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亡
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うしな
ふりがな文庫
“
亡
(
うしな
)” の例文
おのれも
一三六
いとほしき妻を
亡
(
うしな
)
ひて侍れば、おなじ悲しみをも
一三七
問ひかはしまゐらせんとて、
一三八
推
(
お
)
して詣で侍りぬといふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
しかるに
海幸
(
うみさち
)
を守る蛭子社を数町
乃至
(
ないし
)
一、二里も陸地内に合併されては、事あるごとに祈願し得ず、兵卒が将校を
亡
(
うしな
)
いしごとく歎きおり
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
辞世の歌の「限りあれば吹かねど花は散るものを心短き春の山風」の一章は誰しも
感歎
(
かんたん
)
するが実に
幽婉
(
ゆうえん
)
雅麗で、時や
祐
(
たす
)
けず、天
吾
(
われ
)
を
亡
(
うしな
)
う
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「出ばなに、指揮者を
亡
(
うしな
)
った敵の松田隊は、その一部は北の
麓
(
ふもと
)
へ、残る一部は友岡附近にある友隊と合したようにござりまする」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
通夜
(
つや
)
の席で、一軒置いた隣りの紙屑屋の女房がこんなことを云い出した。この女房は四、五日まえに七つになる男の児を
亡
(
うしな
)
ったのであった。
半七捕物帳:39 少年少女の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
欠点は自覚することによって改善されるが、美点は自覚することによってそこなわれ
亡
(
うしな
)
われるせいではないかと思われる。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「
古
(
むか
)
し我先人が文明を買ひし
価
(
あたひ
)
は国を
亡
(
うしな
)
ふ程に高直なりき」と
白皙
(
はくせき
)
人種に駆使せられながら我子孫のツブヤカんことを。
英雄論:明治廿三年十一月十日静岡劇塲若竹座に於て演説草稿
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
この中学通学中、命を
亡
(
うしな
)
いかけた事が二度ある。一度は、河合という友人の家へ行った時、ピストルを河合が放った。
死までを語る
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
その上
肋膜
(
ろくまく
)
を病んで以来しばしば
病臥
(
びようが
)
を余儀なくされ、後年郷里の家君を
亡
(
うしな
)
ひ、つづいて実家の破産に
瀕
(
ひん
)
するにあひ、心痛苦慮は一通りでなかつた。
智恵子抄
(新字旧仮名)
/
高村光太郎
(著)
なんとなれば万邦・万人、みな
涎
(
よだれ
)
を流し、
牙
(
きば
)
を磨し、みなその
呑噬
(
どんぜい
)
の機会をまつをもって少しく我に乗ずべき隙あらばたちまちその国体を
亡
(
うしな
)
うに至らん。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
亡
(
うしな
)
ひ
未
(
いまだ
)
子
(
こ
)
も無りしが其後
夫
(
をつと
)
を持ず姑に
事
(
つか
)
へて孝行を盡くしけるに元より其
家
(
いへ
)
貧
(
まづし
)
ければ
麻
(
あさ
)
をうみ
機
(
はた
)
を織て朝夕
姑女
(
しうとめ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼はこの
朗
(
ほがら
)
かな響を聞いて、はっと
悟
(
さと
)
ったそうです。そうして
一撃
(
いちげき
)
に
所知
(
しょち
)
を
亡
(
うしな
)
うと云って喜んだといいます。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
伯牛
(
はくぎゅう
)
疾
(
やまい
)
あり、子これを問い、
牖
(
まど
)
より其の手を執りて曰く、之を
亡
(
うしな
)
わん、命なるかな、斯の人にして斯の疾あるや、斯の人にして斯の疾あるやと。——雍也篇——
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
除
(
の
)
けよ、とあるので、附添と、愛吉は、山を崩すがごとく、氷嚢を取り棄てた。医学士は
疾病
(
しっぺい
)
の他に、情の炎の人の身を焼き
亡
(
うしな
)
うことのあるを知ったであろう。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其子
(
そのこ
)
曰
(
いは
)
く、「
築
(
きづ
)
かずんば
且
(
まさ
)
に
盜
(
たう
)
有
(
あ
)
らんとす」と。
其
(
その
