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度毎
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たびごと
ふりがな文庫
“
度毎
(
たびごと
)” の例文
その問題が、何か気まずい事の起る
度毎
(
たびごと
)
に、私たち夫婦の間に持ち出されるようになった。もうこれは、だめなんだ、と私は思った。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
いつの間にやらだんだん口が
奢
(
おご
)
って来て、三度の食事の
度毎
(
たびごと
)
に「何がたべたい」「
彼
(
かに
)
がたべたい」と、
歳
(
とし
)
に似合わぬ贅沢を云います。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
然
(
しか
)
もこの小山ほどといふのは、誇張でない、ぎつしりと
隙間
(
すきま
)
のないまでに積まれてゐるので、自分は来る
度毎
(
たびごと
)
に驚き
愕
(
おどろ
)
いたものである。
三年
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
話の落ち行く先は大抵黒部ときまっていた。そして探検の
度毎
(
たびごと
)
に同君の
齎
(
もたら
)
し帰る新しい黒部の秘境に聞き入りつつ私の心は躍った。
黒部川を遡る
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
もちろんそのような家鳴、震動の
度毎
(
たびごと
)
に、麓の百姓に聞いてみても、そんな地震は一向知らぬという話。ナント面妖な話ではないかえ。
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
郷里とは言っても、岸本があの
谿谷
(
たに
)
の間の道を歩いて見たことは数えるほどしか無かった。通る
度毎
(
たびごと
)
に
旧
(
ふる
)
い駅路の跡は変っていた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
これは貨幣鋳造の
度毎
(
たびごと
)
に、分一と言うものを貰う(千分の十、即ち千両の鋳造で十両ずつの所得)
外
(
ほか
)
、いろいろの役得があって
黄金を浴びる女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それに私はさっきから自分の印象をまとめようとしてそれにばかり
夢中
(
むちゅう
)
になっていたので、そんな唸り声にふと気づく
度毎
(
たびごと
)
に
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
坑夫達はそんな風に言って、そこを通りかかる
度毎
(
たびごと
)
に、青の鼻先へ
触
(
さわ
)
ってやるのだった。併し青は、黒い鼻先をほんの
微
(
かす
)
かに
蠢
(
うご
)
めかすだけであった。
狂馬
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
唯
(
ただ
)
のペンを用い出した余は、
印気
(
インキ
)
の切れる
度毎
(
たびごと
)
に
墨壺
(
すみつぼ
)
のなかへ筆を
浸
(
ひた
)
して新たに書き始める
煩
(
わずら
)
わしさに
堪
(
た
)
えなかった。
余と万年筆
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女の意識はだん/\不明瞭になつたが、それでも咯血する
度毎
(
たびごと
)
にその血を吐き出さずに
嚥
(
の
)
みこんだ。而して激しくむせた。頭の毛をかきむしつた。
実験室
(旧字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
不思議なことには証拠が一つ現れる
度毎
(
たびごと
)
に、事件の真相が明かにはならないで、反対に益々ややこしく不明瞭なものになって行く様に思われるのだ。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼
(
かれ
)
の
老躯
(
らうく
)
は
日毎
(
ひごと
)
に
空腹
(
くうふく
)
から
來
(
く
)
る
疲勞
(
ひらう
)
を
醫
(
い
)
する
爲
(
ため
)
に
食料
(
しよくれう
)
を
攝取
(
せつしゆ
)
する
僅
(
わづか
)
な
滿足
(
まんぞく
)
が
其
(
そ
)
の
度毎
(
たびごと
)
に
目先
(
めさき
)
の
知
(
し
)
れてる
彼
(
かれ
)
を
拉
(
らつ
)
して
其
(
そ
)
の
行
(
ゆ
)
く
可
(
べ
)
き
處
(
ところ
)
に
導
(
みちび
)
いて
居
(
ゐ
)
るのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
修復
(
しゆふく
)
の
度毎
(
たびごと
)
に
棟札
(
むねふだ
)
あり、今猶
歴然
(
れきぜん
)
と
存
(
