“御身:おんみ” の例文
“御身:おんみ”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花9
吉川英治6
芥川竜之介4
国枝史郎3
福田英子2
“御身:おんみ”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 工芸 > 工芸16.7%
文学 > 英米文学 > 小説 物語(児童)15.8%
哲学 > 心理学 > 超心理学・心霊研究9.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「おお軍師ぐんし。こののちはかならず御身おんみのことばにそむくまい。どうか寄手よせてのやつらを防ぎやぶってくれ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御身おんみとて何時いつまでか父母の家にとどまり得べき、幸いの縁談まことに良縁と覚ゆるに、早く思い定めよかしと
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
つまくがごとくんば、御身おんみにくかれ、われはらわたつ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
来方こしかたは我にもあり、ただ御身おんみは髪黒く、顔白きに、我はかしらあおく、つらの黄なるのみ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大儀じゃろうが一さし頼む。わしひさしぶりで可懐なつかしい、御身おんみの姿で、若師匠の御意を得よう。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なお典獄は威儀おごそかに、御身おんみの罪は大赦令によりて全く消除せられたれば、今日より自由の身たるべし。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
然らずは一殺多生いっせつたしょうの理に任せ、御身おんみを斬つて両段となし、唐津藩当面の不祥を除かむ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ただし御身おんみつつがなきやう、わらはが手はいつも銃の口に、と心をめた手紙を添へて、両三にち以前に御使者ごししゃ到来。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
(ただ一口試みられよ、さわやかな涼しいかんばしい酒の味がする、)と云うに因って、客僧、御身おんみはなおさら猶予ためらう、手が出ぬわ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「念のために承わる。今しがた、御門前を騒がしたるあの下郎共は、御身おんみが家臣でござろうな」
ひとしくくちそろへて『御身おんみこのしま漂着へうちやく次第しだいくわしく物語ものがたたまへ。』といふので
御身おんみ健康けんかう憂慮きづかひて、一時あるとき御前ごぜん罷出まかりい
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みこと御身おんみうえあんじわびてりましたが、そのうちほうからきゅうにめらめらとひろがる野火のび
そこでそのオホハツセの王のお側の人たちが、「變つた事をいう御子ですから、お氣をつけ遊ばせ。御身おんみをもお堅めになるがよいでしよう」と申しました。
「不意に失礼なお訊ねではあるが、もしや御身おんみは、唐草銀五郎という者ではござらぬか」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「こは何事にござります! 千金の御身おんみにござりまする! こは何事にござります!」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
公使がこの命を伝ふる時余にひしは、御身おんみ若し即時に郷に帰らば、路用を給すべけれど、若し猶こゝに在らんには、公の助をば仰ぐべからずとのことなりき。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「與謝野の君、火のありと申すなれば、とにかく御身おんみ一つの用意ばしなさせ給へ。」
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
お通に申残し参らせ候、御身おんみと近藤重隆殿とは許婚いいなずけ有之これあり
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「もはや用事はござりませぬ。……駕籠でお送り致しましょう。……さて最後に申し上げたいは、今夜のことご他言ご無用。もし口外なされる時は御身おんみのためよくござらぬ」
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「尊敬するフーラー博士よ。戦はこれまでなり。降伏せられよ。そして、世界科学のために、生きられよ。我は、御身おんみを憎まず。ただ御身のすぐれたる頭脳を惜しむのだ。」
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
我は我の思わくありと決定けつじょうし、置手紙にお辰少許すこしばかりの恩をかせ御身おんみめとらんなどするいやしき心は露持たぬ由をしたた
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
俊寛は、いな御身おんみの父の成親なりちか卿こそ、真の発頭人である。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
それには聯合国側の各元首の御身おんみうへを調べなければならぬ。
「はっ。臣下と致しましては、只もう、只々もう殿の御身おんみが……」
老中の眼鏡 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
