トップ
>
夜風
>
よかぜ
ふりがな文庫
“
夜風
(
よかぜ
)” の例文
今まで蒸熱かった此
一室
(
ひとま
)
へ冷たい
夜風
(
よかぜ
)
が、音もなく吹き込むと「夜風に当ると悪いでしょうよ、
私
(
わたし
)
は宜いからお閉めなさいよ、」
二少女
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
傾
(
かたむ
)
けて
見返
(
みかへ
)
るともなく
見返
(
みかへ
)
る
途端
(
とたん
)
目
(
め
)
に
映
(
うつ
)
るは
何物
(
なにもの
)
蓬頭亂面
(
ほうとうらんめん
)
の
青年
(
せいねん
)
車夫
(
しやふ
)
なりお
高
(
たか
)
夜風
(
よかぜ
)
の
身
(
み
)
にしみてかぶる/\と
震
(
ふる
)
へて
立止
(
たちどま
)
りつゝ
此雪
(
このゆき
)
にては
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
垣根
(
かきね
)
のきわに
植
(
う
)
わっているみかんの
木
(
き
)
が、
黒々
(
くろぐろ
)
として、
夜風
(
よかぜ
)
の
渡
(
わた
)
るたび、
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
にちかちかと、
葉
(
は
)
がぬれるごとく
見
(
み
)
えました。
夢のような昼と晩
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
持
(
もち
)
おもりのする
番傘
(
ばんがさ
)
に、
片手腕
(
かたてうで
)
まくりがしたいほど、
身
(
み
)
のほてりに
夜風
(
よかぜ
)
の
冷
(
つめた
)
い
快
(
こゝろよ
)
さは、
横町
(
よこちやう
)
の
錢湯
(
せんたう
)
から
我家
(
わがや
)
へ
歸
(
かへ
)
る
趣
(
おもむき
)
がある。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
靜
(
しづ
)
かなよひで、どことはなしに青
葉
(
は
)
の
香
(
か
)
をにほはせたかぐはしい
夜風
(
よかぜ
)
が
庭
(
には
)
先から
流
(
なが
)
れてくる。二人の
間
(
あひだ
)
にはそのまま
暫
(
しば
)
らく
何
(
なん
)
の詞も交されなかつた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
▼ もっと見る
「ああ、こんな
多遅比
(
たじひ
)
の野の中に
寝
(
ね
)
るのだとわかっていたら、
夜風
(
よかぜ
)
を防ぐたてごもなりと持って来ようものを」
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
行燈
(
あんどん
)
の
灯
(
ひ
)
が
長
(
なが
)
く
影
(
かげ
)
をひいた、その
鼠色
(
ねずみいろ
)
に
包
(
つつ
)
まれたまま、
石
(
いし
)
のように
硬
(
かた
)
くなったおこのの
髪
(
かみ
)
が二
筋
(
すじ
)
三
筋
(
すじ
)
、
夜風
(
よかぜ
)
に
怪
(
あや
)
しくふるえて、
心
(
こころ
)
もち
青
(
あお
)
みを
帯
(
お
)
びた
頬
(
ほほ
)
のあたりに、ほのかに
汗
(
あせ
)
がにじんでいた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そう考えるだけでも、ふさふさした
黒髪
(
くろかみ
)
が
夜風
(
よかぜ
)
に
逆立
(
さかだ
)
ちそうだった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
うすものの二尺のたもとすべりおちて蛍ながるる
夜風
(
よかぜ
)
の青き
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
ほとほと遠く、物ごゑの
夜風
(
よかぜ
)
に消えて
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
消燈喇叭
(
せうとうらっぱ
)
は
夜風
(
よかぜ
)
を
衝
(
つ
)
いて
響
(
ひび
)
き
渡
(
わた
)
り
一九三二・二・二六:―白テロに斃た××聯隊の革命的兵士に―
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
夜風
(
よかぜ
)
とどろきひのきはみだれ
『春と修羅』
