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賊
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ぞく
ふりがな文庫
“
賊
(
ぞく
)” の例文
飯「そんな事をするには及ばない、内々の者に、百両の金を取る程の器量のある者は一人もいない、
他
(
ほか
)
から
這入
(
はい
)
った
賊
(
ぞく
)
であろう」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此間
(
このあひだ
)
生
(
うま
)
れた
末
(
すゑ
)
の
男
(
をとこ
)
の
子
(
こ
)
が、
乳
(
ちゝ
)
を
呑
(
の
)
む
時刻
(
じこく
)
が
來
(
き
)
たものか、
眼
(
め
)
を
覺
(
さ
)
まして
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
したため、
賊
(
ぞく
)
は
書齋
(
しよさい
)
の
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
けて
庭
(
には
)
へ
逃
(
に
)
げたらしい。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
という調子です。氏のこの言葉は氏のその時の心理の一部を語るものでしょうが、
一体
(
いったい
)
は氏は怖くて
賊
(
ぞく
)
が追えなかったのです。
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
鞍馬
(
くらま
)
の夜叉王は、鞍馬山のおくにいる
賊
(
ぞく
)
のかしらでした。
堅田
(
かただ
)
の
観音様
(
かんのんさま
)
の像のことをきいて、悪いことをたくらみました。
長彦と丸彦
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「それは間違いありませんよ。ごらんなさい。これはその寝室の小さいテーブルの上に残してあった
賊
(
ぞく
)
の置き手紙です」
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
命
(
みこと
)
はこんなにして、お
道筋
(
みちすじ
)
の
賊
(
ぞく
)
どもをすっかり
平
(
たい
)
らげて、
大和
(
やまと
)
へおかえりになり、天皇にすべてをご
奏上
(
そうじょう
)
なさいました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「わたしにとれば父をころした悪人。伊那丸さまにはお
家
(
いえ
)
の
賊
(
ぞく
)
、八つざきにしてもあきたりない
悪党
(
あくとう
)
でござります」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
斯
(
かく
)
て立花左仲は
危
(
あやふ
)
くも此所を
逃
(
のが
)
れ漸々命は助りしと云ふものゝ盜み得し金は
賊
(
ぞく
)
の爲に
奪
(
うば
)
はれ路用にせよとて投出せし
僅
(
わづ
)
か一分の金を拾ひ取心細くも夜の道を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
王はおん
自
(
みずか
)
ら
太刀
(
たち
)
を
振
(
ふる
)
って防がれたけれども、ついに
賊
(
ぞく
)
のために
斃
(
たお
)
れ給い、賊は王の
御首
(
みしるし
)
と神璽とを
奪
(
うば
)
って
逃
(
に
)
げる
途中
(
とちゅう
)
、雪に
阻
(
はば
)
まれて
伯母
(
おば
)
ヶ
峰
(
みね
)
峠
(
とうげ
)
に行き暮れ
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
この
馬
(
うま
)
に
乘
(
の
)
りしが
大將
(
たいしやう
)
と
説明
(
はな
)
せば、
雀躍
(
こをどり
)
して
喜
(
よろこ
)
び、
僕
(
ぼく
)
も
成長
(
おほきく
)
ならば
素晴
(
すば
)
らしき
大將
(
たいしやう
)
に
成
(
な
)
り、
賊
(
ぞく
)
などは
何
(
なん
)
でもなく
討
(
う
)
ち、そして
此樣
(
このやう
)
に
書物
(
ほん
)
に
記
(
か
)
かれる
人
(
ひと
)
に
成
(
な
)
りて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「そうだねえ、大事件といえば、この頃銀座の××宝石商を襲った
賊
(
ぞく
)
はいまだに逮捕されないじゃないか。どうだね、あの事件など、紫外線では解決できぬかね」
紫外線
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
「善く身を
処
(
しょ
)
する者は、必らず世に処す。善く世に処せざるは、身を
賊
(
ぞく
)
する者なり。善く世に処する者は、必らず
厳
(
げん
)
に身を修む。
厳
(
げん
)
に身を修めざるは世に
媚
(
こ
)
ぶる者なり」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
先生。牛丸君がかどわかされたことも、実はこの宝さがしに関係があると思うんです。そしてほんとうは、ぼくが連れていかれるはずのところ、
賊
(
ぞく
)
はまちがって牛丸君を
