トップ
>
悔
>
く
ふりがな文庫
“
悔
(
く
)” の例文
後
(
あと
)
では
寧
(
むし
)
ろ
悔
(
く
)
いるまでも
羞恥
(
はぢ
)
と
恐怖
(
おそれ
)
とそれから
勘次
(
かんじ
)
を
憚
(
はゞか
)
ることから
由
(
よ
)
つて
來
(
きた
)
る
抑制
(
よくせい
)
の
念
(
ねん
)
とが
慌
(
あわ
)
てゝ
其
(
そ
)
の
手
(
て
)
を
振
(
ふ
)
り
挘
(
もき
)
らせるのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
寒
(
さむ
)
い
雪
(
ゆき
)
の
降
(
ふ
)
る
国
(
くに
)
に
生
(
う
)
まれたものが、
暖
(
あたた
)
かな、いつも
春
(
はる
)
のような
気候
(
きこう
)
の
国
(
くに
)
に
生
(
う
)
まれなかったことを
悔
(
く
)
い、
貧乏
(
びんぼう
)
な
家
(
いえ
)
に
生
(
う
)
まれたものが
小さな赤い花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
秦王
(
しんわう
)
後
(
のち
)
に
之
(
これ
)
を
悔
(
く
)
い、
人
(
ひと
)
をして
之
(
これ
)
を
赦
(
ゆる
)
さしむれば、
非
(
ひ
)
已
(
すで
)
に
死
(
し
)
せり。
申子
(
しんし
)
・
韓子
(
かんし
)
は
皆
(
みな
)
書
(
しよ
)
を
著
(
あら
)
はし
後世
(
こうせい
)
に
傳
(
つた
)
ふ、
(一二一)
學者
(
がくしや
)
多
(
おほ
)
く
有
(
あ
)
り。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
それがたとえ指導上やむを得なかったことにしろ、相手の今後の任務を思うと、ただ私は自分の不徳のみが
悔
(
く
)
いられてならないのである。
指導物語:或る国鉄機関士の述懐
(新字新仮名)
/
上田広
(著)
愛情に
悔
(
く
)
いのない楽しい生活の記憶だけが、むしろ会う人ごとに
感謝
(
かんしゃ
)
したい思いで、一つ一つ、くっきりとうかびあがってくる。
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
▼ もっと見る
康頼 (成経を
抱
(
だ
)
きとめる)成経殿。軽はずみをしてあとで
悔
(
く
)
いないために! あなたは敵をほうるようにして友をころす気か!
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
しかはあれ、こゝにては我等
悔
(
く
)
いず、たゞ笑ふ、こは罪の爲ならで(再び心に浮ばざれば)、定め、
整
(
とゝの
)
ふる力のためなり 一〇三—一〇五
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
そういう石念のすがたを
愛
(
いと
)
し子のように見入った、彼はまだ道念の至らないこの若僧の
悔
(
く
)
いに打ちのめされて
慚愧
(
ざんき
)
している有様を見ると
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひそかに思ふに英文学もまたかくの如きものなるべし、かくの如きものならば生涯を挙げてこれを学ぶも、あながちに
悔
(
く
)
ゆることなかるべしと。
『文学論』序
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私は私で
相變
(
あひかは
)
らず
貧乏世帶
(
びんばふじよたい
)
の
切
(
き
)
り
盛
(
も
)
りに
惱
(
なや
)
まされてゐます。けれど私達は
決
(
け
)
してそれを
悔
(
く
)
いることはなかつたと思ひます。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
糟谷
(
かすや
)
はつくづくと、自分が
過渡期
(
かとき
)
の
中間
(
ちゅうかん
)
に
入用
(
にゅうよう
)
な
材
(
ざい
)
となって、
仮小屋的任務
(
かりごやてきにんむ
)
にあたったことを
悔
(
く
)
やんだ。
涙
(
なみだ
)
がいつのまにかまぶたをうるおしていた。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
佐助はこのことを、春琴の瞳の光を一度も見なかったことを後年に至るまで
悔
(
く
)
いていないかえって幸福であるとした。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
しかしわたしはこれがために幾多の
日子
(
にっし
)
と紙料とを徒費したことを
悔
(
く
)
いていない。わたしは
平生
(
へいぜい
)
草稿をつくるに必ず石州製の
