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無益
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むえき
ふりがな文庫
“
無益
(
むえき
)” の例文
この
通
(
とほ
)
りに
器械觀測
(
きかいかんそく
)
の
結果
(
けつか
)
と
體驗
(
たいけん
)
の
結果
(
けつか
)
とは
最初
(
さいしよ
)
から
一致
(
いつち
)
し
難
(
がた
)
いものであるけれども、それを
比較
(
ひかく
)
してみることは
無益
(
むえき
)
の
業
(
わざ
)
ではない。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
内実は
飽
(
あ
)
くまでも
鎖攘主義
(
さじょうしゅぎ
)
にして、ひたすら外人を
遠
(
とお
)
ざけんとしたるその一例をいえば、
品川
(
しながわ
)
に
無益
(
むえき
)
の
砲台
(
ほうだい
)
など
築
(
きず
)
きたるその上に
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
さもなければ、わが人類対海底超人の
無益
(
むえき
)
な争闘が起こって、ついには
有史上
(
ゆうしじょう
)
最大の悲劇を生むであろうことを、あえて警告したい。——
海底大陸
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
今茲に
喋々
(
てふ/\
)
する事殊に
無益
(
むえき
)
の
辯
(
べん
)
に
似
(
に
)
たれど前にも
已
(
すで
)
に
述
(
のべ
)
たるが如く此小西屋の裁判は忠相ぬし
最初
(
さいしよ
)
の
捌
(
さばき
)
にして是より
漸次
(
しだい
)
に其名を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
今日
(
こんにち
)
、
之
(
これ
)
を
復興
(
ふくこう
)
するを
得
(
う
)
べし、而して
其
(
その
)
復興
(
ふくこう
)
の
方
(
はう
)
たるや、
安楽椅子
(
あんらくいす
)
に
倚
(
よ
)
り
罹
(
かゝ
)
り、或は
柔軟
(
じうなん
)
なる
膝褥
(
しつぢよく
)
の
上
(
うへ
)
に
跪
(
ひざまづ
)
き
如何程
(
いかほど
)
祈祷
(
きたう
)
叫号
(
きうごう
)
するも
無益
(
むえき
)
なり
問答二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
▼ もっと見る
彼
(
かれ
)
らからいろいろの
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
くだけでも
無益
(
むえき
)
ではないであろうから、
正月
(
しょうがつ
)
には、
彼
(
かれ
)
らを
招
(
まね
)
いて、ひとつ
盛大
(
せいだい
)
な
宴会
(
えんかい
)
を
開
(
ひら
)
いて、みようと
思
(
おも
)
う……。
珍しい酒もり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「なるほど、これは
拙者
(
せっしゃ
)
がこのへんに暗いため、
無益
(
むえき
)
の
遠路
(
とおみち
)
につかれていたかも知れぬ。しかし、この激流を、馬で乗っきる場所があろうか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
然
(
しか
)
るに
私
(
わたくし
)
の
苦心
(
くしん
)
は
全
(
まつた
)
く
無益
(
むえき
)
であつた。
第一端艇
(
だいいちたんてい
)
の
波上
(
はじやう
)
に
浮
(
うか
)
ぶや
否
(
い
)
なや、
忽
(
たちま
)
ち
數百
(
すうひやく
)
の
人
(
ひと
)
は、
雪崩
(
なだれ
)
の
如
(
ごと
)
く
其處
(
そこ
)
へ
崩
(
くづ
)
れかゝつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
然
(
しか
)
るに今その敵に敵するは、
無益
(
むえき
)
なり、
無謀
(
むぼう
)
なり、国家の
損亡
(
そんもう
)
なりとて、
専
(
もっぱ
)
ら平和無事に
誘導
(
ゆうどう
)
したるその
士人
(
しじん
)
を
率
(
ひき
)
いて、
一朝
(
いっちょう
)
敵国
外患
(
がいかん
)
