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草鞋
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わらぢ
ふりがな文庫
“
草鞋
(
わらぢ
)” の例文
從妹
(
いとこ
)
のお光と、小僧一人の世帶ですが、小僧は店の次の間で寢て居るし、喜太郎は久し振りで
草鞋
(
わらぢ
)
の夜なべを休んで、奧で遲くまで
銭形平次捕物控:198 狼の牙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
藁
(
わら
)
の
小
(
ちひ
)
さな
極
(
きま
)
つた
束
(
たば
)
が一
把
(
は
)
は
大抵
(
たいてい
)
一
錢
(
せん
)
づゝであつた。
其
(
そ
)
の一
把
(
は
)
の
藁
(
わら
)
が
繩
(
なは
)
にすれば二
房半位
(
ばうはんぐらゐ
)
で、
草鞋
(
わらぢ
)
にすれば五
足
(
そく
)
は
仕上
(
しあが
)
るのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
爺
(
ぢい
)
やは
御飯
(
ごはん
)
の
時
(
とき
)
でも、なんでも、
草鞋
(
わらぢ
)
ばきの
土足
(
どそく
)
のまゝで
爐
(
ろ
)
の
片隅
(
かたすみ
)
に
足
(
あし
)
を
投
(
な
)
げ
入
(
い
)
れましたが、
夕方
(
ゆふがた
)
仕事
(
しごと
)
の
濟
(
す
)
む
頃
(
ころ
)
から
草鞋
(
わらぢ
)
をぬぎました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
恐くは伊沢に往き、狩谷に往つたであらう。伊沢氏の口碑に
草鞋
(
わらぢ
)
を脱いだと云ふのは、必ずしも字の如くに読むべきではなからう。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
遍路のはいてゐる
護謨底
(
ごむそこ
)
の足袋を
褒
(
ほ
)
めると『どうしまして、これは
草鞋
(
わらぢ
)
よりか倍も
草臥
(
くたび
)
れる。ただ草鞋では金が
要
(
い
)
つて
敵
(
かな
)
ひましねえから』
遍路
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
この
雫
(
しづく
)
に、
横頬
(
よこほゝ
)
を
打
(
う
)
たれて、
腕組
(
うでぐみ
)
をして、ぬい、と
立
(
た
)
つたのは、
草鞋
(
わらぢ
)
を
吊
(
つ
)
つた
店
(
みせ
)
の
端近
(
はぢか
)
に
踞
(
しやが
)
んだ
山漢
(
やまをとこ
)
の
魚売
(
うをうり
)
で。三
枚
(
まい
)
の
笊
(
ざる
)
に
魚鱗
(
うろこ
)
が
光
(
ひか
)
つた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
良寛さんは、
草鞋
(
わらぢ
)
をぬいで上にあがると、
行燈
(
あんどん
)
に火を入れる気力もなくて、菫の花束を
膝
(
ひざ
)
にのせたまま、ぼんやり
坐
(
すわ
)
つてゐた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
貧家に人となつた尊徳は昼は農作の手伝ひをしたり、夜は
草鞋
(
わらぢ
)
を造つたり、大人のやうに働きながら、
健気
(
けなげ
)
にも独学をつづけて行つたらしい。
侏儒の言葉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其話では、——菊池君は贅澤にも棧橋前の「丸山」と云ふ旅館に泊つて居て、毎日
草鞋
(
わらぢ
)
を
穿
(
は
)
いて外交に𢌞つて居る。そして、何處へ行つても
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
あくる朝、友の強ゐて
留
(
とゞ
)
むるをさま/″\に言ひ解きて
程
(
てい
)
に
上
(
のぼ
)
る。旅の衣を着け、
草鞋
(
わらぢ
)
を
穿
(
うが
)
ち、
藺席
(
ござ
)
を
被
(
かうぶ
)
ればまた依然として
昨日
(
きのふ
)
の乞食書生なり。
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
土地の
橐駝師
(
うゑきや
)
が昔の名匠の苦心を雜草の中に學ばうとして、新らしい
草鞋
(
わらぢ
)
を朝露にじと/\させながら、埋れた
泉石
(
せんせき
)
を探り歩いてゐることもあつた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
この連れの男といふは水練の名人にて、藁と槌とを持ちて水の中に入り、
草鞋
(
わらぢ
)
を作りて出て来るといふ評判の人なり。