そん
)
す。毘沙門の
御丈
(
みたけ
)
三尺五六寸、
往古
(
わうご
)
椿沢
(
つばきざは
)
といふ村に椿の
大樹
(
たいじゆ
)
ありしを伐て
尊像
(
そんざう
)
を作りしとぞ。
作名
(
さくめい
)
は
伝
(
つたは
)
らずときゝぬ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
十八に
家出
(
いえで
)
をしたまま、いまだに
行方
(
ゆくえ
)
も
知
(
し
)
れない
伜
(
せがれ
)
千
吉
(
きち
)
の
不甲斐
(
ふがい
)
なさは、
思
(
おも
)
いだす
度毎
(
たびごと
)
にお
岸
(
きし
)
が
涙
(
なみだ
)
の
種
(
たね
)
ではあったが、
踏
(
ふ
)
まれた
草
(
くさ
)
にも
花咲
(
はなさ
)
くたとえの
文字通
(
もじどお
)
り
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
彼は打たれたり
蹴
(
け
)
られたりする
度毎
(
たびごと
)
に、ごろごろ地上を転がりまわって、牛の
吼
(
ほ
)
えるような怒声を挙げた。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
だが、その
度毎
(
たびごと
)
に、雪子女史の姿が影のようにつきまとっていたのは、
寧
(
むし
)
ろ悲惨であると云いたかった。
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
機関車が事故を起す
度毎
(
たびごと
)
に、運転乗務員として必ず乗込んでいた二人の気の毒な男があったんです。
とむらい機関車
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
ペルシャの鹿の模様は暫く緞帳の襞の上で、中から突き上げられる
度毎
(
たびごと
)
に脹れ上って揺れていた。
ナポレオンと田虫
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
そして
始終
(
しじゅう
)
、祭壇に燃える火を絶やしてはいけませんでした。ハムーチャは何度か力を落としましたが、その
度毎
(
たびごと
)
に思いあきらめて、ともかく七年間の
修行
(
しゅぎょう
)
を終えました。
手品師
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
曇った空は、いよいよ低く下りて来て、西東、
何方
(
どちら
)
へ吹くとも知れぬ迷った風が、折々さっと吹き下りる。その
度毎
(
たびごと
)
に、破れた蓮の葉は、ひからびた茎の上にゆらゆら動く。
曇天
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
慈悲深き小松殿が、左衞門は善き子を持たれし、と我を見給ふ
度毎
(
たびごと
)
のお言葉を常々人に誇りし我れ、今更乞食坊主の悴を持ちて、いづこに人に
合
(
あは
)
する二つの顏ありと思うてか。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
普通
(
ふつう
)
の
住宅
(
じゆうたく
)
ならば
椅子
(
いす
)
、
衣類
(
いるい
)
で
充滿
(
じゆうまん
)
した
箪笥
(
たんす
)
、
火鉢
(
ひばち
)
、
碁盤
(
ごばん
)
、
將棊盤
(
しようぎばん
)
など、
總
(
すべ
)
て
堅牢
(
けんろう
)
な
家具
(
かぐ
)
ならば
身
(
み
)
を
寄
(
よ
)
せるに
適
(
てき
)
してゐる。これ
等
(
ら
)
の
適例
(
てきれい
)
は
大地震
(
だいぢしん
)
の
度毎
(
たびごと
)
にいくらも
見出
(
みいだ
)
される。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
「おい、
寢
(
ね
)
ちやあ
危
(
あぶな
)
いぞ‥‥」と、
私
(
わたし
)
は
度毎
(
たびごと
)
にハラハラして
彼
(
かれ
)
の
脊中
(
せなか
)
を
叩
(
たた
)
き
著
(
つ
)
けた。が、
瞬間
(
しゆんかん
)
にひよいと
氣
(
き
)
が
附
(
つ
)
いて
足元
(
あしもと
)
を
堅
(
かた
)
めるだけで、また
直
(
す
)
ぐにひよろつき
出
(
だ
)
すのであつた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
名譽
(
めいよ
)
よりも地位よりも妻よりも娘よりも、また自分の命よりも大事な財産は、何か事業を起す
度毎
(
たびごと
)
に幾らかづつ減つた。減る度に大きな
歎息
(
ためいき
)
だ。それでも事業熱は冷めなかつた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
机竜之助が
存生
(
ぞんじょう
)
の者であるかの如く考えたり、そうでなくても、しかるべき系統を伝えて、
竹刀
(
しない
)
の響を立てていることとばかり信じて立寄って来るのですから、その
