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美
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うつくし
ふりがな文庫
“
美
(
うつくし
)” の例文
英吉君、
能
(
あた
)
うべくは、我意を体して、より
美
(
うつくし
)
く、より清き、第二の家庭を建設せよ。人生意気を感ぜずや——云々の意を
認
(
したた
)
めてあった。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
我等は天地萬物を
美
(
うつくし
)
うする神の微妙の
御働
(
みはたらき
)
を見、諸天の影響を下界に及ぼしこれを導いて向上せしめ給ふ神の善き攝理を認む
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
始終の
憂
(
うき
)
に
瘁
(
やつ
)
れたる宮は決して
美
(
うつくし
)
き色を減ぜざりしよ。彼がその美しさを変へざる限は夫の愛は
虧
(
か
)
くべきにあらざりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
少年の父も唸るような吐息を洩しながら眺めていると、舞台の上の色や形はさまざまの
美
(
うつくし
)
い錦絵をひろげてゆく。
島原の夢
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
われは彼女主人の
美
(
うつくし
)
かりしをおもひ出で、又彼
海神
(
ポセイドン
)
祠
(
し
)
の
畔
(
ほとり
)
なる
瞽女
(
ごぜ
)
の美しかりしをおもひ出でしが、その背後には心と身と皆美しかりしアヌンチヤタありて
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
ゆゑに
縐布
(
しゞみぬの
)
といひたるを、はぶきてちゞみとのみいひつらん
歟
(
か
)
。かくて
年
(
とし
)
歴
(
ふ
)
るほどに猶
工
(
たくみ
)
になりて、地を
美
(
うつくし
)
くせんとて今の
如
(
ごと
)
くちゞみは名のみに
残
(
のこ
)
りしならん。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
移
(
うつ
)
り
易
(
やす
)
い
美
(
うつくし
)
さを、
移
(
うつ
)
さずに据ゑて置く手段が、もう尽きたと画家から注意された様に
聞
(
きこ
)
えたからである。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
学円 何が今まで我慢が出来よう、
鐘堂
(
つりがねどう
)
も知らない前に、この
美
(
うつくし
)
い水を見ると、
逆蜻蛉
(
さかとんぼ
)
で口をつけて、手で
引掴
(
ひッつか
)
んでがぶがぶと。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
江戸に正月せし人の
話
(
はなし
)
に、市中にて見上るばかり松竹を
飾
(
かざり
)
たるもとに、
美
(
うつくし
)
く
粧
(
よそほ
)
ひたる娘たち
彩
(
いろどり
)
たる
羽子板
(
はごいた
)
を持て
並
(
なら
)
び立て羽子をつくさま、いかにも大江戸の春なりとぞ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「
好
(
い
)
い、好い、全く好い!
馬士
(
まご
)
にも
衣裳
(
いしよう
)
と
謂
(
い
)
ふけれど、
美
(
うつくし
)
いのは衣裳には及ばんね。物それ
自
(
みづか
)
らが美いのだもの、着物などはどうでも
可
(
い
)
い、実は何も着てをらんでも可い」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
さそくに後を
犇
(
ひし
)
と閉め、立花は
掌
(
たなそこ
)
に据えて、
瞳
(
ひとみ
)
を寄せると、軽く
捻
(
ひね
)
った
懐紙
(
ふところがみ
)
、
二隅
(
ふたすみ
)
へはたりと解けて、三ツ
美
(
うつくし
)
く包んだのは、菓子である。
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
江戸に正月せし人の
話
(
はなし
)
に、市中にて見上るばかり松竹を
飾
(
かざり
)
たるもとに、
美
(
うつくし
)
く
粧
(
よそほ
)
ひたる娘たち
彩
(
いろどり
)
たる
羽子板
(
はごいた
)
を持て
並
(
なら
)
び立て羽子をつくさま、いかにも大江戸の春なりとぞ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「それぢやお連様がいらしつて見て、お年寄か、お友達なら
宜
(
よろし
)
う御座いますけれど、もしも、ねえ、
貴方
(
あなた
)
、お
美
(
うつくし
)
い方か何かだつた日には、それこそ旦那は大変で御座いますね」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
素顔に口紅で
美
(
うつくし
)
いから、その色に
紛
(
まが
)
うけれども、可愛い
音
(
ね
)
は、唇が鳴るのではない。お
蔦
(
つた
)
は、
皓歯
(
しらは
)
に
酸漿
(
ほおずき
)
を含んでいる。……
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あゝ、あの
柳
(
やなぎ
)
に、
美
(
うつくし
)
い
虹
(
にじ
)
が
