仮面マスク)” の例文
旧字:假面
何故なにゆえに、かれスコール艇長は、そのようなひどいことをするのか。またかれのいまかぶっている仮面マスクの下には、どんな素顔があるのか。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
渋紙色の仮面マスクが、頭の上の青空に凍り付いたように動かない。無表情もここまで来ると少々精神異状者きちがいじみて来る。俺は思い切りブツカルように云った。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
高等内侍クウルチザンヌのほうはいつも笑っているような、仮面マスクのようなふしぎな顔をした女だった。……
墓地展望亭 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
どうぞ仮面マスクだけはお許し下さるように、これはあらかじめ私から、お願い申しておきます。
しかもポンコツの苦しみというよりも其の首だけ仮面マスクのような顔には何を見たのかゾッとするような恐怖の色が刻込きざみこまれているのでした。とその時私はいやあなものを見てしまったのです。
(新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)