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
或
(
あ
)
る
年
(
とし
)
の
冬
(
ふゆ
)
は
雪沓
(
ゆきぐつ
)
を
穿
(
は
)
いて、
吉備国
(
きびのくに
)
から
出雲国
(
いずものくに
)
への、
国境
(
くにざかい
)
の
険路
(
けんろ
)
を
踏
(
ふ
)
み
越
(
こ
)
える。
又
(
また
)
或
(
あ
)
る
年
(
とし
)
の
夏
(
なつ
)
には
焼
(
や
)
くような
日光
(
ひ
)
を
浴
(
あ
)
びつつ
阿蘇山
(
あそざん
)
の
奥深
(
おくふか
)
くくぐり
入
(
い
)
りて
賊
(
ぞく
)
の
巣窟
(
そうくつ
)
をさぐる。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
これではその子を教育するのではなくて
賊
(
ぞく
)
するのですから、私はある時大臣に教育法というものはこういうものである、擲ぐるのはよくないということを充分説明しました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
この大切なる鍵を泥棒に渡しその宝を奪われて、初めてその過ちを
覚
(
さと
)
るとは何事ぞ。立憲的国民としてこれほど君主に対して不忠実なることは無いのである。君恩を
賊
(
ぞく
)
するというものだ。
選挙人に与う
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
素
(
もと
)
より女ながら一死を
賭
(
と
)
して、
暴虐
(
ぼうぎゃく
)
なる政府に抗せんと志したる
妾
(
わらわ
)
、勝てば官軍
敗
(
ま
)
くれば
賊
(
ぞく
)
と昔より相場の
極
(
きま
)
れるを、虐待の、無情のと、今更の如く
愚痴
(
ぐち
)
をこぼせしことの恥かしさよと
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
禪師
(
ぜんじ
)
、
斬
(
き
)
られたる
其
(
そ
)
の
首
(
くび
)
を
我手
(
わがて
)
に
張子
(
はりこ
)
の
面
(
めん
)
の
如
(
ごと
)
く
捧
(
さゝ
)
げて、チヨンと、わけもなしに
項
(
うなじ
)
のよき
處
(
ところ
)
に
乘
(
の
)
せて、
大手
(
おほで
)
を
擴
(
ひろ
)
げ、
逃
(
に
)
ぐる
數十
(
すうじふ
)
の
賊
(
ぞく
)
を
追
(
お
)
うて
健
(
すこやか
)
なること
鷲
(
わし
)
の
如
(
ごと
)
し。
尋
(
つい
)
で
瘡
(
きず
)
癒
(
い
)
えて
死
(
し
)
せずと
云
(
い
)
ふ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ご
機嫌
(
きげん
)
をとるために負けてさしあげるのは主君をあざむくへつらい武士です。
風上
(
かざかみ
)
におけん。しかし、内藤君、君心あれば臣心あり。すべて君臣
主従
(
しゅじゅう
)
貴賤
(
きせん
)
上下
(
しょうか
)
の別をわすれるものは
乱臣
(
らんしん
)
賊
(
ぞく
)
子ですぞ。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
若
(
も
)
し
此方
(
こなた
)
強
(
つよ
)
ければ
其
(
その
)
賊
(
ぞく
)
輩
(
ども
)
を
鏖殺
(
みなごろし
)
にする
事
(
こと
)
も
出來
(
でき
)
るのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「なんの
賊
(
ぞく
)
などでませうぞ」
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
賊
(
ぞく
)
はエレベーターの計略が、てっきり成功するものと信じきっていたのですから。顔色をかえるほどおどろいたのも、けっしてむりではありません。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「なあ、龍巻。てめえとおれとは、その昔、天下を二分するような元気で別れたんだが、おたがいに、いつまでケチな
賊
(
ぞく
)
の
頭領
(
かしら
)
じゃしようがないなあ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この時
賊
(
ぞく
)
は
周章
(
しゅうしょう
)
の余り、有り合わせたる
鉄瓶
(
てつびん
)
を春琴の頭上に投げ付けて去りしかば、雪を
欺
(
あざむ
)
く
豊頬
(
ほうきょう
)
に熱湯の
余沫
(
よまつ
)
飛び散りて
口惜
(
くちお
)
しくも一点
火傷
(
やけど
)
の
痕
(
あと
)
を
留
(
とど
)
めぬ。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
存て居るやと云へば私し事
未
(
いま
)
だ傳吉妻と
相成
(
あひなら
)
ざる前野尻宿與惣次方に居し時傳吉こと
江戸
(
えど
)
より國元へ歸り候とて與惣次方へ
泊
(
とま
)
りしに
途中
(
とちう
)
より
賊
(
ぞく
)
に付られ難儀の由私しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
さうして
今朝
(
けさ
)
早
(
はや
)
く
來
(
き
)
た
刑事
(
