トップ
>
色彩
>
しきさい
ふりがな文庫
“
色彩
(
しきさい
)” の例文
小倉嘉門の後家の家は、谷口金五郎の家とよく似ては居りますが、それよりは更に贅澤で、いくらか女世帶らしい
色彩
(
しきさい
)
があります。
銭形平次捕物控:203 死人の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
代助は立ちながら、
画巻物
(
ゑまきもの
)
を
展開
(
てんかい
)
した様な、
横長
(
よこなが
)
の
色彩
(
しきさい
)
を眺めてゐたが、どう云ふものか、
此前
(
このまへ
)
来
(
き
)
て見た時よりは、
痛
(
いた
)
く見劣りがする。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただ花の器官に大小
広狭
(
こうきょう
)
、ならびに
色彩
(
しきさい
)
の違いがあるばかりだ。すなわち
最外
(
さいがい
)
の大きな三
片
(
ぺん
)
が
萼片
(
がくへん
)
で、次にある
狭
(
せま
)
き三片が
花弁
(
かべん
)
である。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
見わたすと、その檸檬の
色彩
(
しきさい
)
はガチヤガチヤした色の階調をひつそりと紡錘形の身體の中へ吸收してしまつて、カーンと
冴
(
さ
)
えかへつてゐた。
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
すると、色とりどりの
華
(
はな
)
やかさが
眼
(
め
)
にうつりました。
床
(
ゆか
)
から
天井
(
てんじょう
)
まで、まばゆいほどの
色彩
(
しきさい
)
と金めっきをほどこした絵がかかっていました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
その
日
(
ひ
)
から、この
花
(
はな
)
の
生活
(
せいかつ
)
は、一
変
(
ぺん
)
したのでした。
花壇
(
かだん
)
には、
赤
(
あか
)
や、
黄
(
き
)
や、
紫
(
むらさき
)
や、
白
(
しろ
)
や、さまざまな
色彩
(
しきさい
)
の
花
(
はな
)
が、いっぱいに
咲
(
さ
)
いていました。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
唯、金環蝕が終って
陽
(
よう
)
のはじまるときに生をうけた子供が、五月の
微風
(
びふう
)
にそよぐ若葉の
色彩
(
しきさい
)
の中に、すくすくと伸びてゆくことを
祈
(
いの
)
るのみである。
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
すべての
色彩
(
しきさい
)
と形が水中へ入れば一律に化生せしめられるように人間のモラルもここでは揮発性と操持性とを失った。いわば善悪が
融着
(
ゆうちゃく
)
してしまった世界である。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
あゝ汝はアゴッビオの
譽
(
ほまれ
)
、
巴里
(
パリージ
)
にて
色彩
(
しきさい
)
と
稱
(
とな
)
へらるゝ
技
(
わざ
)
の譽なるオデリジならずや。 七九—八一
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
按
(
あん
)
ずるに春琴の稽古振りが鞭撻の
域
(
いき
)
を通り
越
(
こ
)
して往々意地の悪い
折檻
(
せっかん
)
に発展し
嗜虐
(
しぎゃく
)
的
色彩
(
しきさい
)
をまで帯びるに至ったのは幾分か名人意識も手伝っていたのであろうすなわちそれを
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
更
(
さら
)
にくすんだ
赭
(
あか
)
い
欅
(
けやき
)
の
梢
(
こずゑ
)
にも
微妙
(
びめう
)
な
色彩
(
しきさい
)
を
發揮
(
はつき
)
せしめて、
殊
(
こと
)
に
其
(
そ
)
の
間
(
あひだ
)
に
交
(
まじ
)
つた
槭
(
もみぢ
)
の
大樹
(
たいじゆ
)
は
此
(
これ
)
も
冴
(
さ
)
えない
梢
(
こずゑ
)
に
日
(
ひ
)
は
全力
(
ぜんりよく
)
を
傾注
(
けいちゆう
)
して
驚
(
おどろ
)
くべき
莊嚴
(
さうごん
)
で
且
(
か
)
つ
鮮麗
(
せんれい
)
な
光
(
ひかり
)
を
放射
(
はうしや
)
せしめた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
われら
此
(
こ
)
の
烈
(
はげ
)
しき
大都会
(
だいとくわい
)
の
色彩
(
しきさい
)
を
視
(
なが
)
むるもの、
奥州辺
(
おうしうへん
)
の
物語
(
ものがたり
)
を
読
(
よ
)
み、
其
(
そ
)
の
地
(
ち
)
の
婦人
(
ふじん
)
を
想像
(
さうざう
)
するに、
大方
(
おほかた
)
は
安達
(
あだち
)
ヶ
原
(
はら
)
の
婆々
(
ばゞ
)
を
想
(
