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壓
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あつ
ふりがな文庫
“
壓
(
あつ
)” の例文
新字:
圧
勘次
(
かんじ
)
は一
度
(
ど
)
整骨醫
(
せいこつい
)
の
門
(
もん
)
を
潜
(
くゞ
)
つてからは、
世間
(
せけん
)
には
這麽
(
こんな
)
に
怪我人
(
けがにん
)
の
數
(
かず
)
が
有
(
あ
)
るものだらうかと
絶
(
た
)
えず
驚愕
(
おどろき
)
と
恐怖
(
おそれ
)
との
念
(
ねん
)
に
壓
(
あつ
)
せられて
居
(
ゐ
)
たが
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
あたかも我等の視力を
壓
(
あつ
)
し、強きに過ぐる光によりてその形を被ひかくす日にむかふ時のごとくにわが力足らざりき 五二—五四
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
老師
(
らうし
)
の
此
(
この
)
挨拶
(
あいさつ
)
に
對
(
たい
)
して、
丁寧
(
ていねい
)
に
禮
(
れい
)
を
述
(
の
)
べて、
又
(
また
)
十日
(
とをか
)
前
(
まへ
)
に
潛
(
くゞ
)
つた
山門
(
さんもん
)
を
出
(
で
)
た。
甍
(
いらか
)
を
壓
(
あつ
)
する
杉
(
すぎ
)
の
色
(
いろ
)
が、
冬
(
ふゆ
)
を
封
(
ふう
)
じて
黒
(
くろ
)
く
彼
(
かれ
)
の
後
(
うしろ
)
に
聳
(
そび
)
えた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
而
(
しか
)
もジリリと心にかぶさつてくる生
活
(
くわつ
)
問題
(
もんだい
)
の重
壓
(
あつ
)
を一方に
擔
(
にな
)
ひながら、
寧
(
むし
)
ろより
悲壯
(
ひそう
)
な
戰
(
たゝか
)
ひを
戰
(
たゝか
)
つてゐると見られぬ事はない。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
といふ話をきいたことがあるが、今の自分はちようど高
壓
(
あつ
)
電流の通ふ
箱
(
はこ
)
の中に
閉
(
と
)
ぢこめられた人間の樣なものであると
考
(
かんが
)
へた。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
▼ もっと見る
恁
(
かゝ
)
る
議論
(
ぎろん
)
に
全然
(
まるで
)
心
(
こゝろ
)
を
壓
(
あつ
)
しられたアンドレイ、エヒミチは
遂
(
つひ
)
に
匙
(
さじ
)
を
投
(
な
)
げて、
病院
(
びやうゐん
)
にも
毎日
(
まいにち
)
は
通
(
かよ
)
はなくなるに
至
(
いた
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
とぼけて
輪
(
わ
)
になれ、その
輪
(
わ
)
に
耳
(
みゝ
)
が
立
(
た
)
つてみゝづくの
影
(
かげ
)
になれ、と
吹
(
ふ
)
かしてゐると、
五月
(
さつき
)
やみが
屋
(
や
)
を
壓
(
あつ
)
し、
波
(
なみ
)
の
音
(
おと
)
も
途絶
(
とだ
)
ゆるか、
鐘
(
かね
)
の
音
(
ね
)
も
聞
(
き
)
こえず、しんとする。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
愉快
(
ゆくわい
)
!
電車
(
でんしや
)
が
景氣
(
けいき
)
よく
走
(
はし
)
り
出
(
だ
)
す、
函嶺
(
はこね
)
諸峰
(
しよほう
)
は
奧
(
おく
)
ゆかしく、
嚴
(
おごそ
)
かに、
面
(
おもて
)
を
壓
(
あつ
)
して
近
(
ちかづ
)
いて
來
(
く
)
る!
