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一昨日
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をとゝひ
ふりがな文庫
“
一昨日
(
をとゝひ
)” の例文
一昨日
(
をとゝひ
)
笹野新三郎から用意のために手渡された金、將軍樣の命に
關
(
かゝは
)
らうと言ふ場合ですから、
物惜
(
ものをし
)
みなどをして居る時ではありません。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昨日
(
きのふ
)
も芋
一昨日
(
をとゝひ
)
も芋で今夜も芋だ。おれは芋は大好きだと明言したには相違ないが、かう立てつゞけに芋を食はされては命がつゞかない。
坊っちやん
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
で、
又
(
また
)
今
(
いま
)
見
(
み
)
る
疵
(
きず
)
が
一昨日
(
をとゝひ
)
や
昨夜
(
ゆうべ
)
怪我
(
けが
)
をしたものとは
見
(
み
)
えぬ、
綺麗
(
きれい
)
に
癒
(
い
)
えて、
生
(
うま
)
れつき
其處
(
そこ
)
だけ、
毛
(
け
)
の
色
(
いろ
)
の
變
(
かは
)
つて
見
(
み
)
えるやうなのに
悚然
(
ぎよつと
)
した。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
己
(
お
)
れは
其樣
(
そん
)
な
物
(
もの
)
は
貰
(
もら
)
ひたくない、お
前
(
まへ
)
その
好
(
い
)
い
運
(
うん
)
といふは
詰
(
つま
)
らぬ
處
(
ところ
)
へ
行
(
ゆ
)
かうといふのではないか、
一昨日
(
をとゝひ
)
自家
(
うち
)
の
半次
(
はんじ
)
さんが
左樣
(
さう
)
言
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
たに
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「もう、あのモデルの方をお使ひになつた画は二枚ともお仕上げになつたやうでございます。女の人は
一昨日
(
をとゝひ
)
からもう入らつしやいません。」
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
▼ もっと見る
莫斯科
(
モスコオ
)
まで
後
(
あと
)
がもう
五晩
(
いつばん
)
あると思つて溜息を
吐
(
つ
)
いたり、
昨日
(
きのふ
)
も
一昨日
(
をとゝひ
)
も出したのに又子供達に出す葉書を書いたりして居た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
そして、「陳述書」を五分も十分もかゝつて讀んでしまふと、「馬鹿野郎。
一昨日
(
をとゝひ
)
來い!」と、どなつて、それを石山の膝に投げかへしてよこした。
防雪林
(旧字旧仮名)
/
小林多喜二
(著)
三藏は
一昨日
(
をとゝひ
)
手紙を鶴子さんに手渡しする時初めて自分の使が格段な意味のものであることを了解したやうな譯で、思はず手を頭にやつて恐縮する。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
貴女
(
あなた
)
に話すのを忘れてゐた。此間中頭が重いので、
一昨日
(
をとゝひ
)
、近藤に診て貰ふと、神経衰弱の気味らしいと云ふのだ。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
一昨日
(
をとゝひ
)
の晩も『浪の家』から、電話ぢや
能
(
よ
)
く解らないツてんで
態々
(
わざ/\
)
使者
(
ひと
)
まで来たぢやないか、何が面白くて湖月などにグヅついてたんだ、帰つたと
思
(
お
)
もや
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
見兼ての
深切
(
しんせつ
)
先年の
恩報
(
おんがへ
)
しなりとて
一昨日
(
をとゝひ
)
夕方
(
ゆふがた
)
に廿五兩と云金子を
調達
(
てうだつ
)
して持參致されし譯ゆゑ何も別に
不審
(
ふしん
)
に思はるゝ事は是なしと金の出所を
白地
(
あからさま
)
に
咄
(
はな
)
すを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
きのふも
一昨日
(
をとゝひ
)
も仕事を休んでゐたのですけれど、もう
數
(
かぞ
)
へ
日
(
び
)
になつて來て、お出入先から毎日の催促があるので、今日はたうとう朝から仕事に出て行つたんですよ。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
昨日
(
きのふ
)
、
一昨日
(
をとゝひ
)
はこの町にある榊神社の祭禮で、近年にない賑ひでした。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
立
