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見覚
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みおぼ
ふりがな文庫
“
見覚
(
みおぼ
)” の例文
旧字:
見覺
平生
(
へいぜい
)
腰かがみて
衣物
(
きもの
)
の
裾
(
すそ
)
の引きずるを、三角に取り上げて前に縫いつけてありしが、まざまざとその通りにて、
縞目
(
しまめ
)
にも
見覚
(
みおぼ
)
えあり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
いったいだれだろうと
思
(
おも
)
って、かなたの
往来
(
おうらい
)
を
走
(
はし
)
ってゆく
少年
(
しょうねん
)
の
顔
(
かお
)
をながめましたが、まったく
見覚
(
みおぼ
)
えのない
少年
(
しょうねん
)
でありました。
金の輪
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
程
(
ほど
)
なく
一人
(
ひとり
)
のお
爺
(
じい
)
さんの
指導霊
(
しどうれい
)
に
連
(
つ
)
れられて、よく
見覚
(
みおぼ
)
えのある、あの
美
(
うつく
)
しい
敦子
(
あつこ
)
さまがそこへひょっくりと
現
(
あら
)
われました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
警官
(
けいかん
)
の顔を見て、それから
見覚
(
みおぼ
)
えのあるわたしを見つけると、ガロフォリは青くなって、ぎょっとしたようであった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「おォ、おォ、亀之助ンとこの子供かい。どうりで
見覚
(
みおぼ
)
えがあると思った。暫く見ないうちに大きくなったもんだネ」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
ところが先生はしばらく
沈吟
(
ちんぎん
)
したあとで、「どうも君の顔には
見覚
(
みおぼ
)
えがありませんね。人違いじゃないですか」
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして
須利耶
(
すりや
)
さまは、たしかにその子供に
見覚
(
みおぼ
)
えがございました。
最初
(
さいしょ
)
のものは、もはや
地面
(
じめん
)
に
達
(
たっ
)
しまする。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
するとそれはかねてお
見覚
(
みおぼ
)
えのある
女鳥王
(
めとりのみこ
)
のお
持物
(
もちもの
)
でしたので皇后はにわかにお顔色をお変えになり、この女にばかりはかしわの葉をおくだしにならないで
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
五日
(
いつか
)
ばかり
学校
(
がくかう
)
から
帰
(
かへ
)
つちやあ
其足
(
そのあし
)
で
鳥屋
(
とりや
)
の
店
(
みせ
)
へ
行
(
い
)
つてじつと
立
(
た
)
つて
奥
(
おく
)
の
方
(
はう
)
の
暗
(
くら
)
い
棚
(
たな
)
ん
中
(
なか
)
で、コト/\と
音
(
おと
)
をさして
居
(
ゐ
)
る
其
(
その
)
鳥
(
とり
)
まで
見覚
(
みおぼ
)
えたけれど、
翼
(
はね
)
の
生
(
は
)
へた
姉
(
ねえ
)
さんは
居
(
ゐ
)
ないのでぼんやりして
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
淡
(
あは
)
き
見覚
(
みおぼ
)
え
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
墓地
(
ぼち
)
は
雪
(
ゆき
)
に
埋
(
う
)
まっていましたけれど、
勇
(
いさむ
)
ちゃんは、
木
(
き
)
に
見覚
(
みおぼ
)
えがあったので、この
下
(
した
)
にお
姉
(
ねえ
)
さんが
眠
(
ねむ
)
っていると
教
(
おし
)
えたのでした。
青い星の国へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そのとき空のかなたから
忽然
(
こつぜん
)
として現われたのは、
見覚
(
みおぼ
)
えのあるヘリコプター、しかも進路は万国堂の方向である。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
次の朝行きて見ればもちろんその
跡方
(
あとかた
)
もなく、また誰も
外
(
ほか
)