「知らぬこととはもうせ、飛んだ粗相そそうをいたした。どうかゆるしてくれい、そこで、あらためて聞きたいが、御身おんみはその手紙にある果心居士かしんこじのお弟子でしか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一太刀斬附きりつくれば、お村ははツと我に返りて、「殿、覚えておはせ、御身おんみが命を取らむまで、わらはは死なじ」と謂はせも果てず、はたとかうべ討落うちおとせば
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
『不思議をおあらわしになる旅の方々かたがた御身おんみ達は何人なにびとであらせられますか?』フィリーモンは、さきにボーシスが驚いたよりもなお一層驚いて、そう叫びました。
——この涙の谷にうめき泣きて、御身おんみに願いをかけ奉る。
黒衣聖母 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
(わしの加担がなくば、御身おんみの力のみでは何もなし得まい)
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天皇は非常におなげきになって、どうしたらよいか、神のお告げをいただこうとおぼしめして、御身おんみきよめて、つつしんでお寝床ねどこの上にすわっておいでになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
何とぞ、貴女の、御身おんみからいたいて、人にはやされ、小児こどもたちに笑われませぬ、白蔵王はくぞうす法衣ころものこなし、古狐の尾の真実の化方をおん教えに預りたい……
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御身おんみらの上に少しでも平和あれかしと私は祈っている。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
御身おんみらの上に少しでも平和あれかしと私は祈っている。
朝鮮の友に贈る書 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
家ごとに変わるは家風、御身おんみには言って聞かすまでもなけれど、構えて実家さとを背負うて先方さきへ行きたもうな、片岡浪は今日限り亡くなって今よりは川島浪よりほかになきを忘るるな。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
かつは親御様の前、別して御尊父に忍んで遊ばす姫御前ひめごぜん御身おんみに対し、別事あってならぬと存じ、御遠慮を申すによって、わざと夜陰を選んで参りますものを、何としてこの暗いに。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さるにても御身おんみは、什麼そも何処いずこの犬なれば、かかる処にに漂泊さまよひ給ふぞ。最前よりかみあひ見るに、世にも鋭き御身が牙尖きばさきそれがし如きが及ぶ処ならず。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
御身おんみして国家の安泰を祈られたのである。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
□○子よ、御身おんみは今はたいかにおはすや。笑止やわれはなほ御身をへり。さはれ、ああさはれとてもかかる世ならばわれはただ一人恋うて一人泣くべきに、何とて御身をわずらはすべきぞ。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「おゝ御館おやかたでは、藤のつぼねが、我折がおれ、かよわい、女性にょしょう御身おんみあまつさただ一人にて、すつきりとしたすゞしき取計とりはからひを遊ばしたな。」
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
神樣かみさま佛樣ほとけさま奧樣おくさま日出雄樣ひでをさま御身おんみをおたすください。』とさけんだまゝ狂氣きやうきごとくにはしつた。
あまりに御氣おきつまりて千金せんきん御身おんみにさはりとも相成あひならむ。折節をりふしなにをがな御慰おんなぐさみあそばされむことねがはしくさふらふ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
づ其の絵巻物を披見して、御身おんみの因果を明らめ参らせむと、六美女の手をきて立ち去らむとする折しもあれ、松の陰より現はれ出でし半面鬼相の荒くれ武士、物をも云はず虹汀に斬りかゝる。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
御身おんみ木彫きぼりるかな。』
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御身おんみたけは五尺七寸位ございます。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「アア。それではいくらたずねても、行方が知れんわけだ。何の罪も、後ろ暗いところもないのに、御身おんみはなんで、身を隠してなどおるのか。なぜ早く、鶉坂のわしの所へは、尋ねて来てくれんのじゃ」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やどれとは御身おんみいかなるひと時雨 同
古池の句の弁 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
其の御心の強さに、彌増いやます思ひに堪へ難き重景さま、世に時めく身にて、霜枯しもがれ夜毎よごとに只一人、憂身うきみをやつさるゝも戀なればこそ、横笛樣、御身おんみはそを哀れとはおぼさずか。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
御身おんみは何という仕合せ者だろう!
