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凉
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すゞ
ふりがな文庫
“
凉
(
すゞ
)” の例文
油煙
(
ゆえん
)
がぼうつと
騰
(
あが
)
るカンテラの
光
(
ひかり
)
がさういふ
凡
(
すべ
)
てを
凉
(
すゞ
)
しく
見
(
み
)
せて
居
(
ゐ
)
る。
殊
(
こと
)
に
斷
(
た
)
ち
割
(
わ
)
つた
西瓜
(
すゐくわ
)
の
赤
(
あか
)
い
切
(
きれ
)
は
小
(
ちひ
)
さな
店
(
みせ
)
の
第
(
だい
)
一の
飾
(
かざ
)
りである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
更
(
ふ
)
け
行
(
ゆ
)
く
閨
(
ねや
)
に
聲
(
こゑ
)
もなく、
凉
(
すゞ
)
しい
目
(
め
)
ばかりぱち/\させて、
鐘
(
かね
)
の
音
(
ね
)
も
聞
(
きこ
)
えぬのを、
徒
(
いたづら
)
に
指
(
ゆび
)
を
折
(
を
)
る、
寂々
(
しん/\
)
とした
板戸
(
いたど
)
の
外
(
そと
)
に、ばさりと
物音
(
ものおと
)
。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
昨夜
(
さくや
)
も、
一昨夜
(
いつさくや
)
も、
夕食
(
ゆふしよく
)
果
(
は
)
てゝ
後
(
のち
)
は
部室
(
へや
)
の
窓
(
まど
)
を
開放
(
あけはな
)
して、
海
(
うみ
)
から
送
(
おく
)
る
凉
(
すゞ
)
しき
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれながら、さま/″\の
雜談
(
ざつだん
)
に
耽
(
ふけ
)
るのが
例
(
れい
)
であつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
隣家
(
となり
)
に
咲
(
さ
)
ける
遲咲
(
おそざき
)
きの
卯
(
う
)
の
花
(
はな
)
、
都
(
みやこ
)
めづらしき
垣根
(
かきね
)
の
雪
(
ゆき
)
の、
凉
(
すゞ
)
しげなりしを
思
(
おも
)
ひ
出
(
いづ
)
ると
共
(
とも
)
に、
月
(
つき
)
に
見合
(
みあ
)
はせし
花
(
はな
)
の
眉
(
まゆ
)
はぢて
背
(
そむ
)
けしえり
足
(
あし
)
の
美
(
うつ
)
くしさ
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
承
(
うけた
)
まはり候へば
此廓
(
このさと
)
の火宅を今日しも
御放
(
おはな
)
れ候て
凉
(
すゞ
)
しき方へ
御根引
(
おねびき
)
の
花
(
はな
)
珍敷
(
めづらしき
)
新枕
(
にひまくら
)
御羨敷
(
おうらやましき
)
は物かは
殊
(
こと
)
に殿には
木
(
き
)
そもじ樣は
土
(
つち
)
陰陽
(
いんやう
)
を起し
陽
(
やう
)
は
養
(
やう
)
にして一
生
(
しやう
)
養
(
やしな
)
ふを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
道子
(
みちこ
)
は
客
(
きやく
)
よりも
早
(
はや
)
く
着
(
き
)
てゐる
物
(
もの
)
をぬぎながら、
枕元
(
まくらもと
)
の
窓
(
まど
)
の
硝子障子
(
がらすしやうじ
)
をあけ、「こゝの
家
(
うち
)
、
凉
(
すゞ
)
しいでせう。」
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
向
(
むか
)
ふ
側
(
かわ
)
ではSH
氏
(
し
)
の
夫人
(
ふじん
)
らしい、ちら/\
動
(
うご
)
く
星
(
ほし
)
のやうな
目
(
め
)
の
極
(
きわ
)
めて
凉
(
すゞ
)
しい
人
(
ひと
)
が、
無邪気
(
むじやき
)
な
表情
(
へうぜう
)
をしてゐるのが
目
(
め
)
についた。
私
(
わたくし
)
の
脇
(
わき
)
にゐるお
転婆
(
てんば
