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窮屈
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きうくつ
ふりがな文庫
“
窮屈
(
きうくつ
)” の例文
少
(
すこ
)
し
懷
(
ふところ
)
が
窮屈
(
きうくつ
)
でなくなつてからは
長
(
なが
)
い
夜
(
よ
)
の
休憇時間
(
きうけいじかん
)
には
滅多
(
めつた
)
に
繩
(
なは
)
を
綯
(
な
)
ふこともなく
風呂
(
ふろ
)
に
行
(
い
)
つては
能
(
よ
)
く
噺
(
はなし
)
をしながら
出殼
(
でがら
)
の
茶
(
ちや
)
を
啜
(
すゝ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
されば
奧方
(
おくがた
)
の
町子
(
まちこ
)
おのづから
寵愛
(
てうあい
)
の
手
(
て
)
の
平
(
ひら
)
に
乘
(
の
)
つて、
強
(
あなが
)
ち
良人
(
おつと
)
を
侮
(
あなど
)
るとなけれども、
舅
(
しうと
)
姑
(
しうとめ
)
おはしまして
萬
(
よろ
)
づ
窮屈
(
きうくつ
)
に
堅
(
かた
)
くるしき
嫁
(
よめ
)
御寮
(
ごりよう
)
の
身
(
み
)
と
異
(
こと
)
なり
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
舞台の奥から
拍子木
(
ひやうしぎ
)
の
音
(
おと
)
が長い
間
(
ま
)
を置きながら、それでも
次第
(
しだい
)
に近く
聞
(
きこ
)
えて来る。
長吉
(
ちやうきち
)
は
窮屈
(
きうくつ
)
に
腰
(
こし
)
をかけた
明
(
あか
)
り
取
(
と
)
りの窓から
立上
(
たちあが
)
る。すると
吉
(
きち
)
さんは
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
聞れ
然
(
しか
)
らば
必定
(
かならず
)
外
(
ほか
)
に
盜賊
(
たうぞく
)
あるべきにより
早々
(
さう/\
)
詮鑿
(
せんさく
)
すべし
窮屈
(
きうくつ
)
ながら今少し
辛抱
(
しんばう
)
せよと
勞
(
いたは
)
られ又々
牢屋
(
らうや
)
へ下げられけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
工學士
(
こうがくし
)
は、
井桁
(
ゐげた
)
に
組
(
く
)
んだ
材木
(
ざいもく
)
の
下
(
した
)
なる
端
(
はし
)
へ、
窮屈
(
きうくつ
)
に
腰
(
こし
)
を
懸
(
か
)
けたが、
口元
(
くちもと
)
に
近々
(
ちか/″\
)
と
吸
(
す
)
つた
卷煙草
(
まきたばこ
)
が
燃
(
も
)
えて、
其
(
その
)
若々
(
わか/\
)
しい
横顏
(
よこがほ
)
と
帽子
(
ばうし
)
の
鍔廣
(
つばびろ
)
な
裏
(
うら
)
とを
照
(
て
)
らした。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
駕籠
(
かご
)
なんぞに
窮屈
(
きうくつ
)
な
思
(
おも
)
ひをして
乘
(
の
)
つてゐるよりは、
輕
(
かる
)
い
塵埃
(
ほこり
)
の
立
(
た
)
つ
野路
(
のぢ
)
をば、
薄墨
(
うすずみ
)
に
霞
(
かす
)
んだ
五月山
(
さつきやま
)
の
麓
(
ふもと
)
を
目當
(
めあ
)
てに
歩
(
ある
)
いてゐた
方
(
はう
)
が、どんなに
樂
(
たの
)
しみか
知
(
し
)
れなかつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
放し飼にして置いちや物騷で
叶
(
かな
)
はねえ。
窮屈
(
きうくつ
)
でも旦那樣のお歸りまで、此處で我慢をして貰はうか。尤も、その間俺が
伽
(
とぎ
)
をしてやるから、淋しがらせるやうな事はねえ
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さすがは
人間
(
にんげん
)
だ、すこし
窮屈
(
きうくつ
)
は
窮屈
(
きうくつ
)
だが、それも
風流
(
ふうりゆう
)
でおもしろいや。や、
海
(
うみ
)
がみえるぞ、や、や、
船
(
ふね
)
だ
船
(
ふね
)
だ。なんといふことだ。
子
(
こ
)
ども
等
(
ら
)
もつれてくるんだつけな。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
代助は
一寸
(
ちよつと
)
息
(
いき
)
を
継
(
つ
)
いだ。さうして、
一寸
(
ちよつと
)
窮屈
(
きうくつ
)
さうに控えてゐる
三
(
み
)
千代の方を見て、御世辞を
遣
(
つか
)
つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『
屹度
(
きつと
)
間違
(
まちが
)
つてるわ』と
憐
(
あは
)
れな
愛
(
あい
)
ちやんが
云
(
い
)
ひました、
眼
(
め
)
には
涙
(
なみだ
)
を一ぱい
溜
(
た
)
めて、『
私
(
わたし
)
は
屹度
(
きつと
)
松子
(
まつこ
)
さんになつたのよ、あの
窮屈
(
きうくつ
)
な
小
(
ちひ
)
さな
家
(
うち
)
へ
行
(
い
)
つて
住
(
す
)
まなければならないのかしら、 ...
