はい)” の例文
新字:
ねこだとて王樣わうさまはいして差支さしつかへない』とあいちやんがひました。『わたし書物しよもつでそれをみました、何處どこであつたかおぼえてませんが』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
幾度いくたび幾通いくつう御文おんふみ拜見はいけんだにせぬれいかばかりにくしと思召おぼしめすらん、はいさば此胸このむね寸斷すんだんになりてつね決心けつしんえうせん覺束おぼつかなさ
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あゝ此行このかう氷川ひかはみやはいするより、谷中やなかぎ、根岸ねぎし歩行あるき、土手どてより今戸いまどで、向島むかうじまいたり、淺草あさくさかへる。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
たのめば和尚は大膳に向ひ拙寺せつじ檀家だんかの者共天一坊樣御暇乞おいとまごひ御尊顏ごそんがんはいし奉り度由あはれ御聞屆ねがはんと申上れば是迄の知因よしみに御對面たいめん仰付らるゝとて御座の間のみす
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はいしかたは普通ふつう挨拶あいさつやうあたまたゝみちかげると同時どうじに、兩手りやうててのひら上向うへむきひらいて、それあたま左右さいうならべたまゝ、すこものかゝへた心持こゝろもちみゝあたりまでげるのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
玄竹げんちく本殿ほんでんのぼつて、開帳中かいちやうちう滿仲公みつなかこう馬上姿ばじやうすがた武裝ぶさうした木像もくざうはいし、これから別當所べつたうしよつて、英堂和尚えいだうをしやう老體らうたい診察しんさつした。病氣びやうき矢張やは疝癪せんしやくおもつたのであつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
このしま出發しゆつぱつしたらもうしめたものだ、一時間いちじかん百海里ひやくかいり前後ぜんご大速力だいそくりよくは、印度洋インドやう横切よこぎり、支那海シナかいぎ、なつかしき日本海につぽんかい波上はじやうより、あほいで芙蓉ふえうみねはいすることとほことではあるまい。
それに世間せけんでは三種さんしゆ神器じんぎなかにある御鏡みかゞみを、八稜鏡はちりようきようのような恰好かつこうのものとおもひとがあるのは間違まちがひで、もちろん、たれもこれをはいしたひとはないのでありますが、ふる時代じだいかゞみでありますれば
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ぬかづきはいせ、われは神だ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
數多あまた賓客まらうど女王樣ぢよわうさまのお留守るすにつけこんで、樹蔭こかげやすんでりました、が、女王樣ぢよわうさまのお姿すがたはいするやいなや、いそいで競技ゲームりかゝりました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
假初かりそめ愚痴ぐち新年着はるぎ御座ござりませぬよし大方おほかたまをせしを、やがあわれみてのたまはもの茂助もすけ天地てんちはいして、ひとたか定紋でうもんいたづらにをつけぬ、何事なにごとくて奧樣おくさま
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もつともいとけなしといへども、のちおのづから設得まうけえんと。はたせるかなひととなりて荊州けいしう刺史ししとなるや、ひそか海船かいせんあやつり、うみ商賈しやうこ財寶ざいはう追剥おひはぎして、とみいたすことさんなし。のち衞尉ゑいゐはいす。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
くるしきけて、太陽たいようはまたもやあらはれてたが、わたくし最早もはや起直おきなをつて朝日あさひひかりはいする勇氣ゆうきい、日出雄少年ひでをせうねん先刻せんこくより半身はんしんもたげて、海上かいじやうながめてつたが、此時このときたちま大聲たいせいさけんだ。
宗助そうすけ敷居際しきゐぎはひざまづいてかたごとはいおこなつた。すると座敷ざしきなか
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
つゞいておほくの跫音あしおとがしたので、あいちやんは女王樣ぢよわうさまのおかほはいせんとして𤍠心ねつしん方々はう/″\見廻みまはしました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
むねのなやみにのおそろしく、おもへば卑怯ひけふ振舞ふるまひなりし、おこなひはきよくもあれこゝろくさりの棄難すてがたくばおな不貞ふていなりけるを、いざさらば心試こゝろだめしにはいまゐらせん、殿との我心わがこゝろ見給みたま
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それから四年※よねんすぎてのいまはからずも貴方あなた再會さいくわいして、いろ/\のおはなしうかゞつてると、まるでゆめのやうで、霖雨ながあめのち天日てんじつはいするよりもうれしく、たゞ/\てん感謝かんしやするのほかはありません。
鬼子おにことよべどとびんだるおたかとて今年ことし二八にはちのつぼみの花色はないろゆたかにしてにほひこまやかに天晴あつぱ當代たうだい小町こまち衣通そとほりひめと世間せけんさぬも道理だうりあらかぜあたりもせばあの柳腰やなぎごしなにとせんと仇口あだぐちにさへうはされて五十ごとう稻荷いなり縁日えんにち後姿うしろすがたのみもはいたるわかものは榮譽えいよ幸福かうふくうへやあらん卒業そつげふ試驗しけん優等證いうとうしようなんのものかは
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)