)
さんが
彼女
(
かのじよ
)
を
讃
(
ほ
)
めてゐた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
雀
(
すゞめ
)
が四五
羽
(
は
)
で、
凉
(
すゞ
)
しい
樹蔭
(
こかげ
)
にあそんでゐると、そこへ
烏
(
からす
)
がどこからか
飛
(
と
)
んで
來
(
き
)
ました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
空
(
そら
)
は
爽
(
さはやか
)
に
晴
(
は
)
れて、
遠
(
とほ
)
く
木立
(
こだち
)
の
空
(
そら
)
に
接
(
せつ
)
する
邊
(
あたり
)
も
見渡
(
みわた
)
される
凉
(
すゞ
)
しい
日和
(
ひより
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
そしてそれは
夕方
(
ゆふがた
)
、
風
(
かぜ
)
が
凉
(
すゞ
)
しくなる
頃
(
ころ
)
までつづきました。
お母さん達
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
其
(
そ
)
れが
凉
(
すゞ
)
しい
夏
(
なつ
)
の
夜
(
よ
)
で
女
(
をんな
)
が
男
(
をとこ
)
を
待
(
ま
)
つ
時
(
とき
)
には
毎日
(
まいにち
)
汗
(
あせ
)
に
汚
(
よご
)
れ
易
(
やす
)
いさうして
其
(
そ
)
の
飾
(
かざ
)
りでなければ
成
(
な
)
らぬ
手拭
(
てぬぐひ
)
の
洗濯
(
せんたく
)
に
暇
(
ひま
)
どるのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何故
(
なぜ
)
でもいけませぬ、
私
(
わたし
)
は
我
(
わが
)
まゝ
故
(
ゆゑ
)
、
申
(
まをす
)
まいと
思
(
おも
)
ふ
時
(
とき
)
は
何
(
ど
)
うしても
嫌
(
い
)
やでござんすとて、ついと
立
(
た
)
つて
椽
(
ゑん
)
がはへ
出
(
いづ
)
るに、
雲
(
くも
)
なき
空
(
そら
)
の
月
(
つき
)
かげ
凉
(
すゞ
)
しく
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
印度洋
(
インドやう
)
中
(
ちう
)
の
氣※
(
きかう
)
程
(
ほど
)
變化
(
へんくわ
)
の
激
(
はげ
)
しいものはない、
今
(
いま
)
は五
月
(
ぐわつ
)
の
中旬
(
ちうじゆん
)
、
凉
(
すゞ
)
しい
時
(
とき
)
は
實
(
じつ
)
に
心地
(
こゝち
)
よき
程
(
ほど
)
凉
(
すゞ
)
しいが、
暑
(
あつ
)
い
時
(
とき
)
は
日本
(
につぽん
)
の
暑中
(
しよちう
)
よりも一
層
(
そう
)
暑
(
あつ
)
いのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
往来
(
わうらい
)
の片側に長くつゞいた
土塀
(
どべい
)
からこんもりと枝を
伸
(
のば
)
した繁りの
蔭
(
かげ
)
がいかにも
凉
(
すゞ
)
しさうに思はれた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
蒸暑
(
むしあつ
)
い
中
(
うち
)
にも
凡
(
すべ
)
てが
水
(
みづ
)
の
樣
(
やう
)
な
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
を
浴
(
あ
)
びて
凉
(
すゞ
)
しい
微風
(
びふう
)
が
土
(
つち
)
に
觸
(
ふ
)
れて
渡
(
わた
)
つた。おつぎは
臼
(
うす
)
から
餅
(
もち
)
を
拗切
(
ねぢき
)
つて
茗荷
(
めうが
)
の
葉
(
は
)
に
乘
(
の
)
せて
一
(
ひと
)
つ/\
膳
(
ぜん
)
へ
並
(
なら
)
べた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
居
(
ゐ
)
て
見
(
み
)
、
首筋
(
くびすぢ
)
が
薄
(
うす
)
かつたと
猶
(
なほ
)
ぞいひける、