(
たゝ
)
んとするに左の足痛みて一歩も引きがたしコハ
口惜
(
くちをし
)
と我手に
揉
(
もみ
)
つ
擦
(
さす
)
りつして漸やく五六町は我慢したれど
終
(
つひ
)
に
堪
(
こら
)
へきれずして車
乘詰
(
のりづめ
)
の貴族旅となりぬ雨は上りたれど
昨日
(
きのふ
)
も
一昨日
(
をとゝひ
)
も降り續きたる
泥濘
(
ぬかるみ
)
に車の輪を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
「
一昨日
(
をとゝひ
)
の晩だつたかしら、和蘭屋敷で。あそこにはそれはほしいものがうんとあつてよ。あいつ等は
狒々
(
ひゝ
)
だから、妾達がほしいと云へば垢だらけの襦袢とだつて何でも交換してくれるわ。此指輪だつてさうよ。」
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
男優C 僕は、
一昨日
(
をとゝひ
)
の晩、あれ見に行つたよ。
職業(教訓劇)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
尤
(
もつと
)
も
一昨日
(
をとゝひ
)
は遠方から入る金があつて、
宵
(
よひ
)
に一寸開けましたが——え、え、それはもう前からわかつてゐたことで御座いますとも
銭形平次捕物控:154 凧の詭計
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
和田垣博士と僕とが氏の
出立前
(
しゆつたつぜん
)
に
其
(
その
)
飛行場へ一度案内して貰ふ約束をして置いたので
一昨日
(
をとゝひ
)
の午後風の無さ
相
(
さう
)
な空を見込んで氏の下宿を尋ねると
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
坂井
(
さかゐ
)
が
一昨日
(
をとゝひ
)
の
晩
(
ばん
)
、
自分
(
じぶん
)
の
弟
(
おとゝ
)
を
評
(
ひやう
)
して、
一口
(
ひとくち
)
に「
冒險者
(
アドヹンチユアラー
)
」と
云
(
い
)
つた、その
音
(
おん
)
が
今
(
いま
)
宗助
(
そうすけ
)
の
耳
(
みゝ
)
に
高
(
たか
)
く
響
(
ひゞ
)
き
渡
(
わた
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
我夫
(
あなた
)
、
仮睡
(
たぬき
)
などキメ込んでる時ぢやありませんよ、
一昨日
(
をとゝひ
)
もネ、
私
(
わたし
)
、兄の所で松島さんにお目に掛かつてチヤンと御約束して来たんです、念の為と思つたから
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
何
(
なん
)
ぞや
跡
(
あと
)
もかたも
無
(
な
)
き
戀
(
こひ
)
に
磯
(
いそ
)
の
鮑
(
あはび
)
の只
一人
(
ひとり
)
もの
思
(
おも
)
ふとは、
心
(
こゝろ
)
の
問
(
と
)
はんもうら
恥
(
はづ
)
かし、
人知
(
ひとし
)
らぬ
心
(
こゝろ
)
の
惱
(
なや
)
みに、
昨日
(
きのふ
)
一昨日
(
をとゝひ
)
は
雪三
(
せつざう
)
が
訪問
(
おとづれ
)
さへ
嫌忌
(
うるさ
)
くて、
詞
(
ことば
)
多
(
おほ
)
くも
交
(
か
)
はさゞりしを
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
家ではつい
一昨日
(
をとゝひ
)
あたりまであきが少し熱があつて、学校も二三日休んで寝てたんですよ。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
此
(
この
)
度
(
たび
)
のは、
一昨日
(
をとゝひ
)
の
朝
(
あさ
)
から
懸
(
かゝ
)
つた
仕事
(
しごと
)
で、ハヤ
其
(
その
)
半
(
なかば
)
を
挽
(
ひ
)
いた。
丈
(
たけ
)
四
間半
(
けんはん
)
、
小口
(
こぐち
)
三
尺
(
じやく
)
まはり
四角
(
しかく
)
な
樟
(
くすのき
)
を
眞二
(
まつぷた
)
つに
割
(
わ
)
らうとするので、
與吉
(
よきち
)
は十七の
小腕
(
こうで
)
だけれども、
此
(
この
)
業
(
わざ
)
には
長
(
た
)
けて
居
(
ゐ
)
た。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
咄
(
はな
)
すべしと云に
女房
(
にようばう
)
お政は
夫
(
をつと
)
の歸りしを見て是は
好所
(
よきところ
)
へ御歸りなり今久兵衞さんが來られて餘り
無法
(
むはふ
)
な事を
言懸
(
いひかけ
)
らるゝにより思はず大きな聲を出せしなり
其譯
(
そのわけ
)
は
一昨日
(
をとゝひ
)
良人
(
あなた
)
が
質物
(
しちもつ
)
の日延を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「お忘れになつたの?
