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型
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かた
ふりがな文庫
“
型
(
かた
)” の例文
「
清
(
きよ
)
ちゃん、
自転車
(
じてんしゃ
)
の
走
(
はし
)
りっこをしようか。」と、
徳
(
とく
)
ちゃんがいいました。
二人
(
ふたり
)
は
同
(
おな
)
じような
型
(
かた
)
の、
赤
(
あか
)
い
自転車
(
じてんしゃ
)
に
乗
(
の
)
っていました。
父親と自転車
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
却々
(
なかなか
)
大きな犬らしい足跡だから、人間が四つん這いになって、犬の足を
模
(
も
)
した
型
(
かた
)
で、こんな跡をつけたと考えることは不可能ではない。
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
なにかの物あたりであろうというので、まず
型
(
かた
)
のごとき手当てを施したが、由松は手足が
痙攣
(
けいれん
)
して、それから
半晌
(
はんとき
)
ばかりの後に息を引き取った。
半七捕物帳:39 少年少女の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
然しながら
己
(
わ
)
が造った
型
(
かた
)
に
囚
(
とら
)
われ易いのが人の弱点である。執着は常に力であるが、執着は終に死である。宇宙は生きて居る。人間は生きて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
しかし、
世界中
(
せかいじゆう
)
どこにもあるこの
圓
(
まる
)
い
塚
(
つか
)
の
他
(
ほか
)
に、
日本
(
につぽん
)
では
他國
(
たこく
)
に
見
(
み
)
ることの
出來
(
でき
)
ない
一種
(
いつしゆ
)
の
型
(
かた
)
の
塚
(
つか
)
が
作
(
つく
)
られたのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
▼ もっと見る
源三郎様が道場の当主にお直りになろうという瀬戸際……どうしても先方では、判定がなくては立ちあいせぬと申しておりますので、ホンの
型
(
かた
)
だけ
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
孰
(
いづ
)
れが
前
(
さき
)
に
出来
(
でき
)
たか、
穿鑿
(
せんさく
)
に
及
(
およ
)
ばぬが、
怪力
(
くわいりき
)
の
盲人
(
まうじん
)
の
物語
(
ものがた
)
りが二ツある。
同
(
おな
)
じ
話
(
はなし
)
の
型
(
かた
)
が
変
(
かは
)
つて、一ツは
講釈師
(
かうしやくし
)
が
板
(
いた
)
にかけて、のん/\づい/\と
顕
(
あら
)
はす。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
正岡子規とか国木田独歩とかを一つの
型
(
かた
)
と
看做
(
みな
)
せば、高山
樗牛
(
ちよぎう
)
とか
綱島梁川
(
つなしまりやうせん
)
とかは又一つの型のやうに思はれる。
結核症
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
が、
畢竟
(
ひつけう
)
それもまた名人上手とかいふ風な古來の形
式
(
しき
)
主
義
(
ぎ
)
が當
然
(
ぜん
)
作り出す
型
(
かた
)
に
捉
(
とら
)
はれた
觀念
(
くわんねん
)
と見られぬ事もない。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
しかし
普通
(
ふつう
)
の
人
(
ひと
)
は、
文學
(
ぶんがく
)
の
上
(
うへ
)
ではやはり
昔
(
むかし
)
のまゝの
型
(
かた
)
どほりに
作
(
つく
)
つてゐるに
拘
(
かゝは
)
らず、
勝
(
すぐ
)
れた
人
(
ひと
)
は、その
時代
(
じだい
)
の
人
(
ひと
)
らしい
眼
(
め
)
で、
物
(
もの
)
を
見
(
み
)
、
感
(
かん
)
じるものであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
通常これを標準、規範、
型
(
かた
)
などと訳しているけれども、この訳語にては他の文字と混同する
虞
(
おそれ
)
があるから、僕は
原語
(
げんご
)
のままにノルムという字を
用
(
もち
)
いたいと思う。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
悩
(
なや
)