輕
(
かる
)
い、
淡々
(
あは/\
)
しい
雲
(
くも
)
が
沖
(
おき
)
なる
海
(
うみ
)
の
上
(
うへ
)
を
漂
(
たゞよ
)
ふて
居
(
を
)
る、
鴎
(
かもめ
)
が
飛
(
と
)
ぶ、
浪
(
なみ
)
が
碎
(
くだ
)
ける
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
明るい灯、廣々とした部屋、それを四方から
壓
(
あつ
)
する空氣も唯事ではありません。
銭形平次捕物控:051 迷子札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
樓に上つて欄によると、湖を
壓
(
あつ
)
して立つてゐる筈の
男體山
(
なんたいざん
)
もぼんやりとして、近き對岸の家々の
燈火
(
ひ
)
も霧のさつと風に拂はれる時は點々と明るく、霧のおほひかゝる時は忽ち薄れ忽ち見えずなつた。
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
戸
(
と
)
を
壓
(
あつ
)
して
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
其
(
その
)
囀
(
さへづ
)
る
聲
(
こゑ
)
を
壓
(
あつ
)
し
去
(
さ
)
らうとして
互
(
たがひ
)
の
身體
(
からだ
)
を
飛
(
と
)
び
越
(
こ
)
え飛び越え
鳴
(
な
)
き
立
(
た
)
てるので
小勢
(
こぜい
)
な
雲雀
(
ひばり
)
はすつとおりて
麥
(
むぎ
)
や
芒
(
すゝき
)
の
根
(
ね
)
に
潜
(
ひそ
)
んで
畢
(
しま
)
ふ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
這麼事
(
こんなこと
)
を
恐
(
おそ
)
れるのは
精神病
(
せいしんびやう
)
に
相違
(
さうゐ
)
なき
事
(
こと
)
、と、
彼
(
かれ
)
も
自
(
みづか
)
ら
思
(
おも
)
ふて
是
(
こゝ
)
に
至
(
いた
)
らぬのでも
無
(
な
)
いが、
偖
(
さて
)
又
(
また
)
考
(
かんが
)
へれば
考
(
かんが
)
ふる
程
(
ほど
)
迷
(
まよ
)
つて、
心中
(
しんちゆう
)
は
愈々
(
いよ/\
)
苦悶
(
くもん
)
と、
恐怖
(
きようふ
)
とに
壓
(
あつ
)
しられる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
金太郎は中學で物理の時間に四
角
(
かく
)
な
檻
(
をり
)
のやうな
針
(
はり
)
金
細
(
さい
)
工の
箱
(
はこ
)
の中に人間を入れておいて、その
箱
(
はこ
)
に高
壓
(
あつ
)
電流を通じても、中の人間は少しも知らないで平然としてゐられる
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
一
(
ひと
)
つ
半鉦
(
ばん
)
の
遠
(
とほ
)
あかり、
其
(
それ
)
も
夢
(
ゆめ
)
に
消
(
き
)
えて、
曉
(
あかつき
)
の
霜
(
しも
)
に
置
(
お
)
きかさぬる
灰色
(
はひいろ
)
の
雲
(
くも
)
、
新
(
あたら
)
しき
障子
(
しやうじ
)
を
壓
(
あつ
)
す。ひとり
南天
(
なんてん
)
の
實
(
み
)
に
色鳥
(
いろどり
)
の
音信
(
おとづれ
)
を、
窓
(
まど
)
晴
(
は
)
るゝよ、と
見
(
み
)
れば、ちら/\と
薄雪
(
うすゆき
)
、
淡雪
(
あはゆき
)
。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
老衰
(
らうすゐ
)
してから
餘計
(
よけい
)
にのつそりした
卯平
(
うへい
)
の
身體
(
からだ
)
は、それでも
