是等これら)” の例文
是等これらわば従であり人が主であるから、必要に迫らるれば、随分無理をして、といっても、たくみに自然を利用することを忘れないで
(新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
常人たゞびとにて力士りきしきこえありしは頸城くびき郡の中野善右エ門、立石村の長兵衛、蒲原郡三条の三五右エ門、是等これら無双ぶさうの大力にて人の知る所なり。
要するに、是等これらのことは、すべてまだその人が活きている時の、精神的感応であるから、決して怪談ではなかろうというのである。
テレパシー (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
是等これらの隆まりにて界されたる中に兩眼りやうがんと鼻と口との存するを見れば、土偶は頭巾づきんの前部より面のあらはれたる形につくられ有るが如し。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
また豚是は蹄わかるれども反蒭にれはむことをせざれば汝らにはけがれたる者なり、汝ら是等これらの物の肉をくらうべからず、またその死体しかばねさわるべからず。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
是等これらはおなじく、神経の雋鋭しゆんえいになつたための一つの証候であるが、これは気稟きひんに本づく方嚮はうかうの違ひであるとつていいだらう。
結核症 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
軍事上ぐんじじやう大發明だいはつめい——一だい帆走船ほまへせん——三十七めい水兵すゐへい——化學用くわがくよう藥品やくひん是等これらからおもあはせるとおぼろながらも想像さうぞう出來できことはない。
宗助そうすけ一見いつけんこだわりのささうな是等これらひと月日つきひと、自分じぶん内面ないめんにあるいま生活せいくわつとをくらべて、その懸隔けんかくはなはだしいのにおどろいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
是等これらの歌から受ける興味の程量は読者の嗜好に依て相違のあるべきは勿論であるが、かく生命の脈々たる歌であるのだ。
歌の潤い (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
険しい眼——輝くひとみ——物凄い顔——是等これらの過去のイメージが全く心の目から取れないのにかかる柔和な、穏かな顔を見ようとは思わなかった。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
されば真の宗教家は是等これらのものに於て神の矛盾を見ずしてかへつて深き恩寵を感ずるのである。(善の研究——四の四)
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
半月ばかりたつたのち是等これらの紙袋は点々と林檎畠りんごばたけの葉かげにかかり出した。それからもう何日になることであらう。
詩集 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
是等これらの人々何が為に此室にきたりたるぞ、余は怪むひまも無く床の真中に血に塗れたる死骸あるに気附たり、小柄なる白髪の老人にして仰向あおむき打倒うちたお
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
是等これら諸氏はみな信者諸氏と同じく、各自の主義主張のために、世界各地より集りきたった真理の友である。おそらく諸氏の論難は、最痛烈つうれつ辛辣しんらつなものであろう。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
火斗を買て貨幣法の間違いを知るれども是等これらは唯書生の一身に直接してしかるのみ。さて経済の理窟においては当時町人共の知らぬ処にかんがえの届くことがある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
所謂いはゆる国民性を描けとの要求にして以上の三解の外にでずとせば、是等これらは果して如何なる意義を有するぞ。吾人をして少しく之れを撿覈けんかくする所あらしめよ。
国民性と文学 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
是等これらの理由によって、吉岡忠一は𤢖を以て蒙古人の子孫と認めた。この以上の考證は、の識者を待つのである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
其上そのうへはらつとぐに、野郎やらう大馬鹿おほばか惡體あくたいはじまるので、是等これら大地主おほぢぬしくせであるが、あま感心かんしんしたふうではい、とドクトルもおもふたのであつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
しか当時そのころでは是すら容易に出来ませんことで、先ずとゞこおりなくお目見えも済み、是から重役の宅を廻勤かいきんいたすことで、是等これらすべて渡邊織江の指図でございますが
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
浜口雄幸おさち、井上準之助、犬養毅いぬかいつよし等数年来暴力の犠牲となった政治家は少なくないが、是等これらの人々が仆れたる時は、まだ反対思想が何であるかが明白ではなかった
二・二六事件に就て (新字新仮名) / 河合栄治郎(著)
洋々やう/\たるナイルかは荒漠くわうばくたるサハラの沙漠さばく是等これらおほい化物思想ばけものしさう發達はつたつうながした。埃及えじぷと神樣かみさまには化物ばけもの澤山たくさんある。しかこれ希臘ぎりしやくと餘程よほどことなり、かへつて日本にほんる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
されば是等これら餽物おくりもの親御からなさるゝは至当の事、受取らぬとおっしゃったとて此儘このままにはならず、どうか条理の立様たつよう御分別なされて、まげてもまげても、御受納とした小賢こざかしく云迯いいにげに東京へ帰ったやら
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
程に見えず又陸尺七右衞門の深切しんせつも右の如し又いやしき女なれ共腰元こしもとお島が忠節天晴なる事男にもまさりしなり是等これらの忠節もみな主税之助一人の愚惡ぐあくの爲め空敷むなしく嘉川家斷絶だんぜつに及びし事是非なき次第なり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
是等これらの帽の上に
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ただ晴れた日に是等これらの湖水の北岸を通ると、絶えず秀麗なる富士の姿を頭上に仰ぎ、其倒影を湖心に眺めるのが他に見られぬ特色である。