ましいばかりの
羞恥
(
しゅうち
)
と、人に
屈辱
(
くつじょく
)
を
与
(
あた
)
えるきりで、
何
(
なん
)
の
役
(
やく
)
にも立たぬ
型
(
かた
)
ばかりの
手続
(
てつづ
)
きを
憤
(
いきどお
)
る
気持
(
きもち
)
、その
蔭
(
かげ
)
から
躍
(
おど
)
りあがらんばかりの
喜
(
よろこ
)
びが、
彼
(
かれ
)
の心を
貫
(
つらぬ
)
いた。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
君の
愛
(
め
)
で給ふ像を石膏に寫したるをば、我も見き。姫。否、われは石膏の
型
(
かた
)
ばかり整はざるものはなしと思へり。石膏の顏は死顏なり。大理石には命あり靈あり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「そう頭から自分の
拵
(
こしら
)
えた
型
(
かた
)
で、
他
(
ひと
)
を評価する気ならそれまでだ。僕には弁解の必要がないだけだから」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
……とうとうたる
太鼓
(
たいこ
)
……
型
(
かた
)
のごとき
黄母衣
(
きほろ
)
、
赤母衣
(
あかほろ
)
、
白母衣
(
しろほろ
)
の
伝令
(
でんれい
)
三
騎
(
き
)
が、
番外
(
ばんがい
)
の五番
試合
(
じあい
)
を
各所
(
かくしょ
)
の
控
(
ひか
)
え
所
(
じょ
)
へふれて、
虹
(
にじ
)
のように
試合場
(
しあいじょう
)
のまわりを一
巡
(
じゅん
)
する……
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私ははじめは
粘土
(
ねんど
)
でその
型
(
かた
)
をとろうと思いました。一人がその青い粘土も
持
(
も
)
って来たのでしたが、蹄の痕があんまり
深過
(
ふかす
)
ぎるので、どうもうまくいきませんでした。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
彼等は
型
(
かた
)
をクルーニの僧の用ゐるものにとりたる
衣
(
ころも
)
を着、目の前まで垂れし帽を
被
(
かぶ
)
れり 六一—六三
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
阿久はもと
下谷
(
したや
)
の芸者で、
廃
(
や
)
めてから私の世話になって二年の後、
型
(
かた
)
ばかりの式を行って内縁の妻となったのである。右隣りが電話のボタンを
拵
(
こしら
)
える職人、左隣がブリキ職。
深川の散歩
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
女
(
おんな
)
の一
生
(
しょう
)
の
大事
(
だいじ
)
はいうまでもなく
結婚
(
けっこん
)
でございまして、それが
幸不幸
(
こうふこう
)
、
運不運
(
うんふうん
)
の
大
(
おお
)
きな
岐路
(
わかれみち
)
となるのでございますが、
私
(
わたくし
)
とてもその
型
(
かた
)
から
外
(
はず
)
れる
訳
(
わけ
)
にはまいりませんでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
思いがけなく、
旧
(
ふる
)
い
型
(
かた
)
ではあるが宇宙艇が手に入ったので、地球へ帰る
一縷
(
いちる
)
の望みができてきた。調べてみると、何という
幸
(
さいわ
)
いだろう。燃料はかなり十分に
貯
(
たくわ
)
えられていた。
月世界探険記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
おこのが
昼
(
ひる
)
といわず夜といわず、ひそかに
睨
(
にら
)
んだとどのつまりは、
独
(
ひと
)
り四
畳半
(
じょうはん
)
に
立籠
(
たてこ
)
もって、おせんの
型
(
かた
)
にうき
身
(
み
)
をやつす、
良人
(
おっと
)
の
胸
(
むね
)
に
巻
(
ま
)
きつけた
帯
(
おび
)
が、
春信
(
はるのぶ
)
えがくところの
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
それが煮えたら火から
卸
(
おろ
)
して少し冷まして小さいコップ位なブリキのカップという
型
(
かた
)
がありますからその中へ最初は少しばかり今のゼリーを
注
(
つ
)
いで前の舌をよい加減に入れて
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「さっき、土地の者が電気をかけていたのでにらみつけてやったが、まだ
型
(
かた
)
を見ずだよ」
江戸前の釣り
(新字新仮名)
/
三遊亭金馬
(著)
M
