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彼是
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かれこれ
ふりがな文庫
“
彼是
(
かれこれ
)” の例文
私の乗つてゐたAが、横須賀へ入港してから、三日目の午後、
彼是
(
かれこれ
)
三時頃でしたらう。勢よく例の上陸員整列の
喇叭
(
らつぱ
)
が鳴つたのです。
猿
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そこへ持って来て匡衡は、定基が妻を迎えたと
彼是
(
かれこれ
)
同じ頃に矢張り妻を迎えたのである。いずれもまだ何年もたたぬ前のことである。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ことに自分をよく知らぬものが、
彼是
(
かれこれ
)
批評することは、当を得ないことが多いから、自分を知れる人にその判断を任すれば事は足る。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「上田君一度君に御馳走をしたいと思つてるんだが、君は文壇の名士だから、名妓を引合はしたいと思つて、
彼是
(
かれこれ
)
銓衡中
(
せんかうちゆう
)
なんだ。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
待設
(
まちまう
)
けたりと云ひつゝ兩人
直
(
ずつ
)
と立上り左仲を中に
取圍
(
とりかこ
)
みサア懷中の金を置て
行
(
ゆけ
)
若
(
もし
)
彼是
(
かれこれ
)
いふ時は是非に及ばず
荒療治
(
あられうぢ
)
だぞと兩人左仲が手を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
S、H
氏
(
し
)
だけは「
彼是
(
かれこれ
)
言
(
い
)
ふべきものぢやない。
羨望
(
せんぼう
)
すべきものぢやないか」と
言
(
い
)
つたといふことを、二三
度
(
ど
)
或青年
(
あるせいねん
)
から、
私
(
わたし
)
は
聞
(
き
)
かされてゐた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
おくみはお邸を下つた当座一度会ひに行つたのを、たつたこなひだのやうに思つてゐたけれど、もう
彼是
(
かれこれ
)
四月から上になる。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
いうかとおもうと、早くも上がってきた頬に刀傷のある目の険しい五十
彼是
(
かれこれ
)
の渡世人上がりの四谷杉大門の寄席の主へ
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
彼是
(
かれこれ
)
百人近くはあつたらう、尤も野次馬の一群も立交つて居たが、口々に歌つて居るのが乃ち斯く申す新田耕助先生新作の校友歌であつたのである。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
どういうものかその後誰も来てこの家の始末を付けるものがなかった。雨が漏ったり、風が
壁板
(
したみ
)
を破ったりして、
彼是
(
かれこれ
)
一年余りもその
儘
(
まま
)
になっていた。
凍える女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
宗
(
そう
)
さん、あれこそ
本當
(
ほんたう
)
に
小六
(
ころく
)
が
使
(
つか
)
つちまつたんですよ。
小六
(
ころく
)
が
高等學校
(
かうとうがくかう
)
へ
這入
(
はい
)
つてからでも、もう
彼是
(
かれこれ
)
七百
圓
(
ゑん
)
は
掛
(
か
)
かつてゐるんですもの」と
答
(
こた
)
へた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しみ/″\
存
(
ぞん
)
じて
居
(
を
)
りますのは、まだ
七歳
(
なゝつ
)
八歳
(
やつ
)
、
御親父樣
(
ごしんぷさま
)
も、
御存命
(
ごぞんめい
)
の
時分
(
じぶん
)
でござりますから、
彼是
(
かれこれ
)
雜
(
ざつ
)
と二十
年
(
ねん
)
。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
權藏
(
ごんざう
)
は
最早
(
もう
)
彼是
(
かれこれ
)
六十です。けれども
日
(
ひ
)
の
出
(
い
)
づる
前
(
まへ
)
に
起
(
お
)
きて
日
(
ひ
)
の
沒
(
ぼつ
)
するまで
働
(
はたら
)
くことは
今
(
いま
)
も
昔
(
むかし
)
も
變
(
かは
)
りません。そして
大島老人
(
おほしまらうじん
)
が
彼
(
かれ
)
を
救
(
すく
)
ふた
時
(
とき
)
、
岩
(
いは
)
の
上
(
うえ
)
に
立
(
た
)
つて
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
