその建物を見上げた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
▼ もっと見る
是
(
これ
)
に
因
(
よつ
)
て越前守と
任官
(
にんくわん
)
し大岡越前守
藤原忠相
(
ふぢはらのたゞすけ
)
と末代までも
名奉行
(
めいぶぎやう
)
の名を
轟
(
とゞろ
)
かしたるは此人の事なり將軍家には其後も越前は末代の名奉行なりと度々
上意
(
じやうい
)
ありしとかや
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
頓
(
やが
)
て
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
が、いよ/\
秘密造船所
(
ひみつざうせんじよ
)
を
出
(
い
)
づる
可
(
べ
)
き
筈
(
はづ
)
の
午前
(
ごぜん
)
九時
(
くじ
)
になると、
一發
(
いつぱつ
)
の
砲聲
(
ほうせい
)
が
轟
(
とゞろ
)
いた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
鏡子はふと晨坊はどうしたであらうと思つて胸を
轟
(
とゞろ
)
がせた。今縁側の傍迄行つた時に、晨が書棚の横の五寸と一尺程のひこんだ隅に立つて居た事に気が附いたのである。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
提香爐
(
ひさげかうろ
)
を打ち振りても、街にありて、叫ぶ
賈人
(
あきうど
)
、
轟
(
とゞろ
)
く車の間に立ちても、聖母の像と靈水盛りたる瓶の下なる、
小
(
ちさ
)
き
臥床
(
ふしど
)
の中にありても、たゞ詩をおもふより外あらざりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
平八郎は
難波橋
(
なんばばし
)
の
南詰
(
みなみづめ
)
に
床几
(
しやうぎ
)
を立てさせて、白井、橋本、其外
若党
(
わかたう
)
中間
(
ちゆうげん
)
を
傍
(
そば
)
にをらせ、腰に附けて出た
握飯
(
にぎりめし
)
を
噛
(
か
)
みながら、砲声の
轟
(
とゞろ
)
き渡り、
火焔
(
くわえん
)
の
燃
(
も
)
え上がるのを見てゐた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
日本に居る頃から心配して居たワルシヤワの乗替は十八日の午前十一時頃に無事に済んだのであるが、ボオイが来てもう二十八円出さなければ成らないと云はれた時私は胸を
轟
(
とゞろ
)
かした。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
と一生懸命に口の
中
(
うち
)
で念仏を唱えまする途端に、ドウ/\と云う車軸を流すような大雨、ガラ/\/\/\/\と云う雷鳴
頻
(
しき
)
りに
轟
(
とゞろ
)
き渡るから、知らぬ土地で人を殺し、
殊
(
こと
)
に大雨に
雷鳴
(
かみなり
)
ゆえ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
延命院
(
えんめいゐん
)
で艶名を
轟
(
とゞろ
)
かしたのも谷中の舞臺です。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
滊車は今、橋に
轟
(
とゞろ
)
く。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
此
(
こ
)
の
峰
(
みね
)
、
此
(
こ
)
の
谷
(
たに
)
、
恁
(
かゝ
)
る
思
(
おもひ
)
。
紅
(
くれなゐ
)
の
梢
(
こずゑ
)
を
行
(
ゆ
)
く
汽車
(
きしや
)
さへ、
轟
(
とゞろ
)
きさへ、
音
(
おと
)
なき
煙
(
けむり
)
の、
雪
(
ゆき
)
なす
瀧
(
たき
)
をさかのぼつて、
輕
(
かる
)
い
群青
(
ぐんじやう
)
の
雲
(
くも
)
に
響
(
ひゞ
)
く、
幽
(
かすか
)
なる、
微妙
(
びめう
)
なる
音樂
(
おんがく
)
であつた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
轟
(
とゞろ
)
く胸を
抑
(
おさ
)
へつゝ、
朱雀
(
すざく
)
の
方
(
かた
)
に來れば、向ひより
形
(
かたち
)
亂
(
みだ
)
せる二三人の女房の
大路
(
おほぢ
)