おも
)
ひ、もつぺ
穿
(
は
)
きたる
姉
(
あねえ
)
をおもひ、
紺
(
こん
)
の
褌
(
ふんどし
)
の
媽々
(
かゝあ
)
をおもふ。
甲冑堂
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
堺は当時の
開港場
(
かいこうじょう
)
だったので、ものめずらしい
異国
(
いこく
)
の
色彩
(
しきさい
)
があふれていた。
唐
(
から
)
や、
呂宋
(
ルソン
)
や、
南蛮
(
なんばん
)
の器物、織物などを、見たりもとめたりするのも、ぜひここでなければならなかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
畫題
(
ぐわだい
)
といひ
色彩
(
しきさい
)
といひ、
自分
(
じぶん
)
のは
要
(
えう
)
するに
少年
(
せうねん
)
が
書
(
か
)
いた
畫
(
ぐわ
)
、
志村
(
しむら
)
のは
本物
(
ほんもの
)
である。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
と、
夫
(
をつと
)
は四五
間
(
けん
)
向
(
むか
)
うに
立
(
た
)
つてゐる
子供
(
こども
)
の
方
(
はう
)
へ
色
(
いろ
)
どりしたゴム
鞠
(
まり
)
を
投
(
な
)
げた。が、
夏繪
(
なつゑ
)
は
息込
(
いきご
)
んでゐたのがまたも
受
(
う
)
け
取
(
と
)
りそこねて、
鞠
(
まり
)
は
色彩
(
しきさい
)
を
躍
(
をど
)
らしながらうしろの
樹蔭
(
こかげ
)
へころがつて
行
(
い
)
つた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
その
色彩
(
しきさい
)
の豊かさは、興国塾の塾生たちの眼を見張らせるのに十分であった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
いろいろな服装や
色彩
(
しきさい
)
が、
処々
(
ところどころ
)
に配置された橙や青の
盛花
(
もりばな
)
と入りまじり、秋の空気はすきとおって水のよう、信者たちも
又
(
また
)
さっきとは打って変って、しいんとして式の始まるのを待っていました。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
梯子
(
はしご
)
の
樣
(
やう
)
な
細長
(
ほそなが
)
い
枠
(
わく
)
へ
紙
(
かみ
)
を
張
(
は
)
つたり、ペンキ
塗
(
ぬり
)
の一
枚板
(
まいいた
)
へ
模樣畫
(
もやうぐわ
)
見
(
み
)
た
樣
(
やう
)
な
色彩
(
しきさい
)
を
施
(
ほど
)
こしたりしてある。
宗助
(
そうすけ
)
はそれを
一々
(
いち/\
)
讀
(
よ
)
んだ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
このごろ、
絵
(
え
)
をかいてみたいという
気
(
き
)
がおこったので、こうしている
間
(
ま
)
も、
物
(
もの
)
と
物
(
もの
)
との
関係
(
かんけい
)
や、
光線
(
こうせん
)
と
色彩
(
しきさい
)
などを、
注意
(
ちゅうい
)
するようになりました。
道の上で見た話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
娘らしく何んとなく
艶
(
なまめ
)
かしい
色彩
(
しきさい
)
と、ほのかな匂ひは
漂
(
たゞよ
)
ひますが、調度は至つて粗末で、押入から引出した荷物の中にも、ろくな着物がありません。
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
けれども、それは木でこしらえてあって、それに
色彩
(
しきさい
)
をほどこし、金めっきをしたものなのです。そしてそれは、壁に打ちこまれた一本の
木釘
(
きくぎ
)
で、しっかりととめられています。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
……
一人
(
ひとり
)
や
二人
(
ふたり
)
はあつたらうが、
場所
(
ばしよ
)
が
廣
(
ひろ
)
いし、
殆
(
ほとん
)
ど
影
(
かげ
)
もないから
寂寞
(
ひつそり
)
して
居
(
ゐ
)
た。
柄
(
え
)
を
持
(
も
)
つた
手許
(
てもと
)
をスツと
潛
(
くゞ
)
つて、
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
へ、
恐
(
おそ
)
らく
鼻
(
はな
)
と
並
(
なら
)
ぶくらゐに
衝
(
つ
)
と
鮮
(
あざや
)
かな
色彩
(
しきさい
)
を
見
(
み
)
せた
蟲
(
むし
)
がある。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
健康
(
けんこう
)
の
人
(
ひと
)
の
住
(
す
)
む
世界
(
せかい
)
と、
病人
(
びょうにん
)
の
住
(
す
)
