同志どうし)” の例文
左樣さやうわたくしきみ確信くわくしんします、きみ我等われら同志どうしとして、永久えいきゆう秘密ひみつまもこと約束やくそくたまはゞ、誠心せいしんより三度みたびてんちかはれよ。
風呂敷ふろしきすこちひさいので、四隅よすみむか同志どうしつないで、眞中まんなかにこまむすびをふたこしらえた。宗助そうすけがそれをげたところは、まる進物しんもつ菓子折くわしをりやうであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
斯く入り口又はまどへだてて品物のりをせしは同類どうるいの間ならざるがゆえならん。コロボックル同志どうしならばしたしく相對してことべんぜしなるべし。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
加賀見忍剣かがみにんけんどのへ知らせん このじょうを手にされし日 ただちに錫杖しゃくじょうを富士の西裾野にしすそのへむけよ たずねたもう御方おんかたあらん 同志どうしの人々にも会いたまわん
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其頃そのころふうをなしておこなはれた試驗しけん間際まぎは徹夜てつや勉強べんきやう終夜しうやとなへて、つた同志どうしあかしに演習おさらひをする、なまけものの節季仕事せつきしごとふのである。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかし、夫人ふじんしづめて、ちかくにゐる同志どうし婦人達ふじんたちあつめた。近所きんじよから醫師いして、かく應急手當おふきふてあてほどこされた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
ぎに案外あんがいおおいのはわか男女だんじょ祈願きがん……つまりいた同志どうし是非ぜひわしてほしいとったような祈願きがんでございます。
らまあだ、ちつたつたんだつけが、煙草入たぶこれ同志どうしえつちやつたから」かれはぽさりとしていつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
年をとっての後の考えから言えば、あアもしたらこうもしたらと思わぬこともなかったけれど、当時の若い同志どうしの思慮には何らの工夫も無かったのである。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
もし愛する同志どうしが一緒になつて、すぐに嫌になるのが、内面からでなく、あいつのあすこがいやだなんて、顏かたちに指さされるのは、コツソリやるべき身じんまくを
(旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
しかしつぎかた、おれはかへりゆく労働者らうどうしやのすべてのこぶしのうちにぎめられたビラのはし電柱でんちうまへに、倉庫さうこよこに、かぜにはためく伝単でんたんた、同志どうしやすんぜよ
そして、十七ついの男女の組合せが出来上った訳です。男同志どうしでさえ、誰が誰だか分らないのですから、まして相手ときまった女が何者であるか、知れよう道理はありません。
覆面の舞踏者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
こゝ播州ばんしう赤穗あかほ城主じやうしゆ淺野内匠頭殿あさのたくみのかみどの家臣かしん大石内藏助おほいしくらのすけはじ忠義ちうぎ面々めん/\元祿げんろく十五年十二月十四日吉良上野介殿きらかうずけのすけどのやしき討入うちいりきはまり同月十日に大石内藏助は小山田庄左衞門をやまだしやうざゑもんまね同志どうし人々ひと/″\家内かない
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さても方様かたさまの憎い程な気強さ、ここなり丈夫おとこの志をぐるはとむれ同志どうしを率いて官軍に加わらんとし玉うをとどむるにはあらねど生死しょうじ争う修羅しゅらちまたふみりて、雲のあなたの吾妻里あづまじ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ところ或日あるひ石橋いしばしが来て、たゞかうしてるのもつまらんから、練習のために雑誌をこしらへては奈何どうかとふのです、いづれも下地したぢすきなりで同意どういをした、ついては会員組織くわいゝんそしきにして同志どうしの文章をつのらうと議決ぎけつして
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「はい、少年探偵団は同志どうし五人であります」
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
片脚かたあし同志どうしあつまつて
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
でかれは、出発にさきだって鞍馬くらま果心居士かしんこじ小太郎山こたろうざん龍太郎りゅうたろう小文治こぶんじなどの同志どうし通牒つうちょうをとばしておいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たゞぢやあるいてもよかつたが、みなみことまたあるかせちやまねえから同志どうし土浦つちうらまで汽船じようきけたんだが、みなみ草臥くたびれたもんだからさきたんだがな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼女かのぢよは、片山かたやま同志どうしのKうちせて、かれ居所ゐどころさがしてゐたが、そのかれが、I刑務所けいむしよ未決監みけつかんにゐるとわかつたのは、行方不明ゆくへふめいになつてから、半年はんとしもののちだつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
いまかんがへるとすべてがあきらかであつた。したがつて何等なんらもなかつた。二人ふたり土塀どべいかげからふたゝあらはれた安井やすゐはして、まちはうあるいた。あるときをとこ同志どうしかたならべた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
弓矢は鳥獸獵てうじゆうれうに於ても用ゐられしなるべく、人類同志どうし爭鬪さうとうに於ても用ゐられしならん。或は海獸大魚を捕獲ほくわくするにさいしても用ゐられし事有る可きか。水中に矢を射込む事其れいきに非ず。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
のこされた同志どうしはそのうへ次々つぎ/\伝単でんたんまはすであらう
「思いがけないところで、同志どうしのおのおのと落ち会いましたことよ。なにをつつみましょう。まこと、わたくしもこれよりさしていくところは、富士ふじの裾野」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ういふ同志どうしへのこんな惡戲いたづら何處どこでも反覆くりかへされるのであつた。さうして成功せいこうした惡戲者いたづらもの
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
夫婦ふうふなかないものが、さむさにへかねて、つてだんやう具合ぐあひに、御互おたがひ同志どうしたよりとしてらしてゐた。くるしいときには、御米およね何時いつでも、宗助そうすけ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あき奉天ほうてん街上かいじやう銃架じうかはひとりの同志どうしうばつた
おれはおもふ、たふされたふたりの同志どうし
ドスはたふされた同志どうしあらふだらう