の至るに当り
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
しかし第一週の辛抱は
無益
(
むえき
)
でなかった。新太郎君は自ら
咎
(
とが
)
めるところのない生活の楽しさを解し初めていた。善い努力は善い方への傾きを強くする。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
で、
彼
(
かれ
)
ももう
思慮
(
かんが
)
えることの
無益
(
むえき
)
なのを
悟
(
さと
)
り、すっかり
失望
(
しつぼう
)
と、
恐怖
(
きょうふ
)
との
淵
(
ふち
)
に
沈
(
しず
)
んでしまったのである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「もうよかろう、それ位ありゃ、
肴
(
さかな
)
にゃ十分じゃ、いいかげんに、
無益
(
むえき
)
な
殺生
(
せっしょう
)
はやめようじゃないか」
赤い土の壺
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
此
(
こ
)
の
方
(
はう
)
で
心配
(
しんぱい
)
して
電報
(
でんぱう
)
まで
掛
(
か
)
けたのであるから
其時
(
そのとき
)
返電
(
へんでん
)
をして
貰
(
もら
)
へば
無益
(
むえき
)
の
心配
(
しんぱい
)
は
决
(
けつ
)
してしません。
一寸
(
ちよつと
)
した
事
(
こと
)
であるが
日本
(
にほん
)
の
婦女子
(
ふぢよし
)
には
往々
(
わう/\
)
斯樣
(
かやう
)
な
等閑
(
なをざり
)
が
多
(
おほ
)
いのであります。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
何一ツ入れるべき
隠処
(
かくしどころ
)
もありません。紙一枚入っておりませんですからあのアンジアンの夜襲も無駄、レオナールの殺害も
無益
(
むえき
)
、
忰
(
せがれ
)
の捕縛も
無益
(
むだ
)
、私の努力のすべても
無益
(
むだ
)
になってしまいました
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
同
(
おな
)
じ
道理
(
だうり
)
で、
坂
(
さか
)
は
照
(
て
)
る/\
鈴鹿
(
すゞか
)
は
曇
(
くも
)
る=といひ、
袷
(
あはせ
)
遣
(
や
)
りたや
足袋
(
たび
)
添
(
そ
)
へて=と
唱
(
とな
)
へる
場合
(
ばあひ
)
には、いづれも
疲
(
つかれ
)
を
休
(
やす
)
めるのである、
無益
(
むえき
)
なものおもひを
消
(
け
)
すのである、
寧
(
むし
)
ろ
苦勞
(
くらう
)
を
紛
(
まぎ
)
らさうとするのである
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
無益
(
むえき
)
な
予感
(
よかん
)
に似たその光が
詩集夏花
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
無益
(
むえき
)
な
欲
(
よく
)
が、かえって
人間
(
にんげん
)
を
不幸
(
ふこう
)
にするのだ。そして、
欲深
(
よくふか
)
になったものは、もう二
度
(
ど
)
と、
生
(
う
)
まれたときのような、
美
(
うつく
)
しい
気持
(
きも
)
ちにはなれないのだ。
船でついた町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そういう意味で、今、ここの扇屋の
牡丹
(
ぼたん
)
畑を去るにつけても、彼は
無益
(
むえき
)
な日を費やしたとは少しも思わなかった。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私
(
わたくし
)
は
思
(
おも
)
はず
一息
(
ひといき
)
ついた、『
矢張
(
やはり
)
無益
(
むえき
)
の
心配
(
しんぱい
)
であつたか』と
少
(
すこ
)
しく
胸
(
むね
)
撫
(
な
)
でおろす、
其時
(
そのとき
)
、
私
(
わたくし
)
はふと
心付
(
こゝろつ
)
いたよ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
真実
(
しんじつ
)
外国干渉の
患
(
うれい
)
あるを恐れてかかる
処置
(
しょち
)