む
世界
(
せかい
)
と、もし二つの
世界
(
せかい
)
が
別
(
べつ
)
であるなら、それを
包
(
つつ
)
む
空気
(
くうき
)
、
気分
(
きぶん
)
、
色彩
(
しきさい
)
が、また
異
(
こと
)
なっているでありましょう。
雲と子守歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其
動機
(
どうき
)
は、
単
(
たん
)
に哲学上の好奇心から
来
(
き
)
た
事
(
こと
)
もあるし、又
世間
(
せけん
)
の現象が、
余
(
あま
)
りに
複雑
(
ふくざつ
)
な
色彩
(
しきさい
)
を以て、
彼
(
かれ
)
の
頭
(
あたま
)
を染め
付
(
つ
)
けやうと
焦
(
あせ
)
るから
来
(
く
)
る事もあるし
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
いづれも
天竺
(
てんぢく
)
の名木で作つたものでせう、
色彩
(
しきさい
)
も
剥落
(
はくらく
)
してまことに
慘憺
(
さんたん
)
たる有樣ですが、男女二體の
彫像
(
てうざう
)
の内、男體の額に
鏤
(
ちりば
)
めた夜光の珠は
燦然
(
さんぜん
)
として
方丈
(
はうぢやう
)
の堂内を睨むのでした。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼女
(
かのじょ
)
らの、この
町
(
まち
)
を
去
(
さ
)
ってしまうということは、
楽
(
たの
)
しみと
色彩
(
しきさい
)
に
乏
(
とぼ
)
しいこのあたりの
人々
(
ひとびと
)
に、なんとなくさびしいことに
感
(
かん
)
じられたのであります。
初夏の空で笑う女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
狹
(
せま
)
い
京都
(
きやうと
)
に
飽
(
あ
)
きた
宗助
(
そうすけ
)
は、
單調
(
たんてう
)
な
生活
(
せいくわつ
)
を
破
(
やぶ
)
る
色彩
(
しきさい
)
として、さう
云
(
い
)
ふ
出來事
(
できごと
)
も百
年
(
ねん
)
に一
度
(
ど
)
位
(
ぐらゐ
)
は
必要
(
ひつえう
)
だらうと
迄
(
まで
)
思
(
おも
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
又
(
また
)
は
最初
(
さいしよ
)
から、
色彩
(
しきさい
)
の
薄
(
うす
)
い
極
(
きは
)
めて
通俗
(
つうぞく
)
の
人間
(
にんげん
)
が、
習慣的
(
しふくわんてき
)
に
夫婦
(
ふうふ
)
の
關係
(
くわんけい
)
を
結
(
むす
)
ぶために
寄
(
よ
)
り
合
(
あ
)
つた
樣
(
やう
)
にも
見
(
み
)
えた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
他
(
た
)
の
鳥
(
とり
)
は
羽
(
はね
)
は
美
(
うつく
)
しく、ちょうど
美
(
うつく
)
しい
織物
(
おりもの
)
か、また
彩
(
いろど
)
られた
絵
(
え
)
を
見
(
み
)
るように
華
(
はな
)
やかであったけれど、からすは
真
(
ま
)
っ
黒
(
くろ
)
で、その
体
(
からだ
)
には
珍
(
めずら
)
しい、
美
(
うつく
)
しい、
色彩
(
しきさい
)
もついていませんでした。
からすの唄うたい
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
是
(
これ
)
と云ふ程の大した装飾もなかつた。彼に云はせると、
額
(
がく
)
さへ気の
利
(
き
)
いたものは掛けてなかつた。
色彩
(
しきさい
)
として
眼
(
め
)
を
惹
(
ひ
)
く程に
美
(
うつく
)
しいのは、本棚に並べてある洋書に集められたと云ふ位であつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
にこやかに
笑
(
わら
)
っていました。
体
(
からだ
)
には、
紅
(
あか
)
・
紫
(
むらさき
)
・
黄
(
き
)
・
金
(
きん
)
・
銀
(
ぎん
)
、あらゆるまばゆいほどの
華
(
はな
)
やかな
色彩
(
しきさい
)
で
織
(
お
)
られた
着物
(
きもの
)
をまとっていました。
髪
(
かみ
)
は、
長
(
なが
)
く、
黄金色
(
こがねいろ
)
の
波
(
なみ
)
のようにまき
上
(
あ
)
がっていました。
山の上の木と雲の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“色彩”の意味
《名詞》
色彩(しきさい)
物事の傾向や特色。
(出典:Wiktionary)
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
彩
常用漢字
中学
部首:⼺
11画
“色彩”で始まる語句
色彩家
色彩間苅豆
色彩法
色彩派
色彩的
色彩論
色彩人形
色彩信号
色彩畫家
色彩畫派的