度毎
(
たびごと
)
に与八は
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
正午
(
ひる
)
になると
毎日
(
まいにち
)
警察署長
(
けいさつしょちょう
)
が、
町尽頭
(
まちはずれ
)
の
自分
(
じぶん
)
の
邸
(
やしき
)
から
警察
(
けいさつ
)
へ
行
(
い
)
くので、この
家
(
いえ
)
の
前
(
まえ
)
を二
頭馬車
(
とうばしゃ
)
で
通
(
とお
)
る、するとイワン、デミトリチはその
度毎
(
たびごと
)
、
馬車
(
ばしゃ
)
が
余
(
あま
)
り
早
(
はや
)
く
通
(
とお
)
り
過
(
す
)
ぎたようだとか
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
翌五年に忠之は、參府の
度毎
(
たびごと
)
に大阪と領國との間を航行するためだと云つて、寶玉丸と云ふ大船を造らせた。又十太夫の組下に附けると云つて、江戸へ屆けずに足輕三百人を募つた。
栗山大膳
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
その頃、正三は持逃げ用の
雑嚢
(
ざつのう
)
を欲しいとおもいだした。警報の
度毎
(
たびごと
)
に彼は風呂敷包を持歩いていたが、兄たちは立派なリュックを持っていたし、康子は肩からさげるカバンを拵えていた。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
殊
(
こと
)
に自分は児童の教員、又た倫理を受持っているので常に忠孝仁義を説かねばならず、善悪邪正を説かねばならず、言行一致が大切じゃと
真面目
(
まじめ
)
な顔で説かねばならず、その
度毎
(
たびごと
)
に怪しく心が騒ぐ。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
請る
而已
(
のみ
)
少
(
すこ
)
しも取上らるゝ事などなく又
差添
(
さしそへ
)
の村役人共も其
度毎
(
たびごと
)
に九助の
仕業
(
しわざ
)
に之なき趣きを申立れども
證據
(
しようこ
)
なき故取
上
(
あげ
)
られず皆々
歎息
(
たんそく
)
の外なかりしに
獨
(
ひとり
)
三五郎は
譜代
(
ふだい
)
の
主筋
(
しうすぢ
)
故何分九助が
無實
(
むじつ
)
の災難を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その頭
低
(
た
)
るる
度毎
(
たびごと
)
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
何度も/\、彼女が頻繁に呼び続けると、その
度毎
(
たびごと
)
にリヽーは返辞をするのであつたが、こんなことは、つひぞ今迄にないことだつた。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
然し謎は
終
(
つい
)
に解かれた。如何なる想像の大飛躍をも妨げなかった謎の秩父奥山は、旅行の
度毎
(
たびごと
)
に輪廓だけを朧げに残して次第に消え失せた。
秩父の奥山
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
……出来過ぎた処がある……ダレた処がある……ああでもない、こうでもいけない……と演出される
度毎
(
たびごと
)
に洗練され、煎じ詰められて来る。
能とは何か
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一つ書き上げる
度毎
(
たびごと
)
に、それを持って、勢い込んで私のところへやって来る。がらがらがらっと、玄関の戸をひどく音高くあけてはいって来る。
散華
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
こんな噂を聴く
度毎
(
たびごと
)
に、美しい下女のお竹は、店中からも世間からも、妙な眼で見られるようになって行ったのです。
奇談クラブ〔戦後版〕:15 お竹大日如来
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかもそれは一晩のうちに何回となく繰り返された。彼はその
度毎
(
たびごと
)
にぞっとしながら、いつも眠った真似をしていた。
恢復期
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
台所の板の間で
他
(
ひと
)
が
顫
(
ふる
)
えていても
一向
(
いっこう
)
平気なものである。吾輩の尊敬する
筋向
(
すじむこう
)
の白君などは
逢
(
あ
)
う
度毎
(
たびごと
)
に人間ほど不人情なものはないと言っておらるる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何か奇人らしい珍妙な手段を考えては、賊の裏をかこうとするのだが、その
度毎
(
たびごと
)
に賊の為に又その裏をかかれて、失敗を繰返しているといった調子でね