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
だから
犬
(
いぬ
)
が
犬小屋
(
いぬごや
)
に
入
(
はい
)
る
時
(
とき
)
に
腹這
(
はらば
)
ふと
同
(
おな
)
じく、
人
(
ひと
)
が
横穴
(
よこあな
)
に
入
(
い
)
る
時
(
とき
)
も、
餘程
(
よほと
)
窮屈
(
きうくつ
)
だ。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
へい/\
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞう
)
じます、
何卒
(
どうぞ
)
頂戴致
(
ちやうだいいた
)
したいもので。姫「
少々
(
せう/\
)
控
(
ひか
)
へて
居
(
ゐ
)
や。「へい。
慌
(
あは
)
てゝ一
杯
(
ぱい
)
掻込
(
かつこ
)
み、
何分
(
なにぶん
)
窮屈
(
きうくつ
)
で
堪
(
たま
)
らぬから
泡
(
あは
)
を
食
(
く
)
つて
飛出
(
とびだ
)
したが、
余
(
あま
)
り
取急
(
とりいそ
)
いだので
莨入
(
たばこいれ
)
を
置忘
(
おきわす
)
れました。 ...
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
況
(
ま
)
して乘つた時の
窮屈
(
きうくつ
)
さ。洋服着た男とでも肩が擦れ/\になると、譯もなく身體が縮んで了つて、
些
(
ちよい
)
と首を動かすにも頸筋が痛い思ひ。
停
(
とま
)
るかと思へば動き出す。動き出したかと思へば停る。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
次郎はそのたびに、何か知ら
窮屈
(
きうくつ
)
な感じがした。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
與吉
(
よきち
)
は
斜
(
なゝめ
)
に
身
(
み
)
を
置
(
お
)
くのが
少
(
すこ
)
し
窮屈
(
きうくつ
)
であつたのと、
叱言
(
こごと
)
がなければ
唯
(
たゞ
)
惡戲
(
いたづら
)
をして
見
(
み
)
たいのとで
側
(
そば
)
な
竈
(
かまど
)
の
口
(
くち
)
へ
別
(
べつ
)
に
自分
(
じぶん
)
で
落葉
(
おちば
)
の
火
(
ひ
)
を
點
(
つ
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
再び軽い
拍子木
(
ひやうしぎ
)
の
音
(
おと
)
を
合図
(
あひづ
)
に、
黒衣
(
くろご
)
の男が右手の
隅
(
すみ
)
に立てた
書割
(
かきわり
)
の一部を
引取
(
ひきと
)
ると
裃
(
かみしも
)
を着た
浄瑠璃語
(
じやうるりかたり
)
三人、
三味線弾
(
しやみせんひき
)
二人
(
ふたり
)
が、
窮屈
(
きうくつ
)
さうに
狭
(
せま
)
い台の上に
並
(
なら
)
んで
居
(
ゐ
)
て
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
同
(
おな
)
じ
新開
(
しんかい
)
の
町
(
まち
)
はづれに八百
屋
(
や
)
と
髮結床
(
かみゆひどこ
)
が
庇合
(
ひあはひ
)
のやうな
細露路
(
ほそろぢ
)
、
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
る
日
(
ひ
)
は
傘
(
かさ
)
もさゝれぬ
窮屈
(
きうくつ
)
さに、
足
(
あし
)
もととては
處々
(
ところ/″\
)
に
溝板
(
どぶいた
)
の
落
(
おと
)
し
穴
(
あな
)
あやふげなるを
中
(
なか
)
にして、
兩側
(
りようがは
)
に
立
(
た
)
てたる
棟割長屋
