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貯
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たくは
ふりがな文庫
“
貯
(
たくは
)” の例文
井戸は小屋を
懸
(
かけ
)
、
厠
(
かはや
)
は雪中其物を
荷
(
になは
)
しむべき
備
(
そなへ
)
をなす。雪中には一
点
(
てん
)
の
野菜
(
やさい
)
もなければ
家内
(
かない
)
の
人数
(
にんず
)
にしたがひて、雪中の
食料
(
しよくれう
)
を
貯
(
たくは
)
ふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
分けて下さると仰しやいますので、小さい店でも持つた時の爲に少しづつは
貯
(
たくは
)
へもふやし、商賣の駈引も見習つて置き度いと存じます
銭形平次捕物控:161 酒屋忠僕
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
武士たるもの
二〇
漫
(
みだり
)
にあつかふべからず。かならず
貯
(
たくは
)
へ
蔵
(
をさ
)
むべきなり。
你
(
なんぢ
)
賤
(
いや
)
しき身の
分限
(
ぶげん
)
に過ぎたる
財
(
たから
)
を得たるは
二一
嗚呼
(
をこ
)
の
事
(
わざ
)
なり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
御影
(
みかげ
)
に住んでゐる男が、国元に
相応
(
かなり
)
な
田畑
(
でんばた
)
を持つてゐるので、小作米の揚つたのを汽車で送らせて、御影の家で
貯
(
たくは
)
へてゐるのがある。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
中にも砲術家は大筒をも
貯
(
たくは
)
へ火薬をも製する
習
(
ならひ
)
ではあるが、此家では
夫
(
それ
)
が格別に
盛
(
さかん
)
になつてゐる。去年九月の事であつた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
も
見拔
(
みぬき
)
たれば申し殘す一儀あり我死なば
具足櫃
(
ぐそくびつ
)
の内に
貞宗
(
さだむね
)
の短刀と用金の
貯
(
たくは
)
へ五百兩
有
(
あり
)
其内金二百兩と
短刀
(
たんたう
)
はお花が行衞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
藥種屋 されば、
其樣
(
そのやう
)
な
大毒藥
(
だいどくやく
)
をば
貯
(
たくは
)
へてはをりまするが、マンチュアの
御法度
(
ごはっと
)
では、
賣
(
う
)
ったりゃ、
命
(
いのち
)
がござりませぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
こゝを
先途
(
せんど
)
とまづ
貯
(
たくは
)
へたまひけるが、何れの武官にやそゝくさ此方へ来らるゝ
拍子
(
ひやうし
)
に清人の手にせし皿を
斜
(
なゝめ
)
めにし、鳥飛んで空にあり、魚
床
(
ゆか
)
に躍り
燕尾服着初めの記
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
貴方は
今日
(
こんにち
)
無用の財を
貯
(
たくは
)
へる為に、人の怨を受けたり、世に
誚
(
そし
)
られたり、さうして現在の親子が
讐
(
かたき
)
のやうになつて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
石鏃
(
せきぞく
)
は
製造
(
せいぞう
)
終
(
をわ
)
るに
隨
(
したが
)
ひ
悉皆
(
しつかい
)
笴
(
やがら
)
に
固着
(
こちやく
)
されしにはあらずして、餘分の物は種々の入れ物に
貯
(
たくは
)
へ
置
(
お
)
かれしものと見ゆ。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
宗助
(
そうすけ
)
から
見
(
み
)
ると、
主人
(
しゆじん
)
は
書
(
しよ
)
にも
俳句
(
はいく
)
にも
多
(
おほ
)
くの
興味
(
きようみ
)
を
有
(
も
)
つてゐた。
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
に
是程
(
これほど
)
の
知識
(
ちしき
)
を
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
へ
貯
(
たくは
)
へ
得
(
え
)
らるゝかと
思
(
おも
)
ふ
位
(
くらゐ
)
、
凡
(
すべ
)
てに
心得
(
こゝろえ
)
のある
男
(
をとこ
)
らしく
思
(
おも
)
はれた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