一昨日
(
をとゝひ
)
の晩のことですよ。」
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
一昨日
(
をとゝひ
)
の夕方小屋の外で俺を呼留めたのは、それを言ふつもりだつたらしいが、俺の顏を見ると氣が變つて默り込んでしまつた。
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一昨日
(
をとゝひ
)
の晩晶子を
伴
(
つ
)
れて画家の
江内
(
えうち
)
と一緒に僕が行つた時は、土曜の夜
丈
(
だけ
)
あつて九時過ぎに
最
(
も
)
う客が一ぱいに成つて居た。
後
(
あと
)
から来た客は皆立つて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
一昨日
(
をとゝひ
)
佐伯
(
さへき
)
から
屆
(
とゞ
)
けて
呉
(
く
)
れた。
御父
(
おとう
)
さんの
持
(
も
)
つてたもので、おれの
手
(
て
)
に
殘
(
のこ
)
つたのは、
今
(
いま
)
ぢや
是
(
これ
)
だけだ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
雪子
(
ゆきこ
)
が
繰
(
くり
)
かへす
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
は
昨日
(
きのふ
)
も
今日
(
けふ
)
も
一昨日
(
をとゝひ
)
も、
三月
(
みつき
)
の
以前
(
いぜん
)
も
其前
(
そのまへ
)
もさらに
異
(
ことな
)
る
事
(
こと
)
をば
言
(
い
)
はざりき、
唇
(
くちびる
)
に
絶
(
た
)
えぬは
植村
(
うゑむら
)
といふ
名
(
な
)
、ゆるし
給
(
たま
)
へと
言
(
い
)
ふ
言葉
(
ことば
)
、
學校
(
がくかう
)
といひ、
手紙
(
てがみ
)
といひ、
我罪
(
わがつみ
)
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
見て成程某の
連
(
つれ
)
なり
奴
(
きやつ
)
護摩灰
(
ごまのはひ
)
ならんにより
糺
(
たゞ
)
し呉れんと思ひし處とう/\今宵
引捕
(
ひつとら
)
へたり一
體
(
たい
)
此奴
(
こやつ
)
某が連にはあらねども
一昨日
(
をとゝひ
)
戸塚
(
とつか
)
境
(
ざか
)
ひの燒持坂より連に成りたいとて
尾
(
つけ
)
來
(
きた
)
りし者なるが
生國
(
しやうこく
)
は近江の由なれど江戸へ商ひに出し歸りにて是より名古屋へ
回
(
まは
)
り其後京大坂へ
仕入
(
しいれ
)
に
上
(
のぼ
)
るにより供を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一昨日
(
をとゝひ
)
の晩あの人混みの中で、曲者が捨てた匕首の鞘なんか、橋の上に何時までも
逗留
(
とうりう
)
してゐるわけはないぢやありませんか。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
待
(
ま
)
てば
甘露
(
かんろ
)
といふけれど
己
(
お
)
れなんぞは
一日々々
(
いちにち/\
)
厭
(
いや
)
な
事
(
こと
)
ばかり
降
(
ふ
)
つて
來
(
き
)
やがる、
一昨日
(
をとゝひ
)
半次
(
はんじ
)
の
奴
(
やつ
)
と
大喧嘩
(
おほげんくわ
)
をやつて、お
京
(
きやう
)
さんばかりは
人
(
ひと
)
の
妾
(
めかけ
)
に
出
(
で
)
るやうな
腸
(
はらわた
)
の
腐
(
くさ
)
つたのではないと
威張
(
ゐば
)
つたに
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「えゝ
漸
(
やうや
)
くね、あなた。
一昨日
(
をとゝひ
)
の
晩
(
ばん
)
歸
(
かへ
)
りましてね。
夫
(
それ
)
でつい/\
御返事
(
ごへんじ
)
も
後
(
おく
)
れちまつて、まことに
濟
(
す
)
みません
樣
(
やう
)
な
譯
(
わけ
)
で」と
云
(
い
)
つたが、
返事
(
へんじ
)
の
方
(
はう
)
は
夫
(
それ
)
なりにして、
話
(
はなし
)
は
又
(
また
)
安之助
(
やすのすけ
)
へ
戻
(
もど
)
つて
來
(
き
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それぢや、
一昨日
(
をとゝひ
)
の晩、店の者か、通ひの若い衆で、外へ泊つた者はないだらうか。ちよつと調べて貰ひたいが——」
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
珍
(
めづ
)
らしやお
高
(
たか
)
さま
今日
(
けふ
)
の
御入來
(
おいで
)
は
如何
(
どう
)
いふ
風
(
かぜ
)
の
吹
(
ふき
)
まはしか
一昨日
(
をとゝひ
)
のお
稽古
(
けいこ
)
にも
其前
(
そのまへ
)
もお
顏
(
かほ
)
つひにお
見
(
み
)
せなさらずお
師匠
(
ししやう
)
さまも
皆
(
みな
)
さまも
大抵
(
たいてい
)
でないお
案
(
あん
)
じ
日
(
ひ
)
がな
一日
(
いちにち
)
お
噂
(
うはさ
)
して
居
(
をり
)
ましたと
嬉
(
うれ
)
しげに
出迎
(
でむか
)
ふ
稽古
(
けいこ
)
朋輩
(
ほうばい
)
錦野
(
にしきの
)
はな
子
(
こ
)
と
呼
(
よ
)
ばれて
醫學士
(
いがくし
)
の
妹
(
いもと
)
博愛
(
はくあい
)
仁慈
(
じんじ
)