(
むねわりながや
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
掛
(
かけ
)
盜人
盜
(
ぬす
)
み物と云し故夫なる豐島屋大に驚き
騷
(
さわ
)
ぎ早速吟味行屆て其金を出したり
然
(
さ
)
も無ては
押包
(
おしつゝ
)
み容易に出すまじと思ひし
故
(
ゆゑ
)
斯
(
かく
)
は
計
(
はから
)
ひしなり
偖々
(
さて/\
)
汝等
窮屈
(
きうくつ
)
に有しならん
早繩
(
はやなは
)
を
解免
(
ときゆる
)
し此金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
況
(
ま
)
して
鳥類
(
てうるゐ
)
は
廣大無邊
(
くわうだいむへん
)
の
天地
(
てんち
)
を
家
(
いへ
)
とし、
山
(
やま
)
を
翔
(
か
)
けり、
海
(
うみ
)
を
横
(
よこ
)
ぎり、
自在
(
じざい
)
に
虚空
(
こくう
)
を
往來
(
わうらい
)
して、
心
(
こゝろ
)
のまゝに
食
(
しよく
)
を
啄
(
は
)
み、
赴
(
おもむ
)
く
處
(
ところ
)
の
塒
(
ねぐら
)
に
宿
(
やど
)
る。さるを
捕
(
とら
)
へて
籠
(
かご
)
に
封
(
ふう
)
じて
出
(
い
)
ださずば、
其
(
その
)
窮屈
(
きうくつ
)
はいかならむ。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
穴の中で見付けた手紙も、この男が書いてお兼のお
類
(
るゐ
)
に渡したに相違ありませんが、平次はそれと感付きながら、わざと
假名
(
かな
)
を書かせて、
窮屈
(
きうくつ
)
さうに手筋を變へて書く源助の樣子を觀察したのでした。
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
今
(
いま
)
開墾
(
かいこん
)
の
仕事
(
しごと
)
の
爲
(
ため
)
に
春
(
はる
)
までには
主人
(
しゆじん
)
の
手
(
て
)
から三四十
圓
(
ゑん
)
の
金
(
かね
)
を
與
(
あた
)
へられる
樣
(
やう
)
にまで
成
(
な
)
つた。
大部分
(
だいぶぶん
)
は
借財
(
しやくざい
)
の
舊
(
ふる
)
い
穴
(
あな
)
へ
埋
(
う
)
めても
彼
(
かれ
)
は
懷
(
ふところ
)
に
窮屈
(
きうくつ
)
を
感
(
かん
)
じない
程度
(
ていど
)
に
進
(
すゝ
)
んだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私立
(
しりつ
)
なれども
生徒
(
せいと
)
の
數
(
かず
)
は千
人
(
にん
)
近
(
ちか
)
く、
狹
(
せま
)
き
校舍
(
かうしや
)
に
目白押
(
めじろおし
)
の
窮屈
(
きうくつ
)
さも
教師
(
きやうし
)
が
人望
(
じんぼう
)
いよ/\あらはれて、
唯
(
たゞ
)
學校
(
がくこう
)
と一ト
口
(
くち
)
にて
此
(
この
)
あたりには
呑込
(
のみこ
)
みのつくほど
成
(
な
)
るがあり、
通
(
かよ
)
ふ
子供
(
こども
)
の
數々
(
かず/\
)
に
或
(
あるひ
)
は
火消
(
ひけし
)
鳶人足
(
とびにんそく
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“窮屈”の意味
《名詞》
窮屈(きゅうくつ)
せまかったりゆとりがなかったりして身動きが取りにくく、不自由であること。
緊張などで気がつまるさま。
融通が利かないこと。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
窮
常用漢字
中学
部首:⽳
15画
屈
常用漢字
中学
部首:⼫
8画
“窮屈”で始まる語句
窮屈袋
窮屈千萬