“面型”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
マスク66.7%
めんがた33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この面型マスクは、その後世に広まった鋳物の一つだったが、彼はそれを、最も高価な美術品ででもあるかのように、ごくていねいに包み上げていた。手元から少しも離さなかった。
彼がこの大鍋おおなべの中で倫敦のすすを洗い落したかと思うとますますその人となりがしのばるる。ふと首を上げると壁の上に彼が往生おうじょうした時に取ったという漆喰しっくいせい面型マスクがある。この顔だなと思う。
カーライル博物館 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
先生の顔は、半ばほおをその紙の中にうずめながら、静かに眼をつぶっていた。ちょうどろうででもつくった、面型めんがたのような感じである。輪廓りんかくは、生前と少しもちがわない。が、どこかようすがちがう。
葬儀記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)