を北に急ぎ行くに、瀧口呼留めて事の由を尋ぬれば、一人の女房立留りて悲しげに
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
もう一人の叔母の家がその二三町先にありまして、私は
其処
(
そこ
)
へ行つた帰りを龍源へ寄るのが例でした。黒くなつた大きい酒屋看板を遠くから見て私の小い胸は先づ
轟
(
とゞろ
)
いたものです。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
種々に
糺
(
たゞ
)
されける所さしも世に
轟
(
とゞろ
)
く
明奉行
(
めいぶぎやう
)
の吟味故
其言葉
(
そのことば
)
肺肝
(
はいかん
)
を
見透
(
みすか
)
す如くにて
流石
(
さすが
)
の平左衞門も申掠る事能はずと雖も
奸智
(
かんち
)
に
長
(
たけ
)
たる
曲者
(
くせもの
)
ゆゑ
忽
(
たち
)
まち答への趣意を變じて其身の
罪
(
つみ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
刻
(
こく
)
は、
草木
(
くさき
)
も
眠
(
ねむ
)
る、
一時
(
いちじ
)
と
二時
(
にじ
)
との
間
(
あひだ
)
、
談話
(
だんわ
)
暫時
(
しばし
)
途絶
(
とだ
)
えた
時
(
とき
)
、ふと、
耳
(
みゝ
)
を
澄
(
すま
)
すと、
何處
(
いづこ
)
ともなく
轟々
(
ごう/\
)
と、
恰
(
あだか
)
も
遠雷
(
えんらい
)
の
轟
(
とゞろ
)
くが
如
(
ごと
)
き
響
(
ひゞき
)
、
同時
(
どうじ
)
に
戸外
(
こぐわい
)
では、
猛犬稻妻
(
まうけんいなづま
)
がけたゝましく
吠立
(
ほえた
)
てるので
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
矢張
(
やつぱ
)
りロダン先生が
此処
(
ここ
)
で仕事をされるのであると思つた時自分の胸は
轟
(
とゞろ
)
いた。
半
(
なかば
)
から腕の切り放されてある裸体の女は云ひ様もない清い
面貌
(
おもわ
)
をして今や白𤍠の様な
生命
(
いのち
)
を与へられやうとして居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
と
云
(
い
)
ふ
処
(
ところ
)
へガラ/\/\(
轟
(
とゞろ
)
く
音
(
おと
)
)婆
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
母
(
はゝ
)
がまだ
存生
(
ぞんじやう
)
の
時
(
とき
)
だつた。……
一夏
(
あるなつ
)
、
日
(
ひ
)
の
暮方
(
くれがた
)
から
凄
(
すさま
)
じい
雷雨
(
らいう
)
があつた……
電光
(
いなびかり
)
絶間
(
たえま
)
なく、
雨
(
あめ
)
は
車軸
(
しやぢく
)
を
流
(
なが
)
して、
荒金
(
あらがね
)
の
地
(
つち
)
の
車
(
くるま
)
は、
轟
(
とゞろ
)
きながら
奈落
(
ならく
)
の
底
(
そこ
)
に
沈
(
しづ
)
むと
思
(
おも
)
ふ。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
轟
(
とゞろ
)
かし
末世
(
まつせ
)
奉行の
鑑
(
かゞみ
)
と成たる
明斷
(
めいだん
)
に
因
(
ちなみ
)
て忠相ぬしが
履歴
(
りれき
)
とその
勳功
(
くんこう
)
の
大略
(
あらまし
)
とを豫て傳へ
聞
(
きゝ
)
異説
(
いせつ
)
天一
坊
(
ばう
)
さへ
書記
(
かきしる
)
して
看客
(
かんかく
)
の
覽
(
らん
)
に
供
(
そな
)
ふるなれば看客此一回を
熟讀
(
じゆくどく
)
して忠相ぬしが人と成り
腹
(
はら
)
にを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
矢張りロダン先生が此處で仕事をされるのであると思つた時自分の胸は
轟
(
とゞろ
)
いた。半から腕の切り放されてある裸の女は云ひ樣もない清い
面貌
(
おもわ
)
をして今や白熱の樣な
生命
(
いのち
)
を與へられようとして居る。
巴里の旅窓より
(旧字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
閃
(
きらめ
)
くは
電
(
いなづま
)
か、
轟
(
とゞろ
)
くは
雷
(
いかづち
)
か。
砲火