渡
(
わた
)
る、と
見
(
み
)
ると、
薄靄
(
うすもや
)
に、
中
(
なか
)
が
分
(
わか
)
れて、
三
(
みつ
)
つに
切
(
き
)
れて、
友染
(
いうぜん
)
に、
鹿
(
か
)
の
子
(
こ
)
絞
(
しぼり
)
の
菖蒲
(
あやめ
)
を
被
(
か
)
けた、
派手
(
はで
)
に
涼
(
すゞ
)
しい
裝
(
よそほひ
)
の
婦
(
をんな
)
が三
人
(
にん
)
。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その英吉が、金の
性
(
しょう
)
、お妙が、土性であることは、あらかじめお蔦が
美
(
うつくし
)
い指の節から、
寅卯戌亥
(
とらういぬい
)
と繰出したものである。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
月の光が行通れば、
晃々
(
きらきら
)
と
裳
(
もすそ
)
が揺れて、両の足の
爪先
(
つまさき
)
に、
美
(
うつくし
)
い
綾
(
あや
)
が立ち、月が
小波
(
ささなみ
)
を渡るように、
滑
(
なめら
)
かに
襞襀
(
ひだ
)
を打った。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
膚
(
はだ
)
を
蔽
(
おほ
)
うたとも
見
(
み
)
えないで、
美
(
うつくし
)
い
女
(
をんな
)
の
顏
(
かほ
)
がはらはらと
黒髮
(
くろかみ
)
を、
矢張
(
やつぱ
)
り、
同
(
おな
)
じ
絹
(
きぬ
)
の
枕
(
まくら
)
にひつたりと
着
(
つ
)
けて、
此方
(
こちら
)
むきに
少
(
すこ
)
し
仰向
(
あをむ
)
けに
成
(
な
)
つて
寢
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
ます。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何しろ、
美
(
うつくし
)
い像だけは事実で。——俗間で、
濫
(
みだり
)
に扱うべきでないと、もっともな分別です。すぐに
近間
(
ちかま
)
の山寺へ——浜方一同から預ける事にしました。
半島一奇抄
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
浅くて一面だから、見た処は沼の
真中
(
まんなか
)
へ立った姿で、何だか幻の中を
行
(
ゆ
)
く、天の川でも渡るようで、その時ふとまた
美
(
うつくし
)
い色が、薄濁った水に映った——
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
紅茸
(
べにたけ
)
と言うだあね、
薄紅
(
うすあこ
)
うて、白うて、
美
(
うつくし
)
い綺麗な
婦人
(
おんな
)
よ。あれ、知らっしゃんねえがな、この位な事をや。」
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ある晩、
腕車
(
くるま
)
でお乗込み、天上ぬけに
美
(
うつくし
)
い、と評判ばかりで、
私等
(
わしら
)
ついぞお姿も見ませなんだが、下男下女どもにも口留めして、
秘
(
かく
)
さしったも道理じゃよ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
旅客は娘に引添うて、横から胸を抱くように、
美
(
うつくし
)
い手袋で、白い前掛を払いながら、親身の
妹
(
いもと
)
に語るごとく
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ただ
陸
(
くが
)
は貴い。けれども、我が海は、この水は、一
畝
(
うね
)
りの波を起して、その陸を浸す事が出来るんだ。ただ貴く、
美
(
うつくし
)
いものは
亡
(
ほろ
)
びない。……中にも貴女は美しい。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
成程
(
なるほど
)
、
近々
(
ちか/″\
)
と
見
(
み
)
ると、
白
(
しろ
)
い
小
(
ちひ
)
さな
花
(
はな
)
の、
薄
(
うつす
)
りと
色着
(
いろづ
)
いたのが
一
(
ひと
)
ツ
一
(
ひと
)
ツ、
美
(
うつくし
)
い
乳首
(
ちゝくび
)
のやうな
形
(
かたち
)
に
見
(
み
)
えた。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何
(
なに
)
ね、
今
(
いま
)
から、二三
年
(
ねん
)
、
然
(
さ
)
うだねえ、
彼
(
か
)
れこれ四
年
(
ねん
)
には
成
(
な
)
るづらか。
東京
(
とうきやう
)
から
来
(
き
)
なさつたな、そりや、
何
(
ど
)
うも
容子
(
やうす
)
たら、
容色
(
きりやう
)
たら、そりや
何
(
ど
)
うも
美
(
うつくし
)
い
若
(
わか
)
い
奥様
(
おくさま
)
がな。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
はあ、はあ、旦那様も
夫人
(
おくさま
)
も御存じ。あの鳩のような
美
(
うつくし
)
い目をした、さよう。手前などへも、手の
入
(
い
)
ります時は、ちょいちょいお給仕の手伝いに参りますが、腕白でな。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「嘘を
吐
(
つ
)
くもんでェねえ。なに
