方々はう/″\)” の例文
取する者も無なりしにぞ長庵今は朝暮あさゆふけぶり立兼たちかねるより所々しよ/\方々はう/″\手の屆く丈かり盡して返すことをせざれば酒屋米屋薪屋まきやを始め何商賣なにしやうばい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
自分じぶんかへりましたとき兩臂りやうひぢと、ちゝしたと、手首てくびみやくと 方々はう/″\にじんで、其處そこ眞白まつしろくすりこな振掛ふりかけてあるのがわかりました。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかし、いまからもう病家びやうかまはりでもあるまいし、自宅じたく方々はう/″\から、のつくやうにむかへの使つかひたことを想像さうざうして、こしをもぢ/\さしてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
あれで瓦斯ぐわすきます、よる方々はう/″\瓦斯ぐわすきますから、少しも地獄ぢごくこはい事はございません。岩「へえゝ、ひらけたもんで。 ...
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
卯平うへいるから不器用ぶきよう容子ようすをしてて、おそろしく手先てさきわざ器用きよう性來たちであつた。それでかれ仕事しごとるとつてからは方々はう/″\やとはれてたわらんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
つゞいておほくの跫音あしおとがしたので、あいちやんは女王樣ぢよわうさまのおかほはいせんとして𤍠心ねつしん方々はう/″\見廻みまはしました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
座敷ざしきて、書棚しよだななかからあか表紙へうし洋書やうしよして、方々はう/″\ページはぐつててゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
中姉樣ちうねえさま何時いつもお留守居るすゐのみしたまへば、ぼく我長おほきくならば中姉樣ちうねえさまばかり方々はう/″\れてきて、ぱのらまやなにかヾせたきなり、れは色々いろ/\いきたるやうきてありて、鐵砲てつぱうなにかも本當ほんたうやうにて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「あんまり一つどころきたんで、あれから方々はう/″\まはつてきたよ」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
あのへやは、今夜こんやだ、今夜こんやだ、と方々はう/″\病室びやうしつで、つたのを五日いつかつゞけて、附添つきそひの、親身しんみのものはいたんですつて。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
とゞめ此處にてもなほ種々いろ/\に療治せしかば友次郎のやまひは全くこゝろよくなりければ夫よりは忠八と諸倶もろとも所々しよ/\方々はう/″\めぐり敵の行方ゆくへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
どういふわけかといふと、其頃そのころわたくし怪談くわいだんの話の種子たねを調べようと思つて、方々はう/″\つて怪談くわいだん種子たね買出かひだしたとふのは、わたくしうちに百幅幽霊ぷくいうれい掛物かけものがあるから
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
そんでもまあ到頭たうとうげもしねえでらつたんだから、うちでもつてかれたものからぢやうんがえゝのせえ、まあ晝間ひるまはなんちつても方々はう/″\えてえゝが、よるがなんぼにも小凄こすごくつてねえ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
『オヤ、わたしあたま何處どこかへつてしまつたわ』あいちやんは雀躍こおどりしてよろこんだ甲斐かひもなく、そのよろこびはたちまおどろきとへんじました、あいちやんは自分じぶんかた何處どこにもえなくなつたのにがついて、方々はう/″\さがまは
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
火事かじところもありいくさところもあり、ぼく大變たいへんきなれば、姉樣ねえさま御覽ごらんにならば吃度きつときならん、大姉樣おほねえさま上野うへののも淺草あさくさのも方々はう/″\のを幾度いくどしに、中姉樣ちうねえさま一度いちどれてかぬは意地いぢわるではきか
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたしは本当に飛立とびたほどうれしく、自分のつぶれた事も思はないでサ、早くおまへつて此事このことを聞かしたいと思つたから、おまへ空杖あきづゑいて方々はう/″\さがして歩くと
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
逐轉ちくてんして此大江戸へ出てより所々しよ/\方々はう/″\小稼こかせぎは言はずと知れし小盜人こぬすびとぬすみし金や神農しんのう嘗殘なめのこしたる質種しちぐさ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あと二三にんだけのこつたのが一人々々ひとり/\牛小屋うしごやからつかされて、はてしもらないうみうへを、二十日目はつかめしまひとつ、五十日目ごじふにちめしまひとつ、はなれ/″\に方々はう/″\られて奴隷どれいりました。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うしたんだな、しやうがねえな、方々はう/″\つてさけむからそんなことになるんだな。
見舞みまひ盛花もりばなを、貴方あなたなんだとおもひます——わざとね——青山あをやま墓地ぼちつて、方々はう/″\はか手向たむけてあります、其中そのなかから、りたけれてないのをつて、こしらへてたんですもの、……
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
んだ玉子酒たまござけをしてひやがつて、亭主ていしゆ山越やまごえをして方々はう/″\あきなひをしてゐるに、かゝアは玉子酒たまござけをしてくらやアがる、まだあまつてゐるがんでやれ、オイだれだおくまか、どこへつたんだ。
わかひとの、やつがほに、いろさつのぼつて、——國々くに/″\島々しま/″\方々はう/″\が、いづれもおわかりのないとある、たゞ一句いつく不思議ふしぎな、みじかい、鸚鵡あうむこゑまをすのを、わたくしさきまをしてませう……もしや?……
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はなすがはやいか、さる方々はう/″\かけずりまはつて勝手放題かつてはうだい道楽だうらくをする、夜中よなかつきあかるときてらもんたゝいたこともあつたさうだし、ひと庖厨くりやしのんで、なべおほきいのと飯櫃めしびつ大屋根おほやねつてあがつて
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
弥吉やきち方々はう/″\のぞいたがだれません。ふとかこひけ、弥
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
方々はう/″\心當こゝろあたりをさが𢌞まはつた。
夜釣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
方々はう/″\かへるいて歩行あるいた。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)