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温
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あたゝ
ふりがな文庫
“
温
(
あたゝ
)” の例文
かうして
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
の
空氣
(
くうき
)
は、
常
(
つね
)
に
林
(
はやし
)
の
外
(
そと
)
と
比
(
くら
)
べて、
晝間
(
ちゆうかん
)
は
涼
(
すゞ
)
しく、
夜間
(
やかん
)
は
温
(
あたゝ
)
かで、
從
(
したが
)
つて
晝
(
ひる
)
と
夜
(
よる
)
とで
氣温
(
きおん
)
が
急
(
きゆう
)
に
變
(
かは
)
ることを
和
(
やは
)
らげます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
多分、もしか私が
温
(
あたゝ
)
かい家庭と、やさしい兩親の側を離れたばかりだつたら、これこそ何よりも強く別離を悲しむ時間なのだらう。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
葉末
(
はずゑ
)
におく
露
(
つゆ
)
ほども
知
(
し
)
らず
笑
(
わら
)
ふて
暮
(
く
)
らす
春
(
はる
)
の
日
(
ひ
)
もまだ
風
(
かぜ
)
寒
(
さむ
)
き二月
半
(
なか
)
ば
梅
(
うめ
)
見
(
み
)
て
来
(
こ
)
んと
夕暮
(
ゆふぐれ
)
や
摩利支天
(
まりしてん
)
の
縁日
(
ゑんにち
)
に
連
(
つら
)
ぬる
袖
(
そで
)
も
温
(
あたゝ
)
かげに。
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それだのに
同
(
おな
)
じ
雪
(
ゆき
)
を
戴
(
いたゞ
)
いたこゝの
庇
(
ひさし
)
は、
彼女
(
かのぢよ
)
にその
冷
(
ひ
)
え
切
(
き
)
つた
心
(
こゝろ
)
を
温
(
あたゝ
)
められて、
今
(
いま
)
は
惜
(
を
)
しげもなく
愛
(
あい
)
の
雫
(
しづく
)
を
滴
(
したゝ
)
らしてゐるのだ。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
香は天つ風の烈しく吹くにも
圧
(
お
)
されず、色は白璧を削りたればとてかくはあらじと思はるゝまで潔きが中に猶
温
(
あたゝ
)
かげなるおもむきさへあり。
花のいろ/\
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
ラヴェンナはいまも過ぬる
幾年
(
いくとせ
)
とかはらじ、ポレンタの鷲これを
温
(
あたゝ
)
め、その翼をもてさらにチェルヴィアを覆ふ 四〇—四二
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
鳥
(
とり
)
がとまりに
行
(
ゆ
)
くところは
木
(
き
)
です。
子供
(
こども
)
が
冷
(
つめた
)
いからだを
温
(
あたゝ
)
めに
行
(
ゆ
)
くところは、
家
(
うち
)
のものゝ
顏
(
かほ
)
の
見
(
み
)
られる
炬燵
(
こたつ
)
です。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それから二三分は
全
(
まつた
)
く静かになつた。部屋は
煖炉
(
だんろ
)
で
温
(
あたゝ
)
めてある。
今日
(
けふ
)
は
外面
(
そと
)
でも、さう寒くはない。
風
(
かぜ
)
は死に尽した。
枯
(
か
)
れた
樹
(
き
)
が
音
(
おと
)
なく冬の
日
(
ひ
)
に
包
(
つゝ
)
まれて立つてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
去
(
さん
)
ぬる
年
(
とし
)
、
中泉
(
なかいづみ
)
から
中尊寺
(
ちうそんじ
)
に
詣
(
まう
)
でた六
月
(
ぐわつ
)
のはじめには、
細流
(
さいりう
)
に
影
(
かげ
)
を
宿
(
やど
)
して、
山吹
(
やまぶき
)
の
花
(
はな
)
の、
堅
(
かた
)
く
貝
(
かひ
)
を
刻
(
きざ
)
めるが
如
(