以前
(
いぜん
)
のがつしりした
骨格
(
ほねぐみ
)
が
聳
(
そび
)
えて
側
(
そば
)
に
居
(
ゐ
)
る
勘次
(
かんじ
)
を
異樣
(
いやう
)
に
壓
(
あつ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
打
(
う
)
ちつゞく
惡鬼
(
あくき
)
ばらひ、
屋
(
をく
)
を
壓
(
あつ
)
する
黒雲
(
くろくも
)
をぬぐつて、
景氣
(
けいき
)
なほしに「
明月
(
めいげつ
)
」も、しかし
沙汰
(
さた
)
過
(
す
)
ぎるから、せめて「
良夜
(
りやうや
)
」とでも
題
(
だい
)
して、
小篇
(
せうへん
)
を、と
思
(
おも
)
ふうちに……
四五人
(
しごにん
)
のお
客
(
きやく
)
があつた。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
風
(
かぜ
)
の
一息
(
ひといき
)
死
(
し
)
ぬ、
眞空
(
しんくう
)
の
一瞬時
(
いつしゆんじ
)
には、
町
(
まち
)
も、
屋根
(
やね
)
も、
軒下
(
のきした
)
の
流
(
ながれ
)
も、
其
(
そ
)
の
屋根
(
やね
)
を
壓
(
あつ
)
して
果
(
はて
)
しなく
十重
(
とへ
)
二十重
(
はたへ
)
に
高
(
たか
)
く
聳
(
た
)
ち、
遙
(
はるか
)
に
連
(
つらな
)
る
雪
(
ゆき
)
の
山脈
(
さんみやく
)
も、
旅籠
(
はたご
)
の
炬燵
(
こたつ
)
も、
釜
(
かま
)
も、
釜
(
かま
)
の
下
(
した
)
なる
火
(
ひ
)
も、
果
(
はて
)
は
虎杖
(
いたどり
)
の
家
(
いへ
)
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
村
(
むら
)
へ
掛
(
かゝ
)
ると、
降積
(
ふりつも
)
つた
大竹藪
(
おほたけやぶ
)
を
弓形
(
ゆみなり
)
に
壓
(
あつ
)
したので、
眞白
(
まつしろ
)
な
隧道
(
トンネル
)
を
潛
(
くゞ
)
る
時
(
とき
)
、
雀
(
すゞめ
)
が、ばら/\と
千鳥
(
ちどり
)
に
兩方
(
りやうはう
)
へ
飛交
(
とびかは
)
して
小蓑
(
こみの
)
を
亂
(
みだ
)
す
其
(
そ
)
の
翼
(
つばさ
)
に、
藍
(
あゐ
)
と
萌黄
(
もえぎ
)
と
紅
(
くれなゐ
)
の、
朧
(
おぼろ
)
に
蝋燭
(
らふそく
)
に
亂
(
みだ
)
れたのは、
鶸
(
ひわ
)
、
山雀
(
やまがら
)
、
鸞
(
うそ
)
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
旅客
(
りよきやく
)
は
眉
(
まゆ
)
を
壓
(
あつ
)
する
山
(
やま
)
又
(
また
)
山
(
やま
)
に
眉
(
まゆ
)
を
蔽
(
おほ
)
はれた
状
(
さま
)
に、
俯目
(
ふしめ
)
に
棚
(
たな
)
の
荷
(
に
)
を
探
(
さぐ
)
り
取
(
と
)
つたが、
笛
(
ふえ
)
の
鳴
(
な
)
る
時
(
とき
)
、
角形
(
かくがた
)
の
革鞄
(
かばん
)
に
洋傘
(
かうもり
)
を
持添
(
もちそ
)
へると、
決然
(
けつぜん
)
とした
態度
(
たいど
)
で、つか/\と
下
(
お
)
りた。
下
(
お
)
り
際
(
しな
)
に、
顧
(
かへり
)
みて
彼
(
かれ
)
に
會釋
(
ゑしやく
)
した。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
壓
部首:⼟
17画
“壓”を含む語句
壓迫
壓倒
壓伏
氣壓
壓搾
壓力
威壓
壓付
壓制
壓迫感
壓附
壓潰
水壓打鋲機
抑壓
強壓
巖壓
空氣壓搾喞筒
威壓力
空氣壓搾喞筒等
血壓
...