單衣
(
ひとへ
)
は
水色友仙
(
みづいろゆうぜん
)
の
凉
(
すゞ
)
しげに、
白茶金
(
しらちやきん
)
らんの
丸帶
(
まるおび
)
少
(
すこ
)
し
幅
(
はゞ
)
の
狹
(
せま
)
いを
結
(
むす
)
ばせて、
庭石
(
にはいし
)
に
下駄
(
げだ
)
直
(
なほ
)
すまで
時
(
とき
)
は
移
(
うつ
)
りぬ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
日
(
ひ
)
は
漸
(
やうや
)
く
高
(
たか
)
く、
風
(
かぜ
)
は
凉
(
すゞ
)
しく、
船
(
ふね
)
の
進行
(
すゝみ
)
は
矢
(
や
)
のやうである。
私
(
わたくし
)
は
甲板
(
かんぱん
)
の
安樂倚子
(
あんらくゐす
)
に
身
(
み
)
をよせて
倩々
(
つら/\
)
と
考
(
かんが
)
へた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「ぢや、ストリツプは
皆
(
みんな
)
さうね。
暑
(
あつ
)
い
時
(
とき
)
は
凉
(
すゞ
)
しくつていゝわ。さア、あんたもおぬぎなさいよ。」と
道子
(
みちこ
)
は
男
(
をとこ
)
のぬぎかけるワイシヤツを
後
(
うしろ
)
から
手
(
て
)
つだつて
引
(
ひ
)
きはがした。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
要
(
えう
)
なき
胸
(
むね
)
は
痛
(
いた
)
めけん、
愚
(
おろ
)
かしさよと
一人
(
ひとり
)
笑
(
ゑ
)
みして、
竹椽
(
ちくえん
)
のはしに
足
(
あし
)
を
休
(
やす
)
めぬ、
晩風
(
ばんぷう
)
凉
(
すゞ
)
しく
袂
(
たもと
)
に
通
(
かよ
)
ひて、
空
(
そら
)
に
飛
(
とび
)
かふ
蝙蝠
(
かはほり
)
のかげ二つ三つ、
夫
(
それ
)
すら
漸
(
やうや
)
く
見
(
み
)
えず
成
(
なり
)
ゆく
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
人家
(
じんか
)
の
軒下
(
のきした
)
や
路地口
(
ろぢぐち
)
には話しながら
凉
(
すゞ
)
んでゐる人の
浴衣
(
ゆかた
)
が
薄暗
(
うすぐら
)
い
軒燈
(
けんとう
)
の光に
際立
(
きはだ
)
つて白く見えながら、あたりは一体にひつそりして
何処
(
どこ
)
かで犬の
吠
(
ほ
)
える声と
赤児
(
あかご
)
のなく声が
聞
(
きこ
)
える。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
打
(
うち
)
うめかれしをお
出入
(
でいり
)
の
槖駝師
(
たくだし
)
某
(
それ
)
なるもの
承
(
うけたま
)
はりて、
拙郎
(
やつがれ
)
が
谷中
(
やなか
)
の
茅屋
(
ぼうおく
)
せき
入
(
い
)
れし
水
(
みづ
)
の
風流
(
みやび
)
やかなるは
無
(
な
)
きものから、
紅塵千丈
(
こうじんせんぢやう
)
の
市中
(
まちなか
)
ならねば
凉
(
すゞ
)
しきかげもすこしはあり
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
門口
(
かどぐち
)
に
柳
(
やなぎ
)
のある新しい二階
家
(
や
)
からは
三味線
(
しやみせん
)
が
聞
(
きこ
)
えて、水に添ふ低い
小家
(
こいへ
)
の
格子戸外
(
かうしどそと
)
には
裸体
(
はだか
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
が
凉
(
すゞ
)
みに出はじめた。
長吉
(
ちやうきち
)
はもう来る
時分
(
じぶん
)
であらうと思つて
一心
(
いつしん
)
に橋
向
(
むか
)
うを
眺
(
なが
)
めた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
凉
部首:⼎
10画
“凉”を含む語句
夕凉
荒凉
夜凉
凉傘
蔭凉軒
小峰凉庵
陰凉軒日録
納凉場
爽凉
清凉里
清凉紫宸
橋納凉
朝凉
新宮凉庭
凉風
凉雨
凉軒
凉菟
凉船
凉炉
...