)
鄰人
(
りんじん
)
の
父
(
ちち
)
も
亦
(
また
)
云
(
い
)
ふ。
暮
(
くれ
)
にして
果
(
はた
)
して
大
(
おほい
)
に
其財
(
そのざい
)
を
亡
(
うしな
)
ふ。
其家
(
そのいへ
)
甚
(
はなは
)
だ
其
(
そ
)
の
子
(
こ
)
を
(一〇一)
知
(
ち
)
として、
鄰人
(
りんじん
)
の
父
(
ちち
)
を
疑
(
うたが
)
へり。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
この一郎の暗澹とした前途をHさんは「一撃に所知を
亡
(
うしな
)
う」香厳の精神転換、或は脱皮をうらやむ一郎の心理に一筋の光明を托して、一篇の終りとしているのである。
漱石の「行人」について
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
エドガーは三歳の時父母を
亡
(
うしな
)
ったので、ジョン・アランというヴァージニアの煙草商に養われた。
ポウの本質
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
多分神原の事ではござらんかと拙者考えます、お屋敷の内に斯様な悪人があって御舎弟紋之丞様を
亡
(
うしな
)
い、
妾腹
(
めかけばら
)
の菊之助様を世に出そうという
企
(
たく
)
みと知っては
棄置
(
すてお
)
かれん事
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
譬
(
たと
)
ヘバ児ヲ喪ヒ
妾
(
しょう
)
ヲ
亡
(
うしな
)
フガ如ク、痴心イマダ
婉惜
(
えんせき
)
ヲ免レズ。一夜灯前旧製ヲ追憶シ、漫然コレヲ録シテ三十余首ヲ得タリ。
爾後
(
じご
)
十数日ノ間相続イテコレヲ得ル者マタ一百余首。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私
(
わたくし
)
どもは
別
(
べつ
)
に
平生
(
へいぜい
)
厚
(
あつ
)
い
仏教
(
ぶっきょう
)
の
信者
(
しんじゃ
)
というのでもなかったのでございますが、
可愛
(
かわい
)
い
小供
(
こども
)
を
亡
(
うしな
)
った
悲歎
(
ひたん
)
のあまり、
阿弥陀様
(
あみださま
)
にお
縋
(
すが
)
りして、あの
娘
(
こ
)
が
早
(
はや
)
く
極楽浄土
(
ごくらくじょうど
)
に
行
(
ゆ
)
けるようにと
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
しかも今、有知の神は
亡
(
うしな
)
われ、無知の形のみここにあらば、すなわち神はもと形にあらず、形はもと神にあらずして、また強いて一のごとくならしむことを得べからざるなり、
云云
(
うんぬん
)
通俗講義 霊魂不滅論
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
因
(
より
)
て以て盟ひて
曰
(
のたまは
)
く、若し
茲
(
こ
)
の
盟
(
ちかひ
)
に
違
(
たが
)
はば、
忽
(
たちまち
)
に朕が身を
亡
(
うしな
)
はむ。皇后の盟ひたまふこと
且
(
ま
)
た天皇の如し。
丙戌
(
ひのえいぬ
)
、
車駕
(
すめらみこと
)
宮に
還
(
かへ
)
り給ふ。
己丑
(
つちのとうし
)
、六皇子共に天皇を
大殿
(
おほとの
)
の前に拝みたまふ。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
新聞雑誌の文芸記者の中には稀に保雄が永年の苦闘に同情して雑誌の廃刊を
惜
(
をし
)
んだ記事を掲げた人もあつたが、大抵は冷笑的口調で、保雄の雑誌は五年
前
(
ぜん
)
に既に生命を
亡
(
うしな
)
つて居たのだ
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
肉と酒とを
供
(
そな
)
えて祭ればよし、さもなければ命を
亡
(
うしな
)
うことにもなるので、土地の人びとは大いに
懼
(
おそ
)
れ、争ってかの玄妙観へかけつけて、何とかそれを祓い
鎮
(
しず
)
めてくれるように嘆願すると
世界怪談名作集:18 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
瞿佑
(著)
齢すでに七十に
垂
(
なんな
)
んとして、最近までこの国最高の政務を司り、夫人を
亡
(
うしな
)
ってからは
愛娘
(
まなむすめ
)
一人の成育を楽しみに孤高な一生を送ってきた老政治家が、今その
掌
(
て
)
の内の
珠
(
たま
)
を失った悲しみは
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
病身の上に、女房に死なれて一人の娘を
亡
(
うしな
)
つた與三郎はいかにもみじめです。
銭形平次捕物控:285 隠れん坊
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
かくて貧き父を
亡
(
うしな
)
ひし
孤児
(
みなしご
)
は富める
後見
(
うしろみ
)