にこれを見たりという人はなかりしかど、その枕にしてありし石の形と
在
(
あ
)
りどころとは昨夜の
見覚
(
みおぼ
)
えの通りなり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
身
(
み
)
には
平袖
(
ひらそで
)
の
白衣
(
びゃくい
)
を
着
(
き
)
て、
帯
(
おび
)
を
前
(
まえ
)
で
結
(
むす
)
び、
何
(
なに
)
やら
絵
(
え
)
で
見覚
(
みおぼ
)
えの
天人
(
てんにん
)
らしい
姿
(
すがた
)
、そして
何
(
な
)
んともいえぬ
威厳
(
いげん
)
と
温情
(
おんじょう
)
との
兼
(
か
)
ね
具
(
そなわ
)
った、
神々
(
こうごう
)
しい
表情
(
ひょうじょう
)
で
凝乎
(
じっ
)
と
私
(
わたくし
)
を
見
(
み
)
つめて
居
(
お
)
られます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
かれはわたしを
見覚
(
みおぼ
)
えていたが、中へ入れてはくれないで、両親はもうルイスへ向けて立ったから、急いであとを追っかけろと言って、もうすこしでもぐずぐずしてはいられないとせきたてた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
たいていの
船
(
ふね
)
はみな
見覚
(
みおぼ
)
えがあるばかりでなしに、
私
(
わたし
)
よりみんなずっと
船
(
ふね
)
の
年
(
とし
)
も
若
(
わか
)
いものばかりだ。
古
(
ふる
)
くて
今
(
いま
)
から二十
年
(
ねん
)
と
上
(
うえ
)
に
出
(
で
)
る
船
(
ふね
)
はあるまい。
カラカラ鳴る海
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
仏は、そこへ並べられたバッグを見たが、一向
見覚
(
みおぼ
)
えがないものだった。記憶の消滅の
情
(
なさ
)
けなさ。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
母
(
はは
)
の
枕辺
(
まくらべ
)
には
人間
(
にんげん
)
は
約
(
やく
)
十
人
(
にん
)
余
(
あま
)
り、
何
(
いず
)
れも
眼
(
め
)
を
泣
(
な
)
きはらして、
永
(
なが
)
の
別
(
わか
)
れを
惜
(
おし
)
んでいましたが、それ
等
(
ら
)
の
人達
(
ひとたち
)
の
中
(
なか
)
で
私
(
わたくし
)
が
生前
(
せいぜん
)
存
(
ぞん
)
じて
居
(
お
)
りましたのはたった
二人
(
ふたり
)
ほどで、
他
(
た
)
は
見覚
(
みおぼ
)
えのない
人達
(
ひとたち
)
ばかりでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その子はなんだか
見覚
(
みおぼ
)
えがあるように思った。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「おまえさんたちは、どこからおいでになりました。
私
(
わたし
)
は、ちっとも
見覚
(
みおぼ
)
えがないが。」と、おばあさんは
答
(
こた
)
えました。
おじいさんの家
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
なるほど
頤髯
(
あごひげ
)
に
見覚
(
みおぼ
)
えのある戸波博士が、帆村の手によって牛乳車の中から助け出されていた。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
やはり
海岸
(
かいがん
)
に
立
(
た
)
って、いっしんに
沖
(
おき
)
の
方
(
ほう
)
を
見
(
み
)
ていますと、なつかしい、
見覚
(
みおぼ
)
えのある
仲間
(
なかま
)
の
乗
(
の
)
っている
船
(
ふね
)
が、
波
(
なみ
)
を
切
(
き
)
って
湾
(
わん
)
の
中
(
なか
)
へはいってきました。
幽霊船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼はそれを下へ下ろし、開いても見たが全然
見覚
(
みおぼ
)
えのないものだった。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
馬
(
うま
)
は、またおばあさんの
家
(
うち
)
で、
長
(
なが
)
く
働
(
はたら
)
いた、
見覚
(
みおぼ
)
えのある
馬
(
うま
)
でした。
他人
(
たにん
)
の
手
(
て
)
に
渡
(
わた
)
ってから、どうなったであろうと、つねに
思
(
おも
)
っていた
馬
(
うま
)
でありました。
千羽鶴