つまり
落
(
お
)
ち
葉
(
ば
)
は
冬
(
ふゆ
)
の
寒
(
さむ
)
い
時
(
とき
)
には
夏
(
なつ
)
の
間
(
あひだ
)
に
盛
(
さか
)
んに
根
(
ね
)
に
貯
(
たくは
)
へた
養分
(
ようぶん
)
をそのまゝ
持
(
も
)
つて
休養
(
きゆうよう
)
するのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
画工はまた
予
(
あらかじ
)
め
其心
(
そのこころ
)
して、我を伴ひ
入
(
い
)
りぬ。先づ蝋燭一つ
点
(
とも
)
し、一つをば
猶
(
なほ
)
衣
(
ころも
)
のかくしの中に
貯
(
たくは
)
へおき、
一巻
(
ひとまき
)
の
絲
(
いと
)
の端を入口に結びつけ、さて我手を引きて進み入りぬ。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
もし今日からあなたが決心してあなたの考へや行ひを正さうとお
始
(
はじ
)
めになれば、二三年のうちに、あなたは新らしい汚れのない記憶をたくさん
貯
(
たくは
)
へることがお出來になつて
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
余
(
よ
)
が
筆
(
ふで
)
の
先
(
さき
)
にて
耕
(
たがや
)
し
得
(
え
)
たる
收入
(
しふにふ
)
は
極
(
きは
)
めて
僅少
(
きんせう
)
にして、
自
(
みづか
)
ら
食
(
く
)
ひ、
自
(
みづか
)
ら
衣
(
き
)
るに
未
(
いま
)
だ
足
(
た
)
らざれども、
足
(
た
)
らざる
内
(
うち
)
にもそれを
貯
(
たくは
)
へて、
以
(
もつ
)
て
子孫
(
しそん
)
に
傳
(
つた
)
へるといふ、
其子
(
そのこ
)
は
未
(
いま
)
だ
無
(
な
)
いのである。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
町
(
まち
)
の
小學校
(
せうがつかう
)
の
校長
(
かうちやう
)
をしてゐた
彼女
(
かのぢよ
)
の
夫
(
をつと
)
は、一
年間
(
ねんかん
)
肺
(
はい
)
を
病
(
や
)
んで、そして
二人
(
ふたり
)
の
子供
(
こども
)
を
若
(
わか
)
い
妻
(
つま
)
の
手許
(
てもと
)
に
遺
(
のこ
)
したまゝ
死
(
し
)
んでいつた。
殘
(
のこ
)
つたものは
彼女
(
かのぢよ
)
の
重
(
おも
)
い
責任
(
せき
)
と、
極
(
ごく
)
僅
(
わづ
)
かな
貯
(
たくは
)
へとだけであつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
さうするうちに秋も更けて、丁度
中頃
(
なかごろ
)
になりましたから、冬の間に喰べるものを
貯
(
たくは
)
へなくてはなりません。そこである日天気もいゝので、近くの野を
謡
(
うた
)
ひながら、あちこち飛び
廻
(
まは
)
つてをりました。
孝行鶉の話
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
夜
(
よ
)
は
益
(
ます/\
)
深
(
ふ
)
けて
冷
(
ひ
)
え
切
(
き
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
家
(
いへ
)
の
内
(
うち
)
には一
塊
(
くわい
)
の
煨
(
おき
)
も
貯
(
たくは
)
へてはなかつた。
枕元
(
まくらもと
)
に
居
(
ゐ
)
た
近所
(
きんじよ
)
の
人々
(
ひと/″\
)
は
勘次
(
かんじ
)
とおつぎの
泣
(
な
)
き
止
(
や
)
むまでは
身體
(
からだ
)
を
動
(
うご
)
かすことも
出來
(
でき
)
ないで
凝然
(
ぢつ
)
と
冷
(
つめ
)
たい
手
(
て
)
を
懷
(
ふところ
)
に
暖
(
あたゝ
)
めて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
内
(
うち
)
の
女中
(
ぢよちう
)
の
情
(
なさけ
)
で。……
敢
(
あへ
)
て
女中
(
ぢよちう
)
の
情
(
なさけ
)
と
言
(
い
)
ふ。——
此
(
こ
)
の
際
(
さい
)
、
臺所
(
だいどころ
)
から
葡萄酒
(
ぶだうしゆ
)
を
二罎
(
にびん
)
持出
(
もちだ
)
すと
言
(
い
)
ふに
到
(
いた
)
つては
生命
(
いのち
)
がけである。けちに
貯
(
たくは
)
へた
正宗
(
まさむね
)
は
臺所
(
だいどころ
)
へ
皆
(
みな
)
流
(
なが
)
れた。
葡萄酒
(
ぶだうしゆ
)
は
安値
(
やす
)
いのだが、
厚意
(
こゝろざし
)
は
高價
(
たか
)
い。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
