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利
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り
ふりがな文庫
“
利
(
り
)” の例文
僕の友だちは僕のやうに年とつた
小役人
(
こやくにん
)
の
息子
(
むすこ
)
ばかりではない。が、誰も「
利
(
り
)
いちやん」の言葉には驚嘆せずにはゐられなかつた。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
時には相手が笑つてゐて、
何時
(
いつ
)
迄も要領を得ない事がある。与次郎は
之
(
これ
)
を
人
(
ひと
)
利
(
り
)
あらずと号してゐる。
或時
(
あるとき
)
便所から
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た教授を
捕
(
つら
)
まへた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
兵法
(
へいはふ
)
に、百
里
(
り
)
にして
(四六)
利
(
り
)
に
趣
(
おもむ
)
く
者
(
もの
)
は、
上將
(
じやうしやう
)
を
蹶
(
たふ
)
し、五十
里
(
り
)
にして
利
(
り
)
に
趣
(
おもむ
)
く
者
(
もの
)
は、
(四七)
軍
(
ぐん
)
、
半
(
なか
)
ば
至
(
いた
)
る
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
かさね
來
(
き
)
しが
當代
(
たうだい
)
の
新田
(
につた
)
のあるじは
家
(
いへ
)
につきて
血統
(
ちすぢ
)
ならず
一人娘
(
ひとりむすめ
)
に
入夫
(
にふふ
)
の
身
(
み
)
なりしかば
相
(
あひ
)
思
(
おも
)
ふの
心
(
こゝろ
)
も
深
(
ふか
)
からず
且
(
かつ
)
は
利
(
り
)
にのみ
走
(
はし
)
る
曲者
(
くせもの
)
なればかねては
松澤
(
まつざは
)
が
隆盛
(
りうせい
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ハテ
岩崎弥之助君
(
いはさきやのすけくん
)
です、
何
(
なん
)
だつて
日本銀行総裁
(
にほんぎんかうさうさい
)
といふのだから
金
(
きん
)
の
利
(
り
)
ばかりも
何
(
ど
)
の
位
(
くらゐ
)
あがるか
大層
(
たいさう
)
な事です、アノ
御方
(
おかた
)
の
槍
(
やり
)
でも
突
(
つ
)
いて立つた姿は、
毘沙門天
(
びしやもんてん
)
の
相
(
さう
)
もあります
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
利
(
り
)
をもつて
歐洲
(
をうしう
)
の
某
(
ぼう
)
強國
(
きやうこく
)
と
結托
(
けつたく
)
して、
年々
(
ねん/\
)
五千
萬弗
(
まんどる
)
に
近
(
ちか
)
い
賄賂
(
わいろ
)
を
納
(
をさ
)
めて
居
(
を
)
る
爲
(
ため
)
に、
却
(
かへ
)
つて
隱然
(
いんぜん
)
たる
保護
(
ほご
)
を
受
(
う
)
け、
折
(
をり
)
ふし
其
(
その
)
船
(
ふね
)
が
貿易港
(
ぼうえきかう
)
に
停泊
(
ていはく
)
する
塲合
(
ばあひ
)
には
立派
(
りつぱ
)
な
國籍
(
こくせき
)
を
有
(
いう
)
する
船
(
ふね
)
として
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
この
機会
(
きかい
)
に乗じて
自
(
みず
)
から
利
(
り
)
し
自家
(
じか
)
の
懐
(
ふところ
)
を
肥
(
こ
)
やさんと
謀
(
はか
)
りたるものも少なからず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
仕事
(
しごと
)
はみな
奉公人
(
ほうこうにん
)
がしてくれるし、
金
(
かね
)
は
銀行
(
ぎんこう
)
に
預
(
あず
)
けておけば、
利子
(
りし
)
に
利
(
り
)
がついて、ますます
財産
(
ざいさん
)
が
殖
(
ふ
)
えるというものだ。もうこんなくわなどを
使
(
つか
)
うことはあるまい。まったく
不要
(
ふよう
)
なものだ。
くわの怒った話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
衣類
(
いるゐ
)
大小
(