美
(
うつくし
)
い水があんべい。井戸の水は
真蒼
(
まっさお
)
で、小川の水は白濁りだ。」
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それをこう
視
(
なが
)
めた時、いつもとろとろと、眠りかけの、あの草の上、樹の下に、
美
(
うつくし
)
い色の水を見る、描いたるごとき
夢幻
(
ゆめうつつ
)
の境、前世か、後世か、ある処の一面の絵の景色が
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
勝手
(
かつて
)
に
木像
(
もくざう
)
を
刻
(
きざ
)
まば
刻
(
きざ
)
め、
天晴
(
あつぱ
)
れ
出来
(
でか
)
したと
思
(
おも
)
ふなら、
自分
(
じぶん
)
に
其
(
それ
)
を
女房
(
にようぼう
)
のかはりにして、
断念
(
あきら
)
めるが
分別
(
ふんべつ
)
の
為処
(
しどころ
)
だ。
見事
(
みごと
)
だ、
美
(
うつくし
)
いと
敵手
(
あひて
)
を
強
(
し
)
ゆるは、
其方
(
そつち
)
の
無理
(
むり
)
ぢや、
分
(
わか
)
つたか。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
美
(
うつくし
)
い
婦
(
をんな
)
の
木像
(
もくざう
)
さ
又
(
また
)
遣直
(
やりなほ
)
すだね。えゝ、お
前様
(
めえさま
)
、
対手
(
あひて
)
が
七六
(
しちむづ
)
ヶしいだけに
張合
(
はりえゝ
)
がある……
案山子
(
かゝし
)
ぢや
成
(
な
)
んねえ。
素袍
(
すはう
)
でも
着
(
き
)
た
徒
(
てあひ
)
が
玉
(
たま
)
の
輿
(
こし
)
持
(
も
)
つて、へい、お
迎
(
むかへ
)
、と
下座
(
げざ
)
するのを
作
(
つく
)
らつせえ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
何
(
なに
)
か、
美
(
うつくし
)
い
魔法
(
まはふ
)
で、
水
(
みづ
)
を
澄
(
す
)
ませて
従
(
したが
)
へさへ
出来
(
でき
)
さうに、
銀鍋
(
ぎんなべ
)
の
何
(
なん
)
となくバスケツトの
裡
(
うち
)
に
透
(
す
)
く
光
(
ひかり
)
を、
友染
(
いうぜん
)
のつゝみにうけて、
袖
(
そで
)
に
月影
(
つきかげ
)
を
映
(
うつ
)
すかと
思
(
おも
)
ふ、それも、
思
(
おも
)
へばしめやかであつた。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
この路を
後
(
あと
)
へ取って返して、今
蛇
(
へび
)
に
逢
(
あ
)
ったという、その
二階屋
(
にかいや
)
の
角
(
かど
)
を曲ると、左の方に
脊
(
せ
)
の高い
麦畠
(
むぎばたけ
)
が、なぞえに低くなって、一面に
颯
(
さっ
)
と拡がる、
浅緑
(
あさみどり
)
に
美
(
うつくし
)
い
白波
(
しらなみ
)
が
薄
(
うっす
)
りと
靡
(
なび
)
く
渚
(
なぎさ
)
のあたり
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
粧飾
(
めか
)
す時に、
薄
(
うっす
)
らと裸体に巻く宝ものの
美
(
うつくし
)
い
衣服
(
きもの
)
だよ。これは……
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
父
(
ちゝ
)
が
此
(
こ
)
の
処
(
ところ
)
を
巡廻
(
じゆんくわい
)
した
節
(
せつ
)
、
何処
(
どこ
)
か
山蔭
(
やまかげ
)
の
小
(
ちひ
)
さな
堂
(
だう
)
に、
美
(
うつくし
)
い
二十
(
はたち
)
ばかりの
婦
(
をんな
)
の、
珍
(
めづら
)
しい
彫像
(
てうざう
)
が
有
(
あ
)
つたのを、
私
(
わたくし
)
の
玩弄
(
おもちや
)
にさせうと、
堂守
(
だうもり
)
に
金子
(
かね
)
を
遣
(
や
)
つて、
供
(
とも
)
のものに
持
(
も
)
たせて
帰
(
かへ
)
つたのを、
他
(
ほか
)
に
姉妹
(
きやうだい
)
もなし
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
公子 いや、
住居
(
すまい
)
をしている。色彩は皆活きて動く。けれども、人は知らないのだ。人は見ないのだ。見ても見ない
振
(
ふり
)
をしているんだから、決して人間の
凡
(
すべ
)
てを貴いとは言わない、
美
(
うつくし
)
いとは言わない。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
優
(
やさ
)
しく
美
(
うつくし
)
く書いたのがあった。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“美”の解説
この記事では美・美しい(び・うつくしい、el: καλόν カロン、la: venustas, bellus、fr: beauté、en: beauty)について解説する。同義として 【麗しい/▽美しい】 (うるわしい)という用語ある。
(出典:Wikipedia)
美
常用漢字
小3
部首:⽺
9画
“美”を含む語句
美人
美味
美女
美麗
甘美
華美
優美
美貌
美術館
美酒
美妙
美男
虞美人草
美男子
美神
美鳥
褒美
美濃
美作
美々
...