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面長
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おもなが
ふりがな文庫
“
面長
(
おもなが
)” の例文
痩せすぎで、眼が吊り上がつて、
面長
(
おもなが
)
で、女のやうな皮膚と、子供のやうな舌つ足らずの口調が、特色でもあり愛嬌でもあります。
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは黒の
中折
(
なかおれ
)
に
霜降
(
しもふり
)
の
外套
(
がいとう
)
を着て、顔の
面長
(
おもなが
)
い背の高い、
瘠
(
や
)
せぎすの紳士で、
眉
(
まゆ
)
と眉の間に大きな
黒子
(
ほくろ
)
があるからその特徴を
目標
(
めじるし
)
に
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
少なくも記録に
拠所
(
よりどころ
)
がなく、顔などは
面長
(
おもなが
)
であったか、
丸顔
(
まるがお
)
か、また肥えていたか、
痩
(
や
)
せていたか、そういうことが一切分らんのでした。
幕末維新懐古談:68 楠公銅像の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
色は青黒く、髪の毛の房々とした、
面長
(
おもなが
)
な顔立ちで、じいつと本を読んでゐる横顔は、死人のやうに生気のない表情をしてゐた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
立女形
(
たておやま
)
の顔が文楽座のはふっくらと円みがあるのに、此処のは普通の京人形やお
雛
(
ひな
)
様のそれのように
面長
(
おもなが
)
で、冷めたい高い鼻をしている。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
彼は人種学の教科書の教へるとほりに黒髪で、
銅
(
あかゞね
)
いろの額が広く、
面長
(
おもなが
)
であつたが、その乱れた髪につけてゐる香油はパリ
生粋
(
きつすゐ
)
のものだつた。
亜剌比亜人エルアフイ
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
見る陰もなく
瘠
(
や
)
せ衰えて、眼が落ち
凹
(
くぼ
)
んで……が、その大きな眼がほほえむと、
面長
(
おもなが
)
な
眼尻
(
めじり
)
に優しそうな
皺
(
しわ
)
を
湛
(
たた
)
えて、
眉
(
まゆ
)
だけは濃く張っている。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
やや
面長
(
おもなが
)
なお顔だち、ぱっちりと見張った張りのある
一重瞼
(
ひとえまぶち
)
。涼しいのも、
爽
(
さわや
)
かなのも、
凛
(
りん
)
としておいでなのもお目ばかりではありませんでした。
大塚楠緒子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
『
僕
(
ぼく
)
ですか、
僕
(
ぼく
)
は』と
言
(
い
)
ひ
澱
(
よど
)
んだ
男
(
をとこ
)
は
年
(
とし
)
の
頃
(
ころ
)
二十七八、
面長
(
おもなが
)
な
顏
(
かほ
)
は
淺黒
(
あさぐろ
)
く、
鼻下
(
びか
)
に
濃
(
こ
)
き八
字
(
じ
)
髭
(
ひげ
)
あり、
人々
(
ひと/″\
)
の
洋服
(
やうふく
)
なるに
引違
(
ひきちが
)
へて
羽織袴
(
はおりはかま
)
といふ
衣裝
(
いでたち
)
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
面長
(
おもなが
)
の、老人だから無論
皺
(
しわ
)
は寄っていたが、締った口元で、段鼻で、なかなか上品な
面相
(
かおつき
)
だったが、眼が大きな眼で、女には
強過
(
きつすぎ
)
る程
権
(
けん
)
が有って
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
色の
蒼白
(
あおじろ
)
い、
面長
(
おもなが
)
な男である。
下顎
(
したあご
)
を
後下方
(
こうかほう
)
へ引っ張っているように、口を
開
(
あ
)
いているので、その長い顔が
殆
(
ほとん
)
ど二倍の長さに引き延ばされている。
カズイスチカ
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「たしかに入りました、お召かなにか、茶の
立縞
(
たてじま
)
の
羽織
(
はおり
)
を着た、
面長
(
おもなが
)
な、年はもう二十五六です、ちょと好い女ですよ」
妖影
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
赤彦君の顔面は今は純黄色に変じ、顔面に
縦横
(
じゆうわう
)
無数の
皺
(
しわ