生紙
(
きがみ
)
を選んで用いている。
十日の菊
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
首
(
はじ
)
め
息子
(
せがれ
)
長三郎にも
話
(
はな
)
したるに息子は然もこそあらんと思ひ夫婦は
頻
(
しきり
)
に
麁忽
(
そこつ
)
を
悔
(
く
)
い
再度
(
ふたゝび
)
婚姻を結んとて翌日忠兵衞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
甚だしきは家に帰りて学校の科程を復習せざる事のために食物を与へずしてこれを苦めこれを
悔
(
く
)
いしめんとする者あり。子を愛するの極、子を
害
(
そこな
)
はんとす。
病牀譫語
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
私は別に悲しいとも、
悔
(
く
)
やしいとも思わなかった。ただ絶望的な気分がぶつぶつと
沸
(
わ
)
きたっているのを感じた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
「
悔
(
く
)
い改めます。許して下さい。私どももみんなビジテリアンになります。」と声をそろえて云ったのです。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それが、もし、僕の努力にもかかわらず不成功に終わったら、少なくとも僕はみずから
悔
(
く
)
ゆるところなしだ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
私は
繋獄
(
けいごく
)
の身となるも
悔
(
く
)
ゆることがない、ついては
若干
(
じゃっかん
)
の金を得て老母の養老金にしたいと頼まれ、わが輩一
片
(
ぺん
)
の
義侠
(
ぎきょう
)
、これを
否
(
いな
)
むに
忍
(
しの
)
びず、彼のために
出金
(
しゅっきん
)
した
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「人のいのちは、いつ尽きるか分らぬもの——そなたの大望、早う
遂
(
と
)
げねば、
悔
(
く
)
ゆることがあろうよ」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
さては一大事、医師の診察によりて、
分娩
(
ぶんべん
)
の事
発覚
(
はつかく
)
せば、
妾
(
せふ
)
は兎も角、折角
怠
(
おこた
)
りたる母上の病気の、又はそれが為めに
募
(
つの
)
り行きて、
悔
(
く
)
ゆとも及ばざる事ともならん。
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
さう云ふ口論の間中、わたしは唯
悔
(
く
)
やし泣きに泣き続けてゐたのでございます。丸佐の主人を送り出した父が無尽燈を持つた儘、見世からこちらへはひつて来る迄は。
雛
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それに一生をささげて
悔
(
く
)
いない青年、そうした青年が
輩出
(
はいしゅつ
)
してこそ、日本の国士がすみずみまで若返り、民族の将来が真に
輝
(
かがや
)
かしい生命の力にあふれるのであります。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「もう失敗しても
悔
(
く
)
いない。おれは昔の
怜悧者
(
りこうもの
)
ではない。おれは
明治
(
めいじ
)
の人間だ。明治の天子様は、たとえ若崎が今度失敗しても、
畢竟
(
ひっきょう
)
は
認
(
みと
)
めて下さることを疑わない」
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
稲川先生の母親は、まるで気ちがいのように
息子
(
むすこ
)
をかばい、今では彼が
前非
(
ぜんぴ
)
を
悔
(
く
)
いあらためていると、会う人ごとに
吹聴
(
ふいちょう
)
してまわるのにいそがしいという
噂
(
うわさ
)
を聞いた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
「我れ知る
汝
(
なんじ
)
は一切の事をなすを得給う」といい、また「われ汝の事を耳にて聞きいたりしが今は目をもて汝を
見奉
(
みたてまつ
)
る、これをもて我れ自ら恨み、
塵灰
(
ちりはい
)
の中にて
悔
(
く
)
ゆ」
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
貴君こそ、自分の不明を恥じて、私の前でいつかの暴言を謝しなさい! 唐沢のお嬢さんは、もう
此
(
こ
)
の通り、ちゃんと
前非
(
ぜんぴ
)
を
悔
(
く
)
いている。御覧なさい! 此の手紙を!
