口々くちぐち)” の例文
途中とちゅうそのうま人々ひとびとは、みんなおどろいて、口々くちぐちに、うまをかわいそうだといい、また、よくはたらく、つようまだといってほめたのであります。
駄馬と百姓 (新字新仮名) / 小川未明(著)
てんでん、こんなことを口々くちぐちにわいわいいながら、またおてらえんの下で会議かいぎひらきました。けれどもべつだんわったいい知恵ちえも出ません。
猫の草紙 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「ほんにおめえもおしなさんになくならつたのが不運くされだつけのさな、そんだがおめえ長命ながいきしたゞけええんだよ」ばあさん口々くちぐちなぐさめつゝいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
口々くちぐちにそんなことさけんで。それからみんなもっとたくさんのパンやお菓子かしもらってて、みずれました。そして
と、それだけでもう、どの船でも舷々げんげん口々くちぐちな騒ぎだったが、かねて右馬介からつぶさな情報をえていた尊氏は
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
村端むらはずれで、寺に休むと、此処ここ支度したくを替えて、多勢おおぜい口々くちぐちに、御苦労、御苦労というのを聞棄ききずてに、娘は、一人の若い者におんぶさせた私にちょっと頬摺ほおずりをして、それから、石高路いしだかみちの坂を越して
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
口々くちぐちの固めは、いかようにいたしましょうか」
無惨やな (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
『おかあちゃんにしかられるからよしたがいい。』と、電線でんせんにとまっているつばめが幾羽いくわも、口々くちぐちにさえずりながらめたのであります。
黒いちょうとお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
みんなは口々くちぐちにこう名前なまえんで、なわろしたり、はしごをかけたりして、やっとちょんさんをたすしました。
長い名 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
まん目的もくてきげられたことがつたとしてもれはたゞにんかぎられてて、爾餘じよ幾人いくにんむなしくしかきはめてかる不快ふくわい嫉妬しつととから口々くちぐちそのにんむかつて厭味いやみをいうてまねばらぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「そんな、いい時計とけいは、どこへいったらつかるだろうか。」と、おつのほうは、るとあつまると口々くちぐちにそのはなしをしたのであります。
時計のない村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ねことねずみは口々くちぐちにこうって、和尚おしょうさんにおじぎをして、ぞろぞろかえっていきました。
猫の草紙 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
口々くちぐちんなことが遠慮ゑんりよもなく反覆くりかへされた。あひだ少時しばし途切とぎれたとき
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そして、みんなが口々くちぐちに、なにかのうたをかわいらしいこえでうたいながら行儀ぎょうぎよく、あかあおむらさき提燈ちょうちんりかざしてあるいてゆきました。
雪の上のおじいさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
こんなことを口々くちぐちにいいました。そして気味きみわるがるばかりで、だれ一人ひとりものをくれようというものもなければ、ましてうちにれて、めてやろうというものはありませんでした。
鉢かつぎ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
みんなは、後退あとじさりをしました。それでついに、すくいにかけるものはありませんでした。みんなは、口々くちぐちにこういいました
黒い人と赤いそり (新字新仮名) / 小川未明(著)
口々くちぐちにいって、からかいました。一寸法師いっすんぼうしはだまって、にこにこしていました。
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
子供こどもらは口々くちぐちに、どうしたのだろうといっていました。するとそこへ、隣村となりむらからなれないおとこひと子供こどもらのあそんでいるところへやってきて
雪の国と太郎 (新字新仮名) / 小川未明(著)
とみんな口々くちぐちって、こしをさすったり、かたをもんだりしていました。金太郎きんたろう
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「いいみかんをたんとまあ、やすったものだ。これで今年ことしはこのまちおおもうけをするだろう。」と、みなは口々くちぐちにいってうれしがりました。
カラカラ鳴る海 (新字新仮名) / 小川未明(著)
口々くちぐちいながら、めちゃめちゃにぶちえたものですから、とうとうからだじゅうほねが、くなくなになって、いまのような目もはなもない、のっぺらぼうなほねなしのくらげになってしまいました。
くらげのお使い (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
達夫たつおくんだ!」と、口々くちぐちにいって、いちばんすみやおしろいのたくさんついているのは、達夫たつおくんにきまったのでした。
つじうら売りのおばあさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
口々くちぐちにぶつぶついいながら、いわれるままに長持ながもちかついできました。
しっぺい太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「どうか無事ぶじかえってきてくれればいいが。」と、みんなは、口々くちぐちにいいました。そして、ちりぢりばらばらに、めいめいのうちかえってしまいました。
黒い人と赤いそり (新字新仮名) / 小川未明(著)
するとみんなは口々くちぐちに「万歳ばんざい万歳ばんざい。これで安心あんしんだ。」
猫の草紙 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「もう、これからをつけなければならない。」と、とりたちは口々くちぐちにいって、燈台とうだいのあったしま花園はなぞのからかえってきたとりかっていってきかせました。
