“雑嚢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ざつのう94.7%
ざつなう5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その中城介は部屋を降りて、土間にかけた雑嚢ざつのうの中から、自分の掌に白い粉末を取出し、宴席に戻って来た。アスピリンに似た結晶粉末である。
狂い凧 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
ああ北海道、雑嚢ざつのうを下げてマントをぐるぐるいてかたにかけて津軽海峡つがるかいきょうをみんなと船でわたったらどんなにうれしいだろう。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
天竺木綿てんぢくもめん、その菓子の包みは置いて行ってもいゝ。雑嚢ざつなうや何かもこゝの芝へおろして置いていゝ行かないものもあるだらうから。
台川 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「先生。おら河童かっぱ捕りしたもや。河童捕り。」藤原健太郎だ。黒の制服を着て雑嚢ざつなうをさげ、ひどくはしゃいで笑ってゐる。どうしていまごろあんな崖の上などに顔を出したのだ。
台川 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)