ごと
)
く
咲
(
さ
)
いたのを
見
(
み
)
た。
彼
(
かれ
)
は
冷
(
つめた
)
き
黄金
(
わうごん
)
である。
此
(
これ
)
は
温
(
あたゝ
)
かき
瑠璃
(
るり
)
である。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
子あるまゝを塩引にしたるを
子籠
(
ここも
)
りといふ、古へのすはよりといひしも是ならんか。本草に
鮏
(
さけ
)
味
(
あぢ
)
はひ
甘
(
うま
)
く
微温
(
やはらか
)
毒
(
どく
)
なし、
主治
(
きゝみち
)
中
(
うち
)
を
温
(
あたゝ
)
め
気
(
き
)
を
壮
(
さかん
)
にす、多く
喰
(
くら
)
へば
痰
(
たん
)
を
発
(
おこ
)
すといへり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
心臓肺臓などが
温
(
あたゝ
)
まるので、こんな嬉しいことはありません、時にお茶代の礼に来ましたか
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
乳母
(
うば
)
めに、
情
(
じゃう
)
が
燃
(
も
)
えてゐたら、
若
(
わか
)
い
温
(
あたゝ
)
かい
血
(
ち
)
があったら、テニスの
球
(
たま
)
のやうに、
予
(
わし
)
が
吩咐
(
いひつ
)
くるや
否
(
いな
)
や
戀人
(
こひゞと
)
の
許
(
とこ
)
へ
飛
(
と
)
んで
行
(
ゆ
)
き、また
戀人
(
こひゞと
)
の
返辭
(
へんじ
)
と
共
(
とも
)
に
予
(
わし
)
の
手元
(
てもと
)
へ
飛返
(
とびかへ
)
って
來
(
き
)
つらうもの。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「
必然
(
ひつぜん
)
の
惡
(
あく
)
」を
解釋
(
かいしやく
)
して
遊歩塲
(
いうほぢやう
)
の
一少女
(
いつせうぢよ
)
を
點出
(
てんしゆつ
)
しかの
癖漢
(
へきかん
)
の
正義
(
せいぎ
)
を
狂欲
(
きやうよく
)
する
情
(
じやう
)
を
描
(
えが
)
き、
或
(
あるひ
)
は
故郷
(
こきやう
)
にありしときの
温
(
あたゝ
)
かき
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
せしめ、
又
(
ま
)
た
生活
(
せいくわつ
)
の
苦戰塲
(
くせんぢやう
)
に
入
(
い
)
りて
朋友
(
はうゆう
)
に
一身
(
いつしん
)
を
談
(
だん
)
ずる
處
(
ところ
)
あり。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
われは
日頃
(
ひごろ
)
約翰様
(
ヨハネさま
)
に
帰依信仰
(
きえしんかう
)
してゐる。
此御方
(
このおかた
)
もやはり
浮浪
(
ふらう
)
の
身
(
み
)
にあらせられて、
接続
(
つゞき
)
の
無
(
な
)
いお
言葉
(
ことば
)
を
申
(
まを
)
されたでは
無
(
な
)
いか。
嘸
(
さぞ
)
かし
温
(
あたゝ
)
かいお
言葉
(
ことば
)
であつたらう。さう
言
(
い
)
へば、
今年
(
ことし
)
の
春
(
はる
)
も
実
(
じつ
)
に
温和
(
をんわ
)
だ。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
「早くブチまけなよ、
温
(
あたゝ
)
めておくほどの話ぢやあるまい」
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
主個の
老人
(
らうじん
)
押禁
(
おしとゞ
)
め彌生と言ど未だ寒きに
冷酒
(
れいしゆ
)
は
身體
(
からだ
)
の
毒
(
どく
)
なればツイ
温
(
あたゝ
)
めて差上んと娘に
吩咐
(
いひつけ
)
温めさせ料理は
御持參
(
ごぢさん
)
なされたれば此方で
馳走
(
ちそう
)
の
爲樣
(
しやう
)
もなし責て
新漬
(
しんづけ
)
の
香物
(
かうのもの
)
なりともと言へば娘は
心得
(
こゝろえ
)
て出して與ふる
饗應振
(
もてなしぶり
)
此方は主個に
酒盞
(
さかづき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