)
が出来、
頬
(
ほほ
)
がこけ、
面長
(
おもなが
)
くて、
一瞥
(
いちべつ
)
沈痛の極度を示してゐた。
島木赤彦臨終記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
道は二町ばかり、間は
隔
(
へだた
)
ったが、
翳
(
かざ
)
せばやがて
掌
(
てのひら
)
へ、その黒髪が薫りそう。直ぐ眉の下に見えたから、何となく顔立ちの
面長
(
おもなが
)
らしいのも想像された。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
背は高く、
面長
(
おもなが
)
で、
風采
(
ふうさい
)
の立派なことは先代
菖助
(
しょうすけ
)
に似、
起居振舞
(
たちいふるまい
)
も
寛
(
ゆるや
)
かな感じのする働き盛りの人が半蔵らの前に来て
寛
(
くつろ
)
いだ。その人がお粂の旦那だ。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と思ったが、道夫の目にうつった声の
主
(
ぬし
)
の姿は、川北先生ではなかった。先生よりはだいぶん年上の人で、こい緑色の背広を着た
面長
(
おもなが
)
の背の高い紳士だった。
四次元漂流
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
白い仕事着を着た
頤
(
あご
)
鬚のある、
年若
(
としわか
)
な、
面長
(
おもなが
)
な顔の弟子らしい人と男達の話して居る間に、自分は
真中
(
まんなか
)
に置かれた出来上らない大きい女の
石膏
(
せきかう
)
像を見て居た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
面長
(
おもなが
)
で、まさに白百合とでもいいたい上品な感じは、まったく周囲が周囲だけに際だって目立つのである。
人外魔境:05 水棲人
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
顔面の周囲に比較的多く余地のあるあの
寛
(
ゆる
)
やかな朗らかな調和の感じも、——
面長
(
おもなが
)
な推古仏には見られず
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
丈の高いのと、
面長
(
おもなが
)
な顔の道具の大きいのとで、押出しが立派であったが、
色沢
(
いろつや
)
がわるく淋しかった。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
天蓋の天人にもみられる童話的挙措である。顔の
面長
(
おもなが
)
な天人が、
琵琶
(
びわ
)
をかかえている姿をみると、「行く春やおもたき琵琶の抱きごころ」という
蕪村
(
ぶそん
)
の句を思い出す。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
見れば濃い
眉
(
まゆ
)
を青々と
剃
(
そ
)
り眼の大きい口尻の
凛々
(
りり
)
しい
面長
(
おもなが
)
の美男子が、片手には大きな
螺旋
(
ねじねじ
)
の
煙管
(
きせる
)
を持ち荒い
三升格子
(
みますごうし
)
の
褞袍
(
どてら
)
を着て屋根船の中に
胡坐
(
あぐら
)
をかいていると
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
身に
纏
(
まと
)
った
濛気
(
もうき
)
を払い落とし、スックとばかり立ち上がったが、見れば
月代
(
さかやき
)
長く延び百日
鬘
(
かずら
)
を
冠
(
かぶ
)
りし如く、
墨染
(
すみぞ
)
めの布子、
丸絎
(
まるぐけ
)
の帯、
鏈帷子
(
くさりかたびら
)
肌に纏い、顔
面長
(
おもなが
)
く色蒼く
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
織田信長にしては
面長
(
おもなが
)
な、太閤秀吉としては大柄な、浅井長政にしては
鬚髯
(
しゅぜん
)
がいかめし過ぎる。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
褐色に黒ずんで固まつてゐるものだから、
尚
(
なお
)
さら小さく見えた。顔は
面長
(
おもなが
)
の方だつた。骨組はがつしりしてゐるらしいが、どれも一様に胸はくぼみ、腰骨がひどく
出張
(
でば
)
つて見えた。
夜の鳥
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
そしてどちらかと
云
(
い
)
へば
面長
(
おもなが
)
で、
眼鼻立
(
めはなだち
)
のよく
整
(
ととの
)
った、
上品
(
じょうひん
)
な
面差
(
おもざし
)
の
方
(
ほう
)
でございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
どうも
貴方
(
あなた
)
、あれは気違ですよ。それでも品の
良
(
い
)
いことは、