に及びたりとすれば、
独
(
ひと
)
り
自
(
みず
)
から
架空
(
かくう
)
の
想像
(
そうぞう
)
を
逞
(
たくまし
)
うしてこれがために
無益
(
むえき
)
の
挙動
(
きょどう
)
を演じたるものというの外なけれども
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
蓋
(
けだ
)
し
勝氏
(
かつし
)
輩
(
はい
)
の
所見
(
しょけん
)
は内乱の戦争を以て無上の
災害
(
さいがい
)
無益
(
むえき
)
の
労費
(
ろうひ
)
と認め、味方に
勝算
(
しょうさん
)
なき限りは
速
(
すみやか
)
に
和
(
わ
)
して速に
事
(
こと
)
を
収
(
おさむ
)
るに
若
(
し
)
かずとの数理を信じたるものより外ならず。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
助
(
たすけ
)
んと
云
(
いふ
)
心底
(
しんてい
)
は
嬉
(
うれ
)
しけれども
其
(
そ
)
は
無益
(
むえき
)
の事なり我は
其外
(
そのほか
)
にも
科
(
とが
)
多
(
おほ
)
ければとても
遁
(
のが
)
れぬ
身
(
み
)
なるにより
尋常
(
じんじやう
)
に
科
(
とが
)
を
蒙
(
かうむ
)
らんと申にぞ喜八は
差俯向
(
さしうつむい
)
て
詞
(
ことば
)
なし大岡殿暫時
兩人
(
りやうにん
)
の
詞
(
ことば
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
で、
彼
(
かれ
)
ももう
思慮
(
かんが
)
へる
事
(
こと
)
の
無益
(
むえき
)
なのを
悟
(
さと
)
り、
全然
(
すつかり
)
失望
(
しつばう
)
と、
恐怖
(
きようふ
)
との
淵
(
ふち
)
に
沈
(
しづ
)
んで
了
(
しま
)
つたのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
是
(
こ
)
れ
宗派的
(
しふはてき
)
交渉
(
かうしやう
)
の成りし
時
(
とき
)
にあらざるなり、是れ
神学的
(
しんがくてき
)
一致
(
いつち
)
の来りし時に非ざるなり、真正の
一致
(
いつち
)
は吾人各々がその奉ずる所の主義を其儘実行する時にあり、
約定上
(
やくでうじやう
)
の
一致
(
いつち
)
は
無益
(
むえき
)
なり
時事雑評二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
坂は照る照る
鈴鹿
(
すずか
)
は
曇
(
くも
)
る=といい、
袷
(
あわせ
)
遣
(
や
)
りたや
足袋
(
たび
)
添えて=と唱える場合には、いずれも
疲
(
つかれ
)
を休めるのである、
無益
(
むえき
)
なものおもいを消すのである、
寧
(
むし
)
ろ苦労を
紛
(
まぎ
)
らそうとするのである、
憂
(
うさ
)
を
散
(
さん
)
じよう
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
無益
(
むえき
)
の
殺生
(
せっしょう
)
を致しましたよ」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
維新
(
いしん
)
の頃より今日に至るまで、諸藩の有様は現に
今人
(
こんじん
)
の
目撃
(
もくげき
)
するところにして、これを
記
(
しる
)
すはほとんど
無益
(
むえき
)
なるに
似
(
に
)
たれども、
光陰
(
こういん
)
矢のごとく、今より五十年を過ぎ
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
不敵な
竹童
(
ちくどう
)
の
面
(
つら
)
がまえを、じッとみつめていた
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
は、ことばの
糺問
(
きゅうもん
)
は
無益
(
むえき
)
と知って、口をつぐみ、
黙然
(
もくねん
)
と右手の人さし指をむけ、
天井
(
てんじょう
)
から竹童の頭の上へ線をかいた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
貴方
(
あなた
)
は
如何
(
どう
)
したら
可
(
よ
)
からうと
有仰
(
おつしや
)
るが。
貴方
(
あなた
)
の
位置
(
ゐち
)
を
好
(
よ