氏
(
し
)
夫婦
(
ふうふ
)
がやつて
来
(
き
)
て、
型
(
かた
)
どほり
各人
(
かくじん
)
に
紹介
(
せうかい
)
されたが
彼
(
かれ
)
も
御多分
(
ごたぶん
)
に
洩
(
も
)
れず
唖
(
おし
)
であつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
あしたにもさっそく、この
型
(
かた
)
で、じぶんもこしらえさせてみよう、と考えていました。
灰だらけ姫:またの名 「ガラスの上ぐつ」
(新字新仮名)
/
シャルル・ペロー
(著)
「十手捕縄じゃ——そんな事を言っちゃ悪いが、
後口
(
あとくち
)
のよくねえことがあります。彦兵衛が一世一代、身体を張ってきっと
型
(
かた
)
をつけます。こいつはあっしに任しておくんなさいまし」
銭形平次捕物控:075 巾着切りの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
わたしなどの若いころには、どの地方へ旅行して見ても、瓦を焼くけむりの見られないところはなかった。燃料はたいてい松の
枯枝
(
かれえだ
)
で、土はそこいらの
粘土
(
ねんど
)
を持ってきて、水でこねて
型
(
かた
)
にとった。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
畔
(
あぜ
)
は畔田は田の
型
(
かた
)
につもりたりおもしろの雪やおもしろの雪や
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「心得たり、若先生の
型
(
かた
)
を」
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
茶店といつても
型
(
かた
)
ばかりのもので、大きい
榎
(
えのき
)
の
下
(
した
)
で
差掛
(
さしか
)
け同様の店をこしらへて、
往来
(
ゆきき
)
の旅人を休ませてゐた。店には秋らしい柿や栗がならべてあつた。
小夜の中山夜啼石
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ヨーロッパの
地中海
(
ちちゆうかい
)
にあるマルタ
島
(
とう
)
の
大
(
おほ
)
きな
石
(
いし
)
の
墓
(
はか
)
、あれはどるめんがだん/\
進歩
(
しんぽ
)
して
複雜
(
ふくざつ
)
な
型
(
かた
)
になつたもので、ずいぶん
珍
(
めづら
)
しいものゝ
一
(
ひと
)
つであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「吾父は農夫なり」と神の愛子は云ったが、実際神は一大農夫で、百姓は其
型
(
かた
)
を無意識にやって居るのである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
いく先などを
型
(
かた
)
ばかりにしらべていったが、これは師範代各務房之丞が引き受けて、
金比羅詣
(
こんぴらまい
)
りの途中でござると開きなおり、見事にお茶らかして追い返してしまう。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
河べりに近い
家
(
うち
)
では、糸や
麻
(
あさ
)
をさらしていた。そのとなりでは
染物
(
そめもの
)
をしている。また一
軒
(
けん
)
では
鹿皮
(
しかがわ
)
をなめし、
小桜模様
(
こざくらもよう
)
、
菖蒲紋
(
しょうぶもん
)
、そんな
型
(
かた
)
おきをしている
家
(
うち
)
もあった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、お
前様
(
めえさま
)
、
此
(
こ
)
の
手際
(
てぎは
)
では、
昨夜
(
ゆふべ
)
造
(
つく
)
り
上
(
あ
)
げて、お
天守
(
てんしゆ
)
へ
持
(
も
)
つてござつた
木像
(
もくざう
)
も、
矢張
(
やつぱり
)
同
(
おな
)
じ
型
(
かた
)
ではねえだか。……
寸法
(
すんぽふ
)
が
同
(
おな
)
じでも
脚
(
あし
)
の
筋
(
すぢ
)
が
釣
(
つ
)
つて
居
(
を
)
らぬか、
其
(
それ
)
では
跛足
(
びつこ
)
ぢや。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一
體
(
たい
)
私
(
わたし
)
は、この
頃
(
ころ
)
流
(
りう
)
行のいはゆる
藝術寫眞
(
げいじゆつしやしん
)
には、何の
感興
(
かんけう
)
も持たない。あの
變
(
へん
)
に
氣取
(
きと
)
つた、いかにも
思
(
おも
)
はせ
振
(
ぶり
)
な、しかも一
種
(
しゆ
)
の
型
(
かた
)
にはまつた
印畫
(
いんぐわ
)
のとこがいゝといふのであらう?