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
悔
(
く
)
ゆれど及ばず、かなたなる
境内
(
けいだい
)
の鳥居のあたりまで追ひかけたれど、早やその姿は見えざりき。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
子曰く、虎を
暴
(
てうち
)
(徒搏)にし、河を
憑
(
かちわた
)
(徒渉)りて、死すとも
悔
(
く
)
ゆるなきものは、吾
与
(
くみ
)
せざるなり、必ずや事に臨みて
懼
(
おそ
)
れ謀を好みて成す
者
(
ひと
)
に(与する)なり。(一〇)
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
道庵が、寝ながら頭の寒いことを感じ出したのは、今晩に始まったことではなく、つまらない一時の感激から、額をそり上げてしまったことを、今も
悔
(
く
)
いているのです。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
自分も危ふく源次郎と同じやうな事をする氣になつたのを、深くも
怖
(
おそ
)
れ
且
(
か
)
つ
悔
(
く
)
いたのでせう。
銭形平次捕物控:178 水垢離
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「六日の
茶会
(
さかい
)
を外したら、
悔
(
く
)
いて及ばぬことにもなりましょう。それがすめば、さっそく
白金
(
しろかね
)
の上杉家の別邸へ引移られるはずだと、たしかな筋から聞き及んでもいますからな」
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
憤
(
いきどお
)
りと
悔
(
く
)
いにギリギリしながら、艇庫につき、念を入れてもう一回、押入れなぞ改めてはみましたが夜も
更
(
ふ
)
け、
人気
(
ひとけ
)
のない二階はたださえ、がらんとして、いよいよ、もう駄目だ
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
そして、二三
日
(
にち
)
その
疲
(
つか
)
れの
拔
(
ぬ
)
け
切
(
き
)
らないのに
今更
(
いまさら
)
自分
(
じぶん
)
の
愚
(
おろか
)
さを
悔
(
く
)
いたやうな
始末
(
しまつ
)
だつたが、
支那人
(
しなじん
)
が二
日
(
か
)
も三
日
(
か
)
も
戰
(
たゝか
)
ひつづけて
平氣
(
へいき
)
だといふのは、
一
(
ひと
)
つは
確
(
たしか
)
に
體力
(
たいりよく
)
のせゐに
違
(
ちが
)
ひない。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
夫を殺し、我が産み落した子供をさえしめ殺して
悔
(
く
)
ゆる所なき極悪人でありながら、このなよなよとした風情はどうだ。この顔の美しさはどうだ。美しいよりも、寧ろ
艶
(
なまめ
)
かしいのだ。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そこで
俄然
(
がぜん
)
その宏大な地方を根拠地として某国の活溌な軍事行動が
疾風迅雷
(
しっぷうじんらい
)
的に起されようとしているのだ。うっかり油断をしていたが最後、
悔
(
く
)
いて帰らぬ破滅が来るばかりだった。
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこでペンペの
話
(
はな
)
しを
聞
(
き
)
いたラランは、
深
(
ふか
)
く
自分
(
じぶん
)
の
悪
(
わる
)
かつたことを
悔
(
く
)
いて、ペンペを
葬
(
ほほむ
)
つてくれた
旅行者
(
りよかうしや
)
たちにすべてを
懺悔
(
ざんげ
)
した。
翌朝
(
よくてう
)
、
旅行者
(
りよかうしや
)
たちは
天幕
(
テント
)
をたゝんで
北
(
きた
)
の
方
(
ほう
)
に
発
(
た
)
つた。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
女はもう
詮方
(
せんかた
)
尽
(
つ
)
きたもののように、そんなものにまですべてをまかせるほかなくなった自分の身が、何だかいとおしくていとおしくてならないような、いかにも
悔
(
く
)
やしい思いをしながら
曠野
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
悔