)
くするのには、
此
(
こゝ
)
から
逃出
(
にげだ
)
す一
方
(
ぱう
)
です。
然
(
しか
)
し
其
(
そ
)
れは
殘念
(
ざんねん
)
ながら
無益
(
むえき
)
に
歸
(
き
)
するので、
貴方
(
あなた
)
は
到底
(
たうてい
)
捉
(
とら
)
へられずには
居
(
を
)
らんです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
『ひ、ひ、
卑怯者
(
ひけふもの
)
!。』と
私
(
わたくし
)
は
躍起
(
やつき
)
になつた、
此處
(
こゝ
)
には
春枝夫人
(
はるえふじん
)
の
如
(
ごと
)
き
殊勝
(
けなげ
)
なる
女性
(
によせう
)
もあるに、
彼
(
かれ
)
船長
(
せんちやう
)
の
醜態
(
しうたい
)
は
何事
(
なにごと
)
ぞと
思
(
おも
)
ふと、もう
默
(
だま
)
つては
居
(
を
)
られぬ、
元
(
もと
)
より
無益
(
むえき
)
の
業
(
わざ
)
ではあるが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
暑
(
しよ
)
を山上に
避
(
さ
)
けながら
眼下
(
がんか
)
に
群住
(
ぐんぢう
)
する
憐
(
あは
)
れなる数万の
異教徒
(
ゐけうと
)
の
為
(
た
)
めに
祈願
(
きぐわん
)
を
込
(
こ
)
めるも
無益
(
むえき
)
なり、
教会
(
けうくわい
)
復興
(
ふくこう
)
の
方策
(
はうさく
)
とは
教導師
(
けうだうし
)
先
(
ま
)
づ
躬
(
みづ
)
から
身
(
み
)
を
捐
(
す
)
つるにあり、
彼
(
か
)
の
家族
(
かぞく
)
の
安楽
(
あんらく
)
を
犠牲
(
ぎせい
)
に
供
(
きやう
)
するにあり
問答二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
聞居
(
きゝゐ
)
たる者あつて御領主へ
疾
(
とく
)
に申上たれば此上
陳
(
ちん
)
ずるとも
無益
(
むえき
)
なりと申しければ傳吉は
熟々
(
つく/″\
)
と心の中に思ふ樣罪なくして無實の罪に
陷
(
おちい
)
る我が身にまつはる
災厄
(
まがつみ
)
とは言ひながら
我朝
(
わがてう
)
は
神國
(
しんこく
)
なるに神も
非禮
(
ひれい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
起
(
た
)
たないか、こんな
処
(
ところ
)
に
長居
(
ながゐ
)
は
無益
(
むえき
)
だ。
何
(
ど
)
うした。」
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が——
無益
(
むえき
)
な問答をしているあいだに、
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
は、じゅうぶんに
幻術
(
げんじゅつ
)
のしたくをしていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
貴方
(
あなた
)
はどうしたらよかろうと
有仰
(
おっしゃ
)
るが。
貴方
(
あなた
)
の
位置
(
いち
)
をよくするのには、ここから
逃出
(
にげだ
)
す一
方
(
ぽう
)
です。しかしそれは
残念
(
ざんねん
)
ながら
無益
(
むえき
)
に
帰
(
き
)
するので、
貴方
(
あなた
)
は
到底
(
とうてい
)
捉
(
とら
)
えられずにはおらんです。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
故に上士の常に心を関するところは、
尊卑
(
そんぴ
)
階級のことに在り。この一事においては、
往々
(
おうおう
)
事情に適せずして
有害
(
ゆうがい
)
無益
(
むえき
)
なるものあり。
誓
(
たと
)
えば藩政の改革とて、藩士一般に
倹約
(
けんやく
)
を命ずることあり。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
“無益”の意味
《名詞》
無益(むえき、古:むやく)
利益がないこと。役に立たないこと。
(出典:Wiktionary)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
益
常用漢字
小5
部首:⽫
10画
“無益”で始まる語句
無益物
無益者
無益委記