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
赤彦君は暫くして極く静かに、『伴先生は毎日
診
(
み
)
て下さるが斎藤君は久しぶりだから、どうか見て呉れたまへ』と云つた。僕は伴さんから聴診器を借りて
型
(
かた
)
のごとくに診察をした。
島木赤彦臨終記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
佐野との会見は
型
(
かた
)
のごとく済んだ。母も兄も岡田に礼を述べていた。岡田の帰った後でも両方共佐野の批評はしなかった。もう事が極って批評をする余地がないというようにも取れた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「これでも、あたし、古い
型
(
かた
)
の女よ。帰ったら、いいママになりますわ」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
巧妙
(
こうめう
)
なハムレツトの一
節
(
ふし
)
の
黙劇
(
もくげき
)
がはじまつた。それは
素人
(
しろうと
)
とはおもはれないしつかりした
型
(
かた
)
にはまつたものらしかつた。
多分
(
たぶん
)
英国
(
えいこく
)
あたりのハムレツト
役者
(
やくしや
)
のそれを
取
(
と
)
つたものだらうと
私
(
わたし
)
は
想像
(
そうぞう
)
した。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
たぼもつやめく髪の
型
(
かた
)
、つんとすねたり、かもじ屋に
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
先ず鉄道線路を踏切って、
伏古古潭
(
ふしここたん
)
の教授所を見る。代用小学校である。
型
(
かた
)
の如き
草葺
(
くさぶき
)
の小屋、子供は最早帰って、
田村
(
たむら
)
恰人
(
まさと
)
と云う五十余の先生が一人居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
型
(
かた
)
のごとくに参詣をすませたが、ちょうど今が人の
出潮
(
でしお
)
とみえて、仁王門と二天門の両方から
潮
(
うしお
)
のように押し込んで来るので、帰り路はいよいよ難儀であった。
半七捕物帳:49 大阪屋花鳥
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
模樣
(
もよう
)
はたいてい
繩
(
なは
)
や
莚
(
むしろ
)
の
型
(
かた
)
を
押
(
お
)
しつけその
上
(
うへ
)
に
曲線
(
きよくせん
)
で
渦卷
(
うづま
)
きだとか、それに
類似
(
るいじ
)
の
模樣
(
もよう
)
がつけてありますが、
時
(
とき
)
には
突出
(
とつしゆつ
)
した
帶
(
おび
)
のような
裝飾
(
そうしよく
)
をつけたものもあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
採
(
と
)
りいでし
型
(
かた
)
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
その
型
(
かた
)
を
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“型”の意味
《名詞》
(かた)舞踊や武道などの基本動作。
(かた)鋳型。
(かた)型式。
(出典:Wiktionary)
型
常用漢字
小5
部首:⼟
9画
“型”を含む語句
類型
模型
原型
大型
摸型
角型
鋳型彫
鋳型
人型
小型
典型
紅型
面型
痩型
娼婦型
希臘型
代表型
典型的
紙型
格子型
...