春の大方山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
常人たゞびとにて力士りきしきこえありしは頸城くびき郡の中野善右エ門、立石村の長兵衛、蒲原郡三条の三五右エ門、是等これら無双ぶさうの大力にて人の知る所なり。
此考このかんがへにして誤無からんか、是等これらの覆面は氣候の寒冷をしめすものにして前項記載の頭巾づきんと能く釣り合を保てるものと云ふべし。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
そうして当時の評論を調べて見ると、是等これらの作物が全く問題になって居ない。青木健作氏の「あぶなどは好例である。
長塚節氏の小説「土」 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
すべ是等これらこまかき事柄はほとんど一目にて余のまなこに映じつくせり、今思うに此時の余の眼はあたかも写真の目鏡めがねの如くなりし
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
私はしばらく息をめて是等これらの文句を読んだが、どうも現実の出来事のやうな気がしない。併し私は急いで其処そこで、新しく間借しようとする家へ行つた。
日本大地震 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
是等これら幾百の小鳥は、森と林の中に飛び廻り、雨と嵐を突き破って行衛ゆくえもなくけ騒いでいる。この時、娘は雨戸を繰って身を縮めて庭の闇の中に飛び下りた。
薔薇と巫女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
との豫言よげんは、偶然ぐうぜんにも其通そのとうりになつて、是等これら寳物たからものがあつたばかりに、昨夜さくや印度洋インドやう惡魔あくまにもおそ大海賊だいかいぞく襲撃しうげきかうむり、ふねしづみ、夫人ふじん行衞ゆくえうしな
診察しんさつとき患者くわんじや臆病おくびやうわけわからぬこと、代診だいしんそばにゐること、かべかゝつてる畫像ぐわざう、二十ねん以上いじやう相變あひかはらずにけてゐる質問しつもん是等これら院長ゐんちやうをしてすくなからず退屈たいくつせしめて
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
豊臣秀吉とよとみひでよしが織田信孝のぶたかの賊臣桑田彦右衛門くわたひこえもん挙動きょどうよろこばず、不忠不義者、世の見懲みごらしにせよとて、これを信考の墓前ぼぜんはりつけにしたるがごとき、是等これらの事例は実に枚挙まいきょいとまあらず。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
是等これらの句はただびを得たと言ふばかりではない。一句一句変化に富んでゐることは作家たる力量を示すものである。几董輩きとうはい丈艸ぢやうさうわらつてゐるのは僣越せんゑつまた甚しいと思ふ。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
およ是等これら一味の友にわが見得せる所を如実さながらに分かち伝へんが為めに語らんとはするなり。
予が見神の実験 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
是等これらの池の水に半紙を浸してそれを乾かして貯え置き、病人があると夫を小さく切って汲みたての清水に入れて飲ませる。それが薬になる。
木曾御岳の話 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
是等これらの㕝どもをおもひはかるに、越後のうちには地火をいだす火脉くわみやくの地おほく、いまだ陽火をずしてはつせざるも多かるべし。
是等これらは肉の大部分をりたる後、尚ほのこりて付着ふちやくし居る部分をば骨と共に前述の土器に入れて煮たる事を示すものの如し。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
と云うものはすべ是等これらの現象界の奥に自己の本体はあって、此流俗と浮沈するのは徹底に浮沈するのではない。しばらく冗談半分じょうだんはんぶんに浮沈して居るのである。
高浜虚子著『鶏頭』序 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
四辺あたりには様々の空瓶をうずたかきほど重ねあり、目科は外の品よりも是等これらの瓶にもっとも其眼を注ぎ殊に其瓶の口を仔細にあらたむる様子なれば余は初て合点行けり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
ああ、この紅い花、私は、鶏の肝臓を切った時に出る血の色を思うような赤い色をしている。或時は、全く是等これらの草花も咲いていない、沙原ばかりを歩いて来た。
日没の幻影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ことこの印度洋インドやうでは是等これら苦難くなんほかに、今一個いまひとつもつと恐怖おそき『海賊船かいぞくせん襲撃しゆうげき』といふわざわいがある。
そして独逸語で頭を痛めてゐるときに、是等これらの言葉はすらすらと私の心に這入はひつて来た、のみならず翁の持つ一つの語気が少年以来の私に或る親しみを持たせるのであつた。
日本大地震 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
我我よりものちに生れるものは是等これらの歌を読んだにしろ、なんの感銘も受けないかも知れない。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
およ是等これらは当時の古風家に嫌われる事であるが、幸に私の著訳は世間の人気に役じて渇する者に水を与え、大旱たいかんに夕立のしたようなもので、その売れたことは実に驚く程の数でした。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
廉直れんちよくなる方針はうしん地方ちはう新聞紙しんぶんし芝居しばゐ學校がくかう公會演説こうくわいえんぜつ教育けういくある人間にんげん團結だんけつ是等これらみな必要ひつえうからざるものである。また社會しやくわいみづかさとつておどろくやうになければならぬとかなどとのことで。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
是等これらは果して日本国民の不易のしくは先天的特質なりと言ふを得べきか
国民性と文学 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
農耕が発達するにれて、平地の生存に堪えられない是等これら狩猟を生命とする民衆の一団は、狩場であった森林の喪失と獲物の減少と相待あいまって
山の今昔 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
是等これらの㕝どもをおもひはかるに、越後のうちには地火をいだす火脉くわみやくの地おほく、いまだ陽火をずしてはつせざるも多かるべし。