「万一の事に遭遇そうぐうして、われらの斬り死になすはいと易いが、殿のお体はまだまだ充分でないし、片脚のきかぬ御身おんみを以ては、とても敵地を駆け抜けることは難しい。……一体どこを通るが、最もご無事か?」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
汽笛高く響きし時、青年は急ぎ乙女の手を堅く握り、言わんとして言うあたわず、乙女がわずかに『御身おんみを大切に』と声もきれぎれに言うや『君こそ、君こそ、必ず心たしかに忍びたまえ、手紙を忘れたもうな。必ず……。』
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
今郷里の両親に御身おんみ懐胎くわいたいの事を報ぜんには、両親とても直ちに結婚発表を迫らるべし、発表は容易なれども、自分の位地として、又御身おんみの位地として相当の準備なくてはかなはず、第一病婦の始末だに
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)
御身おんみるとおり、こちらの世界せかいではこころ純潔じゅんけつな、まよいのすくないものはそのまま側路わきみちらず、すぐに産土神うぶすなのかみのお手元てもときとられる。
——御身おんみ過去くわこ遠々とほ/″\より女の身であつたが、このをとこ(入道)が娑婆しやばでの最後で、御前おまへには善智識ぜんちしきだから、思ひだす度ごとに法華經の題目だいもくをとなへまゐらせよ。
御身おんみは。」
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……世の中かきくらして晴るる心地なくはべり。……さても三人みたり一つ島に流されけるに、……などや御身おんみ一人残り止まり給うらんと、……都には草のゆかりも枯れはてて、……当時は奈良の伯母御前の御許おんもとに侍り。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
既にして梅子は涙の顔をもたげぬ「篠田さんお叱りを受けますかは存じませぬが、暫時しばし御身おんみを潜めて下ださることはかなひませぬか、——別段御耻辱と申すことでも御座いませんでせう——犬に真珠をお投げなさらずとも——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
せめては御荷物なりとかつぎて三戸野みどの馬籠まごめあたりまで御肩を休ませ申したけれどそれもかなわず、こう云ううちにも叔父様帰られては面倒めんどう、どの様な事申さるゝか知れませぬ程にすげなく申すも御身おんみため
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
さては国に大乱でも起ったか、おおやけ叛逆人はんぎやくにんでも出来たかと思うて、三門をあけさせた。それになんじゃ。御身おんみが家の下人の詮議せんぎか。当山は勅願の寺院で、三門には勅額をかけ、七重の塔には宸翰金字しんかんこんじの経文がおさめてある。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「清くて読み奉らるる時には、かみ梵天帝釈ぼんてんたいしゃくよりしも恒河沙こうがしゃの諸仏菩薩まで、ことごと聴聞ちょうもんせらるるものでござる。よって翁は下賤げせんの悲しさに、御身おんみ近うまいる事もかない申さぬ。今宵は——」と云いかけながら
道祖問答 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
つぎなる證人しようにんべ』それから王樣わうさまひくこゑ女王樣ぢよわうさまに、『實際じつさい、あの、御身おんみつぎなる證人しようにん相手方あひてかた證人しようにん詰問きつもんしなければならない。ひど頭痛づつうがしてた!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
そのほか、八月十四日の昼には、天文に通じている家来の才木茂右衛門さいきもえもんと云う男が目付めつけへ来て、「明十五日は、殿の御身おんみに大変があるかも知れませぬ。昨夜さくや天文を見ますと、将星が落ちそうになって居ります。どうか御慎み第一に、御他出なぞなさいませんよう。」と、こう云った。
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「人の身の上はわが上とこそ思え。人恋わぬ昔は知らず、とつぎてより幾夜か経たる。赤き袖の主のランスロットを思う事は、御身おんみのわれを思う如くなるべし。贈り物あらば、われも十日を、二十日はつかを、帰るを、忘るべきに、ののしるはいやし」とアーサーは王妃のかたを見て不審の顔付である。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
宗家相続の問題以来、将軍吉宗様はちだいさまと尾張家とは、面白くない関係あいだがらとなりまして、宗春様が年若の御身おんみで、早くご隠居なされましたのも、そのためからでございますし、ご禁制の大船を造られましたのも、吉宗様はちだいさまに対する欝忿うっぷん晴らし、そのためだったように思われます。
怪しの者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
今夜のことご他言無用、もし他言なされる時は御身おんみのためよろしくござらぬと、痩せた老人に注意されたのを、その翌日他愛なく破り、一切紋太郎にぶちまけたので、その祟りが来たのでもあろうか、(いや、そうでもないらしいが)とにかく専斎の身の上に一つの喜悲劇が起こったのはそれから間もなくのことであった。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
御身おんみは、手勢二千をひきつれ、江を渡って、烏林の小路に深くかくれ、こよい四更の頃、曹操が逃げ走ってきたなら、前駆の人数はやりすごし、その半ばを中断して、存分に討ち取れ。——さは云え、残らず討ちとめんとしてはならん。また、逃げるは追うな。頃あいを計って、火を放ち、あくまで敵の中核に粉砕を下せ」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老女は男の容姿を暫し眺め居たりしが微笑ほゝゑみながら、『扨も笑止の事も有るものかな、西八條を出づる時、色清いろきよげなる人の妾を捉へて同じ事を問はれしが、あれは横笛よこぶえとて近き頃御室おむろさとより曹司そうししに見えし者なれば、知る人なきもことわりにこそ、御身おんみは名を聞いて何にし給ふ』。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)