の
聞
(
きこ
)
えたかき
兄
(
あに
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「それぢや、これだけ聞かしてくれ、——
一昨日
(
をとゝひ
)
のあの時刻に、三千兩の結納が馬で來るのを知つて居たのは誰と誰だ」
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あつ、成程、こいつは參つた、——もう一つ、
一昨日
(
をとゝひ
)
の晩、お前達二人は、兩國橋へ花火を見に行つたんだつてね」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「旦那樣が夜中にお歸りになつたのは、先月の十日と二十三日と二十八日と、今月になつてから三日と七日、それから
一昨日
(
をとゝひ
)
の晩だけでございますよ」
銭形平次捕物控:170 百足屋殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「御用人樣、金太郎樣
一昨日
(
をとゝひ
)
の御召物に、何にかお氣付のことはございませんか——今お召しになつてゐるのではなく、その前のでございますが——」
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一昨日
(
をとゝひ
)
の晩夜中近い頃、母屋の
此方
(
こつち
)
寄りの部屋——土藏に一番近いところに寢て居る主人が、變な物音がするやうだと言つて、寢卷の上に
袢纒
(
はんてん
)
を引つかけて
銭形平次捕物控:154 凧の詭計
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
一昨日
(
をとゝひ
)
の晩、お孃さんが此家へ泊つたのは、叔母さんの望みだつたらしいが、あの時何んか打ち開けた話があつたに違ひない、それを打ち開けて下さいな」
銭形平次捕物控:296 旅に病む女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「父さん、皆んな申上げた方が宜いでせう。どうせわかることだし、兄さんは
一昨日
(
をとゝひ
)
から居ないんだから」
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
外へ御出ししない事になつて居たのぢや。昨日も
一昨日
(
をとゝひ
)
も、その前の日も、若殿樣は表裏の門を一歩も外へ出られなかつたことは、我々首に
賭
(
か
)
けて誓言しても宜い
銭形平次捕物控:186 御宰籠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一昨日
(
をとゝひ
)
の晩、自分の部屋から、雨戸をそつと開けて外へ出てゐる。奉公人達は皆んな知つて居るが、傳七郎は
亥刻
(
よつ
)
から先時々自分の部屋をあけることがあるさうだ。
銭形平次捕物控:154 凧の詭計
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「え、そ、さうですよ。何うして
一昨日
(
をとゝひ
)
なくなつた私の紙入れが、そんな所に落ちて居たんでせう」
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「すると、この墓は早くて
一昨日
(
をとゝひ
)
葬
(
はうむ
)
つたんだが、昨日の大夕立の後で、又掘り返して居ますぜ」
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一昨日
(
をとゝひ
)
一と晩伊三郎の後を追つて死なうとして、繼母のお
酉
(
とり
)
を手古摺らせたくらゐですから、その靜かで上品な外貌は、思ひの外なる熱烈な性格を包んでゐることは疑ひもありません。
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一昨日
(
をとゝひ
)
の夕方炭屋から持つて來た炭俵の中に隱してあつたんだから文句はありません。——その炭俵を音羽の長屋の者にやるとか何んとか言つて、自分で持出したは宜いが、中に千兩箱を
銭形平次捕物控:121 土への愛著
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一昨日
(
をとゝひ
)
の晩は、内儀の心盡しで
犒
(
ねぎら
)
ひの酒が出て、島五六郎はほろ醉機嫌で宵のうちに指ヶ谷町の自宅に歸つたが、後には用人川前市助が殘つて、主人千本金之丞と共に、床の間に据ゑた品々を
銭形平次捕物控:204 美女罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一昨日
(
をとゝひ
)
の大夕立の眞最中、往來には人つ子一人ゐず、家と言ふ家は、雨戸も窓も皆んな閉めきつてゐる時、自分の家の物干から屋根へ飛び降り、踊り舞臺の足場を渡つて、この路地へ飛び込み
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“一昨日”の意味
《名詞》
一昨日(おととい、おとつい、いっさくじつ、いっさくにち)
今日より二日前であり、一昨昨日の次の日。
(出典:Wiktionary)
“一昨日”の解説
一昨日(いっさくじつ、おととい、おとつい、en: day before yesterday)とは、昨日の前の日、すなわち今日より2日前の日である。
(出典:Wikipedia)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
昨
常用漢字
小4
部首:⽇
9画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“一昨”で始まる語句
一昨年
一昨々日
一昨夜
一昨々年
一昨昨日
一昨
一昨晩
一昨昨夜