些
(
ちよい
)
とまあ旗本か何かの隠居さんと
謂
(
い
)
つたやうな、然し一体、鼻の高い、目の大きい、
痩
(
や
)
せた
面長
(
おもなが
)
な、
怖
(
こは
)
い顔なんですね。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
あの
面長
(
おもなが
)
の山田先生は或はもう
列仙伝
(
れつせんでん
)
中の人々と一しよに遊んでゐるのであらう。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
開き
扉
(
ど
)
を音高く開けて、走り入って来たのは、大坂以来、一松斎につききりの一の弟子、師範代を勤める、
門倉平馬
(
かどくらへいま
)
という、髪黒く眼大きく、
面長
(
おもなが
)
な、やや顎の張った、青白い青年だった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
色
(
いろ
)
の
淺黒
(
あさぐろ
)
い
面長
(
おもなが
)
で、
品
(
ひん
)
が
好
(
い
)
いといふでは
無
(
な
)
いか、お
前
(
まへ
)
は
親方
(
おやかた
)
の
代
(
かわ
)
りにお
供
(
とも
)
を
申
(
まを
)
すこともある、
拜
(
おが
)
んだ
事
(
こと
)
が
有
(
あ
)
るかと
問
(
と
)
へば、
見
(
み
)
た
段
(
だん
)
か
格子戸
(
かうしど
)
に
鈴
(
すゞ
)
の
音
(
おと
)
がすると
坊
(
ぼつ
)
ちやんが
先立
(
さきだち
)
で
驅
(
か
)
け
出
(
だ
)
して
來
(
く
)
る
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と夜具を
奪
(
と
)
りにかかる
女房
(
にょうぼう
)
は、
身幹
(
せい
)
の少し高過ぎると、眼の
廻
(
まわ
)
りの
薄黒
(
うすぐろ
)
く顔の色一体に
冴
(
さ
)
えぬとは難なれど、
面長
(
おもなが
)
にて
眼鼻立
(
めはなだち
)
あしからず、
粧
(
つく
)
り立てなば
粋
(
いき
)
に見ゆべき三十前のまんざらでなき女なり。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
が、これも、昼間の市民としては、女中や場末の売子をしてる女達——相当若いの・かなり若いの・ほんとに若いの・少女めいたの・肥ったの・
瘠
(
や
)
せたの・丸顔の・
面長
(
おもなが
)
なの・金毛の・黒髪の——。
踊る地平線:08 しっぷ・あほうい!
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
すらりと、
上背丈
(
うわぜい
)
があって、
面長
(
おもなが
)
のほうが、その年上の松虫だった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
溺死人男年齢三十歳より四十歳の間
当
(
とう
)
二十二年七月五日区内築地三丁目十五番地先川中へ漂着仮埋葬済○人相○顔
面長
(
おもなが
)
き
方
(
かた
)
○口細き方眉黒き方目耳尋常左りの頬に黒
痣
(
あざ
)
一ツあり
頭
(
かしら
)
散髪
身長
(
みのたけ
)
五尺三寸位中肉○傷所数知れず其内大傷は
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
俗にいう美人型の
面長
(
おもなが
)
な顔で、品格といい
縹緻
(
きりょう
)
といい、旗下の奥さんとして恥ずかしからぬ
相貌
(
そうぼう
)
の方で、なかなか立派な婦人でありました。
幕末維新懐古談:51 大隈綾子刀自の思い出
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
髭
(
ひげ
)
を濃くはやしている。
面長
(
おもなが
)
のやせぎすの、どことなく
神主
(
かんぬし
)
じみた男であった。ただ鼻筋がまっすぐに通っているところだけが西洋らしい。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「はい。」
頬
(
ほゝ
)
の
円
(
まる
)
い英太郎と違つて、これは
面長
(
おもなが
)
な少年であるが、同じやうに
小気
(
こき
)
が
利
(
き
)
いてゐて、
臆
(
おく
)
する
気色
(
けしき
)
は無い。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
それに、私が言う不思議な
婦
(
おんな
)
は、いつも、円髷に結った方は、品がよく、高尚で、
面長
(
おもなが
)
で、そして背がすらりと高い。色は澄んで、滑らかに白いのです。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
柿色の
篠掛
(
しのかけ
)
を着けた、
面長
(
おもなが
)
な眼の鋭い中年の修験者は、黒い長い頭髪を切って
頷
(
あご
)
のあたりで揃えておりました。