(
く
)
い改めよ、その人は天国に入るべければなり……へへ、悔い改めら、ら、られるような罪人なら、俺は初めから罪なんか犯すかい。わたくしは罪人でございます。へえ悔い改めました。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
そんなつひ
通
(
とおり
)
の
分疏
(
いいわけ
)
を聞くあたいだとお思ひか、帰るならお帰りと心強くいなせしに、一座では口もろくに
利
(
き
)
かぬあの
喰
(
くわ
)
せもののお
徳
(
とく
)
め、
途
(
みち
)
で待ち受けて
連
(
つ
)
れ
往
(
ゆ
)
きしを今朝聞いた
悔
(
く
)
やしさ
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
聊
(
いさゝ
)
か兼吉を怨む筋は無いと
悔
(
く
)
いて居りまするが、母親の方は非常な
剣幕
(
けんまく
)
で、生涯楽隠居の
金蔓
(
かねづる
)
を題無しにしたと云ふ立腹です、——
女性
(
をんな
)
と云ふものは、果して
此
(
かく
)
の如く残忍酷薄なものでせうか
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
彼
(
か
)
れは
刑罰
(
けいばつ
)
といふものが
本人
(
ほんにん
)
の
悔悟
(
くわいご
)
を
基礎
(
きそ
)
としなければならぬと
考
(
かんが
)
へる
方
(
はう
)
の
一人
(
ひとり
)
であつた。
殺
(
ころ
)
されてしまへば、
悔
(
く
)
いることも
改
(
あらた
)
めることも
出來
(
でき
)
ない。
從
(
したが
)
つて、
死刑
(
しけい
)
は
刑
(
けい
)
でないといふ
風
(
ふう
)
に
考
(
かんが
)
へた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
してみると、楽書としては随分古いもので、
何
(
なに
)
によらず古いものでさへあれば珍重がる京都大学などでは、この
剽軽
(
へうきん
)
な楽書の研究に、一生を棒に振つても
悔
(
く
)
いないだけの学者が出なければならぬ筈だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
たとえば、過去の嘆きとか悩みとか、罪悪を
悔
(
く
)
いる気持ちとか
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
このゆふべ
悔
(
く
)
いおもへども君とほく今し去りゆく
悔
(
く
)
いてかへらず
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
直助は己のあさましい心を
悔
(
く
)
いながら死んでいった。
南北の東海道四谷怪談
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「
悔
(
く
)
い改めは、その救ひだと申しますわ。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
悔
(
く
)
いて、うちわびて
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
始終
(
しじゅう
)
不自由
(
ふじゆう
)
をして、
貧
(
まず
)
しく
死
(
し
)
んでいった
母親
(
ははおや
)
のことを
思
(
おも
)
うと、すこしの
楽
(
たの
)
しみもさせずにしまったのを、
心
(
こころ
)
から
悔
(
く
)
いるためもありました。
万の死
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
然
(
しか
)
し
彼
(
かれ
)
が
自分
(
じぶん
)
から
甚
(
はなは
)
だしく
悔
(
く
)
いつゝあるらしいのを
心
(
こゝろ
)
に
確
(
たしか
)
めて
強
(
し
)
ひては
追求
(
つゐきう
)
しようといふ
念慮
(
ねんりよ
)
も
起
(
おこ
)
し
得
(
え
)
なかつた。
勘次
(
かんじ
)
は
只
(
たゞ
)
不便
(
ふびん
)
に
見
(
み
)
えた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
悔
常用漢字
中学
部首:⼼
9画
“悔”を含む語句
懺悔
後悔
悔恨
悔改
悔悛
悔悟
懺悔録
痛悔
改悔
懺悔状
一切我今皆懺悔
懺悔話
懴悔
色懺悔
懺悔心
悔状
慚悔
懴悔話
可悔
懺悔致
...