小さな金色の翼 (新字新仮名) / 小川未明(著)
きんうおれた、金光きんびかりのする、ほんとうのうおれた。」と、口々くちぐちにいって、みなそこにあつまってきました。
金の魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「きっと、子供こどものことをおもって、あのやまあらわれたのだろう。」と、みんなは口々くちぐちにいいました。子供こどもらは、天気てんきのいい晩方ばんがたには、西にし国境こっきょうやまほう
牛女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あかとりんでみせろというだけの約束やくそくであったのです」と、子供こどもこたえました。けれどみんなは、口々くちぐち勝手かってなことをわめいて、承知しょうちをしませんでした。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
子供こどもらが、こういって、口々くちぐちたのみましたばかりでなく、おやたちまでいえそとて、松蔵まつぞうをながめていました。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
みんなは、こう口々くちぐちにいいました。そして、これはまさしく運転手うんてんしゅが、むだたのだといいました。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「こんど、とおったときに、どんなかおをしているかよくましょう。」と、みんなは、口々くちぐちにいいました。
うさぎと二人のおじいさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、みんなは、どうしてたすかったか? どうしてかえってきたか? といって、口々くちぐちにたずねました。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「まるできつねにつままれたようなはなしだ。」と、みんなは口々くちぐちにいって、そのれてしまいました。
カラカラ鳴る海 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「どんなひとに、わたしは、つれられてゆきますかしらん。」と、三つの人形にんぎょうは、口々くちぐちにいって、すえのことを空想くうそうしますと、なんとなく、このなかが、あかるく
三つのお人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おい、みんなをつけたがいい、くまをこちらにわたしてはたいへんだ。」と、口々くちぐちにいいました。
幽霊船 (新字新仮名) / 小川未明(著)
子供こどもたちが、さむかぜなか口々くちぐちに、こんなことをいって、かけまわりました。いつしか、国境こっきょうたか山々やまやまのとがったいただきは、ぎんかんむりをかぶったようにゆきがきました。
愛は不思議なもの (新字新仮名) / 小川未明(著)
「どんなとりでもんでみせるなんて、おまえは、うそをつくのだろう? なんで、そんなことがおまえにできてたまるものか!」と、人々ひとびと口々くちぐちにいって冷笑あざわらいました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「たいへんな、ハイカラさんになってきた。」と、みんなは、口々くちぐちにいいはやしたのであります。
日がさとちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
える、える、なるほどあやしげなふねがあすこにまっている!」と、口々くちぐちにいっていました。
カラカラ鳴る海 (新字新仮名) / 小川未明(著)
子供こどもたちは、口々くちぐちにそういって、たちまち、おじいさんの、コリントのまえからはなれて、あちらへはしっていきました。立雄たつおくんも、ひろしくんも、やはりおなじであったのです。
町はずれの空き地 (新字新仮名) / 小川未明(著)
太郎たろうれいおおきなをみはってみちうえって、こちらをています。するとこっちでは、四にん子供こども口々くちぐち太郎たろうをめがけてののしって、ゆきにぎってはげつけました。
雪の国と太郎 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「どうして、こんなたかのぼったのだ。」と、あつまってきた大人おとなたちは、口々くちぐちにいいました。
木に上った子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、三にん口々くちぐち光治こうじをののしりながら、した見返みかえってあっちへいってしまいました。
どこで笛吹く (新字新仮名) / 小川未明(著)
河辺かわべへゆくとおおくの人々ひとびとが、口々くちぐち金色こんじきうおは、まだれないだろうかといっていました。
金の魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
仲間なかまは、口々くちぐちにいって、おじいさんのてゆく姿すがた名残惜なごりおしそうに見送みおくっていました。それから、みんなは、また、自分じぶんたちの仕事しごとにとりかかっていそがしそうにはたらいていました。
なつかしまれた人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「よくちいさいのに、こんなにおどれるものだ。」と口々くちぐちにいって、感歎かんたんしました。そして、いつしか、こころない人々ひとびとまでが財布さいふくちいて、おかねをむしろのうえげたのであります。
ある冬の晩のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おじいさん!」と、子供こどもたちは、いいおともだちをつけたように、口々くちぐちに、何度なんどおな言葉ことばをくりかえして、熱心ねっしん仕事しごとをしているおじいさんの注意ちゅういをひこうとしたのであります。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なんというおもしろいおどりだろう……。」と、みんなは口々くちぐちにいいはやしました。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
みんなが、口々くちぐちさけびました。そして、おじいさんを御輿みこしなかにかつぎこみました。
雪の上のおじいさん (新字新仮名) / 小川未明(著)