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「君たち夫婦の中で、この女の顔に
見覚
(
みおぼ
)
えのある者はいないかね?」
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼
(
かれ
)
は、うなずきますと、おじいさんは、
先
(
さき
)
になって
歩
(
ある
)
きました。やがて、
見覚
(
みおぼ
)
えのある
街
(
まち
)
に
出
(
で
)
ました。そこには、
彼
(
かれ
)
のよくいったカフェーがありました。
銀のつえ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
真
(
ま
)
ん
中
(
なか
)
にどろがついているのや、
尾
(
お
)
に
赤
(
あか
)
いひもと
白
(
しろ
)
いひもがついているのや、すべてに
見覚
(
みおぼ
)
えがありました。
西洋だこと六角だこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そう
思
(
おも
)
うと、つぎからつぎと
去年
(
きょねん
)
のことが
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
されて、なつかしくなりました。もずは、
野原
(
のはら
)
を
越
(
こ
)
して、
山
(
やま
)
を
越
(
こ
)
して、
見覚
(
みおぼ
)
えのある
村
(
むら
)
へと
飛
(
と
)
んできました。
もずとすぎの木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
佐吉
(
さきち
)
は、なんとなく、
見覚
(
みおぼ
)
えのあるおじいさんのように
思
(
おも
)
いましたので、じっとその
顔
(
かお
)
を
見上
(
みあ
)
げていますと
酔っぱらい星
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかし、あの
時計
(
とけい
)
についている、
磁石
(
じしゃく
)
の
般若
(
はんにゃ
)
の
面
(
めん
)
は、
子供
(
こども
)
の
時分
(
じぶん
)
から
父親
(
ちちおや
)
の
胸
(
むね
)
にすがって、
見覚
(
みおぼ
)
えのあるなつかしいものだ。いまも、あのかざりだけは
目
(
め
)
に
残
(
のこ
)
っている。
般若の面
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
森
(
もり
)
があって、その
下
(
した
)
に
人家
(
じんか
)
の
見
(
み
)
えるところへ
近
(
ちか
)
づいたときに、
若者
(
わかもの
)
は、
行
(
ゆ
)
く
手
(
て
)
に
勘太
(
かんた
)
じいさんが、あの
破
(
やぶ
)
れた
帽子
(
ぼうし
)
をかぶり、
見覚
(
みおぼ
)
えのある
半纒
(
はんてん
)
を
着
(
き
)
て、
股引
(
ももひ
)
きをはいて
なつかしまれた人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
自転車
(
じてんしゃ
)
の
上
(
うえ
)
の
小
(
ちい
)
さな
箱
(
はこ
)
の
舞台
(
ぶたい
)
の
中
(
なか
)
には、
見覚
(
みおぼ
)
えのある
赤
(
あか
)
トラの
絵
(
え
)
が
出
(
で
)
ていました。七、八
人
(
にん
)
も
子供
(
こども
)
があめを
買
(
か
)
わなければ、おじさんは、
説明
(
せつめい
)
をはじめないのが
常
(
つね
)
でありました。
花の咲く前
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
中
(
なか
)
には、一ぴきの
犬
(
いぬ
)
が、わらの
上
(
うえ
)
にはらばいになっていましたが、その
白
(
しろ
)
と
黒
(
くろ
)
のぶち
犬
(
いぬ
)
を、どこかで
見覚
(
みおぼ
)
えがありましたので、からすは、じろじろと
犬
(
いぬ
)
の
方
(
ほう
)
をながめていました。
からすとうさぎ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
小鳥
(
ことり
)
がどこまでもついていってくれるのを
頼
(
たよ
)
りに
旅
(
たび
)
を
続
(
つづ
)
けられていますと、ある
日
(
ひ
)
のこと、お
姫
(
ひめ
)
さまは
見覚
(
みおぼ
)
えのあるお
城
(
しろ
)
の
森
(
もり
)
が、あちらにそびえているのをごらんになりました。
お姫さまと乞食の女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
見覚
(
みおぼ
)
えのあるからすの