を得て鴫沢の家に引取られぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その間に鶴見は父を
亡
(
うしな
)
い、その翌年には結婚していた。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
李逵
(
りき
)
は腹が立った。腹立ちッぽくなっていた。老母を
亡
(
うしな
)
い、五体に虎の生血を浴び、妙に、虚脱と空腹の中間にあったのだろう。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此の中で生長した将門は不幸にして父の良将を
亡
(
うしな
)
つた。将門が何歳の時であつたか不明だが、弟達の多いところを見ると、
蓋
(
けだ
)
し十何歳であつたらしい。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
この悲惨な出来事があって以来、大雪のふる夜には、妖麗な白い女の姿が吹雪の中へまぼろしのように現われて、それに出逢うものは命を
亡
(
うしな
)
うのである。
雪女
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一八一四年頃牧師コインビャーがふと買い入れた書籍の表紙をかの書の古紙で作りあるを見出し、解き
復
(
もど
)
して見ると損じ
亡
(
うしな
)
われた頁も少なくなかったが
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
之
(
これ
)
を
追撃
(
つゐげき
)
して、
遂
(
つひ
)
に
亡
(
うしな
)
ふ
所
(
ところ
)
の
封内
(
ほうない
)
の
(三〇)
故境
(
こきやう
)
を
取
(
と
)
りて、
兵
(
へい
)
を
引
(
ひ
)
いて
歸
(
かへ
)
る。
未
(
いま
)
だ
國
(
くに
)
に
至
(
いた
)
らず、
(三一)
兵旅
(
へいりよ
)
を
釋
(
と
)
き、
約束
(
やくそく
)
を
解
(
と
)
き、
誓盟
(
せいめい
)
して
而
(
しか
)
る
後
(
のち
)
邑
(
いふ
)
に
入
(
い
)
れり。
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
これらの記事がもし半分でも事実とすると、東京市の公共機関の内部には、ゆるみきりにゆるんでしまって、そうして生命を
亡
(
うしな
)
って腐れてしまった部分がいくらかはあると見える。
初冬の日記から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
爰
(
こゝ
)
に
備前國
(
びぜんのくに
)
岡山御城主高三十一萬五千二百石松平
伊豫守殿
(
いよのかみどの
)
の
藩中
(
はんちう
)
松田喜内
(
まつだきない
)
と云ふ者
有
(
あり
)
代々岡山に
住居
(
ぢうきよ
)
せしが當時の喜内は
壯年
(
さうねん
)
なるに兩親を
亡
(
うしな
)
ひ未だ妻をも
娶
(
めと
)
らず獨の妹お花と云るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
芸術精進と家庭生活との板ばさみとなるような月日も
漸
(
ようや
)
く多くなり、其上
肋膜
(
ろくまく
)
を病んで以来しばしば
病臥
(
びょうが
)
を余儀なくされ、後年郷里の家君を
亡
(
うしな
)
い、つづいて実家の破産に
瀕
(
ひん
)
するにあい
智恵子の半生
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
只
餌
(
ゑ
)
の
香
(
かんば
)
しきに
昧
(
くら
)
まされて、
釣
(
つり
)
の糸にかかり身を
亡
(
うしな
)
ふ事なかれといひて、去りて見えずなりぬ。不思議のあまりにおのが身をかへり見れば、いつのまに
鱗
(
うろこ
)
金光
(
きんくわう
)
を備へてひとつの
鯉魚
(
りぎよ
)
と
化
(
け
)
しぬ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
不憫
(
ふびん
)
と思つて下さるかしらと、淺墓な心持でやつたことでございます。何んといふ馬鹿な私だつたでせう。その爲に荒物屋夫婦にも歎きをかけ、若黨の三次は命を
亡
(
うしな
)
ひました。私はもう、私はもう
銭形平次捕物控:172 神隠し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
実子をも
亡
(
うしな
)
わんといたした無慈悲の女、天道
争
(
いか
)
でこれを罰せずに置きましょう長二郎の孝心厚きに感じ、天が導いて実父の仇を打たしたものに違いないという理解に、家齊公も感服いたされまして
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
諸王、諸臣、及び天下の百姓、
悉
(
ことごと
)
に
長老
(
おきな
)
は愛児を失ふが
如
(
ごと
)
く、
塩酢之昧
(
あぢはひ
)
口に在れども
嘗
(
な
)
めず、
少幼者
(
わかき
)
は
慈
(
う
)
める
父母
(
かぞ
)
を
亡