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
陣痛が起る
度毎
(
たびごと
)
に産婆は叱るように産婦を励まして、一分も早く産を終らせようとした。然し
暫
(
しばら
)
くの苦痛の後に、産婦はすぐ又深い眠りに落ちてしまった。
小さき者へ
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
修復
(
しゆふく
)
の
度毎
(
たびごと
)
に
棟札
(
むねふだ
)
あり、今猶
歴然
(
れきぜん
)
と
存
(
そん
)
す。毘沙門の
御丈
(
みたけ
)
三尺五六寸、
往古
(
わうご
)
椿沢
(
つばきざは
)
といふ村に椿の
大樹
(
たいじゆ
)
ありしを伐て
尊像
(
そんざう
)
を作りしとぞ。
作名
(
さくめい
)
は
伝
(
つたは
)
らずときゝぬ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
然
(
しか
)
るに
事實
(
じじつ
)
はさうでなく、あのような
悲慘
(
ひさん
)
な
結果
(
けつか
)
の
續發
(
ぞくはつ
)
となつたのであるが、これを
遠
(
とほ
)
く
海外
(
かいがい
)
から
眺
(
なが
)
めてみると、
日本
(
につぽん
)
は
恐
(
おそ
)
ろしい
地震國
(
ぢしんこく
)
である。
地震
(
ぢしん
)
の
度毎
(
たびごと
)
に
大火災
(
だいかさい
)
を
起
(
おこ
)
す
國
(
くに
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
春秋
(
はるあき
)
時候の変り目に降りつゞく
大雨
(
たいう
)
の
度毎
(
たびごと
)
に、
芝
(
しば
)
と
麻布
(
あざぶ
)
の高台から滝のやうに落ちて来る濁水は忽ち
両岸
(
りやうがん
)
に氾濫して、あばら
家
(
や
)
の腐つた土台から
軈
(
やが
)
ては破れた
畳
(
たゝみ
)
までを
浸
(
ひた
)
してしまふ。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
尤
(
もっと
)
もきみ子はあの家の歴史を書いていなかった。あれを建てた
緒方某
(
おがたぼう
)
は千住の旧家で、徳川将軍が
鷹狩
(
たかがり
)
の時、千住で小休みをする
度毎
(
たびごと
)
に、緒方の家が御用を承わることに
極
(
き
)
まっていた。
カズイスチカ
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そのきめの
細
(
こまか
)
い皮膚は、魚のようにねっとりとした
艶
(
つや
)
とピチピチした
触感
(
しょっかん
)
とを持っていた。その白い脛が階段の一つをのぼる
度毎
(
たびごと
)
に、
緋色
(
ひいろ
)
の長い
蹴出
(
けだ
)
しが、
遣瀬
(
やるせ
)
なく
搦
(
から
)
みつくのであった。
階段
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それ/″\の
作家
(
さくか
)
に就て
度毎
(
たびごと
)
に議論をし合ひますが、三人の意見が、例へば前に擧げた四つの作では
完全
(
くわんぜん
)
に一
致
(
ち
)
して居ながら「和解」に於ては全く
違
(
ちが
)
つてゐて、今でもまだ
議論
(
ぎろん
)
をし合ひます。
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
その
度毎
(
たびごと
)
に、おせんの
首
(
くび
)
は
横
(
よこ
)
に
振
(
ふ
)
られて、あったら
玉
(
たま
)
の
輿
(
こし
)
に
乗
(
の
)
りそこねるかと
人々
(
ひとびと
)
を
惜
(
お
)
しがらせて
来
(
き
)
た
腑甲斐
(
ふがい
)
なさ、しかも
胸
(
むね
)
に
秘
(
ひ
)
めた
菊之丞
(
きくのじょう
)
への
切
(
せつ
)
なる
思
(
おも
)
いを、
知
(
し
)
る
人
(
ひと
)
とては
一人
(
ひとり
)
もなかった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
浮き出す
度毎
(
たびごと
)
に、その
無恰好
(
ぶかっこう
)
に大きな頭の赤毛の揺れっぷり、苦しがって潮を吹く口元、きょろきょろと見廻す眼鏡の巨大なのと、その奥の眼の色の異様なのも、物それを少しも怖ろしくしないで
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
私はその後、始終ナオミとダンスに行くようになりましたが、その
度毎
(
たびごと
)
に彼女の欠点が鼻につくので、帰り
途
(
みち
)
にはきっと厭な気持になる。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
度
常用漢字
小3
部首:⼴
9画
毎
常用漢字
小2
部首:⽏
6画
“度”で始まる語句
度
度々
度胆
度胸
度重
度外
度目
度度
度肝
度盛