宇賀長者物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
広い
角額
(
かくびたい
)
、大きな耳、遠いところを見ているような目、彼がその画像から受けた感じは割合に
面長
(
おもなが
)
で、やせぎすな、どこか
角張
(
かくば
)
ったところのある
容貌
(
ようぼう
)
の人だ。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その時分にはいくら
淫奔
(
いんぽん
)
だといってもまだ肩や腰のあたりのどこやらに
生娘
(
きむすめ
)
らしい様子が残っていたのが、今では
頬
(
ほお
)
から
頤
(
おとがい
)
へかけて
面長
(
おもなが
)
の横顔がすっかり
垢抜
(
あかぬ
)
けして
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
色白で、
面長
(
おもなが
)
で、眉が薄くて、ひどく
撫
(
な
)
で肩で、下唇が突出して、いささか舌っ足らずで——こう条件を並べただけで、大方若旦那金之助の風貌は想像がつくでしょう。
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
面長
(
おもなが
)
な
下
(
しも
)
ぶくれな顔に黒い
鬢
(
びん
)
を張って、おしどりに結って
緋
(
ひ
)
鹿
(
か
)
の
子
(
こ
)
の上を
金紗
(
きんしゃ
)
でむすんでいた。
旧聞日本橋:05 大丸呉服店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
新吉はちょっといい
縹致
(
きりょう
)
である。
面長
(
おもなが
)
の色白で、鼻筋の通った、口元の優しい男である。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
面長
(
おもなが
)
の冴え冴えした
目鼻立
(
めはなだち
)
に、きれいな髪の毛を前の方だけきちんと分けて、パナマ帽を心持ち
阿弥陀
(
あみだ
)
に冠り、白足袋を穿き雪駄をつッかけて、なか/\軽快な服装をして居る。
恐怖
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
何処
(
どこ
)
から現われたのか
少
(
すこし
)
も気がつかなかったので、
恰
(
あだか
)
も地の底から
湧出
(
わきで
)
たかのように思われ、自分は驚いて
能
(
よ
)
く見ると
年輩
(
とし
)
は三十ばかり、
面長
(
おもなが
)
の鼻の高い男、背はすらりとした
膄形
(
やさがた
)
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
百済観音に比すれば、天平のこのみ仏は、成熟した女体をうつしたように生ま生ましく人間に近い。顔は推古仏の
面長
(
おもなが
)
に比しまる昧を帯びているし、眼ははっきりと
透
(
す
)
んだ
瞳
(
ひとみ
)
をもつ。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
中央
(
ちうあう
)
の
欅
(
けやき
)
の
柱
(
はしら
)
の下から、髪の毛の
濃
(
こ
)
いゝ、くつきりと色の白い、
面長
(
おもなが
)
な兄の、大きな
瞳
(
ひとみ
)
に
金
(
きん
)
の
輪
(
わ
)
が二つ
入
(
はい
)
つた眼が光つた。
晃
(
あきら
)
兄
(
にい
)
さんは
裸体
(
はだか
)
で
縮緬
(
ちりめん
)
の
腰巻
(
こしまき
)
一つの儘
後手
(
うしろで
)
に
縛
(
しば
)
られて坐つて居る。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
目鼻立
(
めはなだち
)
尋常
(
じんじょう
)
、
髭
(
ひげ
)
はなく、どちらかといえば
面長
(
おもなが
)
で、
眼尻
(
めじり
)
の
釣
(
つ
)
った、きりっとした
容貌
(
かおだち
)
の
人
(
ひと
)
でした。ナニ
歴史
(
れきし
)
に八十
人力
(
にんりき
)
の
荒武者
(
あらむしゃ
)
と
記
(
しる
)
してある……ホホホホ
良人
(
おっと
)
はそんな
怪物
(
ばけもの
)
ではございません。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
萌黄
(
もえぎ
)
色の軍服……高い深緑の
天鵞絨
(
ビロード
)
の
襟
(
えり
)
、肩章に飾帯をお着けになって、
丁抹
(
デンマーク
)
龍騎兵大尉の通常軍服を召された
面長
(
おもなが
)
なお顔! 深海の底を思わせる澄んだ
碧
(
あお
)
い
瞳
(
ひとみ
)
……
白皙
(
はくせき
)
の
額
(
ひたい
)
にやや垂れ加減の
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
長
常用漢字
小2
部首:⾧
8画
“面”で始まる語句
面
面白
面影
面目
面持
面喰
面倒
面色
面当
面貌