小刀
(
ないふ
)
を
我
(
われ
)
劣
(
おとら
)
じと働かせながらも様々の意見を持出し
彼是
(
かれこれ
)
と闘わすに、余も目科も藻西太郎を真実の罪人に非ずと云うだけ初より一致して今も猶お同じ事なり
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
やがて、
彼是
(
かれこれ
)
十人
計
(
ばかり
)
の一行は主任の先導で、休憩室に宛てられた事務所の二階へ歩を移した、其時に順になったので、役人の親玉と次席と其次位は判別できた。
監獄部屋
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
彼是
(
かれこれ
)
を考うれば、生が苦心は水の
泡
(
あわ
)
にして、
反
(
かえ
)
って君の名を
辱
(
はずかし
)
むる不幸の決果を来さんかとも危まれ候……
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
其時
(
そのとき
)
に
俄盲目
(
にはかめくら
)
の
乞食
(
こじき
)
と見えまして、
細竹
(
ほそたけ
)
の
笻
(
つゑ
)
を
突
(
つ
)
いて
年齢
(
とし
)
の
頃
(
ころ
)
は
彼是
(
かれこれ
)
五十四五でもあらうかといふ男、見る影もない
襤褸
(
すぼろ
)
の
扮装
(
なり
)
で、
何
(
ど
)
うして
負傷
(
けが
)
を
致
(
いた
)
しましたか
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
如何に取扱が不平なりとてまさかに飯の事を
彼是
(
かれこれ
)
と口ぎたなく言ひ得べきにもあらねばそれも
尤
(
もっと
)
もなり。
従軍紀事
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
その敵も口で
彼是
(
かれこれ
)
喧
(
やかま
)
しく
云
(
い
)
うて
罵詈
(
ばり
)
する位は何でもないが、
唯
(
ただ
)
怖くて
堪
(
たま
)
らぬのは襲撃暗殺の一事です。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
僕は、河野が放蕩を始めたからと云って、それを
彼是
(
かれこれ
)
云おうとは思わない。いくら、遊蕩をしてもいゝが、創作の方面でもっと真剣であって呉れれば文句はないのだ。
神の如く弱し
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
苟しくも相撲を
彼是
(
かれこれ
)
と論ずる手合は、昂奮の青筋を額へ立てゝ論争したのも尤も千万であらう。
八百長くづれ
(新字旧仮名)
/
栗島山之助
(著)
彼是
(
かれこれ
)
するうちに、ちらちら白いものが落ちて来たので、さすがの私も、
聊
(
いささ
)
か閉口して、せめて小さな水車小屋でもよいから見つけたいものだと、空腹と疲労を物ともせず
狂女と犬
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
付けねばならず
彼是
(
かれこれ
)
の取まぎれに
何處
(
どこ
)
へも
暇乞
(
いとまご
)
ひには出ず廿五日出社の戻りに
須藤南翠
(
すどうなんすゐ
)
氏に出會ぬ
偖
(
さて
)
羨やましき事よ我も來年は京阪漫遊と思ひ立ぬせめても
心床
(
こゝろゆか
)
しに
汝
(
おんみ
)
の行を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
「差支ないんですって。兄さんは
悉皆
(
すっかり
)
気に入っているものですから、『見ろ。黒子なんか
彼是
(
かれこれ
)
言うのは迷信だ。何うもお前はお
饒舌
(
しゃべり
)
でいけない』って、お小言を
仰有
(
おっしゃ
)
いました」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
鳶の者は受合
旁故
(
かた/″\ゆえ
)
彼是
(
かれこれ
)
仕候内に、火勢強く左右より燃かかり候故、そりや釜の
中
(
うち
)
よといふやうな事にて釜へ入候處、釜は
沸上
(
わきあが
)
り、
烟
(
けぶ
)
りは吹かけ、大釜故入るには
鍔
(
つば
)
を足懸りに入候へ共
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
一人前の薬を三十分もかかって
彼是
(
かれこれ
)
と調合するのだね。僕らが詩や歌を作る時のように、コツコツとやっている。その事に遊びほれるのだ。色々の草や木の香いを嗅ぎ分けながらだよ。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
彼是
(
かれこれ
)
と目先の利に熱中し、山人に
妨碍
(
ぼうがい
)
を与え、脅迫がましき言を
弄
(
ろう
)
する人もあれど、また大に厚意を寄せて援助せらる愛山者もあるに依り、心強く感じて赤裸にて微力を傾注するのである。
尾瀬沼の四季
(新字新仮名)
/
平野長蔵
(著)
彼是
(
かれこれ