遠野物語
(新字旧仮名)
/
柳田国男
(著)
聞
(
きゝ
)
番人作兵衞は勝手より
這出
(
はいいで
)
旦那樣
不思議
(
ふしぎ
)
の事が御座ります三丁目の番の所にて云々と話せば同心は夫と九助を
呼寄
(
よびよせ
)
て
吟味
(
ぎんみ
)
なすに其の品は昨夜
草鞋
(
わらぢ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「狐と間違へられては大変ですネ」と篠田は
莞然
(
くわんぜん
)
笑
(
わらひ
)
傾けつ、
框
(
かまち
)
に腰打ち掛けて雪に
冰
(
こほ
)
れる
草鞋
(
わらぢ
)
の
紐
(
ひも
)
解かんとす
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
待つて居るのもつまらぬと思つて荷物を通運会社に托し、行ける所まで行く積りで素足に
草鞋
(
わらぢ
)
を穿いた。
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
達二は、明後日から、また自分で作った小さな
草鞋
(
わらぢ
)
をはいて、二つの谷を越えて、学校へ行くのです。
種山ヶ原
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
其
(
その
)
根方
(
ねがた
)
の
所
(
ところ
)
を、
草鞋
(
わらぢ
)
がけの
植木屋
(
うゑきや
)
が
丁寧
(
ていねい
)
に
薦
(
こも
)
で
包
(
くる
)
んでゐた。
段々
(
だん/\
)
露
(
つゆ
)
が
凝
(
こ
)
つて
霜
(
しも
)
になる
時節
(
じせつ
)
なので、
餘裕
(
よゆう
)
のあるものは、もう
今時分
(
いまじぶん
)
から
手廻
(
てまは
)
しをするのだと
氣
(
き
)
が
付
(
つ
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
果し合ひの最中に
草鞋
(
わらぢ
)
の紐を結ぶやうな手である。負けるを承知にしても、なんと
不逞々々
(
ふてぶて
)
しい男かと
呆
(
あき
)
れるくらゐの、大胆不敵な乱暴さであつた。棋界は殆んど驚倒した。
聴雨
(新字旧仮名)
/
織田作之助
(著)
一行の誰かが先年農科大学の池野成一郎博士が欧洲へ
往
(
ゆ
)
く時、アルプス登山は
草鞋
(
わらぢ
)
に限るといつて、五十足ばかり用意して往つたが、草鞋は一向役に立たず、色々持て余した末
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
初めは快く歩き出したものゝ、ものゝ一里も歩いて來ると早や
草鞋
(
わらぢ
)
の裏が痛くなつた。
樹木とその葉:27 春の二三日
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
「そんな事だつたら、何で
脚絆
(
きやはん
)
だ、
草鞋
(
わらぢ
)
だつて
穿
(
は
)
かせてやることがあらうば。」
野の哄笑
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
言葉の如く庫裡に入りて
笈
(
きふ
)
を卸し、
草鞋
(
わらぢ
)
を脱ぎて板の間に座を占め、寺男の給仕する粟飯を
湯漬
(
ゆづけ
)
にして、したたかに喰ひ終り、さて本堂に入りて持参の蝋燭を奉り、香を焚きて般若心経
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
これも
平生
(
へいぜい
)
は
木
(
き
)
の
下駄
(
げた
)
をはいたものでありませうが、この
時分
(
じぶん
)
の
人
(
ひと
)
は
多
(
おほ
)
くは
草履
(
ぞうり
)
や
草鞋
(
わらぢ
)
のほかに
皮
(
かは
)
で
作
(
つく
)
つた
靴
(
くつ
)
を
履
(
は
)
き、またこんな
形
(
かたち
)
の
下駄
(
げた
)
を
雨
(
あめ
)
ふりなどには
履
(
は
)
いてゐたことがわかります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
“並木町——
古
(
いにし
)
へ、松、桜、榎等の列樹、路を
夾
(
はさん
)
でありしを以て名くと云ふ。慶安頃まで、樹間に
草舎
(
くさや
)
ありて、草履
草鞋
(
わらぢ
)
など
販
(
ひさぎ
)
しのみなりしが、後漸く人家稠密に及び、遂に今の街衢をなす。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
反つてそれから来る温さに感謝して、秋の、冬の長い夜な夜なを、繩を
綯
(
な
)
うたり、
草鞋
(
わらぢ
)
を編んだりして、夜を
更
(
ふ
)
かさねばならなかつた。家賃は四月目五月目位から
滞
(
とどこほ
)