されど酒は只だ
一種
(
ひとくさ
)
ならでは
貯
(
たくは
)
へ侍らずと笑ひつゝ答ふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
門番の左五兵衞を呼出すのに一ト骨を折つた上、その口を開かせるのに、老母加世は、
貯
(
たくは
)
への半分を投出さなければなりませんでした。
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
刃
(
は
)
鈍
(
にぶ
)
る時は
貯
(
たくは
)
へたる
砥
(
と
)
をもつて
自
(
みづから
)
研
(
と
)
ぐ。此
道具
(
だうぐ
)
も
獣
(
けもの
)
の
皮
(
かは
)
を以て
鞘
(
さや
)
となす。此者ら春にもかぎらず冬より山に入るをりもあり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
押
(
おさ
)
れ其方
最初
(
さいしよ
)
九助江戸奉公中に百八十兩と云大金を
貯
(
たくは
)
へたと有が右は如何樣の儀で貯しぞと申さるゝに藤八其儀
承
(
うけた
)
まはりし處江戸
駿河
(
するが
)
町の町内抱へ番人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
人に言はせたら、今
俺
(
おれ
)
の
貯
(
たくは
)
へた
貨
(
かね
)
は、高が一人の女の宮に換へる価はあると
謂
(
い
)
ふだらう。俺には無い! 第一
貨
(
かね
)
などを持つてゐるやうな気持さへ
為
(
せ
)
んぢやないか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
石斧製造
(
いしおのせいざう
)
に
必要
(
ひつえう
)
なる砂及び水は
各々
(
おの/\
)
適宜
(
てきたう
)
なる大さの土器中に
貯
(
たくは
)
へられしものと
想像
(
さうざう
)
せらる。(續出)
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
尤
(
もつと
)
も
至極
(
しごく
)
の事で、
他所
(
ほか
)
の水は
瓶
(
びん
)
に
貯
(
たくは
)
へて持ち寄りをしたのだから、
時間
(
とき
)
が経つて
死水
(
しにみづ
)
になつてゐる。加茂川のは
掬
(
く
)
み
立
(
たて
)
だけに水が
活
(
い
)
きてゐる。美味いに不思議はない筈だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
小生の古つゞらに
貯
(
たくは
)
ふる処は僅にスコツチの背広が一
領
(
りやう
)
、其れも九年前に
拵
(
こしら
)
へたれば窮屈なること
夥
(
おびたゞ
)
しく、
居敷
(
ゐしき
)
のあたり
雑巾
(
ざふきん
)
の如くにさゝれて、白昼には市中をあるけぬ
代物
(
しろもの
)
。
燕尾服着初めの記
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
そのために、
木
(
き
)
は
若葉
(
わかば
)
をふいてから
次第
(
しだい
)
に
葉
(
は
)
を
丈夫
(
じようぶ
)
にかため、
夏
(
なつ
)
の
盛
(
さか
)
りを
幸
(
さいはひ
)
に、どん/\
太陽
(
たいよう
)
の
光
(
ひかり
)
と
共
(
とも
)
に
働
(
はたら
)
いて、
秋
(
あき
)
に
紅葉
(
もみぢ
)
をする
支度
(
したく
)
や、
冬
(
ふゆ
)
が
來
(
き
)
ても
困
(
こま
)
らない、
養分
(
ようぶん
)
の
貯
(
たくは
)
へをするのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
中は贅を盡して居りますが、至つて簡單で明るくて、
贋金
(
にせがね
)
等を造る場所があらうとも思へず、そんなものを
貯
(
たくは
)
へて置く樣子もありません。
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
拭
(
ふき
)
つゝ
咄
(
はな
)
しかくれば長庵は
態
(
わざ
)
と目を
拭
(
ぬぐ
)
ひ涙に聲を
曇
(
くも
)
らせて
貧
(
ひん
)
の病は是非もなし世の
成行
(
なりゆき
)
と
斷念
(
あきら
)
めよ我とては
貯
(
たくは
)
へ金は有ざれども
融通
(
ゆうづう
)
さへ成事なら
用立
(
ようだつ
)
て
遣度
(
やりたし
)
と手紙を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
容器の用は必しも
飮食品
(
いんしよくひん
)
を
貯
(
たくは
)
ふるに在らず、時としては手箱の
用
(
よう
)
をも
辨
(
べん
)
じたるなるべし。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
輴
(
そり
)
は作り
易
(