(
ほうくわ
)
閃々
(
せん/\
)
、
砲聲
(
ほうせい
)
殷々
(
いん/\
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
今
(
いま
)
は
其
(
そ
)
の
頼
(
たの
)
みと
云
(
い
)
ふのを
聞
(
き
)
かないわけには
行
(
ゆ
)
かなく
成
(
な
)
つた—……
聞
(
き
)
かう、と
唯吉
(
たゞきち
)
は
胸
(
むね
)
を
轟
(
とゞろ
)
かす。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と幾度も繰り返した榮子の気の強さを思つて、
其
(
その
)
子が叔母の愛の前に幅を
拡
(
ひろ
)
げて晨は陰の者になつて居るのではないかと胸が
轟
(
とゞろ
)
いた。早く晨を抱いて遣らねばならないと思はず鏡子の
身体
(
からだ
)
は前へ出た。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
蚊遣
(
かやり
)
の
煙
(
けむり
)
古井戸
(
ふるゐど
)
のあたりを
籠
(
こ
)
むる、
友
(
とも
)
の
家
(
いへ
)
の
縁端
(
えんばた
)
に
罷來
(
まかりき
)
て、
地切
(
ぢぎり
)
の
強煙草
(
つよたばこ
)
を
吹
(
ふ
)
かす
植木屋
(
うゑきや
)
は、
年
(
とし
)
久
(
ひさ
)
しく
此
(
こ
)
の
森
(
もり
)
に
住
(
す
)
めりとて、
初冬
(
はつふゆ
)
にもなれば、
汽車
(
きしや
)
の
音
(
おと
)
の
轟
(
とゞろ
)
く
絶間
(
たえま
)
、
凩
(
こがらし
)
の
吹
(
ふ
)
きやむトタン
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
突然、入港の号砲を
轟
(
とゞろ
)
かせて
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
私
(
わし
)
は
耐
(
たま
)
らず
真逆
(
まツさかさま
)
に
瀧
(
たき
)
の
中
(
なか
)
へ
飛込
(
とびこ
)
んで、
女瀧
(
めたき
)
を
確
(
しか
)
と
抱
(
だ
)
いたとまで
思
(
おも
)
つた。
気
(
き
)
がつくと
男瀧
(
をたき
)
の
方
(
はう
)
はどう/\と
地響
(
ぢひゞき
)
打
(
う
)
たせて、
山彦
(
やまびこ
)
を
呼
(
よ
)
んで
轟
(
とゞろ
)
いて
流
(
なが
)
れて
居
(
ゐ
)
る、あゝ
其
(
そ
)
の
力
(
ちから
)
を
以
(
もつ
)
て
何故
(
なぜ
)
救
(
すく
)
はぬ、
儘
(
まゝ
)
よ!
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
花子の胸は
轟
(
とゞろ
)
いた。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
殆
(
ほとん
)
ど
形容
(
けいよう
)
の
出來
(
でき
)
ない
音
(
おと
)
が
響
(
ひゞ
)
いて、
炎
(
ほのほ
)
の
筋
(
すぢ
)
を
蜿
(
うね
)
らした
可恐
(
おそろし
)
い
黒雲
(
くろくも
)
が、
更
(
さら
)
に
煙
(
けむり
)
の
中
(
なか
)
を
波
(
なみ
)
がしらの
立
(
た
)
つ
如
(
ごと
)
く、
烈風
(
れつぷう
)
に
駈𢌞
(
かけまは
)
る!……あゝ
迦具土
(
かぐつち
)
の
神
(
かみ
)
の
鐵車
(
てつしや
)
を
驅
(
か
)
つて
大都會
(
だいとくわい
)
を
燒亡
(
やきほろぼ
)
す
車輪
(
しやりん
)
の
轟
(
とゞろ
)
くかと
疑
(
うたが
)
はれた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
声
(
こゑ
)
の
調子
(
てうし
)
の
掠
(
かす
)
れるまで、
園
(
その
)
は
胸
(
むね
)
が
轟
(
とゞろ
)
いたのである。が、
婿君
(
むこぎみ
)
は
潔
(
いさぎよ
)
く
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
轟
漢検準1級
部首:⾞
21画
“轟”を含む語句
轟々
轟然
轟音
轟沈
踏轟
轟雷雄
喧轟
轟炸音
喧騒轟々
轟鐵夫君
轟郷右衛門
轟轟
轟落轟落
轟煙
胸轟
轟渡
轟家
轟天雷
轟大尉
轟四郎
...