群
(
む
)
れは、
頭
(
あたま
)
の
上
(
うえ
)
を
過
(
す
)
ぎたのでした。そして、
翼
(
つばさ
)
のいたんだ、
哀
(
あわ
)
れなからすは
今日
(
きょう
)
はみんなから、ずっと
後
(
おく
)
れて、わずかにその
列
(
れつ
)
に
加
(
くわ
)
わっていたのでありました。
翼の破れたからす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
どんな
汽罐車
(
きかんしゃ
)
であるかしれないけれど、そんなことをしてしらぬ
顔
(
かお
)
をしているとは
冷酷
(
れいこく
)
な
汽罐車
(
きかんしゃ
)
である。
私
(
わたし
)
がいって
不心得
(
ふこころえ
)
をさとしてやるから、もし
見覚
(
みおぼ
)
えがあったら
聞
(
き
)
かしなさい。
負傷した線路と月
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
このとき、ふいに、
目
(
め
)
の
前
(
まえ
)
へ
美
(
うつく
)
しい、やさしそうな
女
(
おんな
)
があらわれました。
少年
(
しょうねん
)
は、びっくりしました。よく、
月
(
つき
)
の
明
(
あ
)
かりでその
顔
(
かお
)
を
見
(
み
)
ると、どこか
見覚
(
みおぼ
)
えのあるような
気
(
き
)
がしました。
酒屋のワン公
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「この
真珠
(
しんじゅ
)
の
珠
(
たま
)
には
見覚
(
みおぼ
)
えがあるが、だれからもらった?」と、ききました。
一粒の真珠
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いったいあの
少年
(
しょうねん
)
は
自分
(
じぶん
)
の
知
(
し
)
っているものだかだれだかと
思
(
おも
)
って
近
(
ちか
)
づいてみますと、かつて
見覚
(
みおぼ
)
えのない、
色
(
いろ
)
の
白
(
しろ
)
い、
目
(
め
)
つきのやさしそうな、なんとなく
気高
(
けだか
)
いところのある
少年
(
しょうねん
)
でありました。
どこで笛吹く
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
赤
(
あか
)
い
旗
(
はた
)
のなびいていると、ああ、それはここからたいへん
遠
(
とお
)
い
南
(
みなみ
)
の
国
(
くに
)
でありますよ。
私
(
わたし
)
が、たしかに
見覚
(
みおぼ
)
えがあります。しかし、その
町
(
まち
)
を
過
(
す
)
ぎたのは、三
年前
(
ねんまえ
)
でした。」と、
薬売
(
くすりう
)
りは
答
(
こた
)
えました。
金の魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
真吉
(
しんきち
)
は、たまらなくなって、しくしくとそでに
顔
(
かお
)
をあてて
泣
(
な
)
いたのでした。そのうちに
汽車
(
きしゃ
)
は
動
(
うご
)
き
出
(
だ
)
しました。だんだん
走
(
はし
)
ると、いつか、
見覚
(
みおぼ
)
えのある
山
(
やま
)
までが、ついに
見
(
み
)
えなくなってしまいました。
真吉とお母さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「このこまどりに
見覚
(
みおぼ
)
えがあるか。」と、
小僧
(
こぞう
)
に、たずねました。
こまどりと酒
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
娘
(
むすめ
)
は、ある
日
(
ひ
)
、その
町
(
まち
)
の
中
(
なか
)
を
歩
(
ある
)
いていました。いつかの
人形屋
(
にんぎょうや
)
にゆこうと
思
(
おも
)
っていました。
晩方
(
ばんがた
)
の
夢
(
ゆめ
)
のようにかすんだ
空
(
そら
)
の
下
(
した
)
を、
紫色
(
むらさきいろ
)
の
光
(
ひかり
)
のさす
店
(
みせ
)
を
探
(
さが
)
しながら
見覚
(
みおぼ
)
えのある
路次
(
ろじ
)
に
入
(
はい
)
ってゆきました。
気まぐれの人形師
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「なんだか、
見覚
(
みおぼ
)
えのあるような
松
(
まつ
)
の
木
(
き
)
だな。」
曠野
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
覚
常用漢字
小4
部首:⾒
12画
“見”で始まる語句
見
見惚
見物
見出
見下
見上
見送
見透
見做
見当