けいじ
)
の
話
(
はなし
)
をし
始
(
はじ
)
めた。
刑事
(
けいじ
)
の
判定
(
はんてい
)
によると、
賊
(
ぞく
)
は
宵
(
よひ
)
から
邸内
(
ていない
)
に
忍
(
しの
)
び
込
(
こ
)
んで、
何
(
なん
)
でも
物置
(
ものおき
)
かなぞに
隱
(
かく
)
れてゐたに
違
(
ちがひ
)
ない。
這入口
(
はいりくち
)
は
矢張
(
やは
)
り
勝手
(
かつて
)
である。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
燈火
(
ともしび
)
の
下
(
もと
)
に
書物
(
しよもつ
)
を
開
(
ひ
)
らき、
膝
(
ひざ
)
に
抱
(
いだ
)
きて
畫
(
ゑ
)
を
見
(
み
)
せ、これは
何時何時
(
いつ/\
)
の
昔
(
むか
)
し
何處
(
どこ
)
の
國
(
くに
)
に、
甚樣
(
じんさま
)
のやうな
剛
(
つよ
)
き
人
(
ひと
)
ありて、
其時代
(
そのとき
)
の
帝
(
みかど
)
に
背
(
そむ
)
きし
賊
(
ぞく
)
を
討
(
う
)
ち、
大功
(
たいこう
)
をなして
此畫
(
このゑ
)
は
引上
(
ひきあげ
)
の
處
(
ところ
)
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あなやと
思
(
おも
)
う
間
(
ま
)
もなく、
猛火
(
もうか
)
は
賊
(
ぞく
)
の
隠
(
かく
)
れた
反対
(
はんたい
)
の
草叢
(
くさむら
)
へ
移
(
うつ
)
ってまいりました……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「それは
恐
(
おそ
)
るべき
賊
(
ぞく
)
のしるしだ。
烏啼天駆
(
うていてんく
)
という怪賊があるが知っているかね」
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
後
(
のち
)
に
煬帝
(
やうだい
)
遼東
(
れうとう
)
を
攻
(
せ
)
むる
時
(
とき
)
、
梯子
(
はしご
)
を
造
(
つく
)
りて
敵
(
てき
)
の
城中
(
じやうちう
)
を
瞰下
(
みおろ
)
す。
高
(
たか
)
さ
正
(
まさ
)
に
十五丈
(
じふごぢやう
)
。
沈光
(
ちんくわう
)
其
(
そ
)
の
尖端
(
とつさき
)
に
攀
(
よ
)
ぢて
賊
(
ぞく
)
と
戰
(
たゝか
)
うて
十數人
(
じふすうにん
)
を
斬
(
き
)
る。
城兵
(
じやうへい
)
這奴
(
しやつ
)
憎
(
にく
)
きものの
振舞
(
ふるまひ
)
かなとて、
競懸
(
きそひかゝ
)
りて
半
(
なか
)
ばより、
梯子
(
はしご
)
を
折
(
くじ
)
く。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ほかでもないが、これから
富士
(
ふじ
)
の
人穴
(
ひとあな
)
へいって、そこに住みおる
和田呂宋兵衛
(
わだるそんべえ
)
という
賊
(
ぞく
)
のかしらに会うのじゃ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鴫沢
(
しぎさわ
)
てる女その他二三の人の話によると
賊
(
ぞく
)
はあらかじめ台所に
忍
(
しの
)
び
込
(
こ
)
んで火を起し湯を
沸
(
わ
)
かした後
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
所持
(
しよぢ
)
し候を見付られ
斯
(
かく
)
の
仕合
(
しあはせ
)
全く
賊
(
ぞく
)
の爲に
切害
(
せつがい
)
せられ候なるべしと申上ければ
濱奉行
(
はまぶぎやう
)
も是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一体、身代金請求なんて一時代前の古くさい犯罪で、今時、こんな真似をする奴は、よっぽど間抜けな
賊
(
ぞく
)
ですよ。それに、従来この手で成功した例は、
殆
(
ほとん
)
どないといってもよい位です
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「よく知りませんが、今、我々のほうへ向かってくる宇宙の
賊
(
ぞく
)
のことですか」
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
うろたえた
賊
(
ぞく
)
が所持の短刀で初代を刺し、そのまま手提袋を持って逃亡した。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
禁園
(
きんえん
)
の
賊
(
ぞく
)
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勿論
(
もちろん
)
運転手に化けた
賊
(
ぞく
)
の一味、その道の心得あるものに相違なかった。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
“賊”の意味
《名詞》
(ゾク)盗犯や強盗。
(出典:Wiktionary)
賊
常用漢字
中学
部首:⾙
13画
“賊”を含む語句
盗賊
盜賊
海賊
山賊
海賊船
小賊
女賊
賊名
烏賊
木賊
鼠賊
兇賊
掏賊
賊寨
賊魁
土賊
侠賊
海賊旗
馬賊
曹賊
...