をさ)” の例文
御米およねなほした。宗助そうすけ途方とはうれて、發作ほつさをさまるのをおだやかにつてゐた。さうして、ゆつくり御米およね説明せつめいいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いはく、『百くわんをさめ、萬民ばんみんしたしましめ、(九一)府庫ふこたすは、いづれぞ』と。ぶんいはく、『かず』と。
しかるに御老職ごらうしよく末席ばつせきなる恩田杢殿方おんだもくどのかた一家内いつかないをさまり、妻女さいぢよていに、子息しそくかうに、奴婢ぬひともがらみなちうに、陶然たうぜんとして無事ぶじなることあたか元日ぐわんじつごとくらされさふらふ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
乍去さりながら日本人にほんじん從來じゆうらい習慣しふくわんでありませうが、斯樣かやうことめて無頓着むとんちやくおほい。責任せきにんおもんずるのねんとぼしい。獨立どくりつしてものをさめてくといふことすこしもい。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
梅子さん、教会の為の宗教は未練なくお棄てなさい、原因ををさめない慈善事業は偽善者に御一任なさい、富の集中、富の不平均、れが単一なる物質的問題とは何事です
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
をさこ、をさこ、と見とがめられ、その雜誌を音高く店の疊に投げつけて家まで飛んではしつて來たことがあつたけれど、さういふやりそこなひもまた私をひどく眠らせなかつた。
思ひ出 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)
あの親切しんせつやさしいかたふてはわるいけれど若旦那わかだんなさへかつたらおぢやうさまも御病氣ごびやうきになるほどの心配しんぱいあそばすまいに、左樣さういへば植村樣うゑむらさまかつたら天下てんか泰平たいへいをさまつたものを
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「なんだか無事にをさまりさうもないな。」草香君は例の如くにやにやして居る。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)
五二百姓おたからつとめてたなつものを出し、工匠等たくみらつとめてこれを助け、商賈あきびとつとめてこれかよはし、おのれおのれが五三なりをさめ家を富まして、みおやを祭り子孫のちはかる外、人たるもの何をかさん。ことわざにもいへり。
つけるなどとは必竟ひつきやうお熊殿の取扱とりあつかひ惡きゆゑおこる事なり何はもあれ兎角とかく家の丸くをさまるがよければ何事も堪忍かんにんあり隱居いんきよあるべしとすゝめけるにお常は大いに立腹りつぷくして一々云あらそひ氣に入ぬむこなれば地面ぢめん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ことに樂浪郡らくろうぐん役所やくしよのあつたところは、今日こんにち平壤へいじようみなみ大同江だいどうこうむかぎしにあつて、ふる城壁じようへきのあともありますが、支那しなから派遣はけんせられた役人やくにんがこゝにとゞまつて朝鮮ちようせんをさめてゐたのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
神祕なる王國を汝の手にしてをさむるやう
をさまれる世の事無ことなさに
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
されば外見よそみには大分限だいぶげんごとくなれど、其實そのじつ清貧せいひんなることをそれがし觀察仕くわんさつつかまつりぬ。此人このひとこそ其身そのみをさまりてよくいへをさまれるにこそさふらはめ、かなら治績ちせきべくとぞんさふらふ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かんがへろとはれゝば、かんがへないでもないが、それは一應いちおう腹痛ふくつうをさまつてからのことでなくては無理むりであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
依頼心いらいしんおほくて、憤發心ふんぱつしんすくなくて、秩序ちつぢよとか整理せいりとかいふ觀念くわんねんとぼしくて、どうして複雜ふくざつ社會しやくわいつていへをさめてくことが出來できやうかとおもくらゐであります。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
ここおい韓非かんぴ、((韓王ノ))くにをさむるに、その法制はふせい修明しうめいし・(四七)いきほひつてもつその臣下しんかぎよし・くにましへいつようして・もつひともとけんにんずるをつとめず
致させしに胸先むねさきより小腹せうふくの邊りへ一二しんうついなや立所に全快致しけり勇右衞門は持病ぢびやうゆゑ寒暖かんだんに付ておこる時は急にをさまらぬ症なるに城富の鍼治しんぢにて早速快氣こゝろよくなりける故大いに喜び紙につゝみて金二百疋を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
秦王しんわうもつしかりとし、(一一八)くだしてをさめしむ。李斯りしひとをして(一一九)くすりおくらしめ、自殺じさつせしむ。韓非かんぴみづか(一二〇)ちんぜんとほつすれどもまみゆるをざりき。
齒痛しつうおのづからをさまつたので、あきおそはれるやうさむ氣分きぶんは、すこかるくなつたけれども、やがて御米およね隱袋ぽつけつとからして粉藥こぐすりを、ぬるいてもらつて、しきりに含嗽うがひはじめた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
くてあしたくれをさむ。すべ一七日いちしちにちじゆつるとしようし、でて昌黎しやうれいたいして、はじめてぢたるいろあり。いはく、うらむらくはせつおそきこと一月ひとつきなり、ときすでふゆにしておもふがまゝならずと。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
昭矦せうこうもつしやうし、うち政教せいけうをさめ、ほか諸矦しよこうおうずること十五ねん申子しんしをはるまで、くにをさまりへいつよく、かんをかものかりき。申子しんしがくは、(四二)黄老くわうらうもとづき、(四三)刑名けいめいしゆとせり。