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
切
(
き
)
る
夜風
(
よかぜ
)
に
破
(
やぶ
)
れ
屏風
(
びやうぶ
)
の
内
(
うち
)
心配
(
しんぱい
)
になりて
絞
(
しぼ
)
つて
歸
(
かへ
)
るから
車財布
(
ぐるまざいふ
)
のものゝ
少
(
すくな
)
き
程
(
ほど
)
苦勞
(
くらう
)
のたかの
多
(
おほ
)
くなりてまたぐ
我家
(
わがや
)
の
閾
(
しきゐ
)
の
高
(
たか
)
さ
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そのうちに、
松
(
まつ
)
の
木
(
き
)
は
都会
(
とかい
)
の
煙
(
けむり
)
や、ほこりがかかって、だんだん
元気
(
げんき
)
がなくなりました。
夜風
(
よかぜ
)
が
吹
(
ふ
)
くと、
松
(
まつ
)
の
木
(
き
)
はあの
海岸
(
かいがん
)
の
岩山
(
いわやま
)
をなつかしく
思
(
おも
)
いました。
海へ帰るおじさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
待
(
ま
)
て、よくは
分
(
わか
)
らぬ、
其処等
(
そこら
)
と
言
(
い
)
ふか、
祠
(
ほこら
)
と
言
(
い
)
ふか、
声
(
こゑ
)
を
伝
(
つた
)
へる
生暖
(
なまぬる
)
い
夜風
(
よかぜ
)
もサテぼやけたが、……
帰
(
かへ
)
り
路
(
みち
)
なれば
引返
(
ひきかへ
)
して、うか/\と
漫歩行
(
そゞろある
)
きの
踵
(
きびす
)
を
返
(
かへ
)
す。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
花
(
はな
)
は
夜風
(
よかぜ
)
に
乗
(
の
)
って
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秋の
夜風
(
よかぜ
)
に
混
(
まじ
)
り
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
糸織
(
いとおり
)
の
小袖
(
こそで
)
を
重
(
かさ
)
ねて、
縮緬
(
ちりめん
)
の
羽織
(
はおり
)
にお
高祖頭巾
(
こそづきん
)
、
脊
(
せい
)
の
高
(
たか
)
き
人
(
ひと
)
なれば
夜風
(
よかぜ
)
を
厭
(
いと
)
ふ
角袖外套
(
かくそでぐわいとう
)
のうつり
能
(
よ
)
く、では
行
(
い
)
つて
來
(
き
)
ますると
店口
(
みせぐち
)
に
駒下駄
(
こまげた
)
直
(
なほ
)
させながら、
太吉
(
たきち
)
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夜風
(
よかぜ
)
は、
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
に
当
(
あ
)
たって、かすかに
鳴
(
な
)
り
音
(
おと
)
をたてています。そして、あたりは、まったく
夜
(
よる
)
となってしまった。みんなは、ようやく
気味悪
(
きみわる
)
さを
感
(
かん
)
じはじめたのです。
木に上った子供
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
が、
夜風
(
よかぜ
)
も、
白露
(
しらつゆ
)
も、
皆
(
みな
)
夢
(
ゆめ
)
である。
其
(
そ
)
の
風
(
かぜ
)
は
黒
(
くろ
)
く、
其
(
そ
)
の
露
(
つゆ
)
も
赤
(
あか
)
からう。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その
晩
(
ばん
)
、
二人
(
ふたり
)
は、
炭
(
すみ
)
をたくかまどのかたわらで
語
(
かた
)
り
明
(
あ
)
かしました。
夜風
(
よかぜ
)
が
渡
(
わた
)
ると、
降
(
ふ
)
るように
落
(
お
)
ち
葉
(
ば
)
が、
小舎
(
こや
)
の
屋根
(
やね
)
にかかりました。
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けて、
男
(
おとこ
)
が
出
(
で
)
かけるときに
手風琴
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
中村
(
なかむら
)
さんと
唐突
(
だしぬけ
)
に
背中
(
せなか
