“マスク”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
仮面45.5%
面型18.2%
保護面9.1%
演劇用仮面9.1%
覆面9.1%
防毒面9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
渋紙色の仮面マスクが、頭の上の青空に凍り付いたように動かない。無表情もここまで来ると少々精神異状者きちがいじみて来る。俺は思い切りブツカルように云った。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
彼がこの大鍋おおなべの中で倫敦のすすを洗い落したかと思うとますますその人となりがしのばるる。ふと首を上げると壁の上に彼が往生おうじょうした時に取ったという漆喰しっくいせい面型マスクがある。この顔だなと思う。
カーライル博物館 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
時として肘や膝にもプロテクタアを当てがい、人によっては顔に厚い保護面マスクかぶることもある。
踊る地平線:11 白い謝肉祭 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
いかなる畸矯変則をもってしても律しようのない……換言すれば、殺人犯人の生具的表現を最も強烈に表象している、一個の演劇用仮面マスクに相違ないのである。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
三月初めに雇われたが、一月半もたない内に、早くもこれの破裂で負傷したことがある。デビーもファラデーもガラス製の覆面マスクをつけて実験するのだが、それでも危険である。
「でも排気してるんでしょう? だったら、そんなにいつまでも瓦斯ガスのある筈はないでしょうし、それに防毒面マスクだってあるんです。——あ、しかし、その前に係長」
坑鬼 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)