(
うしな
)
ふが如くて、
哭
(
な
)
き
泣
(
いさ
)
つる声、
行路
(
みち
)
に満てり、
乃
(
すなは
)
ち
耕夫
(
たがやすもの
)
は
耜
(
すき
)
を止め、
舂女
(
つきめ
)
は
杵
(
きおと
)
せず。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
はやくに父を
亡
(
うしな
)
い、母の手に育てられた毛受兄弟の親思いはそれによるまでもなく、藩内でもみな人の知るところであった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二十年来この窟に隠れ棲んで、殆ど人間との交際を
断
(
た
)
っていた
此
(
こ
)
の
母子
(
おやこ
)
二人は、さながら車の両輪の如き関係であった。今や
其
(
その
)
母を
亡
(
うしな
)
って、彼は殆ど
片輪
(
かたわ
)
になって
了
(
しま
)
った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
初め
燕王
(
えんおう
)
の師の
出
(
い
)
づるや、
道衍
(
どうえん
)
曰
(
いわ
)
く、師は
行
(
ゆ
)
いて必ず
克
(
か
)
たん、たゞ両日を
費
(
ついや
)
すのみと。
東昌
(
とうしょう
)
より
還
(
かえ
)
るに及びて、王多く精鋭を失い、
張玉
(
ちょうぎょく
)
を
亡
(
うしな
)
うを
以
(
もっ
)
て、意
稍
(
やや
)
休まんことを欲す。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
かつて書三篋を
亡
(
うしな
)
う。詔して問うに
能
(
よ
)
く知る者なし。ただ安世これを識り、〔以下欠文〕
失うた帳面を記憶力で書き復した人
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
然
(
しか
)
れども
(一一五)
蚤
(
はや
)
く
患
(
うれひ
)
を
刑
(
けい
)
せらるるに
救
(
すく
)
ふ※
能
(
あた
)
はず。
呉起
(
ごき
)
、
武矦
(
ぶこう
)
に
説
(
と
)
くに
形勢
(
けいせい
)
の・
徳
(
とく
)
に
如
(
し
)
かざるを
以
(
もつ
)
てす。
然
(
しか
)
れども
之
(
これ
)
を
楚
(
そ
)
に
行
(
おこな
)
ふや、
(一一六)
刻暴
(
こくばう
)
少恩
(
せうおん
)
を
以
(
もつ
)
て
其躯
(
そのみ
)
を
亡
(
うしな
)
ふ。
悲
(
かな
)
しい
夫
(
かな
)
。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
見返りしに人影もなく
丁度
(
ちやうど
)
往來も
途絶
(
とだ
)
えしかばその邊にて殺さんと思へども
此奴
(
きやつ
)
も
勿々
(
なか/\
)
の曲者なれば
容易
(
たやすく
)
は
亡
(
うしな
)
ひ難し
然
(
さ
)
れども幸ひ今宵は
闇
(
やみ
)
にて
暗
(
くら
)
さはくらし
何
(
いか
)
にも
遣過
(
やりすご
)
してと思ひ
故意
(
わざ
)
と腰を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
十日ばかりさきに
一〇七
かなしき
婦
(
つま
)
を
亡
(
うしな
)
ひたるが、
一〇八
世に残りて
憑
(
たの
)
みなく侍れば、ここに詣づることをこそ
一〇九
心
放
(
やり
)
にものし侍るなれ。
御許
(
おもと
)
にも
一一〇
さこそましますなるべし。女いふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
もって
本
(
もと
)
とすという。いま玄徳は国を
亡
(
うしな
)
ったが、その本はなお我にありといえる。——民と共に死ぬなら死ぬばかりである
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で、
諸人
(
しょにん
)
の説は
先
(
ま
)
ず
斯
(
こ
)
ういうことに一致した。虎ヶ窟に棲める𤢖の
眷族
(
けんぞく
)
は、
其数
(
そのかず
)
果
(
はた
)
して幾人であるか判らぬが、
曩
(
さき
)
の日
彼
(
か
)
の市郎の為に
其
(
そ
)
の女性の
一人
(
いちにん
)
を
亡
(
うしな
)
ったのは事実である。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
利獲のみ念じ過ぎて神林を
亡
(
うしな
)
えば、これ田地に大有害の
虫菑
(
ちゅうさい
)
を招致する
所以
(
ゆえん
)
なるを思わず、非義
饕餮
(
とうてつ
)
の神職より口先ばかりの陳腐な説教を無理に聞かせて、その聴衆がこれを聞かぬうちから
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
亡
常用漢字
小6
部首:⼇
3画
“亡”を含む語句
死亡
亡父
未亡人
逃亡
亡者
亡母
滅亡
亡妻
亡夫
亡魂
亡霊
流亡
亡兄
敗亡
遁亡
焼亡
亡骸
隠亡
御亡
罪亡
...