だいせう
)
の
質
(
しち
)
が
一口
(
ひとくち
)
最早
(
もはや
)
月切
(
つきぎれ
)
に
相成
(
あひなり
)
流
(
なが
)
れに出しゆゑ先日一寸御斷り申上げましたが止て
置
(
おけ
)
との事ゆゑ
今日
(
けふ
)
迄見合せ置たれども今に
何
(
なん
)
の
御沙汰
(
ごさた
)
もなきにより最早流れ切に致します
夫
(
それ
)
共
(
とも
)
利
(
り
)
あげを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
頭
(
かうべ
)
あるもの
腰
(
こし
)
を
拔
(
ぬ
)
かして、ぺた/\と
成
(
な
)
つて
瞪目
(
たうもく
)
して
之
(
これ
)
を
見
(
み
)
れば、
頭
(
かしら
)
なき
將軍
(
しやうぐん
)
の
胴
(
どう
)
、
屹然
(
きつぜん
)
として
馬上
(
ばじやう
)
にあり。
胸
(
むね
)
の
中
(
なか
)
より
聲
(
こゑ
)
を
放
(
はな
)
つて、
叫
(
さけ
)
んで
曰
(
いは
)
く、
無念
(
むねん
)
なり、
戰
(
いくさ
)
利
(
り
)
あらず、
敵
(
てき
)
のために
傷
(
そこな
)
はれぬ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
衛生とは人の
命
(
いのち
)
延
(
の
)
ぶる
学
(
がく
)
なり、人の命
長
(
なが
)
ければ、
人口
(
じんこう
)
殖
(
ふ
)
えて
食
(
しょく
)
足
(
た
)
らず、
社会
(
しゃかい
)
のためには
利
(
り
)
あるべくもあらず。かつ衛生の
業
(
ぎょう
)
盛
(
さかん
)
になれば、
病人
(
びょうにん
)
あらずなるべきに、
医
(
い
)
のこれを
唱
(
とな
)
うるは
過
(
あやま
)
てり云々。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
与うるに
利
(
り
)
をもってするは道徳上非難すべきも、実際世の中を渡るには止むを得ざることとして、
互
(
たが
)
いにその
積
(
つも
)
りで無言の約束を結んだも同然であれば、あながちそれだけを非難すべきでないが
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
他郷
(
たきょう
)
に
入
(
い
)
って
争
(
いさか
)
いすべからず、
利
(
り
)
ある争いもかならず不利、——という
諺
(
ことわざ
)
は、むかしの
案内記
(
あんないき
)
などにはかならず
記
(
しる
)
していましめてあることだ。まして、相手が悪そうだから、
卜斎
(
ぼくさい
)
も悪びれないで
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
転変
(
てんぺん
)
の
激
(
はげし
)
きは
莫
(
な
)
しと
某老人
(
ぼうらうじん
)
の
申候
(
まうしそろ
)
其訳
(
そのわけ
)
は
外充内空
(
ぐわいじうないくう
)
の
商略
(
せふりやく
)
にたのみて、
成敗
(
せいはい
)
の
一挙
(
いつきよ
)
に
決
(
けつ
)
せんと
欲
(
ほつ
)
し
候
(
そろ
)
人の、
其家構
(
そのいへかま
)
へに
於
(
おい
)
て、
町構
(
まちかま
)
へに
於
(
おい
)
て、
同処
(
どうしよ
)
を
利
(
り
)
と
致候
(
いたしそろ
)
よりの
事
(
こと
)
にて、今も
店頭
(
てんとう
)
に
堆
(
うつたか
)
きは
資産
(
しさん
)
に
非
(
あら
)
ず
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
つまり、その時代の人心に、司政者に
利
(
り
)
のある時には、法を枉げてもよい、と。天一坊の場合は、
明
(
あきら
)
かに、かかる者を御落胤として認める事は、天下人心によろしくも無く、御当代の為にも
不為
(
ふため
)
じゃ。
大岡越前の独立
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
八月二十九日 昨夜軽井沢
遊
(
ゆ
)
ふぎ
利
(
り
)
泊り。小諸行、自動車。
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
この質屋の「
利
(
り
)
いちやん」も僕の小学時代の友だちだつた。僕はいつか遊び時間に僕等の
家
(
うち
)
にあるものを
自慢
(
じまん
)
し合つたことを覚えてゐる。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