これを終へてから、私はまだ暫くぐづ/\してゐた。露が
下
(
お
)
りたので花の群はとりわけ甘い香を放つて、非常に
温
(
あたゝ
)
かく
和
(
なご
)
やかな、
快
(
こゝろ
)
よい夕暮であつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
知
(
し
)
らないお
婆
(
ばあ
)
さんは
見
(
み
)
かけによらない
優
(
やさ
)
しい人でして、
學校通
(
がくかうかよ
)
ひをする
生徒
(
せいと
)
がかじかんだ
手
(
て
)
をして
居
(
ゐ
)
ましたら、それをお
婆
(
ばあ
)
さんは
自分
(
じぶん
)
の
手
(
て
)
で
温
(
あたゝ
)
めて
呉
(
く
)
れました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
森林
(
しんりん
)
でおほはれてゐる
土地
(
とち
)
は、
日光
(
につこう
)
は
枝葉
(
えだは
)
で
遮
(
さへ
)
ぎられて、
地面
(
じめん
)
を
温
(
あたゝ
)
めることが
少
(
すくな
)
いのと、もう
一
(
ひと
)
つは、
日光
(
につこう
)
が
直射
(
ちよくしや
)
によつて
葉
(
は
)
の
面
(
めん
)
の
水分
(
すいぶん
)
が
蒸發
(
じようはつ
)
するときに、
多量
(
たりよう
)
の
潜熱
(
せんねつ
)
を
必要
(
ひつよう
)
とします。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
(
人肌
(
ひとはだ
)
にて
温
(
あたゝ
)
むはもつともよし)
手足
(
てあし
)
の
凍
(
こゞえ
)
たるも
強
(
つよ
)
き
湯火
(
たうくわ
)
にてあたゝむれば、
陽気
(
やうき
)
いたれば
灼傷
(
やけど
)
のごとく
腫
(
はれ
)
、つひに
腐
(
くさり
)
て
指
(
ゆび
)
をおとす、百
薬
(
やく
)
功
(
こう
)
なし。これ
我
(
わ
)
が見たる所を
記
(
しる
)
して人に
示
(
しめ
)
す。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
醫者
(
いしや
)
は
芥子
(
からし
)
を
局部
(
きよくぶ
)
へ
貼
(
は
)
る
事
(
こと
)
と、
足
(
あし
)
を
濕布
(
しつぷ
)
で
温
(
あたゝ
)
める
事
(
こと
)
と、
夫
(
それ
)
から
頭
(
あたま
)
を
氷
(
こほり
)
で
冷
(
ひや
)
す
事
(
こと
)
とを、
應急
(
おうきふ
)
手段
(
しゆだん
)
として
宗助
(
そうすけ
)
に
注意
(
ちゆうい
)
した。さうして
自分
(
じぶん
)
で
芥子
(
からし
)
を
掻
(
か
)
いて、
御米
(
およね
)
の
肩
(
かた
)
から
頸
(
くび
)
の
根
(
ね
)
へ
貼
(
は
)
り
付
(
つ
)
けて
呉
(
く
)
れた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
口移しに水を
啣
(
ふく
)
ませ、お竹を□□めて
我
(
わが
)
肌の
温
(
あたゝ
)
かみで暖めて居ります内に、雪はぱったり止み、雲が切れて十四
日
(
か
)
の月が段々と差昇ってまいる内に、雪明りと
月光
(
つきあか
)
りとで
熟々
(
つく/″\
)
お竹の顔を見ますと
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
停車場
(
ステーシヨン
)
で
銭
(
ぜに
)
で
買
(
か
)
つた
饂飩
(
うどん
)
を
温
(
あたゝ
)
め
抱
(
いだ
)
くのだとは
思
(
おも
)
はれない。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
地
(
つち
)
は固く、空氣は靜かで、私の行く路には人一人ゐなかつた。私は、身體が
温
(
あたゝ
)
かになるまで、急ぎ足に歩いた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
温
常用漢字
小3
部首:⽔
12画
“温”を含む語句
温順
温和
温泉
温柔
温気
生温
微温
温暖
温習
温味
温雅
微温湯
温泉宿
温泉場
温厚
温室
温湯
温石
温突
温度
...