)
たゝかれてオヤと
振
(
ふ
)
り
返
(
か
)
へれば
束髪
(
そくはつ
)
の一
群
(
むれ
)
何
(
なに
)
と
見
(
み
)
てかおむつましいことゝ
無遠慮
(
ぶゑんりよ
)
の一
言
(
ごん
)
たれが
花
(
はな
)
の
唇
(
くちびる
)
をもれし
詞
(
ことば
)
か
跡
(
あと
)
は
同音
(
どうおん
)
の
笑
(
わら
)
ひ
声
(
ごゑ
)
夜風
(
よかぜ
)
に
残
(
のこ
)
して
走
(
はし
)
り
行
(
ゆ
)
くを
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
押
(
お
)
す
手
(
て
)
にいよいよ
動悸
(
どうき
)
たかく、
噛
(
か
)
みしめる
袖
(
そで
)
に
涙
(
なみだ
)
こぼれて、
令孃
(
ひめ
)
は
暫時
(
しばらく
)
うち
伏
(
ふ
)
して
泣
(
な
)
きけるが、
吹入
(
ふきい
)
る
夜風
(
よかぜ
)
たが
魂
(
たましひ
)
か、あくがるヽ
心
(
こヽろ
)
此處
(
こヽ
)
に
堪
(
たへ
)
がたく、
靜
(
しづ
)
かに
立
(
た
)
つて
妻戸
(
つまど
)
を
押
(
お
)
せば
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
私
(
わたし
)
の
小
(
ちい
)
さい
時分
(
じぶん
)
には、この、えのきの
木
(
き
)
の
実
(
み
)
をたまにして、
竹
(
たけ
)
で
鉄砲
(
てっぽう
)
を
造
(
つく
)
ったものです。」と、おじさんは、
夜風
(
よかぜ
)
に、さらさらと
葉
(
は
)
のそよいで
鳴
(
な
)
る、えのきの
木
(
き
)
を
見上
(
みあ
)
げました。
子供の床屋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
やがて、そのひづめの
音
(
おと
)
が、
聞
(
き
)
こえなくなると、
後
(
あと
)
には、
夜風
(
よかぜ
)
の
空
(
そら
)
を
渡
(
わた
)
る
音
(
おと
)
がかすかにしました。しかしこうして、ひづめの
音
(
おと
)
は、
夜中
(
よなか
)
、
家々
(
いえいえ
)
の
前
(
まえ
)
をいくたびも
往来
(
おうらい
)
したのであります。
赤い姫と黒い皇子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
覺悟
(
かくご
)
の
身
(
み
)
に
今更
(
いまさら
)
の
涙
(
なみだ
)
見苦
(
みぐる
)
しゝと
勵
(
はげ
)
ますは
詞
(
ことば
)
ばかり
我
(
わ
)
れまづ
拂
(
はら
)
ふ
瞼
(
まぶた
)
の
露
(
つゆ
)
の
消
(
き
)
えんとする
命
(
いのち
)
か
扨
(
さて
)
もはかなし
此處
(
こゝ
)
松澤
(
まつざは
)
新田
(
につた
)
が
先祖累代
(
せんぞるゐだい
)
の
墓所
(
ぼしよ
)
晝
(
ひる
)
猶
(
なほ
)
暗
(
くら
)
き
樹木
(
じゆもく
)
の
茂
(
しげ
)
みを
吹拂
(
ふきはら
)
ふ
夜風
(
よかぜ
)
いとゞ
悲慘
(
ひさん
)
の
聲
(
こゑ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
生憎
(
あいにく
)
夜風
(
よかぜ
)
の
身
(
み
)
に
寒
(
さぶ
)
く、
夢
(
ゆめ
)
のやうなる
考
(
かんが
)
へ
又
(
また
)
もやふつと
吹破
(
ふきやぶ
)
られて、ええ
私
(
わたし
)
は
其
(
その
)
やうな
心弱
(
こゝろよわ
)
い
事
(
こと
)
に
引
(
ひ
)
かれてならうか、
最初
(
さいしよ
)
あの
家
(
うち
)
に
嫁入
(
よめいり
)
する
時
(
とき
)
から、
東二郎
(
とうじらう
)
どのを
良人
(
をつと
)
と
定
(
さだ
)
めて
行
(
い
)
つたのでは
無
(
な
)
いものを
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“夜風”の解説
「夜風」(よかぜ)は、DEEPの楽曲。小竹正人が作詞、マシコタツロウが作曲を手掛けた。DEEPの10枚目のシングルとして2012年12月19日にrhythm zoneから発売された。
(出典:Wikipedia)
夜
常用漢字
小2
部首:⼣
8画
風
常用漢字
小2
部首:⾵
9画
“夜”で始まる語句
夜
夜半
夜更
夜中
夜叉
夜具
夜鷹
夜寒
夜明
夜業