)
する間に、水光天色次第に金色に変じ、美しさ言うばかり無し。
大利根の大物釣
(新字新仮名)
/
石井研堂
(著)
物故
(
ぶつこ
)
してから、もう
彼是
(
かれこれ
)
五十年になるが、生前一時は
今紀文
(
いまきぶん
)
と
綽号
(
あだな
)
された事があるから、今でも名だけは聞いてゐる人があるかも知れない。
孤独地獄
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
扨も越前守殿には
暫時
(
しばらく
)
默
(
もく
)
して居られしが
頓
(
やが
)
て一同控へ居よと
云
(
いは
)
れコリヤ彦三郎其方共に
彼是
(
かれこれ
)
云込
(
いひこめ
)
られ此越前一言もなし之に因て彦三郎へ
褒美
(
はうび
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それに売物の事だから
彼是
(
かれこれ
)
言はうとも思はないが、一体何を
標準
(
めやす
)
に一万円といふ売値をつけたのだと訊いてみると、亡くなつた岡倉覚三氏がその画を見て
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それに私にしたところで、教育界に身を置いて
彼是
(
かれこれ
)
三十年の間、自分の耳の聾だつたのかも知れないが、今迄つひぞ悪い噂一つ立てられた事がない積りです。
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
彼是
(
かれこれ
)
を思合せて考へると——確かに先輩は人の知らない
覚期
(
かくご
)
を懐にして、
斯
(
こ
)
の飯山へ来たらしいのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
家
(
うち
)
を
持
(
も
)
つて
彼是
(
かれこれ
)
取
(
と
)
り
紛
(
まぎ
)
れてゐるうちに、
早
(
はや
)
半月
(
はんつき
)
餘
(
よ
)
も
經
(
た
)
つたが、
地方
(
ちはう
)
にゐる
時分
(
じぶん
)
あんなに
氣
(
き
)
にしてゐた
家邸
(
いへやしき
)
の
事
(
こと
)
は、ついまだ
叔父
(
をぢ
)
に
言
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
さずにゐた。ある
時
(
とき
)
御米
(
およね
)
が
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
草場
(
くさつぱ
)
の
夜露
(
よつゆ
)
が
酷
(
ひど
)
うございますで、
旦那
(
だんな
)
、お
袴
(
はかま
)
の
裾
(
すそ
)
が
濡
(
ぬ
)
れませう。
乘
(
の
)
つていらつしやいまし。ええ、
何
(
な
)
んでござります、
最
(
も
)
う
彼是
(
かれこれ
)
然
(
さ
)
うして
待
(
ま
)
ちますほどの
事
(
こと
)
もござりますまい。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
然
(
しか
)
るにお嬢様は此のお國を憎く思い、
互
(
たがい
)
にすれ/\になり、國々と呼び附けますると、お國は又お嬢様に
呼捨
(
よびすて
)
にされるを
厭
(
いや
)
に思い、お嬢様の事を
悪
(
あし
)
ざまに殿様に
彼是
(
かれこれ
)
と
告口
(
つげくち
)
をするので
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此二
(
このふたつ
)
の
悲劇
(
ひげき
)
が
終
(
をわ
)
つて
彼是
(
かれこれ
)
する
中
(
うち
)
、
大磯
(
おほいそ
)
へ
着
(
つ
)
くと
女中
(
ぢよちゆう
)
が三
人
(
にん
)
ばかり
老人夫婦
(
としよりふうふ
)
を
出迎
(
でむかへ
)
に
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
て、
其
(
その
)
一人
(
ひとり
)
が
窓
(
まど
)
から
渡
(
わた
)
した
包
(
つゝみ
)
を
大事
(
だいじ
)
さうに
受取
(
うけと
)
つた。
其中
(
そのなか
)
には
空虚
(
からつぽ
)
の
折箱
(
をり
)
も三ツ
入
(
はひ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのである。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
僕の銀座通りへ出た時には
彼是
(
かれこれ
)
日の暮も近づいてゐた。僕は両側に並んだ店や目まぐるしい人通りに一層憂欝にならずにはゐられなかつた。
歯車
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ば
偸
(
ぬす
)
み出したる五十兩
宅
(
たく
)
へ行れて
彼是
(
かれこれ
)
と其の事
露顯
(
ろけん
)
に及びなば第一養父は
豫
(
かね
)
ての
氣性
(
きしやう