やすき
)
物ゆゑ、おほかたは
農商
(
のうしやう
)
家毎
(
いへごと
)
に是を
貯
(
たくは
)
ふ。されば
載
(
のす
)
るものによりて大小品々あれども作りやうは皆同じやうなり、名も又おなし。
只
(
たゞ
)
大なるを里俗に
修羅
(
しゆら
)
といふ、大石大木をのするなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
さうかと言つて、
貯
(
たくは
)
へも路用もあるわけはなく、一人の妹を、江戸へ留め置くことも、もう一度濱松へ歸す當てもございません
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
輴
(
そり
)
は作り
易
(
やすき
)
物ゆゑ、おほかたは
農商
(
のうしやう
)
家毎
(
いへごと
)
に是を
貯
(
たくは
)
ふ。されば
載
(
のす
)
るものによりて大小品々あれども作りやうは皆同じやうなり、名も又おなし。
只
(
たゞ
)
大なるを里俗に
修羅
(
しゆら
)
といふ、大石大木をのするなり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
清太郎さんは、この家から飛び出して、私と一緒に世帶を持つつもりでしたが、借金こそあれ、一文の
貯
(
たくは
)
へもございません。
銭形平次捕物控:176 一番札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大泥棒の妹と知れると、何處でも三日と置いてはくれません。三月の間に五軒も越して歩いて少しばかりの
貯
(
たくは
)
へも費ひ果し、身でも投げなきア、乞食を
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一應も二應も
凝
(
こ
)
つた家で、庭の
掃除
(
さうぢ
)
もよく行屆き、向うの方には
銘木
(
めいぼく
)
を
貯
(
たくは
)
へて置く物置やら土藏やら、滅多に開けたことのない門などが見えてをります。
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「不思議なことがあるものだよ、私も福島家には三年五年食ひつなぐ金があるものと思つて居たが、主人が死んで見ると本當に百の
貯
(
たくは
)
へもないことが判つた」
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
甚六郎の浪宅は、ほんの二た間、
嘗
(
な
)
めるやうに搜しましたが、三千兩は
愚
(
おろ
)
か、三兩の
貯
(
たくは
)
へもありません。
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
阿星右太五郎はなか/\の富を
貯
(
たくは
)
へ、高い利子でそれを運用して、氣樂な生活をしてゐる浪人でしたが、そんな蓄財癖が、この人を浪人にさせたのだといふ噂も
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
日雇取
(
ひようとり
)
の子で金を目當てにさらはれる筈もなく、お新の母親のお豊は
武家
(
ぶけ
)
の後家で、少しは
貯
(
たくは
)
へもあるやうですが、長い間賃仕事をして、これも細々とした暮しです。
銭形平次捕物控:140 五つの命
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
醫者の藥局にはそんな猛毒を
貯
(
たくは
)
へてゐるといふことは、當時の常識としては許さるべくもないことで、將軍の脈まで見ようといふ
流行
(
はやり
)
醫者に取つては、容易ならぬことだつたのです。
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
少しの
貯
(
たくは
)
へもございますが、三代前の主人が、公儀の
冥加
(
みやうが
)
金の、際限もない御申付けを
惧
(
おそ
)
れ、一萬兩にも上る小判を、何處かに隱したに違ひないといふ、不思議な噂が世上に傳はつて居ります。
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
母屋
(
おもや
)
から廊下傳ひに續いて、其處には
夥
(
おびたゞ
)
しい金銀と、數代に
亙
(
わた
)
つて
貯
(
たくは
)
へた
骨董
(
こつとう
)
類が入れてあるのですが、三重の扉を開くとムツと
腥氣
(
せいき
)
が漂つて、一歩踏み込んだ孫三郎も、思はず足を淀ませました。
銭形平次捕物控:154 凧の詭計
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
貯
常用漢字
小5
部首:⾙
12画
“貯”を含む語句
貯蓄
貯金
貯藏
貯蔵
貯金帳
貯水池
貯蔵庫
御貯
貯蓄心
貯髯
貯金筒
貯蔵高
貯蔵部屋
貯蔵槽
貯蓄債券
貯水溝
貯水桶
貯水
貯林檎
貯叢
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