り出した。畳はすり切れた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
間もなく近くの兵営から軍隊が駆けつけて、それ等の投降兵を吉賀町附近の寺院に一時的に収容した。彼等がそこにゐる間、附近の人達は毎日弁当持ちに
草鞋
(
わらぢ
)
ばきで押すな押すなで見物に出掛けた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
はるばると金柑の木にたどりつき巡礼
草鞋
(
わらぢ
)
をはきかへにけり
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
此
(
この
)
七
里
(
り
)
の
途
(
みち
)
を
草鞋
(
わらぢ
)
がけで
歩
(
ある
)
いたものである。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
そこへ
草鞋
(
わらぢ
)
を
踏込
(
ふみこ
)
んでお
当
(
あた
)
んなさいまし。
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
君を尋ねて
草鞋
(
わらぢ
)
で来れば
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
草鞋
(
わらぢ
)
を穿いて後ろ向きに縁側にたどりつき、前から打合せのあつた伜の浪太郎に合圖をして、小用に立つたと見せて雨戸をあけさせ
銭形平次捕物控:217 歎きの幽沢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一
房
(
ばう
)
の
繩
(
なは
)
が七
錢
(
せん
)
五
毛
(
まう
)
で一
足
(
そく
)
の
草鞋
(
わらぢ
)
が一
錢
(
せん
)
五
厘
(
りん
)
といふ
相場
(
さうば
)
だからどつちにしても一
日
(
にち
)
熱心
(
ねつしん
)
に
手
(
て
)
を
動
(
うご
)
かせば
彼
(
かれ
)
は六七
錢
(
せん
)
の
儲
(
まうけ
)
を
獲
(
え
)
るのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
さあ、
之
(
これ
)
からが
名代
(
なだい
)
の
天生峠
(
あまふたうげ
)
と
心得
(
こゝろえ
)
たから、
此方
(
こツち
)
も
其気
(
そのき
)
になつて、
何
(
なに
)
しろ
暑
(
あつ
)
いので、
喘
(
あへ
)
ぎながら、
先
(
ま
)
づ
草鞋
(
わらぢ
)
の
紐
(
ひも
)
を
締直
(
しめなほ
)
した。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其話では、——菊池君は贅沢にも桟橋前の「丸山」と云ふ
旅館
(
やどや
)
に泊つて居て、毎日
草鞋
(
わらぢ
)
を穿いて外交に廻つて居る。そして、何処へ行つても
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
就中
(
なかんづく
)
茶山は同じく阿部家の俸を
食
(
は
)
む身の上であるので、其
交
(
まじはり
)
が殊に深かつた。それゆゑ山陽は江戸に来たとき、本郷真砂町の伊沢の家で
草鞋
(
わらぢ
)
を脱いだ。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
この日は船津川高山など云ふ被害の劇甚地を廻つた。大雪の翌日で、日は暖かく照つて居たが、殆ど膝へまで届く雪の野路を、皆な
草鞋
(
わらぢ
)
ばきで踏んで歩いた。
政治の破産者・田中正造
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
長い旅に良寛さんは
痩
(
や
)
せて、大きい眼は一層大きくなつた。衣の肩は
陽
(
ひ
)
にやけ、足には
草鞋
(
わらぢ
)
の
胼胝
(
たこ
)
ができた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
長袖
(
ながそで
)
の
足
(
あし
)
にも
肉刺
(
まめ
)
の
出來
(
でき
)
ることはあるまいと
思
(
おも
)
つて、
玄竹
(
げんちく
)
は
殆
(
ほと
)
んど二十
年
(
ねん
)
振
(
ぶ
)
りで
草鞋
(
わらぢ
)
を
穿
(
は
)
いたのであつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
やがて丑松は庄馬鹿の手作りにしたといふ
草鞋
(
わらぢ
)
を
穿
(
は
)
いて、人々のなさけに見送られて蓮華寺の山門を出た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
草鞋
(
わらぢ
)
をはいて歩いてゐたので、到るところの雨にぬれた山桜の
花片
(
はなびら
)