)
如何成
騷
(
さわ
)
ぎに成やら知れずと思へば是も我が身の
難儀
(
なんぎ
)
と
屹度
(
きつと
)
思案を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
小六
(
ころく
)
が
藥取
(
くすりと
)
りから
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
て、
醫者
(
いしや
)
の
云
(
い
)
ひ
付
(
つ
)
け
通
(
どほ
)
り
服藥
(
ふくやく
)
を
濟
(
す
)
ましたのは、もう
彼是
(
かれこれ
)
十二
時
(
じ
)
近
(
ちか
)
くであつた。それから二十
分
(
ぷん
)
と
經
(
た
)
たないうちに、
病人
(
びやうにん
)
はすや/\
寐入
(
ねい
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
父の存命中は毎月
為替
(
かはせ
)
で送つて居たが、今は其を
為
(
す
)
る必要も無いかはり、帰省の当時大分
費
(
つか
)
つた為に
斯金
(
このかね
)
が大切のものに成つて居る、
彼是
(
かれこれ
)
を考へると左様無暗には費はれない。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
かうして一億弗を
数
(
よ
)
み尽さうとするには先づ十年近くかゝり、も一つ進んで十億弗の銀貨になると、それを勘定するには毎日八時間働き通して、
彼是
(
かれこれ
)
百年近くかゝる事になる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それを
彼是
(
かれこれ
)
荒立って見ると事柄が面倒になるから、
私
(
わたし
)
も許すから、
併
(
しか
)
しお前も預り物を
紛失
(
ふんじつ
)
して
嘸
(
さぞ
)
心配であろうが、幸い此の紙入に二十両
遺
(
のこ
)
って有るから、お前にこれを進上するから
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其
(
そ
)
の
上
(
うへ
)
好奇心
(
かうきしん
)
にも
駆
(
か
)
られたでせう。
直
(
す
)
ぐにも
草鞋
(
わらぢ
)
を
買
(
か
)
はして、と
思
(
おも
)
つたけれども、
彼是
(
かれこれ
)
晩方
(
ばんがた
)
に
成
(
な
)
つたから、
宿
(
やど
)
の
主人
(
あるじ
)
を
強
(
し
)
ゐて、
途中
(
とちゆう
)
まで
案内者
(
あんないしや
)
を
着
(
つ
)
けさせることにして、
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
の
晩飯
(
ばんめし
)
は
済
(
すま
)
せました。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しかも
彼是
(
かれこれ
)
真夜中
(
まよなか
)
になると、その早桶のおのづからごろりと転げるといふに至つては、——明治時代の本所はたとひ草原には乏しかつたにもせよ
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
で、機械や
小舎
(
こや
)
の
修繕
(
ていれ
)
などを見込むと、鼠一頭の純益が一年に
彼是
(
かれこれ
)
三円はあるさうだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
彼是
(
かれこれ
)
九つと思う時刻になると、読みかけた本を投げ棄て、風呂敷包みを持出しましたから、お町はあゝ又風呂敷包みが出たかと思うと、包を
解
(
ほど
)
いて
前
(
ぜん
)
申し上げた通り南蛮鍛えの鎖帷子
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
思ひ立つたのは
朝
(
あさ
)
であつたが、新聞を読んで愚図々々してゐるうちに
午
(
ひる
)
になる。
午飯
(
ひる
)
を
食
(
た
)
べたから、出掛様とすると、久し振に熊本
出
(
で
)
の友人が
来
(
く
)
る。漸くそれを帰したのは
彼是
(
かれこれ
)
四時過ぎである。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
斯う決心して、生徒に言つて聞かせる言葉、進退伺に書いて出す文句、其他
種々
(
いろ/\
)
なことまでも想像して、一夜を人々と一緒に蓮太郎の
遺骸
(
なきがら
)
の前で過したのであつた。
彼是
(
かれこれ
)
するうちに、鶏が鳴いた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
山路
(
やまみち
)
六
里
(
り
)
……
彼是
(
かれこれ
)
七
里
(
り
)
でございます。」
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
常用漢字
中学
部首:⼻
8画
是
常用漢字
中学
部首:⽇
9画
“彼是”で始まる語句
彼是間