すると
中々
(
なか/\
)
放
(
はな
)
さない。どうか、
斯
(
か
)
うか
買
(
か
)
はせて仕舞ふ。
時
(
とき
)
には談判中に
号鐘
(
ベル
)
が
鳴
(
な
)
つて取り
逃
(
にが
)
す事もある。与次郎は
之
(
これ
)
を
時
(
とき
)
利
(
り
)
あらずと号してゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
鮑叔
(
はうしゆく
)
、
我
(
われ
)
を
以
(
もつ
)
て
貪
(
たん
)
と
爲
(
な
)
さず、
我
(
わ
)
が
貧
(
まづ
)
しきを
知
(
し
)
れば
也
(
なり
)
。
吾
(
われ
)
嘗
(
かつ
)
て
鮑叔
(
はうしゆく
)
の
爲
(
た
)
めに
事
(
こと
)
を
謀
(
はか
)
り、
而
(
しかう
)
して
更
(
さら
)
に
窮困
(
きうこん
)
す。
鮑叔
(
はうしゆく
)
、
我
(
われ
)
を
以
(
もつ
)
て
愚
(
ぐ
)
と
爲
(
な
)
さず、
時
(
とき
)
に
利
(
り
)
と
不利
(
ふり
)
と
有
(
あ
)
るを
知
(
し
)
れば
也
(
なり
)
。
国訳史記列伝:02 管晏列伝第二
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
「そんなことはない。吾輩にだって志はあるが
時
(
とき
)
利
(
り
)
あらずで」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
盡
(
つく
)
さして
引入
(
ひきい
)
れし
利
(
り
)
も
少
(
すく
)
なからず
世
(
よ
)
は
塞翁
(
さいをう
)
がうまき
事
(
こと
)
して
幾歳
(
いくとせ
)
すぎし
朝日
(
あさひ
)
のかげ
昇
(
のぼ
)
るが
如
(
ごと
)
き
今
(
いま
)
の
榮
(
さかゑ
)
は
皆
(
みな
)
松澤
(
まつざは
)
が
庇護
(
かげ
)
なるものから
喉元
(
のどもと
)
すぐれば
忘
(
わす
)
るゝ
熱
(
あつ
)
さ
斯
(
か
)
く
對等
(
たいとう
)
の
地位
(
ちゐ
)
に
至
(
いた
)
れば
目
(
め
)
の
上
(
うへ
)
の
瘤
(
こぶ
)
うるさくなりて
獨
(
ひと
)
りつく/″\
案
(
あん
)
ずるやう
徑
(
けい
)
十町
(
じつちやう
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
北高南低
(
ほっこうなんてい
)
は
城塞
(
じょうさい
)
の
善地
(
ぜんち
)
、水は南西にあるを
利
(
り
)
ありと
信
(
しん
)
ず」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
營
(
いとな
)
むが
上
(
うへ
)
に
彼
(
か
)
れは
本家
(
ほんけ
)
とて
世
(
よ
)
の
用
(
もち
)
ひも
重
(
おも
)
かるべく
我
(
われ
)
とて
信用
(
しんよう
)
薄
(
うす
)
きならねど
彼方
(
かなた
)
に
七分
(
しちぶ
)
の
益
(
えき
)
ある
時
(
とき
)
こゝには
僅
(
わづ
)
かに
三分
(
さんぶ
)
の
利
(
り
)
のみ
我
(
わ
)
が
家
(
いへ
)
繁榮
(
はんえい
)
長久
(
ちやうきう
)
の
策
(
さく
)
は
彼
(
か
)
れ
松澤
(
まつざは
)
の
無
(
な
)
きにしかず
且
(
か
)
つは
娘
(
むすめ
)
の
容色
(
きりやう
)
世
(
よ
)
に
勝
(
すぐ
)
れたれば
是
(
これ
)
とても
又
(
また
)
一
(
ひと
)
つの
金庫
(
かねぐら
)
芳之助
(
よしのすけ
)
とのえにし
絶
(
た
)
えなば
通
(
とほ
)
り
町
(
ちやう
)
の
角
(
かど
)
地面
(
ぢめん
)
持參
(
ぢさん
)
の
聟
(
むこ
)
もなきにはあらじ
一擧兩得
(
いつきよりやうとく
)
とはこれなんめりと
思
(
おも
)
ふ
心
(
こゝろ
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“利”の意味
《名詞》
利(リ)
(リ)ためになること。もうけ。恵み。
(出典:Wiktionary)
利
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
“利”を含む語句
利益
墺太利
伊太利
徳利
高利貸
貧乏徳利
英吉利
以太利
冥利
砂利
利目
腕利
小砂利
西比利亜
勝利
利潤
智利
利剣
酒徳利
伊太利人
...