が一面にその羽織にくつついて取れないので、それに興味を感じて歌をつくつたこともあつた。
春
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
酌
(
くん
)
で差出す
盆
(
ぼん
)
も
手薄
(
てうす
)
な
貧家
(
ひんか
)
の
容體
(
ありさま
)
其の内に九助は
草鞋
(
わらぢ
)
の
紐
(
ひも
)
を
解
(
とき
)
足
(
あし
)
を洗ひて上に
上
(
あが
)
り先お里へも
夫々
(
それ/″\
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
して
久々
(
ひさ/″\
)
の
積
(
つも
)
る話しをなす中に
頓
(
やが
)
てお里が
給仕
(
きふじ
)
にて
麥飯
(
むぎめし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
準備が思ひの外早く出来上つたので二時頃
柩
(
ひつぎ
)
が家を出た。平三は父や弟と同じ様に白装束に
草鞋
(
わらぢ
)
を穿いた。柩が家の周囲を一𢌞して野路へ掛るまで平三は肩を入れて居た。
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
道は『
雪解
(
ゆきどけ
)
みち』になつて、朝のうちは氷つても
午
(
ひる
)
過ぎからは全くの泥道で、歩くのにまた難儀なのが幾日も幾日も続く。さういふ時には
草鞋
(
わらぢ
)
は毎日一足ぐらゐづつ切れた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
私は
草鞋
(
わらぢ
)
を愛する、あの、枯れた
藁
(
わら
)
で、柔かにまた巧みに、作られた草鞋を。
樹木とその葉:02 草鞋の話旅の話
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
「あん、
行
(
い
)
て来る。行て来る。今
草鞋
(
わらぢ
)
穿
(
は
)
ぐがら。」達二ははねあがりました。
種山ヶ原
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
脚絆
(
きやはん
)
草鞋
(
わらぢ
)
の
足拵
(
あしごしら
)
へは、見てくればかり軽さうだが、当分は
御膝許
(
おひざもと
)
の日の目せえ、拝まれ無え事を考へりや、実は気も滅入つての、古風ぢやあるが一足毎に、後髪を引かれるやうな心もちよ。
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
落ちたのは
水溜
(
みづだま
)
りの中で、香川氏は
濡
(
ぬ
)
れ
草鞋
(
わらぢ
)
のやうにづくづくになつてゐた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「岡つ引に
脅
(
おど
)
かされて獲物を吐き出したとあつちや、この東作の名折れだ。今直ぐ長い
草鞋
(
わらぢ
)
を
穿
(
は
)
くまでも、そいつは御免蒙らうよ」
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
おつぎは
暇
(
ひま
)
を
偸
(
ぬす
)
んでは一
生懸命
(
しやうけんめい
)
で
針
(
はり
)
を
執
(
と
)
つた。
卯平
(
うへい
)
がのつそりとして
箸
(
はし
)
を
持
(
も
)
つのは
毎朝
(
まいあさ
)
こせ/\と
忙
(
いそが
)
しい
勘次
(
かんじ
)
が
草鞋
(
わらぢ
)
を
穿
(
はい
)
て
出
(
で
)
ようとする
時
(
とき
)
である。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と
莞爾
(
につこり
)
して、
草鞋
(
わらぢ
)
の
尖
(
さき
)
で
向直
(
むきなほ
)
つた。
早
(
は
)
や
煙
(
けむり
)
の
余波
(
なごり
)
も
消
(
き
)
えて、
浮脂
(
きら
)
に
紅蓮
(
ぐれん
)
の
絵
(
ゑ
)
も
描
(
か
)
かぬ、
水
(
みづ
)
の
其方
(
そなた
)
を
眺
(
なが
)
めながら
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“草鞋”の意味
《名詞》
わらぐつ。わらじ。わらをあんでつくったはきもの。
挿鞋。
(出典:Wiktionary)
“草鞋”の解説
草鞋または鞋(わらじ)は、稲藁で作られる伝統的な履物の一つ。
技術的には草鞋は編物の一種と考えられてきたが、楕円状の織物の一種として位置付けるべきという見解がある。なお、草履とは異なり草鞋には足首を縛る紐がある。
(出典:Wikipedia)
草
常用漢字
小1
部首:⾋
9画
鞋
漢検1級
部首:⾰
15画
“草鞋”で始まる語句
草鞋穿
草鞋銭
草鞋虫
草鞋掛
草鞋脚絆
草鞋代
草鞋作
草鞋喰
草鞋履
草鞋懸